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2006/06/03 [Sat] 14:58:40 » E d i t
共謀罪創設問題について、与党が民主党案を丸のみするとして採決の可能性があるとの報道がありましたが、2日、一転して継続審議の見通しとなったと報道されました。
この共謀罪審議の迷走振りについて書かれた記事を引用して、コメントしてみたいと思います。


1.東京新聞(平成18年6月3日付朝刊26面)には、次のような記事が載っています。

共謀罪審議迷走 『条約批准なら何でも』

 国会で与野党が紛糾している共謀罪創設をめぐり、その必要性をこれまで訴え続けてきた閣僚らから、2日になって手のひらを返すような発言が相次いでいる。与党側が民主党修正案の『丸のみ』を前日に表明したため、整合性をとるためのようだが、関係者からは『これまでの国会審議での主張はうそだったのか』と、閣僚らの“変節”に怒りの声が上がっている。

 『実務の面では不都合はない』。2日午前、閣僚後の記者会見で、杉浦法相は事もなげに語った。

 発言は、共謀罪の適用を『国際的な性格を持つ犯罪に限る』とした民主党案の場合、振り込め詐欺には適用されなくなるのではないか――とする質問への答え。振り込め詐欺は、杉浦法相が衆院法務委員会で、共謀罪の早期創設の大義名分としてたびたび取り上げていた犯罪例だった。

 『振り込め詐欺のような組織的な犯罪による重大な被害が発生することを未然に防止し、国民の安心と安全を確保することにも役立つ』。4月下旬の委員会答弁で、こうPRしていた杉浦法相だが、2日の会見では『共謀罪が適用されなくてもできる』と語った。

 『(民主党案で)法が成立したときには、外務省としても条約締結に向け、努力する所存です』。

 2日午後、野党議員抜きで再開された同委員会で、塩崎恭久外務副大臣が麻生太郎外相から託された書面を読み上げた。

 共謀罪の創設は、国連が採択した国際組織犯罪防止条約の締結に伴う国内法整備として、政府が提案している。書面は、麻生外相が同日午前、記者会見で『民主党案のままでは条約を批准できない』とこれまでの政府の立場を繰り返して野党から猛反発を受けたため、発言の『真意』を記したものという。

 政府側は民主党案が、共謀罪の適用犯罪を『懲役・禁固4年以上』としたり、『国際的な性格を持つ犯罪に限る』とした点について『民主党案は条約違反になり、条約は締結できない』と、頑として受け付けてこなかった経緯がある。

 こうした一連の発言について、反対派の論陣を張ってきた海渡雄一弁護士は『これまでの国会答弁は虚偽だったことを自ら認める発言だ。とにかく条約さえ批准すればなんでもいい、という姿勢があらわになった』と批判している。」




なかなか見事な変節振りです。与党の方針に従って、閣僚は突如として見解を変更しなければならないのですから、大変といえば大変といえるとは思います。

それにしても、杉浦法相の発言には驚きです。

「共謀罪の適用を『国際的な性格を持つ犯罪に限る』とした民主党案の場合、振り込め詐欺には適用されなくなるのではないか」という質問に対して、

実務の面では不都合はない

とか、
「振り込め詐欺のような組織的な犯罪による重大な被害が発生することを未然に防止」することが、

共謀罪が適用されなくてもできる


というのですから。
反対派の論陣を張ってきた海渡雄一弁護士などが批判するのも、当然のことだと思います。


でも、杉浦外相が共謀罪の適用を「国際的な性格を持つ犯罪に限る」としても、実務上問題はないと言い、また、塩崎恭久外務副大臣は、「民主党案で成立しても、外務省も条約締結に努力する」と言ったのです。
一度、従来の見解を大転換した以上、今後はその見解を厳守してほしいと思います。




2.朝日新聞(平成18年6月3日付朝刊3面)には、共謀罪法案が採決への方向から一転して継続審議になった経緯について、議員の声が出ていました。一部抜粋してみます。

秘策『丸のみ』不発

 『共謀罪』をめぐる与野党協議の中で、自民党の細田博之国会対策委員長が最後の逆転を狙って仕掛けた『民主党丸のみ』の奇手は、肝心の民主党に拒まれて不発に終わった。……

