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2008/02/23 [Sat] 06:12:46 » E d i t
修復(病気)腎移植について禁止した厚生労働省の措置を再検討しようと、超党派の国会議員による「修復(病気)腎移植を考える超党派の会(仮称)」(杉浦正健会長)が、2月21日発足しました。超党派議連が発足する予定であるという報道があったことは、「保険医療機関指定・保険医登録の取消問題:患者団体らが抗議活動~超党派の議員連盟が、病気腎移植と通達の妥当性も再検証」(2008/02/20 [Wed] 23:59:24)でも触れています。

この超党派の議員連盟の初会合の様子、宇和島徳洲会病院や市立宇和島病院の保険医療機関指定・万波誠医師の保険医登録取り消し処分によって被害を受ける地域住民の声について、東京新聞2月22日付「こちら特報部」が詳しく記事にしていましたので、紹介したいと思います。片山夏子記者による渾身の記事となっています。なお、2月23日付「こちら特報部」でも保険医療機関指定取り消し問題について触れています(明日、紹介します)。


1.まず、超党派の議員連盟発足についての報道を幾つか。


(1) TBS NEWSi(2月21日18:11)

病気腎移植めぐり超党派議連を結成

 病気腎移植をめぐり超党派の議員連盟が結成されました。議員連盟は、原則禁止にした厚生労働省の方針を再検証するとしています。

 「厚生労働省の言われていることと、かたや、患者さんの言われていることは全く相容れないというか、対立した形になっているわけでございますけれども」(自民党 平沢勝栄 議員)

 自民党と民主党などの議員を中心に結成された「修復腎」を考える超党派の会には、衆参両院あわせておよそ70人が参加しています。21日の初会合では厚生労働省の担当者と患者団体の双方を呼び、万波医師らが行った病気腎移植に関する意見を聞きました。

 厚生労働省は去年7月、病気腎移植を原則禁止にしていますが、自民党の平沢勝栄議員は、「この移植で助かっている人もいる。なぜ厚生労働省はブレーキをかけるのか」と述べました。

 会では今後、厚生労働省の方針を再検証した上で見解をまとめる方針です。また、病気腎移植で診療報酬の返還を求められている市立宇和島病院は、不正請求したとされるおよそ1億5000万円を返還する方針です。(21日18:11)」



(2) 日テレNEWS24<2/21 21:07>

病腎移植を再検討、超党派議連が発足<2/21 21:07>

 病気の腎臓を修復後、第三者に移植する、いわゆる病腎移植問題で、病腎移植について再検討する超党派の議員連盟が21日、発足した。

 厚労省は去年7月、病気の腎臓を修復後、第三者に移植する病腎移植を事実上禁止する通知を出した。これに対し、病腎移植を推進した万波誠医師を支援する患者らは、臓器提供が少ない日本の現状では、病腎移植が有効な医療だと訴えている。

 議員連盟では、厚労省の出した通知の見直しも含め、なるべく早い時期に方向性をまとめたいという。」



(3) YOMIURI ONLINE(地域:愛媛)(2008年2月22日)

超党派議員連初会合 「病気腎移植最後の希望」 患者団体国に意見

 宇和島徳洲会病院(宇和島市)の万波誠医師(67)による病気腎移植問題に絡み、議員連盟「修復腎移植を考える超党派の会」が21日、発足した。初会合が開かれた参院議員会館には、議員ら74人のほか、厚生労働省幹部も招かれ、患者団体のメンバーが「修復腎移植ができなくなるのは、患者にとって『死ね』と言われるのに等しい」と激しく意見をぶつけた。

 会合では、同省の木倉敬之・大臣官房審議官らが、病気腎移植を関連5学会が否定していることなどを説明。病気腎移植について「現時点で認めるには極めて疑問の多い医療」としたうえで、「移植の是非と保険の不正請求問題は切り離して考えるべき。病気腎移植を認めると保険制度が崩壊してしまう」と強調した。

