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2008/03/12 [Wed] 22:39:04 » E d i t
最近、「共謀罪」という言葉が新聞紙面に出てくるようになりました。1981年のロス疑惑「一美さん銃撃事件」に関して、三浦和義氏は2003年3月に日本で無罪が確定しているにもかかわらず(殴打事件では有罪判決)、27年の歳月を経て再び刑事事件として処罰しようとして問題となったからです。


1.東京新聞平成20年2月29日付夕刊

ブログ情報が端緒に 三浦元社長逮捕 『新証拠なくても十分』2008年2月29日 夕刊

 【ロサンゼルス=阿部伸哉】米ロサンゼルスで一九八一年に起きた銃撃事件を捜査しているロス市警のリック・ジャクソン主任捜査官は二十八日(日本時間二十九日)、本紙の会見に応じ、サイパンで逮捕された元会社社長三浦和義容疑者(60)について「殺人罪と共謀罪の両方での立件を目指す」と明言。いわゆる「新証拠」については「なくても既に十分かつ強力な証拠がある」と述べた。また、三浦元社長が開設したインターネットのブログの書き込みが、逮捕のきっかけになったことも明らかにした。

 ジャクソン捜査官は「二十年前に出された逮捕状を執行した。当時から二十に上る有力な状況証拠がある」と述べ、妻一美さん=当時(28)=の殺人と共謀の罪名は「検察当局からも変更があるとは聞いておらず捜査方針に変化はない」と話した。

 一方で、日本の警察当局などに伝えたとされる「新証拠」について、「証拠内容などを日本側や米連邦捜査局(FBI)などに伝えることはありえない。言えるのは、カリフォルニア州の法律ではこれまでの証拠で十分、勝算があるということだけ」とし、新証拠を日本側に伝えたとする報道を否定した。

 逮捕のタイミングについては、「ミウラは米領に入る過ちを犯した」。ロス市警は二〇〇七年初め、三浦元社長がブログでサイパンなどへの旅行日程をつづっているという情報を日本側から得て、同年秋ごろから三浦元社長逮捕の準備を開始。「今回はグアムの入管当局から連絡を受けて逮捕した」という。「(無罪判決が出ている)日本からでは、身柄の引き渡しは難しいと考えた。米領か、米国と刑法犯身柄引き渡し条約を結んでいる第三国に出る機会をうかがっていた」と述べた。

 当時から捜査の中心として携わっていた元ロス市警のジミー佐古田氏(72)の捜査復帰にも言及。「郡検事局捜査官などに復帰する可能性は高い」と期待感を示した。」




この東京新聞への会見によると、ロス市警は、三浦和義氏を殺人罪と共謀罪で処罰する意思であることを明言しています。

「米ロサンゼルスで一九八一年に起きた銃撃事件を捜査しているロス市警のリック・ジャクソン主任捜査官は二十八日(日本時間二十九日)、本紙の会見に応じ、サイパンで逮捕された元会社社長三浦和義容疑者(60)について「殺人罪と共謀罪の両方での立件を目指す」と明言。いわゆる「新証拠」については「なくても既に十分かつ強力な証拠がある」と述べた。」


「新証拠を日本側に伝えたとする報道を否定」していますし、この記者会見からすると、ロス市警には「新証拠」は存在しないようにも思えます。米国の刑事裁判では、「新証拠」なしに立証することが可能といえるのが、「共謀罪」であるのでしょう。


再び日本で脚光を浴び、よみがえった亡霊「共謀罪」に関して、東京新聞3月6日付「こちら特報部」で記事にしていましたので、紹介したいと思います。


2.東京新聞平成20年3月6日付朝刊26・27面【こちら特報部】

よみがえる亡霊『共謀罪』  『ロス疑惑』呼び水に? 「恐ろしさ」忘れる恐怖2008年3月6日

 27年の歳月を経て亡霊のようによみがえったロス疑惑事件。因縁を感じさせるのが、久しく影をひそめていた「共謀罪」が、事件を契機に再び脚光を集めていることだ。それも難事件を解決できる「伝家の宝刀」として。そういえば日本の共謀罪法案は、いまだ継続審議中。いつでも「解凍」でき、鳩山邦夫法相は今夏のG8サミット(主要国首脳会議)に向けて成立に意欲を見せている。事件は、渡りに船であるにちがいない。要注意だ。 (大野孝志、関口克己)

