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2008/03/02 [Sun] 05:42:42 » E d i t
修復(病気)腎移植について禁止した厚生労働省の措置を再検討するため、2月21日に発足した、超党派の国会議員による「修復腎移植を考える超党派の会」(杉浦正健会長)は、その後、2月27日に衆議院第二議員会館・第1会議室で第2回会合を開きました。今週にも第3回会合を予定するなど急ピッチで議論を進めるとのことです。


1.第2回会合では、厚労省の職員を呼んで「厚生労働省の考え方や対応について質し」たのですが(平沢勝栄衆議院議員のHPより)、そこで問題とされたことは、修復腎移植は万波グループ以外にも全国の病院で多数行われていてその移植はまったく問題視していなかったのに、万波グループの移植だけ後出しで問題視したことでした。


そのため、幹事長の衛藤晟一・自民党厚労部会長は、次のように述べています。

 「厚労省の説明では、ともかく病気の腎臓の移植なんておかしいという話だった。だが、実際には病気の腎を修復して移植した例は他にもたくさんあった。それも保険適用している。なのに後になって、学会が医学的妥当性がないとする見解を出し、それに準拠して厚労省がすべての修復腎移植を原則駄目とした」(東京新聞3月1日付「こちら特報部」)



「衛藤氏ら議連が入手したデータによると、1985年以後に全国で行われた修復腎手術は90例あり、このうち76例は今回問題視されている万波医師らの手術とは別」であり、堤 寛・藤田保健衛生大学医学部教授(病理学)の調査によると、「日本のレストア腎移植は、動脈瘤、動静脈奇形などで95例、悪性腫瘍で下部尿管がんが8例、小腎細胞がんが8例」あったとのことです(「「第2回国際腎不全シンポジウム」(徳洲新聞2008年(平成20年)2/25 月曜日 NO.609))。

このように日本でも、万波グループ以外の医療機関も、問題視することなく修復腎移植を行ってており、すべて「特殊診療」に当たるとすることなく、保険適用しているのです(しかも、宇和島徳洲会病院や市立宇和島病院では、厚労省の担当者に保険適用できるか問い合わせをして認められている)。


法原則の1つとして、「自己の行動に矛盾した態度をとることは許されない」という「禁反言」(エストッペル)の原則というものがあります。この禁反言の原則は、民法1条2項「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」という、いわゆる「信義則」の一種であり、法律行為解釈の基準となり、社会的接触関係にある者同士の規範関係を具体化する機能があり、条理の一形態として、制定法の規定のない部分を補充し、制定法の形式的な適用の不都合を克服する機能があります。

このように、禁反言の原則は、民事法の分野に適用される原則として説明されることが多いのですが、今や、文明諸国の国内法で共通に認められる「法の一般原則」の1つとして扱われています(法学教育指導研究会『現代法学入門』74頁参照)。

そうすると、厚労省の対応は、以前自ら修復腎移植は保険適用を認めていたのに、学会が医学的妥当性がないとする見解を表明した後になって、万波医師が修復腎移植を行ったことに対して、保険適用外であるというのですから、明らかに禁反言の原則に反するものであって、実に不合理です。


東京新聞3月1日付「こちら特報部」では、このような第2回会合で問題視された点を中心として記事にしているようです。第2回会合の内容について記事にした新聞社は、いまのところ東京新聞だけですから、大変有意義な記事といえます。「修復腎移植を考える超党派の会」が発足したというだけではなく、その活動の状況を伝えるといった継続した深みのある記事こそ、多くの読者は求めているものだからです。



では、東京新聞3月1日付「こちら特報部」の記事を紹介します。

紙面中では文章中に組み込まれていない見出しが多く、うまく組み込みにくいものがあるので、まず見出しすべてを挙げておきます。

SOS臓器移植 「修復腎」移植 いいの? 悪いの?