 これに対し、腎移植経験者らでつくる「移植への理解を求める会」(向田陽二代表)の向田代表は「修復腎移植は我々にとって最後の希望」と力説。別の会員は「病状を熟知した万波先生の保険医登録取り消しは死の宣告と同じ」と訴えた。

 さらに、「移植を待つ患者が多い中、修復腎移植の道を閉ざすのは科学的でない」(福島豊衆院議員)、「捨てる腎臓を使う立派な発想」(山田正彦衆院議員)、「厚労省と患者の意見が対立している現状を何とかしたい」(平沢勝栄衆院議員)など、発起人の議員らが意見を述べた。

(2008年2月22日 読売新聞)」



超党派議員連盟発足については、TBSや日本テレビというテレビ報道が行われたので、新聞報道されるよりも見知った方が多かったかと思います。臓器移植問題は、深刻なドナー不足の日本においては国民の間に関心を高めるためにも常に報道しておくべき事項であり、特に腎臓移植の平均待機期間は16.6年という異常事態です。ですから、腎臓移植問題について積極的に報道するテレビ局の姿勢は高く評価できます。

米国移植外科学会は、今回応募された約120の演題のうち、万波医師らの論文を上位10本の1つに選出して表彰を行ったという報道についても、テレビ報道主導でしたから(「万波医師らによる病気腎移植(レストア腎移植)を、米移植外科学会が表彰~万波医師らの論文を上位10本の1つとして」(2008/01/29 [Tue] 18:13:21)参照)、テレビメディアと新聞メディアとの意識の違いが浮き彫りになっているように思います。


「厚生労働省は去年7月、病気腎移植を原則禁止にしていますが、自民党の平沢勝栄議員は、「この移植で助かっている人もいる。なぜ厚生労働省はブレーキをかけるのか」と述べました。」(TBS)



日本では、1次移植(生涯1回限りの移植)に留まる患者さんが移植全体の96.1%を占め、2次移植はわずか3.78%。1度移植を受けて拒絶反応があっても、再び移植を受けることはまずありません(「■ 国際シンポジウム「日本とオーストラリアの病腎移植」」(徳洲新聞2008年(平成20年)2/4 月曜日 NO.606)「国際シンポジウム「日本とオーストラリアの病腎移植」が開催」(2008/01/22 [Tue] 23:30:28))。しかも、日本での(死体)腎臓移植の平均待機期間は16.6年であり、多くの方は移植を受けることができないのですから、病気(レストア)腎移植の実施は、日本こそ切実に必要なことなのです。

日本だけでなくオーストラリアでも病気(レストア)腎移植を実施したことで多くの方が命を救われており、(すでに何度も触れているように)両国で良好な結果がでています(「国際腎不全シンポジウム開催(4月17・18日)+日本移植学会公表の生存率はインチキだった?(産経新聞より)」(2007/04/17 [Tue] 08:16:25)「がんの病気腎移植、世界で試み~ニコル教授に聞く(東京新聞1月27日「こちら特報部」)」(2008/01/27 [Sun] 21:49:14)参照)。

このように病気(レストア)腎移植で助かっている人がいるという歴然とした事実がある以上、平沢勝栄議員は、「この移植で助かっている人もいる。なぜ厚生労働省はブレーキをかけるのか」と述べたことは、実に正しい認識に基づく発言なのです。

なお、「万波誠医師を支援します」さんの「患者・地域の願いは どこまで届くのか(3)」(2008/02/22 00:21)では、超党派の議員連盟の発言(挨拶)が詳しく掲載されています。ぜひご覧ください。



2.東京新聞平成20年2月22日付朝刊26・27面【こちら特報部】

SOS臓器移植:“万波批判”の中 超党派議連発足 「病気腎禁止」見直し検討

 宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが手掛けてきた病気腎移植は、患者や海外から評価されながら、学会からは批判を浴びた。厚生労働省と愛媛社会保険事務局が同病院や市立宇和島病院、万波医師らの処分を検討し、患者や地元住民は不安に揺れている。こうした中、超党派の国会議員が「腎移植を冷静に評価し直そう」と動き始め、21日、議員連盟が発足した。議連の動きと、不安に脅(おび)える患者たちの声を追った。 (片山夏子)