◆皮肉な因縁 三浦元社長は一貫し反対

 逮捕された、三浦和義元雑貨輸入会社社長(60)は今、南の楽園サイパンの留置場の中。ロス郡検察は同容疑者の米国本土への移送に向けて手続きを進めているが、弁護人らの抵抗もあり、まだ結論が出るまでは時間がかかりそうだという。

 逮捕容疑は第1項が1981年年11月月18日ごろにロサンゼルス市内で当時の妻・一美さんを殺害した疑い。第2項が81年7月14日から82年7月9日にかけ、元女優や氏名不詳の者らと、一美さんを殺害して保険金を得るという犯罪の共謀行為をした疑い。

 つまり日本では無罪となった殺人罪とは別に共謀罪が加わった。

 このあたりの事情を共謀罪に詳しい関東学院大の足立昌勝教授が分析する。

 「処罰可能な共謀罪とは、最低2人の人間が犯罪の実行を合意し、加えて何らかの行為(徴表的行為=overt act)をしていること。今回の事件は、日本でも有罪となった元女優による殴打事件を徴表的行為とすることで、十分に共謀罪が成立すると判断したのではないか」

 それにしても、「共謀罪」という言葉を聞かされた三浦元社長の心中は、どうだったか。

 なぜなら同元社長はこれまで、日本に共謀罪を導入することに三浦元社長は一貫して反対する立場を表明してきたからだ。インターネットのサイトでは、共謀罪反対の呼び掛け人にも名を連ねている。

 作家の宮崎学さんは数年前、大阪で開かれたシンポジウムで聞いた、三浦元社長の発言を覚えているという。

◆「ありがたいキャンペーン」

 「『共謀罪が出てくると、司法取引が盛んになり、大変な世の中になる』というような意味のことを言っていた。自分のような烙印(らくいん)を押された人間は不利になる、そんな社会はいやだ、という意味だろう」

 三浦元社長は共謀罪が自分に適用される可能性を見越して、研究を深めていた…といった推測も成り立つ。が、宮崎さんは「彼はそこまで用心深くはない。脇が甘い」と否定的だ。

 三浦元社長と親交のあるモッツ出版の高須基仁社長は「最高裁で無罪が確定した後、人権問題を入り口にし、反権力の意味で共謀罪に反対する意識があったのではないか」と振り返る。

 インターネットサイト「オーマイニュース」社長で、「週刊現代」元編集長の元木昌彦さんは「彼は共謀罪に興味を持っていただろうが、具体的に反対運動にどこまで参加していたのか、記憶がない」とした。

 いずれにしても、三浦元社長にとっては、きわめて皮肉な結果になった。

 しかし前出の足立氏は「それだけで済む話ではないかも」と、こう続ける。

 「共謀罪を日本に持ち込みたい人にとっては、これほどありがたいキャンペーンはない。テレビで一美さんの遺族が被害者感情を吐露して涙を流すたびに、共謀罪があった方がよいと考える人は増えるでしょう。共謀罪の危険な側面が忘れられてしまう」

◆サミット前 法案成立急ぐ政府

 共謀罪とは、どんな犯罪か確認しておこう。

 目的は、テロリストやマフィアなどの国際犯罪組織による犯罪抑止にあるという。犯行に至らなくても、話し合っただけで罪に問われる新たな犯罪類型だ。政府が批准を目指す国際組織犯罪防止条約に合わせ、共謀罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案は対象犯罪を「懲役・禁固4年以上」のものとしている。該当する犯罪は刑法犯を含む600以上と膨大だ。