 細田氏が動いたのは、1日午後の衆院本会議から。議場内で民主党の渡辺恒三国対委員長に『民主党案丸のみ』との秘策を提案。公明党幹部や法務委の理事の説得に回った。話を聞いた公明党幹部はのけぞった。「強烈なサプライズ。イナバウアーだ」……

 …細田氏から『採決できそうだ』との報告を受けた自民党の中川秀直政調会長は「細田は男になった」とつぶやいたが、その前に小沢氏は鳩山由紀夫幹事長に「こんな法案成立させても、一文の得にならない」と伝えていた。

 2日になると、歯車は細田氏の狙いとは逆方向にさらに回り始める。

 麻生外相が『民主党案では条約の批准はできない』と明言。政府への根回し不足が露呈した。さらに、細田氏自身が臨時国会で再改正する考えを漏らしたとの報道が飛び込んだ。……民主党幹部の一人は「向こうがエラーしてくれて良かった」と胸をなで下ろす。

 鳩山氏は2日の記者会見で細田氏の地元の山陰地方の神話を持ち出し、こう皮肉った。『因幡の白ウサギのような話だ。(海を)渡りきる前に本音をしゃべっちゃう人もいるんだなあ』……」



公明党幹部の「強烈なサプライズ。イナバウアーだ」という発言は分かります。公明党のHPでも、ずっと民主党案を批判していたのに、急に丸のみ案に従って欲しいと言われたのですから。

この公明党の幹部の発言も面白いですが、鳩山幹事長の「因幡の白ウサギのような話だ。」が面白いと思いました。例え話がうまいです。




3.共謀罪法案は、継続審議になったとはいえ、杉浦法相、塩崎恭久外務副大臣が民主党案で成立させる方向で発言したわけですし、細田博之国会対策委員長は民主党案丸のみを申し出たのです。ですから、政府与党として民主党案に賛成したのです。今後は、民主党案に乗ることに驚きはないはずで、民主党案を採用することにためらう必要はないでしょう。

今後の継続審議では、もし共謀罪法案を成立させるのであれば、民主党案を基本にして、より拡大解釈されない規定にすべきだと思います。そうしないと、重大捜査に支障をきたすおそれがありますし、一般市民の不安は解消されません。
法案を成立させておいて、次の国会で修正すればいいといった、「だまし討ち」(朝日新聞平成18年6月3日付社説)をするのでなく、与党は真摯に取り組んでほしいと思います。




<6月4日追記>

鳩山幹事長の「因幡の白兎」の例え話は、「どこへ行く、日本。」さんの「鳩山幹事長「民主党も共謀罪に賛成しなくてはならないと考えていた」」というエントリーと、「はあと通信:衆議院議員 民主党幹事長 鳩山由紀夫メールマガジン 2006年第22号(通算第249号) 2006/6/2」に、もう少し詳しく出ていますので、一部抜粋してみます。(「どこへ行く、日本。」さんのTBで知りました。情報提供ありがとうございます)
 

「我が党の修正案を丸呑みする以上、民主党も共謀罪に賛成しなくてはならないと考え、その準備を進めていたところ、夜遅くになって、細田自民党国対委員長が「民主党案を丸呑みして、総理をサミットに行かせ、後でまた改正すればいい」と言った主旨の発言をしたと聞きました。とんでもない話です。こちらは、相手側が非を認めたのならば、相手に誠意を持って臨もうと考えていた矢先の責任者の発言です。

 これでは丸呑み詐欺、丸呑み偽装です。結婚しようと誘って、用を足したらポイする結婚詐欺のようなもので、公党間の信頼を裏切る行為であり断じて許されるものではありません。まるで因幡の白兎のように、川を渡り切らないうちに本音を漏らして身ぐるみ剥がされた白兎の自民党です。こんな信頼関係の下に共謀罪を上げることはけっして出来ない話です。」


このメルマガを読む限りでは、鳩山幹事長は、本当に丸のみの申し出に応じようとしていたようです。このメルマガでは、裏切られたという怒りが滲んでいるようですが、発言の面白さの点から言うと、朝日新聞の記事の方が笑えます。

テーマ:共謀罪 - ジャンル:政治・経済

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