◆74人参加熱く議論 「厚労省に見解問い直す」

 「患者の命が懸かっています。目の前の患者を助けてください」。「移植への理解を求める会」の向田陽二代表は議員らの前で叫んだ。「修復(病気)腎移植を考える超党派の会(仮称)」(会長・杉浦正健元法相)は、自民党厚生労働部会長の衛藤晟一参院議員、民主党ネクスト厚労相の山田正彦衆院議員のほか、島村宣伸、深谷隆司、平沢勝栄の各衆院議員(以上、自民)、福島豊衆院議員(公明)などが発起人となり、21日も議員ら74人が参加した。

 会合には移植患者のほか、厚労省保険局の課長ら4人が出席。冒頭撮影後、非公開で行われた。

 平沢氏によると、厚労省側は「万波医師の修復腎移植については健康保険上や厚労省の省令・規則などに触れることがあるので調査している。今の段階では認めるのは疑問がある」と説明。患者側は「この移植で命を救われている。できなくなることは死ねと言われることに等しい。何としても修復腎移植を認めてほしい」と訴えたという。

 各議員からは熱い意見が。「保険適用のルールを壊すと現制度が壊れる。移植が正しいかということと保険適用の問題は別にすべきだ」「患者は今日明日の命がかかっている。エイズの時など学会の意見を頼りにした厚労省のやり方にこれまでも間違いは多々あった。今回も適切か検討が必要じゃないか」「患者には一刻の猶予もない。議員立法で患者が救われるようにしてはどうか」

◆厚労省の資料 「都合がいい」

 衛藤氏は「最初は厚労省の説明をうのみにしてきたが、医療関係者や患者と話すとどうも実態と違う。冷静に調べないと大変なことになると感じた。泌尿器科医が『年間1万数千件捨てる腎臓があり、そのうち1、2割は修復すれば使えるのでは』と話していた。厚労省は修復腎移植はすべて悪いことをしているように説明していたが、冷静に検証し直さなければいけないと思った」と発言。また、厚労省が議連に出してきた資料は、米国など移植大国のデータが抜けていることも指摘。「都合のいい資料しか出していない」とバッサリ。

 議連は今後、修復腎移植問題を検証し直し、厚労省が「現時点では医学的妥当性がない」と原則禁止にした省令の見直しを求める方向という。

 平沢氏は「中立的な立場で検証し、できるだけ早く結論を出したい。修復腎移植は本来助からなかったかもしれない人が助かり非常に喜んでいる。それを、なぜ厚労省がストップかけるのか。省令や規則の文言も見直し、あらためて厚労省に聞いてみたいと思う」。「結果的に(万波氏や病院の)処分の問題にも及ぶかもしれないが、あくまで修復腎移植は今後どうあるべきかを考える議連。できるだけ早く結論を出したい」


◆病院・医師の処分の行方は? 患者と住民「死活問題」

 厚労省による病気腎移植原則禁止が昨年7月。病気腎移植が行われた宇和島徳洲会病院や宇和島市立宇和島病院に昨秋から、愛媛社会保険事務局と厚労省の監査が入った。

 25日に宇和島徳洲会病院の関係者に聴聞を行い、愛媛地方社会保健医療協議会に諮って処分を決める。

◆保険医療機関の指定取り消しも

 「最も重いと病院の保険医療機関指定と医師らの保険医登録の取り消し」と同事務局の古元大典局長。取り消しは2種類とも5年が原則。保険診療できなくなり患者は全額自己負担になる(保険なら通常3割程度)。

 “劇薬”だけに取り消し期間を最短1ヶ月に短縮することも。古元局長も「期間短縮や2病院の処分時期をずらすことなども考えられる」。患者が健康保険組合など保険者に診療費を請求し、後に保険の7割分を返してもらう療養費払いがあるが「通常、病院や自治体が代行し、患者への影響は実質的にない」。