 法案は2003年3月に国会提出された。しかし、野党が「労働組合や市民団体などの活動にも適用されるおそれがある」などと猛反発を続けており、廃案と再提出、継続審議を繰り返している。

 自民党は昨年2月、共謀罪を「テロ等謀議罪」と名称変更し、対象犯罪も当初の4、5分の1程度に削減する修正案の要綱骨子をまとめた。しかし、政府・与党は昨年夏の参院選への悪影響を懸念し、法案成立は先送りしたままとなっている。

 今年7月の北海道洞爺湖サミットでは、地球温暖化対策に加え、テロ対策も重要な課題に上る見通しだ。それだけに、政府は共謀罪がいまだ制定できていない状況に危機感を募らせている。

 参院選後の昨年8月に就任した鳩山邦夫法相。就任会見の言葉は率直だった。

 「(国際組織犯罪防止)条約に国内法がないから入れないのは情けないことであって、きちんとやらないといけない。サミットに並行して、法相・司法相サミットみたいなものが同時開催される時に、(日本が)条約締結していないのは非常に困る」

 法相の発言を言い換えれば、「自分がサミットで世界の恥さらしになりたくない」ということだろうか。

 鳩山法相は通常国会前半までに成立を目指す方針を重ねて表明。国会審議でも「組織的な犯罪が怖いという時代の変化がある。それはテロでもあるし、いろんなシンジケート団が暗躍する(こともある)。そういう中で、日本だけがG8の中で締結していない」と、日本の“孤立”ぶりを強調。「労組や市民団体が何かやったということは一切関係ない」などと、野党の理解を得ようと必死だ。

 法務省サイドとすれば、6月15日までの国会会期を控え、1日も早く法案審議に入りたいところ。しかし、来年度予算案や道路特定財源をめぐって、与野党の激突が続いており、議論の舞台となる衆院法務委員会は開会の見通しがたっていない状況だ。

 法務委関係者は「委員会が開かれるのは、参院の予算案審議が動き出す今月中旬以降。しかも参院は共謀罪に反対の野党が過半数を握っており、成立は困難な情勢は間違いない」。

◆「すごい武器」 国民意識に微妙な変化

 そんな状況で突然降ってわいた三浦元社長の逮捕だった。共謀罪に反対する日本弁護士連合会の共謀罪等立法対策ワーキンググループ事務局長を務める海渡雄一弁護士は「今の国内世論は『すごい武器を使って、悪者を捕まえた』という雰囲気になり、恐ろしさが薄れた」と国民の認識が微妙に変化しつつあることを危惧(きぐ)する。

 「別の人を容疑者や被告に置き換えて考えてほしい。ある犯罪で有罪にできないからといって、共謀罪で立件しようとする事態がまかり通ってよいのか。冷静な議論が必要だ」とも。

 同グループ委員の山下幸夫弁護士も「政府・与党は三浦元社長逮捕をおおいに活用するのではないか。共謀罪に厳しかった世論が変わり、廃案を求めてきた民主党も修正に応じる可能性がある。サミットを前に、鳩山法相は民主党案を丸のみしてでも成立させかねない」と危機感を募らせている。さあ、立ち止まって考えてみよう。


<デスクメモ>

 テレビを見ていたら、なんと27年前の自分がいた。三浦元社長の車を囲み、押し合いへし合いする群れの中に、駆け出しのへっぽこ記者がいたのである。他社の仲間がタイヤに足を踏まれて転がっていた。悲鳴と怒号と…何だったんだ、あれは。軽挙妄動するな。本質を見極めろ。あの教訓をかみしめて。(充)」

(*見出しの文章は紙面のままですが、文中に適切なところと思われる位置におきました。)




(1) 幾つかの点に触れていきます。まず1点目。

「逮捕容疑は第1項が1981年年11月月18日ごろにロサンゼルス市内で当時の妻・一美さんを殺害した疑い。第2項が81年7月14日から82年7月9日にかけ、元女優や氏名不詳の者らと、一美さんを殺害して保険金を得るという犯罪の共謀行為をした疑い。

