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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2008/02/16 [Sat] 23:56:23 » E d i t
鳩山邦夫法相は2月16日、福岡市内で開かれた自民党福岡県連大会であいさつし、12人が無罪となった鹿児島の選挙違反事件(志布志事件)を「冤罪と呼ぶべきではない」と発言したことについて、「法務省や検察が常日ごろ言っていることを、そのまま言っただけ。国会の委員会でも何度も答弁している」と釈明――開き直り――しました。(2月17日追記:2つのブログを参照し、引用しました)



1.報道記事をいくつか。

(1) ANN NEWS:2008/02/16(15:28)

今度は「法務省や検察の基本的考えだ」鳩山法務大臣
--------------------------------------------------------------------------------

 鳩山法務大臣は、全員無罪となった鹿児島の志布志事件を「冤罪にあたらない」と述べたことについて、「法務省や検察の基本的な考えだ」と発言を正当化しました。

 鳩山法務大臣:「今回の冤罪の問題は、法務省や検察が常日ごろ言っていることをそのまま申し上げました。裁判による無罪は、冤罪とは表現しないというのは法務省検察の基本的な考え」

 そのうえで、鳩山大臣は「検察のほうは謝るべきではないと思ったでしょうが、私は自らの気持ちでおわび申し上げた」と改めて謝罪の意を示しました。この冤罪をめぐる発言については、与野党からも批判が相次ぎ、鳩山大臣は国会で謝罪するなど対応に追われました。ただ、開き直りとも取られかねない今回の発言で、改めて批判を呼ぶ可能性もあります。」




(2) 毎日新聞2008年2月16日 22時10分

鳩山法相:「検察が言っていること」冤罪否定発言で

 鳩山邦夫法相は16日、福岡市で開かれた自民党福岡県連の会合で、鹿児島県議選の買収無罪事件を「冤罪(えんざい)と呼ぶべきではない」とした自身の発言について、「志布志のようにひどい取り扱い、理不尽な取り調べを受けた方が無罪になったなら、『冤罪が晴れた』と言って、全く反論できないと思ったので、心からおわびした」と述べ、改めて謝罪の意を示した。一方で「天に向かって恥じることはない。今回の冤罪の問題は、法務省や検察が常日ごろ言っていることをそのまま言った」と説明した。

 鳩山氏は「真犯人が後から現れた場合を冤罪と言い、裁判による無罪は冤罪とは言わないというのが法務省、検察の基本的考え方だ」と指摘。「検察の方は謝るべきでないと思っただろうが、私は自らの気持ちでおわびした」と語った。

 鳩山氏は14日の衆院予算委員会で発言を事実上撤回し、「今後、公式の場で冤罪という言葉は一切使わない」と答弁している。【堀井恵里子】

毎日新聞 2008年2月16日 22時10分」





2.鳩山法相の冤罪否定発言に対して、志布志事件の元被告人たちなど「住民の人権を考える会」が抗議声明を行っているなど多くの非難が寄せられています。


(1) 産経新聞(2008.2.15 23:09)

「冤罪でないとは?」 志布志事件被告が鳩山法相に申し入れ
2008.2.15 23:09

 鹿児島県議選をめぐり公選法違反の罪に問われ無罪が確定した元被告らを支援してきた「住民の人権を考える会」(同県志布志市)は15日、「冤罪(えんざい)と呼ぶべきではない」と発言した鳩山邦夫法相に真意を問う申し入れ書を郵送した。

 申し入れ書は「真犯人の存在だけを冤罪の要件とするのは極めて狭い論理だ」などと同会の見解を記した上で、「率直な真意を明らかにしてほしい」と要請、今月末までの回答を求めている。

 鹿児島県庁で記者会見した会長で僧侶の一木法明さん(72)は「長期にわたる拘置で「実刑に等しいほどの苦痛を受けた元被告もいる」と指摘。「国会で追及されたから謝るのではなく元被告やわたしたちの気持ちも聞き、事件を理解した上で発言を撤回する配慮をしてほしい」と訴えた。