万波氏以外「全国76例」

議連幹事長「手続き論より志の問題」

「命救うため医療はある」

合法の生体間 「疾患は偶然」

学会「妥当性なし」見解変わらず

万波氏のケース 摘出の必要なかった ■ 患者への説明不十分

議連「処分前に結論出したい」




2.東京新聞平成20年3月1日付朝刊24・25面「こちら特報部」

SOS臓器移植:「修復腎」移植 いいの? 悪いの?  万波氏以外「全国76例」

 病気の治療で摘出した腎臓を他の腎疾患患者に移植する、修復(病気)腎移植の是非をめぐる議論が転換点を迎えようとしている。これまで、この手術は宇和島徳洲会病院の万波誠医師のグループだけが実施したかのように伝えられてきた。しかし国会議員でつくる「修復腎移植を考える超党派の会」は、全国の病院で70を超える手術例が存在すると主張。厚生労働省も調査に乗り出した。  (片山夏子)

 先月21日に発足した「修復腎移植を考える超党派の会」は、その後27日に第2回の会合を開き、来週にも第3回を予定するなど急ピッチで議論を進めている。

 幹事長の衛藤晟一・自民党厚労部会長が口にするのは「もしかすると入り口で大きなエラーをしたかもしれない」というぬぐいがたい疑問だ。

 「厚労省の説明では、ともかく病気の腎臓の移植なんておかしいという話だった。だが、実際には病気の腎を修復して移植した例は他にもたくさんあった。それも保険適用している。なのに後になって、学会が医学的妥当性がないとする見解を出し、それに準拠して厚労省がすべての修復腎移植を原則駄目とした」

 衛藤氏ら議連が入手したデータによると、1985年以後に全国で行われた修復腎手術は90例あり、このうち76例は今回問題視されている万波医師らの手術とは別。いずれもがん、ネフローゼ以外の良性疾患の臓器だ。

 議連は来週にも日本移植学会から意見を聴くほか、執刀医にも話を聴く予定。

 万波医師らの修復腎移植は、悪性腫瘍(しゅよう)、つまりがんの腎臓を修復して利用した例が16あり、批判もここに集中するが、衛藤氏は「がんは絶対にけしからんとされたが、ここ数年の諸外国の状況を見ると、小さいがんは修復すれば転移や再発もほぼしないことが報告されている。厚労省の出してきた資料は最新のものがない。インフォームドコンセント(説明と同意)の文書が不完全だったり、手続きの問題があるが説明はされていたようだし、1つ1つ詰めていくと、後は取り出さなくてはいい腎臓を勝手に取り出したのではないかという点。その危険性がないか、対策をどうするのかが今後議論すべき問題」とも指摘する。

 厚労省は第2回議連で、悪性腫瘍の場合、約82%が全摘されている現状を報告した。衛藤氏は「年間の全摘が1万2千件ぐらいあるうち、1、2割は修復すれば使える腎臓という。1割でも千例。今の年間腎移植数に匹敵する。部分切除もあるが、全摘の場合、感染症や手術時間が長びくなどの問題があり、ほとんど本人に戻さないという。死体腎移植は16年待ちという現状で、もし修復腎移植があれば大きな光になる」。

 衛藤氏のいとこの男性は15年前、夫婦間で腎移植をし半年後に免疫不全で亡くなった。現在の臓器移植法で近親者間に限定される生体腎移植の難しさを感じた。「そうした意味でも修復腎移植があればと思う」

 衛藤氏は、こうも話す。

◆「命救うため 医療はある」

 「(修復腎移植で)助からない命を救われた患者はいるが困っている患者はいない。なぜストップをかけるのか、冷静に検証し直した方がいい。まずこの方法の是非を考え、手続きはその後整えていくべきだ。医療行政とは人の命をどう救うかということ。医療は人の命を救ったり苦しみをできるだけ小さくするためのもの。目的を忘れて手続き論だけに終始している。政治もそうかもしれないが今、役所が失っているのは志や方向性。どうすれば移植が進むかをもっと真剣に考えるべきではないか」

 議連が入手したデータとは、広島大学の難波紘二名誉教授が作成した「国内の病気腎移植」一覧表。難波氏が昨年7月現在で、過去に学会誌などに報告されたものを探したところ、腎動脈瘤(りゅう)など(腫瘍以外の)良性疾患を修復して移植した事例が万波医師らの移植以外に全国で76例が見つかったという。がんは万波医師らの16例のみ、ネフローゼも万波医師らの8例以外はなかった。このほか良性腫瘍は万波医師らが4例で、ほかが1例あった。

 「万波医師ら以外では、一例だけが非血縁間だったが、ほかはすべて血縁者間または配偶者間だった」と難波氏。腎動脈や静脈の奇形を修復して移植していたほか、腎動脈瘤や尿管奇形を修復したことが報告されていたという。「学会誌を中心に確認しただけの分。実際はもっと多いと思われる。親族間で移植の時にたまたま見つかった例だが、病理学的には(万波医師の修復腎移植と)同じ」とする。