 つまり日本では無罪となった殺人罪とは別に共謀罪が加わった。

 このあたりの事情を共謀罪に詳しい関東学院大の足立昌勝教授が分析する。

 「処罰可能な共謀罪とは、最低2人の人間が犯罪の実行を合意し、加えて何らかの行為(徴表的行為=overt act)をしていること。今回の事件は、日本でも有罪となった元女優による殴打事件を徴表的行為とすることで、十分に共謀罪が成立すると判断したのではないか」」


米国側は、一美さんを殺害したという殺人罪(の共謀共同正犯)と、元女優や氏名不詳の者らと共に一美さんを保険金目的で殺害するしたという(殺人罪と詐欺罪の前提としての)共謀罪の2罪で、三浦氏を処罰する意図があるわけです。(ロス市警のリック・ジャクソン主任捜査官も「殺人罪と共謀罪の両方での立件を目指す」としています)

日本的な法解釈からすれば、2罪は「殺人罪の共謀」という保護法益(生命)及び行為態様の点では重なり合っているのですし、共謀罪の部分は殺人を実行した以上は、殺人の共謀罪は殺人既遂罪に吸収され、(殺害の部分では)2罪で処罰することはありません(「共謀罪 と対象犯罪の吸収関係」の問題)。(ただし、殺人罪の共謀罪が創設された場合には、殺人既遂罪では無罪となるとしても、殺人の共謀罪の成立を肯定することは可能です。)

ところが、米国での共謀罪(コンスピラシー)解釈によると、2罪の処罰が可能なわけです。

「少しだけ紹介しましたが、コンスピラシーについては様々な議論があります。実際の法廷では、これらを折衷する形で、こんな風にコンスピラシーが運用されています。

○ 共謀の範囲が実行された犯罪に限られている場合は、容疑者たちを共謀か、実行された犯罪のどちらかで裁く。
○ 共謀の範囲が広い場合には、実行された犯罪と共謀の両方を二重に裁く。」(「空気? 読めねえな/猫の手改」さんの「共謀罪について5」(2007年01月21日)


要するに、実行した犯罪、または共謀罪のどちらかで処罰するのが原則としつつも、共謀の範囲が広い場合には(例えば、1人のみ殺害したが、5人殺害の共謀があった)、実行した犯罪と共謀罪の両方で処罰するのです。このように、共謀罪の運用実態としては、広範囲な処罰を行っているわけです。


米国での共謀罪(コンスピラシー)には、「何らかの行為(徴表的行為=overt act)」が要件となっています。今回の事件は、「日本でも有罪となった元女優による殴打事件を徴表的行為とすることで、十分に共謀罪が成立すると判断したのではないか」ということのようです。

日本の捜査機関も、殴打事件と銃撃事件は別々の裁判になっていても、「両事件を実質的に一体の事件と捉えて、後者の立証上、前者の存在を極めて重視していました」(弁護士・落合洋司さんのブログによる)。そうなると、殴打事件と銃撃事件を実質的に一体と見ている点では、日米の捜査機関の考え方は変わらないのです。

もっとも、米国の共謀罪では、明白になっている殴打事件の存在があることで、第三者(氏名不詳の者)に三浦氏が銃撃を依頼した点を立証することなく、「十分に共謀罪が成立する」と見るようですから、あまりにも処罰範囲を拡大しているのです。



(2) 2点目。

「いずれにしても、三浦元社長にとっては、きわめて皮肉な結果になった。

 しかし前出の足立氏は「それだけで済む話ではないかも」と、こう続ける。

 「共謀罪を日本に持ち込みたい人にとっては、これほどありがたいキャンペーンはない。テレビで一美さんの遺族が被害者感情を吐露して涙を流すたびに、共謀罪があった方がよいと考える人は増えるでしょう。共謀罪の危険な側面が忘れられてしまう」 」