 鳩山法相は14日、衆院予算委員会で「元被告の方々におわびする」と陳謝、元被告らは発言の撤回と謝罪を求める抗議声明を法相に届けている。」


抗議声明の詳しい内容については、「保坂展人のどこどこ日記」さんの「志布志事件国賠訴訟原告団、鳩山大臣に抗議声明」(2008年02月14日)をご覧ください。



(2) しかし、このような抗議声明を知りつつも、鳩山法相は、2月16日、福岡市内で開かれた自民党福岡県連大会で開き直りといえる発言を行いました。

「「天に向かって恥じることはない。今回の冤罪の問題は、法務省や検察が常日ごろ言っていることをそのまま言った」と説明した。

 鳩山氏は「真犯人が後から現れた場合を冤罪と言い、裁判による無罪は冤罪とは言わないというのが法務省、検察の基本的考え方だ」と指摘。「検察の方は謝るべきでないと思っただろうが、私は自らの気持ちでおわびした」と語った。」(毎日新聞)


「天に向かって恥じることはない」のなら、なぜ謝罪したのでしょうか? 謝罪は全く無意味なものになりました。この開き直り発言によって、志布志事件の元被告人たちは、より一層激怒させてしまったと思います。


問題なのは、「今回の冤罪の問題は、法務省や検察が常日ごろ言っていることをそのまま言った」ということです。こうなると深刻です。

2月13日、全国の高検、地検のトップが集まる検察長官会同において、但木敬一検事総長が富山の冤罪事件や志布志事件に触れ、「基本に忠実な適正な捜査が何より重要と再認識させられた。関係者の言い分などに耳を傾け、取り調べの過程にも十分配慮して任意性と信用性の確保に努めなければならない」と訓示しました(日経新聞平成20年2月2月13日付夕刊16面)。

鳩山氏の発言が本当のことであれば、「真犯人が後から現れた場合」という「冤罪」の防止は真剣に取り組むが、志布志事件のような事件を捏造し「踏み字」という違法捜査まで行って自白を強要する「警察や検察による犯罪」については防止する気がないのではないか、2月13日の訓示はマスコミ向けに形式上述べただけで、法務省や検察は本気で自白強要の防止に取り組む気はないのではないか、との疑念が生じます。

鳩山発言により、法務省と検察庁の見解・冤罪防止の姿勢を問いただす必要性が生じてきたのです。



(3) 冤罪とは、「無実の罪で、犯人に仕立てあげられること」、「無実の罪、見に覚えない犯罪について逮捕、勾留され、起訴され裁判にかけられること」です(再審えん罪事件全国連絡会(編)『えん罪入門』(日本評論社、2001年)14、79頁)。

冤罪事件は、警察官が取り調べる際に見込みが強く働きすぎて、「早く自白させて事件を解決しなければ」という気持ちで、「やったんじゃないか」と詰め寄ってきつい取調べを行い、まちがった自白、つまり「嘘の自白」をとってしまい、その「嘘の自白」で検察が起訴することから、おきてしまうのです(再審えん罪事件全国連絡会(編)『えん罪入門』15頁)。

ですから、「冤罪」の意義だけでなく、冤罪がおきる理由からしても、無実の罪で有罪判決を受け、確定した後で再審において無罪となった場合と、志布志事件は同じく「冤罪」であって、これを区別するべきではありません。それなのに、なぜ、法務省と検察庁は、区別するのでしょうか。

こうなると、国会において、法務省や検察庁の見解を問いただすべきであり、もし本当であれば法務省や検察にも批判が向けられることになるでしょう。この問題は、鳩山法相だけでなく、法務省や検察を巻き込んでの大問題に発展することになったと思います。


現在、来年の裁判員制度スタートを控えて、取り調べの一部の録音・録画を全国の地検で試行しています。いわゆる取調べの「可視化」は、自白強要の防止、容疑者の自由意思で供述したのかどうかを検証するために必要なことです。

鳩山法相の発言が事実であれば、法務省と検察庁は真剣に冤罪防止に取り組む気がないといえ、今後も「自白した瞬間を録画せず、最後を録画している」という欺瞞を延々と行うだけであり、法務省及び検察庁はとても信用できません。そうなると、取調べの一部録音・録画では足りず、全過程の録音・録画は必至となったといえるでしょう。




3.それにしても、鳩山氏は何度思いつきで軽率な発言をすれば気が済むのでしょうか?