◆学会「妥当性なし」見解変わらず

 日本移植学会など関連学会は昨年3月、修復腎移植について「第三者からの病気腎移植は想定していなかった。実験的医療が、医学的・倫理的な観点から検討されずに閉鎖的環境で行われていたことは厳しく批判されるべきだ」として、「現時的では医学的に妥当性がない」とする統一見解を発表した。

 動脈瘤などの良性疾患は腎臓を残す治療が第一原則としたほか、移植した腎臓の生着率、生存率が劣るというデータもあるとして妥当性を否定。がんの患者の腎臓については、がん細胞の持ち込みの可能性が否定できないことや、免疫抑制療法下では再発のリスクが高まることなどを指摘した。インフォームドコンセントや倫理委員会を通していないなどの手続き上の問題があったことも指摘した。

 厚労省も昨年7月、医学的妥当性がないとして修復腎移植を「原則禁止」とした。また宇和島徳洲会病院などと万波医師らについて保険指定の取り消しを検討している。

 日本移植学会の寺岡慧理事長は「議連に呼ばれるという連絡は受けた。学会で調査した範囲のことで説明できればと思う。学会は統一見解を出した時から、立場も考え方も変わっていない」と説明する。

 万波医師ら以外の(良性疾患の)修復腎移植については「一例を除いて、もともと親族間で生体間移植をする時に、たまたま提供する側(ドナー)に許容範囲内での軽度の動脈瘤などの疾患が見つかった事例。ドナーの安全が第一にされ、健康な方の腎臓をドナーに残し、軽度の疾患を修復した上で利用したもので、(万波医師らのように)自分の治療に訪れたのに移植のために摘出されたというのとは本質的に違う」とする。

 その上で万波医師らの修復腎については、「医学的にも倫理的にも妥当性がないと思われ、それを(議連に)具体的に説明したいと思う」と話した。理由は(1)治療上摘出する必要がなかったのに摘出している(2)文書によるインフォームドコンセントがきちんとされていない(3)移植する患者を単独の医師で決めている(4)移植する患者に長期的視野にたったリスクが説明されていない―などを挙げる。

◆議連「処分前に結論出したい」

 議連の衛藤幹事長は今後について「学会関係者の意見のほか、修復腎移植をしている海外の医師らからなどさまざまな立場の関係者の話を聞きたい。保険指定取り消し処分の話とは直接関係ないが、連動する話なので、できれば処分が出る前に結論が出ればと思っている」とした。


<デスクメモ>

 遅きに失した感はありますが、「こちら特報部」では、「病気腎」ではなく「修復腎」の呼び名を使おうと思います。理由は当の患者たちが強く望んでいるから。彼らは不毛の選択の結果として「不良品」を体に入れたわけではない。生きる希望を求め、目の前に延びる最良の道を受け入れたのだと考えます。(充)」




3.幾つかの点について触れていきます。


(1) 1点目。  

「厚労省は第2回議連で、悪性腫瘍の場合、約82%が全摘されている現状を報告した。」


まさか厚労省もこのデータを知っていたとは思いませんでしたが、これで日本移植学会の幹部が「腎臓を残す治療が第一原則」などと言っているのは掛け声だけであり、全く実態は伴っていないことが客観的データからしても明らかになったといえます。

このように、他の医療機関は約80%が全摘、部分切除は20%程度なのですが、これに対して、万波医師の場合は、(人並みはずれた手術数をこなしていながら)部分切除は90%です。著しく差異があることが明白です。

記事にも出ていますが、日本移植学会は万波医師に対して「取り出さなくてはいい腎臓を勝手に取り出したのではないか」とか、「治療上摘出する必要がなかったのに摘出している」という批判をしています。しかし、この客観的なデータからすると、的外れの批判であったことがはっきり分かります。むしろ、この客観的データによる圧倒的な差異からすると、治療上摘出する必要がなくても摘出していると評価できるのは、むしろ他の医療機関の方なのですから。



(2) 2点目。

「衛藤氏は、こうも話す。

 「(修復腎移植で)助からない命を救われた患者はいるが困っている患者はいない。なぜストップをかけるのか、冷静に検証し直した方がいい。まずこの方法の是非を考え、手続きはその後整えていくべきだ。医療行政とは人の命をどう救うかということ。医療は人の命を救ったり苦しみをできるだけ小さくするためのもの。目的を忘れて手続き論だけに終始している。政治もそうかもしれないが今、役所が失っているのは志や方向性。どうすれば移植が進むかをもっと真剣に考えるべきではないか」」