◆「地域医療に支障」知事も苦言

 いら立ちを隠さないのは加戸守行愛媛県知事。18日の記者会見で「地域医療に支障ないようにというが、見えてこない」と、苦言。「1ヶ月であろうと病気が待ってくれるわけではない。事務方は、厚労省に逆らうなと必至に止めるが、それで失われる医療問題の方が大きい」

 事実、昨年10月に取り消され、1ヶ月で再指定された静岡県藤枝市立総合病院のときも問題が。療養費払いできたのは救急、人工透析、放射線治療の継続など「やむを得ない患者のみ」(担当者)。「通常に診療したら何のための処分かと言われ、再指定されない危険が。絞るしかなかった」。外来は通常の3割に減り、入院患者約200人が転・退院した。近隣病院は満床近くなり、救急患者受け入れ拒否の事態を招いた。

 市立宇和島病院は災害拠点病院。救急・周産期医療も行う。市立病院の指定継続を求め、17市町村・約12万6千人の署名を厚労省に提出した宇和島市連合自治会(507自治会)の大上清志会長(74)は「処分が1ヶ月でも住民には死活問題」と話す。「宇和島市の人口の7割が署名した」

 宇和島市の会社常務・武田元介さん(47)も「2つの病院以外、大病院は50キロ南と40キロ北にしかない」と不安がる。

 17年前、万波氏の移植手術を受けた愛媛県愛南町の寺岡佐夫さん(77)は「月10万、20万の免疫抑制剤が自己負担になったら、どう払えば…。金のある人は要請に来ちゃおらんよ。患者の命かけて処分をしなくてはならないのか」。

 「医師」には「医療機関」のような処分期間短縮はなく、厚労省は「救済はほとんどあり得ない」。処分なら万波氏は保険診療をできなくなる。

 向田代表は「免疫抑制剤は1人1人違い、万波先生は手術後の経過や、仕事、生活など患者の個別事情に応じて調整している。医者は簡単に変えられない」。

 母親と夫から2回臓器移植を受けた松山市の井出光江さん(52)は「宇和島まで2時間だが、万波先生が病院を変えてもついて来た。患者は非難していないのに、なぜ」。

 京都在住の岩田靖夫さん(62)は約1年前に万波氏の腎移植手術を受け宇和島に通う。「京都の病院ではC型肝炎なので危険だと断られ続け、薬も出してくれない。万波先生しか診てくれなかった患者がたくさんいる」

 約22万人の署名を提出した「理解を求める会」の向田代表は訴える。「通達や見解は患者無視としか思えない。捨てる腎臓1つあれば患者が救われる。救える患者の命を助けてください」


<デスクメモ>

 権威筋の話は尊重し、現場の意見は聞き入れない―日本のエリートの伝統的な、もはやDNAと言ってよい欠陥だ。だから厚労省が患者の声を無視することなど驚きに値しない。こういうときこそ政治の出番ではないか。与野党が民の声に耳を傾けるのが、ねじれ国会ゆえだとしても、それもまたよしだ。(隆)」

*見出しの文章は同じですが、適切な位置に置いた見出しもあります。





3.東京新聞の記事は、前半は超党派議員連盟の動きであり、後半は不安に脅える患者たちの声について触れたものです。以下、幾つかの点に触れていきます。

(1) 1点目。

「「修復(病気)腎移植を考える超党派の会(仮称)」(会長・杉浦正健元法相)は、自民党厚生労働部会長の衛藤晟一参院議員、民主党ネクスト厚労相の山田正彦衆院議員のほか、島村宣伸、深谷隆司、平沢勝栄の各衆院議員(以上、自民)、福島豊衆院議員(公明)などが発起人となり、21日も議員ら74人が参加した。」


衆参問わず、自民党、民主党、公明党の議員が参加するというまさに超党派の集まりであり、自民党厚生労働部会長や民主党ネクスト厚労相の方がメンバーですから、厚労省によるレストア(病気)腎移植禁止の措置を変更することにつき、十分に現実性のある議員連盟といえます。