法相冤罪発言―仏の顔も三度だ

 やりきれないのは、鳩山法相が今回のような軽率な発言をこれまでも繰り返していることだ。

 死刑について、「法相が絡まなくても執行が自動的に進むような方法はないか」と語り、死刑制度の勉強会を省内に設けた。その一方で、就任5カ月間で計6人という異例の速さで死刑の執行を命じている。

 外国特派員協会の講演では、「友人の友人がアルカイダ」と述べ、物議をかもした。私たちはこのとき、「そうした大事なことについて軽口をたたくようでは、法相の資格はない」と指摘した。

 鳩山氏は安倍前首相によって法相に任命された。福田首相がそのまま再任した。しかし、ここにいたっては、福田首相の任命責任が問われている。」(朝日新聞平成20年2月14日付「社説」)


鳩山邦夫議員は、思いつきでしか発言できない人物であって、法務大臣としても議員としても資質を欠如しています。鳩山氏は、何度注意を受けても止めることができないのです。

福田首相は鳩山大臣を罷免し、鳩山氏の戯言をいい加減に黙らせるべきです。



<2月17日追記その1>


「弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」」さんの「■[不祥事]法相「法務省や検察が言ってること」・冤罪発言で弁解」によると、

「冤罪とは何かについて、法務・検察の世界で、常日ごろ口にされている「定説」のようなものを、私は聞いたことがありませんし、法務大臣が何をもって、「常日ごろ言っていること」と言うのか、理解できません。単に、責任転嫁を図っているだけではないか」

とのことです。

これが事実であれば、鳩山法相はデタラメを述べたことになります。デタラメを述べて発言の正当化を図ったのであれば、一層、法務大臣としても国会議員としても不適格です。



<2月17日追記その2>

「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」さんの「鳩山法相「冤罪」発言は、志布志事件「実行説」を前提とする確信犯~反省しない警察へのエールと判明」によると、鳩山法相の発言は、警察庁が作成した「富山事件及び志布志事件における警察捜査の問題点等について」というレポートを支持する意見だと分かります。すなわち、このレポートは、志布志事件は、

「無罪になったのは、取り調べ方法が悪かっただけで本当は有罪にするべき事案だった」

という趣旨のものなのです。相当に深刻な問題になってきました。取調べの可視化は必ず必要といわざるを得ません。

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
下手な話芸が席巻する日本の政界
口を開けば開くほど支離滅裂、でたらめ、言い逃れ、見識不足、勉強不足が際立つ、下手な話芸だけの人が日本の政界には多すぎますね。この鳩山邦夫法務大臣だけではなくて、某都府の知事もそうですし...

こんな話芸士ばかりが日本の政界に君臨するとしたら、日本が自ら滅びるのも時間の問題のような気がしてきて悲しいです。私が力及ばずそれを阻止できないことも悲しいけど...
2008/02/17 Sun 14:53:26
URL | 村野瀬玲奈 #6fyJxoAE[ 編集 ]
>村野瀬玲奈さん:2008/02/17 Sun 14:53:26
コメントありがとうございます。


>下手な話芸だけの人が日本の政界には多すぎますね。この鳩山邦夫法務大臣だけではなくて、某都府の知事もそうですし...

鳩山法相による度重なる思いつき発言を聞くと、すっかり政治家の言葉が軽くなったな~と思いますね。日本では。

でも、鳩山法相は、福田内閣や自民党の支持率を低下させるためにわざとやっているのかもしれないという、噂は意外と真実かもしれませんね(^^ゞ
2008/02/18 Mon 22:12:39
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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2008/02/18(月) 01:31:50 | 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
    皆様のご支援に感謝致します! ありがとう! ●NHKニュース 2月17日 16時9分 志位委員長 法相の罷免求める 共産党の志位委員長は山梨県昭和町で記者会見し、鳩山法務大臣が、鹿児島県議会議員選挙をめぐって被告全員の無罪が確定した事件を「えん罪と?...
2008/02/18(月) 21:19:44 | 晴天とら日和
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