深刻なドナー不足の日本において、「(修復腎移植で)助からない命を救われた患者はいるが困っている患者はいない」のです。ならば、最初から修復腎移植を否定したこと自体が誤っていたのではないか、ということで、修復腎移植の妥当性・「方法の是非を考え、手続きはその後整えていくべき」なのです。

議連幹事長の衛藤議員が仰るように「手続き論より志の問題」であるということは、至極妥当な考えだといえます。 何よりも大事なことは「人の命をどう救うか」ということなのですから。



(3) 3点目。

「「万波医師ら以外では、一例だけが非血縁間だったが、ほかはすべて血縁者間または配偶者間だった」と難波氏。腎動脈や静脈の奇形を修復して移植していたほか、腎動脈瘤や尿管奇形を修復したことが報告されていたという。「学会誌を中心に確認しただけの分。実際はもっと多いと思われる。親族間で移植の時にたまたま見つかった例だが、病理学的には(万波医師の修復腎移植と)同じ」とする。」



これに対して、日本移植学会の寺岡慧理事長は、次のように述べて、万波医師らが行った修復腎移植と異なるというのです。

「万波医師ら以外の(良性疾患の)修復腎移植については「一例を除いて、もともと親族間で生体間移植をする時に、たまたま提供する側(ドナー)に許容範囲内での軽度の動脈瘤などの疾患が見つかった事例。ドナーの安全が第一にされ、健康な方の腎臓をドナーに残し、軽度の疾患を修復した上で利用したもので、(万波医師らのように)自分の治療に訪れたのに移植のために摘出されたというのとは本質的に違う」とする。」


しかし、病理学的には、万波医師の修復腎移植と他の日本医師が行った修復腎移植は同じなのですから、異なるという日本移植学会の主張は極めて困難です。病理医(病理学者)は「医療の裁判官」と言われているのですから、「病理学会抜きで移植医療にかかわる医学的判定を下しても、それは裁判長も弁護士もいない法廷で、検事が勝手に論告求刑したのと変わらない」(難波紘二・広島大学名誉教授)からです。

日本移植学会が、病理学上説明できない不合理で身勝手な区別するからこそ、病理医は日本移植学会などの対応に賛成せず、難波名誉教授、堤寛教授だけでなく、日本病理学会の常任理事・藤田保健衛生大の黒田誠教授といった病理医は、修復腎移植に賛成の意思を表明しているです(「難波紘二・広島大学名誉教授「私は病理学者・生命倫理学者として「病腎移植」を支持する」「日本病理学会、「『病気腎』もっと検証を」と主張!~病気腎移植の道を主張することは正論」( 2007/03/26 [Mon] 07:50:16)「堤寛・藤田保健衛生大学医学部第一病理学教授『「病腎移植」禁止の動きに異議あり」参照)。だからこそ、日本病理学会も、一貫して関係学会による「修復腎移植原則禁止」の共同声明に賛同する意思表明をしていないといえるのでしょう。

このように考えれば、修復腎移植か否かの判断についても、病理医の判断が最も尊重されるべきであり、そうであれば、病理学的には、万波医師の修復腎移植と他の日本医師が行った修復腎移植は同じであるというべきです。

もし、万波医師らが行った修復腎移植が「一般に認められていない特殊診療」として保険診療の適用外と判断された場合には、他の病院で行うすべての修復腎移植もすべて「一般に認められていない特殊診療」に当たることになり、保健医療機関指定取り消し・保険医登録も取り消しとなります。日本移植学会は、万波医師らを追い落とすことばかり考えて、身勝手な主張をしたばかりに自らの首を絞めることになるわけです。こうなると、修復腎移植が「特殊診療」だったとすること自体が、おかしなことであることは明白だと思います。



(4) 4点目。日本移植学会が万波グループの修復腎移植に問題があるとした点の指摘があります。

「動脈瘤などの良性疾患は腎臓を残す治療が第一原則としたほか、移植した腎臓の生着率、生存率が劣るというデータもあるとして妥当性を否定。がんの患者の腎臓については、がん細胞の持ち込みの可能性が否定できないことや、免疫抑制療法下では再発のリスクが高まることなどを指摘した。インフォームドコンセントや倫理委員会を通していないなどの手続き上の問題があったことも指摘した。 」