「議連は今後、修復腎移植問題を検証し直し、厚労省が『現時点では医学的妥当性がない』と原則禁止にした省令の見直しを求める方向」とのことです。 議員連盟には言動に重みのある議員が含まれていますし、21日の初会合では議員74人参加というかなり大所帯の議員連盟でもありますから、(議員立法などにより)十分に省令の見直しが可能な現実性のある議員連盟といえるでしょう。



(2) 2点目。

「各議員からは熱い意見が。「保険適用のルールを壊すと現制度が壊れる。移植が正しいかということと保険適用の問題は別にすべきだ」「患者は今日明日の命がかかっている。エイズの時など学会の意見を頼りにした厚労省のやり方にこれまでも間違いは多々あった。今回も適切か検討が必要じゃないか」「患者には一刻の猶予もない。議員立法で患者が救われるようにしてはどうか」

◆厚労省の資料 「都合がいい」

 衛藤氏は「最初は厚労省の説明をうのみにしてきたが、医療関係者や患者と話すとどうも実態と違う。冷静に調べないと大変なことになると感じた。泌尿器科医が『年間1万数千件捨てる腎臓があり、そのうち1、2割は修復すれば使えるのでは』と話していた。厚労省は修復腎移植はすべて悪いことをしているように説明していたが、冷静に検証し直さなければいけないと思った」と発言。また、厚労省が議連に出してきた資料は、米国など移植大国のデータが抜けていることも指摘。「都合のいい資料しか出していない」とバッサリ。」



レストア(病気)腎移植禁止とした厚労省の措置を見直す議員連盟であるとはいえ、患者団体に好意的な意見が多く、「都合のいい資料しか出していない」などと厚労省に対する不信感が強かったようです。読売新聞でも厚労省に批判的な意見を掲載しています。

「「移植を待つ患者が多い中、修復腎移植の道を閉ざすのは科学的でない」(福島豊衆院議員)、「捨てる腎臓を使う立派な発想」(山田正彦衆院議員)、「厚労省と患者の意見が対立している現状を何とかしたい」(平沢勝栄衆院議員)など、発起人の議員らが意見を述べた。」(読売新聞)



「厚労省が議連に出してきた資料は、米国など移植大国のデータが抜けていることも指摘」などという発言をみると、薬害肝炎訴訟など多くの薬害と同様、厚労省は相変わらずの態度のようです。厚労省は「都合のいい資料しか出していない」という批判ももっともなことです。

ただ、厚労省も日本移植学会の言い分をそのまま議連に提出しているだけですから、元凶は日本移植学会の幹部ということになります。「日本の学会のほとんどは大学教授が牛耳っている。大学は研究優先で、多くの教授は臨床は得意ではなく、臨床を一段低く見ている。評判のいい臨床医には冷淡で、私から見ると、いじめとしか思えない行動を取る。」(田辺功『ドキュメント医療危機』)とのことですから(「病気腎移植は学会と現場にギャップ~田辺功 (著)『ドキュメント医療危機』より」(2008/01/04 [Fri] 05:45:31))、日本の学会自体がおかしいのですが。



(3) 3点目。

「議連は今後、修復腎移植問題を検証し直し、厚労省が「現時点では医学的妥当性がない」と原則禁止にした省令の見直しを求める方向という。

 平沢氏は「中立的な立場で検証し、できるだけ早く結論を出したい。修復腎移植は本来助からなかったかもしれない人が助かり非常に喜んでいる。それを、なぜ厚労省がストップかけるのか。省令や規則の文言も見直し、あらためて厚労省に聞いてみたいと思う」。「結果的に(万波氏や病院の)処分の問題にも及ぶかもしれないが、あくまで修復腎移植は今後どうあるべきかを考える議連。できるだけ早く結論を出したい」」