共謀罪処罰の是非を巡っても、被害者感情が根拠にして肯定する向きがあるようです。しかし、共謀罪の是非を法的語る場合、すべての人に共通する意味を巡って、その是非を論じているのであって、個人の感情を交換しているのではありません。人は、被害者としてのみ生きているのではなく、市民としても生きているのです。いかなる立場で自らが発言しているのかをわきまえることは、すべての市民に求められる倫理の最低限であるのです(法律時報80巻3号3頁参照)。



(3) 3点目。

「共謀罪に反対する日本弁護士連合会の共謀罪等立法対策ワーキンググループ事務局長を務める海渡雄一弁護士は「今の国内世論は『すごい武器を使って、悪者を捕まえた』という雰囲気になり、恐ろしさが薄れた」と国民の認識が微妙に変化しつつあることを危惧(きぐ)する。

 「別の人を容疑者や被告に置き換えて考えてほしい。ある犯罪で有罪にできないからといって、共謀罪で立件しようとする事態がまかり通ってよいのか。冷静な議論が必要だ」とも。」



共謀罪規定の問題点・恐ろしさは幾つかありますが(「組織的な犯罪に関する共謀罪の創設の是非(上)」(2006/05/05 [Fri] 00:21:53)「組織的な犯罪に関する共謀罪の創設の是非(下)」(2006/05/06 [Sat] 01:16:28)参照)、元法務・検察ナンバー3である、元大阪高等検察庁検事長の東條伸一郎氏による共謀罪創設批判を挙げておきます(「共謀罪創設の是非~元法務・検察ナンバー3も批判(東京新聞平成18年6月4日付)」(2006/06/04 [Sun] 21:35:21))。

「「従来の(共謀共同正犯の)捜査はそれなりの結果があって、そこから共謀へとさかのぼる形で行われてきたが、共謀罪では、結果がないところに捜査を行うことになる。捜査の端緒のつかみ方を含め捜査手法に困難が伴うし、内心に踏み込むため供述偏重になるなどの弊害が出かねない。戦前の特別高等警察のような特別の捜査機関も必要となってしまう」と述べた。」



結果がない共謀罪では、共謀共同正犯のように結果から共謀の有無を探ることができませんし、探れたとしても結果がないので共謀の範囲を限定することも難しいので、捜査の端緒のつかみ方を含め捜査手法に困難が伴うことになります。

となれば、捜査機関は、自然と共謀者と疑われる者の自白(供述)を重視することになり、それでは内心に踏み込むため、より一層の供述偏重・自白偏重という弊害が生じてきます。そうなると、ひいては自白強要・虚偽自白によって誤判が増大することになってしまいます。

もし共謀罪が創設されれば、捜査機関は、捜査手法の困難さを補おうとするでしょう。そうなると、戦前の特別高等警察のような特別の捜査機関も必要となってしまいます。ずっと以前から自白偏重の弊害が叫ばれているにも関わらず、「踏み字」まで行って自白を強要した志布志事件や富山での強姦冤罪事件などがあるくらいなのですから、共謀罪が創設されれば、自白強要による冤罪事件が激増するでしょう。

取り調べの可視化の実現が主張されようとしてはいますが、取調べの全過程の録画ではなく、検察官の取調べの一部のみを、検察官の裁量によって録画・録音するだけでは、検察側に都合のいい部分だけが法廷に出されてしまい、かえって「強圧的な取調べで虚偽自白がなされていない」との証明にされてしまう可能性すらあるのです。




3.新聞報道と異なり、週刊誌や一部のテレビ報道はサイパンに大挙して押し掛けてはしゃぎまくっている状態であり、27年前のロス疑惑報道についての反省はすっかり忘れてしまっているようです。

<デスクメモ>

 テレビを見ていたら、なんと27年前の自分がいた。三浦元社長の車を囲み、押し合いへし合いする群れの中に、駆け出しのへっぽこ記者がいたのである。他社の仲間がタイヤに足を踏まれて転がっていた。悲鳴と怒号と…何だったんだ、あれは。軽挙妄動するな。本質を見極めろ。あの教訓をかみしめて。(充)」