いまだにこれらの指摘を鵜呑みにしている方もいるようですから、簡潔に反論しておきます。


・移植した腎臓の生着率、生存率が劣るというデータもある


←(反論)
・高原史朗阪大教授による移植学会の「病腎移植の成績は悪い」という厚労省での発表は、42症例のうち市立宇和島病院の25例だけをわざわざ選んで発表したもので、抜群に成績のよい呉共済の成績が意図的に除外してあるため、それをわざと含めない詐欺的なデータである。
・・腎臓移植登録のデータを基に比較すると、レストア腎移植の患者生存率、移植腎の生着率は、死体腎移植と術後5年間で大差がない(フロリダ大学の藤田士朗助教授による)。
・全42例をみても、30例(71%)は2度目以降の移植例であり、ドナーには高齢の方が多く、通常の生体腎や死体腎の移植と比較しても非常に平均年齢は高いことを考慮すると単純比較ができない。
・ドナーには高齢の方が多く、通常の生体腎や死体腎の移植と比較しても非常に平均年齢は高いことから、その点を考慮すると、術後5年以降の成績でも生着率、生存率は遜色がない(フロリダ大学の藤田士朗助教授による)。


・がんの患者の腎臓については、がん細胞の持ち込みの可能性が否定できないことや、免疫抑制療法下では再発のリスクが高まる


←(反論)
・万波医師が行った修復腎移植においてドナーの腎臓がんがレシピエントにうつった症例は1つもない(フロリダ大学の藤田士朗助教授による)。
・オーストラリアのニコル教授が行った、担がん腎修復移植49例でもレシピエントにうつった症例は1つもない。


・インフォームドコンセントや倫理委員会を通していないなどの手続き上の問題があった


←(反論)
・修復腎移植では、すべてのドナー、レシピエントの署名入りで、手術の承諾書が作成されている。第三者の弁護士が立ち会った聞き取り調査やアンケートでも、ドナーにはさまざまな治療手段とその利点と欠点が説明され、レシピエントには、ドナーの腎臓の病気が移植後に再発する可能性を説明したことが明らかになっている(フロリダ大学の藤田士朗助教授による)。
・万波医師が病気腎を摘出した元患者も摘出誘導がなく、事前に説明があったと証言している(「病気腎移植問題~病気腎元患者は「摘出誘導なく、納得している」と証言」(2007/02/24 [Sat] 18:08:55))。
・インフォームドコンセントに問題があるとされた事例には誤報や誤解も多い(「万波誠医師はインフォームド・コンセントを軽視したのか?~毎日新聞12月5日付「記者の目」:大場あい記者批判」(2006/12/06 [Wed] 22:03:25))。

←(反論)
この修復腎移植が始まった1991年は、どの病院でも倫理委員会は十分に機能おらず、当時、万波医師には、病気の腎臓を治療する自家移植の延長で、画期的な方法だとの認識もなかったようだ。厚生労働省の調査では、2006年時点でも約半数の病院で倫理委員会は設置されておらず、しかも07年7月段階では設置されている大型病院83施設で、厚労省と文部科学省の6つの指針に対して、95~99%の違反が見られるとの報告がある(フロリダ大学の藤田士朗助教授による)。

なお、万波グループが行った修復腎移植では、「良性腫瘍が消えることのほか、ネフローゼ腎を他者に移植すると正常に機能するようになること、尿管狭窄によって水腎症となった腎臓が移植に使えること」などの多くの新発見(堤寛・藤田保健衛生大学医学部第一病理学教授)がありました。こういう客観的事実を直視できない者が声高に叫ぶものがおり、誤報に満ちたマスコミ報道に影響された一般人がまだまだ多いことから、修復腎移植を否定する意識がなかなか消えないように思います。




4.「修復腎移植を考える超党派の会」は、集中して議論を行い、結論を出す予定のようです。

「議連の衛藤幹事長は今後について「学会関係者の意見のほか、修復腎移植をしている海外の医師らからなどさまざまな立場の関係者の話を聞きたい。保険指定取り消し処分の話とは直接関係ないが、連動する話なので、できれば処分が出る前に結論が出ればと思っている」とした。」