「修復(病気)腎移植を考える超党派の会(仮称)」の主要な目的としては、 修復腎移植問題の検証と、原則禁止にした省令の見直しにあるわけです。ただし、見直しがなされれば、万波氏や病院の処分の根拠を失うことにもなるので、処分の問題にも影響することになりそうです。



(4) 4点目。4点目以降は、記事の後半となります。

「「最も重いと病院の保険医療機関指定と医師らの保険医登録の取り消し」と同事務局の古元大典局長。取り消しは2種類とも5年が原則。保険診療できなくなり患者は全額自己負担になる(保険なら通常3割程度)。

 “劇薬”だけに取り消し期間を最短1ヶ月に短縮することも。古元局長も「期間短縮や2病院の処分時期をずらすことなども考えられる」。患者が健康保険組合など保険者に診療費を請求し、後に保険の7割分を返してもらう療養費払いがあるが「通常、病院や自治体が代行し、患者への影響は実質的にない」。」


古元局長は、保険医療機関指定取り消しによる「患者への影響は実質的にない」(金銭面だけが患者に影響がないという意味か!?)などと言っています。しかし、昨年10月に保険医療機関指定の取り消し処分を受けた静岡県藤枝市立総合病院の実情からすると、最大の被害者は患者であると評価されているのですから、古元局長の発言は虚偽の言動です。

静岡県藤枝市立総合病院の実例(=混乱振り)からすると、取り消し期間は1ヶ月以上できないのが現実であり、必ず2病院の処分時期をずらさざるを得ないのです。

静岡県藤枝市立総合病院の場合、「療養費払いできたのは救急、人工透析、放射線治療の継続など『やむを得ない患者のみ』」であり、入院患者約200人が転・退院する事態に陥りました。(取り消し処分中の藤枝市立総合病院の実情については、別のエントリーで触れます)

「市立宇和島病院は災害拠点病院。救急・周産期医療も行う。」

 
周産期とは妊娠後期から新生児早期までのお産にまつわる時期を一括した概念をいい、 この時期に母体、胎児、新生児を総合的に管理して母と子の健康を守るのが「周産期医療」です。静岡県藤枝市立総合病院の例からすると「周産期医療」に関しては「療養費払い」ができない可能性がありますから、この地域の「周産期医療」は崩壊し、多数の母子が命を失う危険にさらされることになります。言わば、古元局長が多数の母子の命を危険にさらす決定をすることになるわけです。

「宇和島市の会社常務・武田元介さん(47)も「2つの病院以外、大病院は50キロ南と40キロ北にしかない」と不安がる。

 17年前、万波氏の移植手術を受けた愛媛県愛南町の寺岡佐夫さん(77)は「月10万、20万の免疫抑制剤が自己負担になったら、どう払えば…。金のある人は要請に来ちゃおらんよ。患者の命かけて処分をしなくてはならないのか」。」


お金が十分にあれば自己負担可能ですから、保険医療機関指定しないよう「要請」したり署名することもないのでしょう。しかし、多くの方は楽に自己負担できるほどの資産を有しているわけではなく、宇和島市一体の場合、地理的な問題から他の病院に移ることがあまりにも困難な方が多いという現実からすると、市立宇和島病院が保険医療機関指定取り消しとなった場合は、静岡県藤枝市立総合病院の保険医療機関指定の取り消しの影響よりも、大きな影響を生じさせることが確実なのです。

「患者の命かけて処分をしなくてはならないのか」という悲痛な叫びを、厚労省や愛媛社会保険事務局は無視するつもりなのでしょうか? 地域住民でない市民の皆さんも、ぜひこの叫びは正当なものだと共感してほしいと思います。