三浦和義氏は、銃撃事件につき、日本の裁判で5年前に無罪が確定しています。ですから、米国でどういう手続き・裁判があろうとも、日本では無罪のものとして扱うべきなのです。殺人罪につき時効が定めていようといまいと、米国でも無罪判決が出れば、それ以降は同一事件で二度と裁判で処罰されることはなく(一事不再理の原則)、コールド・ケース(長期未解決事件)でもないのです。

日本では三浦氏は無罪と確定しているのですから、いかなる理由があろうとも、三浦氏を犯人扱いすることは名誉毀損となる可能性が高くなります。ブログで犯人扱いすることも厳に慎むべきです。

「軽挙妄動するな」


深く考えず軽はずみな行動をしないことは、マスコミだけでなく、マスコミ以外の市民にも当てはまることです。一部の報道機関による「ロス疑惑報道」に踊らされないように、冷静な態度をとってほしいと思います。

テーマ:法律全般 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
表面を見ていては危ない
 早速のエントリとTB、ありがとう。三浦さんの逮捕、胡散臭いこと限りなしです。「新証拠なくても」にも、大昔の逮捕状にも、驚愕しました。
 当初、裁判員制度と何か関連あるのかな、などと思いましたが、「共謀罪」との関連でしょうね。
 27年前のメディアの醜悪を髣髴させます。民訴で、三浦さんからしたたかにやられましたし、報復感情もあるかも。当時、検察の「氏名不詳者」にも、呆気にとられたものです。いくつもの亡霊がよみがえったみたい。
 エンタメにせず、国民世論には、事件(現象)の奥を見てほしいと思います。
2008/03/12 Wed 23:21:58
URL | ゆうこ #mQop/nM.[ 編集 ]
>ゆうこさん: 2008/03/12 Wed 23:21:58
コメントありがとうございます。


>大昔の逮捕状にも、驚愕しました

米国では、20年前の逮捕状がまだ有効だなんて、私も驚きました(今でも本当に有効なんだろうかと疑ってますが)。米国と異なり、日本では、逮捕状(令状)の有効期間は、一般的に令状発付の日から7日であり、裁判官が相当と認めるときには、7日を超える期間を定めることができるのです(刑事訴訟法規則143条1項7号、300条)。このように、有効期間は原則7日なのですから、20年間有効な逮捕状なんて、日本ではあり得ないでしょう。日本での刑事訴訟法の講義では、米国の刑事手続き・理論は素晴らしいものとして紹介されることが多いのですが、こんな無制限な権限を捜査機関に与える逮捕状は、日本でも妥当する学者はいないでしょうね(渥美教授を除く)。


>三浦さんからしたたかにやられましたし、報復感情もあるかも

そうかもしれませんね。米国で起きていることですから、日本のマスコミは書き放題できると思っているのかも。例えば、週刊朝日2008年3月14日号(2008年03月04日発売)では、「『ロス疑惑』リターンズ 三浦和義容疑者を追い詰めた日米『7人のサムライ』」という記事を書いています。

しかし、こんな見出しの記事は名誉毀損になりかねません。こうやって、いい気になって書いていると、また三浦氏から損害賠償請求されてしまうでしょうね。


>当時、検察の「氏名不詳者」にも、呆気にとられたものです

全くの同意見です。
三浦氏には、殺人の共謀共同正犯で起訴されたわけですが、実行犯でない三浦氏の場合、「共謀」の有無が最も肝心な点でした。しかし検察側は、氏名不詳の者と共謀(謀議内容も不明)したというもので、肝心な点がまるで立証なしですから、有罪になりえません。こんなので有罪にされたら訴訟での防御活動は不可能です。2審判決と最高裁で無罪となったのはあまりにも当然のことでした。


>エンタメにせず、国民世論には、事件(現象)の奥を見てほしいと思います

本当にその通りですね。
2008/03/13 Thu 05:11:22
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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