議連の衛藤幹事長によると、保険指定取り消し処分前に「結論が出ればと思っている」とのことです。「修復腎移植を考える超党派の会」による精力的な活動には頭が下がります。

厚労省は元々修復腎移植を保険適用することを認めていたのですから、すでに述べたように、厚労省が処分を行うことは明らかに禁反言の原則に反するのです。そういった不合理を十分に分かりつつも、市立宇和島病院の方は保険医療機関指定取り消しの処分に異議を唱えることなく従うのかもしれません。市立宇和島病院としてはやむを得ない決断になるのでしょうから、非難する気にはなれませんが、実に理不尽極まりないことです。どれほど処分が軽くなったとしても、患者をはじめ多数の地域住民が医療難民となり甚大な被害をこうむるのですから。

「修復腎移植を考える超党派の会」で充実した議論がなされ、多数の医療難民がでることなく、多くの腎不全の患者の命を救う結論が出るよう、切に期待しています。


テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
春霞様
「禁反言の原則」の解説、よく分かりました。
第2回の会合でも、議員の方々は、今までみんなが疑問に思っていたこと、厚生労働省や学会のこれまで言ってきた不合理な点について、ズバリと質問していますね。誠に嬉しく思いました。

>しかし国会議員でつくる「修復腎移植を考える超党派の会」は、全国の病院で70を超える手術例が存在すると主張。厚生労働省も調査に乗り出した。  (片山夏子)
 
>幹事長の衛藤晟一・自民党厚労部会長が口にするのは「もしかすると入り口で大きなエラーをしたかもしれない」というぬぐいがたい疑問だ。

>・・・話だった。だが、実際には病気の腎を修復して移植した例は他にもたくさんあった。それも保険適用している。なのに後になって、学会が医学的妥当性がないとする見解を出し、それに準拠して厚労省がすべての修復腎移植を原則駄目とした」

> 議連は来週にも日本移植学会から意見を聴くほか、執刀医にも話を聴く予定。

などの記事によるとおり、なぜ、宇和島だけを特別に問題視するのか、今まで他の病院で行われた病気腎移植はどうなのか、という疑問は誰もがもっていると思います。
日本移植学会はこの疑問に納得できる回答をすべきです。
それがない限り、患者・支援者の怒りは収まるわけがありません。

また衛藤議員の>「・・・医療行政とは人の命をどう救うかということ。医療は人の命を救ったり苦しみをできるだけ小さくするためのもの。目的を忘れて手続き論だけに終始している。政治もそうかもしれないが今、役所が失っているのは志や方向性。どうすれば移植が進むかをもっと真剣に考えるべきではないか」
とまさにいいことを言っていただきました。医療は真に患者のためにあるのであって、手続きや監査のためにあるのではないという原点に厚生労働省は早く考え直してもらいたいものです。
今後厚労省自身では気づかないようであれば、国会議員から厳しく指摘され続けて気づいてもらうしかありませんが。

2008/03/02 Sun 23:46:36
URL | hiroyuki #-[ 編集 ]
>hiroyukiさん:2008/03/02 Sun 23:46:36
コメントありがとうございます。今回も積極的に修復腎移植を取り上げている東京新聞さんの記事を紹介しました。


>第2回の会合でも、議員の方々は、今までみんなが疑問に思っていたこと、厚生労働省や学会のこれまで言ってきた不合理な点について、ズバリと質問していますね。

今まで患者たちや一般人がずっと疑問に思っていたことが、やっと国会議員の間で大いに主張されるようになって良かったと思います。


>>議連は来週にも日本移植学会から意見を聴くほか、執刀医にも話を聴く予定
>なぜ、宇和島だけを特別に問題視するのか、今まで他の病院で行われた病気腎移植はどうなのか、という疑問は誰もがもっていると思います。
>日本移植学会はこの疑問に納得できる回答をすべきです

日本移植学会に対して多くの疑問をぶつけて厳しく問い詰めてほしいです。そして、修復腎移植ができないというのであれば、深刻なドナーを不足を解消するための効果的な具体策を挙げるべきです。日本移植学会に対して、「対案なき反対」は止めろと、厳しい議論を行うことを期待しています。

今週の議連の会合ではどういう議論になるのか楽しみです。東京新聞さんには第3回の会合の話もぜひ伝えてほしいですね。
2008/03/04 Tue 23:24:24
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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2008/03/07(金) 20:18:56 | 晴天とら日和
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