(5) 5点目。

「「医師」には「医療機関」のような処分期間短縮はなく、厚労省は「救済はほとんどあり得ない」。処分なら万波氏は保険診療をできなくなる。

 向田代表は「免疫抑制剤は1人1人違い、万波先生は手術後の経過や、仕事、生活など患者の個別事情に応じて調整している。医者は簡単に変えられない」。

 母親と夫から2回臓器移植を受けた松山市の井出光江さん(52)は「宇和島まで2時間だが、万波先生が病院を変えてもついて来た。患者は非難していないのに、なぜ」。

 京都在住の岩田靖夫さん(62)は約1年前に万波氏の腎移植手術を受け宇和島に通う。「京都の病院ではC型肝炎なので危険だと断られ続け、薬も出してくれない。万波先生しか診てくれなかった患者がたくさんいる」」


「医師」には「医療機関」のような処分期間短縮はないことから、万波誠医師に対する保険医登録取り消し処分は、5年間に及ぶ可能性があります。そうなると、日本で最も多数の腎臓移植を手がけており、万波誠医師を頼っていた全国多数に及ぶ患者が困ってしまうのです。

「京都の病院ではC型肝炎なので危険だと断られ続け、薬も出してくれない。万波先生しか診てくれなかった患者がたくさんいる」という現実に対して、厚労省とや愛媛社会保険事務局はどういう対応をとってくれるのでしょうか? やはり厚労省のいつもの態度のように見殺しなのでしょうか?

難しい病気になるほど治療できる医師は限られてきますから、治療できる医師を探して患者は病院を捜して回ることになります。いくらか前の話になりますが、知人が(インターネットでは)評判の良い、順天堂大学医学部附属順天堂医院(産婦人科)に行ったところ、ドクターハラスメントを受け、治療も無理だなどと言われたため、激しく泣いていました(他の病院を探して治療を受けて良好な結果となった。)。治療もできないなどと言われた患者の嘆き。とても慰めきれるものではありません。(追記:どうやら、医師が診療拒否に近いことを辛辣に言っていることが度々あるようで、今は順天堂医院(産婦人科)の評判は良くないようです。)

本当は、「C型肝炎なので危険だと断られ続け、薬も出してくれない」という病院の方が悪いのですし、治療も無理だなどと言い捨てる病院の方が悪いのですが、治療してくれない病院を非難したところでどうにもなりません。

「万波先生しか診てくれなかった患者がたくさんいる」ということは、もし、万波誠医師に対する保険医登録取り消し処分がなされれば、将来、万波医師により救われたはずの患者の命が奪われてしまうことになるのです。それは実に不合理なことだと思うのです。




4.<デスクメモ>は、次のように述べています。

「権威筋の話は尊重し、現場の意見は聞き入れない―日本のエリートの伝統的な、もはやDNAと言ってよい欠陥だ。だから厚労省が患者の声を無視することなど驚きに値しない。こういうときこそ政治の出番ではないか。与野党が民の声に耳を傾けるのが、ねじれ国会ゆえだとしても、それもまたよしだ。」



厚労省が患者の声を無視することはいつものことです。「修復(病気)腎移植を考える超党派の会」は、超党派で集まっているのですから、より与野党で合意しやすいと思います。「修復(病気)腎移植を考える超党派の会」に対して期待をしています。

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
議員立法を望みます。
ドクターの議員も多数出席し、かなり理解を示した発言を聞きました。
法制度を整え実用化することを本当に望みます。
2008/02/23 Sat 06:35:54
URL | ほっちゃれ #17ClnxRY[ 編集 ]
>ほっちゃれさん:2008/02/23 Sat 06:35:54
コメントありがとうございます。


>議員立法を望みます

同感です。厚労省が消極的なのですから、国会議員にぜひ動いていただきたいです。

死体腎移植の平均待機期間16.6年という異常な事態に対して、何の手立てもとらないでいる状態がおかしいのですし、今の臓器移植法も、改正案は出ていますが、その案の通りに改正することは無理な状態ですから。レストア腎移植反対の方たちには、ぜひ対案を出してほしいものです。


>ドクターの議員も多数出席し、かなり理解を示した発言を聞きました

理解を示すドクターもいるんですね。新聞報道でも理解を示す発言が幾つか掲載されていましたから、国会議員の中では厚労省と違う意識があるようですね。
2008/02/25 Mon 01:22:06
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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