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2008/02/03 [Sun] 17:49:16 » E d i t
代理出産の是非を議論している日本学術会議の生殖補助医療の在り方検討委員会(委員長・鴨下重彦東大名誉教授)は1月31日、東京都内で公開講演会を開きました。不妊夫婦が妻以外の女性に子供を産んでもらう代理出産を法律で原則禁止する報告書案に対し、参加者や委員からは賛否両論が出たとのことです。この日の議論を参考にして検討委は2月にも最終報告書をまとめるとしています(日経新聞平成20年2月1日付朝刊)。

そこで、この公開講演会の報道について紹介したいと思います。まずは、報告書案の骨子を掲げておきます。

◆学術会議の検討委がまとめた報告書案の骨子◆

 ▽代理出産は法律で禁止すべき

 ▽営利目的での代理出産の実施・依頼・斡旋(あっせん)は、国外での実施も含め、代理母を除く関与者を処罰すべき

 ▽法律で実施の要件と手続きを定め、代理出産を試行することは考慮されてよい

 ▽代理出産が行われた場合、産んだ女性を母とするルールを適用すべき。養子または特別養子縁組による、親子関係の成立は認めてよい」(読売新聞平成20年1月31日付朝刊11面)




1.報道記事をいくつか。

(1) 時事通信(2008/01/31-20:14)

「子の福祉最優先」「禁止に反対」=代理出産めぐり公開講演会-日本学術会議

 第三者に子供を産んでもらう代理出産をテーマに、日本学術会議主催の公開講演会が31日、都内で開かれた。30日に「法律で禁止」の報告書案をまとめた同会議の委員らが出席し、それぞれの意見を表明した。
 まず委員長の鴨下重彦東大名誉教授が、報告書案の概要を説明。「(是非を)決めるのは学術会議ではなく国民、国会。そのための考える材料にしてほしい」と述べた。
 小児科医の水田祥代九州大学病院長は、生殖補助医療によるハイリスク出産の増加や、子供への心理的影響などの問題を指摘し、代理出産に反対。室伏きみ子お茶の水女子大教授は生物学の視点から、遺伝的つながりのない環境の胎児への影響などを懸念、「子の福祉を最優先させるべきで、子供への影響を明らかにせずに技術だけを拡大させることは危険」とした。
 不妊治療に長く携わる吉村泰典慶応大教授は「当事者間で完結しない医療は無制限には認められない。公的機関による審査と長期にわたる管理が必要」と、禁止以外の道を提案した。
 加藤尚武東大特任教授(倫理学)は「ある医療を法律で禁止するには、理論的な想定ではなく臨床的事例による証明が必要。その要件が不足している」とし、禁止に反対。辻村みよ子東北大法学研究科教授も「これまでに出ている禁止論は十分でない」と指摘した。」



(2) 時事通信(2008/01/31-21:56)

「もっと具体的な議論を」=米で代理出産の向井さん-学術会議講演会に参加

 31日開かれた日本学術会議の公開講演会に、米国での代理出産で双子をもうけたタレント向井亜紀さんも参加。終了後記者会見し、「生まれてくる子供の福祉など、大きな問題がある割には、具体的な議論がなされていない」と批判した。
 向井さんは、法律で禁止しながら調査研究のため試行の道を残すとの同会議委員会の結論に、「代理出産に伴うさまざまなリスクに対して、国は何ができるのか決まっていない。まず法律で禁止してから調査を始めるというのは順番としておかしい」と疑問を投げ掛けた。
 一方で、「調査目的でも、(実施の可能性を)喜んでいる夫婦もいる。彼らに希望を与えているということに責任を持ってほしい」と、今後の議論に期待も示した。」




(3) 毎日新聞2008年2月1日東京朝刊

代理出産:「禁止」案、学術会議講演会で賛否の声--根津医師、06年以降に3組実施

 ◇一部委員も異論

 不妊夫婦の受精卵で他の女性が妊娠・出産する代理出産を巡り、日本学術会議は31日、東京都内で公開講演会を開いた。同会議の委員会が作成した「代理出産は法律で禁止すべきだ」との報告書案を説明し、会場から賛否両論の声が出た。一部委員からも「認めるべきだ」との意見が出されたが、鴨下重彦委員長は「生まれる子のことを考えるべきだ。報告書案の方向は変わらないと思う」と述べた。

 講演会には医療関係者や不妊患者ら約150人が参加。委員の水野紀子・東北大教授は「子がほしいという希望は、周囲の圧力などによって生まれたものともいえる」と、報告書案を支持する理由を述べた。一方、委員の加藤尚武・東京大特任教授は「全面禁止するほどの危害があるとは思えない」と禁止に反対する見解を示した。

 会場からは「過半数が代理出産を容認した世論調査結果をどう考えるのか」との声が上がる一方、「代理出産が認められると、不妊治療のレールからますます下りられなくなる」と、禁止に賛成する人もいた。

 米国での代理出産で双子を産んでもらったタレントの向井亜紀さんも参加。終了後に「データがない状況で禁止にされるのは悲しい。しかし、(報告書案が言及した)国による代理出産の臨床研究の実施はたくさんの人に希望を与えるので、代理出産する女性の健康を国がどう保障するのかなど、責任を持ってほしい」と話した。【永山悦子、下桐実雅子、大場あい】

 ◇06年以降、3組実施--根津医師

 諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘(ねつやひろ)院長は31日、06年以降に3組の代理出産を実施し、2人の子どもが生まれて1人が妊娠中であると発表した。根津院長は「危険な状態になった女性はいない。日本学術会議の報告書案は到底承服できない」と話した。

 根津院長によると、代理出産を引き受けたのは、いずれも40代以上で母親を含む親族の女性。「研究を深め、高齢者の妊娠、出産の充実をはかるべきではないか」と述べた。日本産科婦人科学会の吉村泰典理事長は「学術会議で検討中で結論を待つべきだ」と話す。

 根津院長はまた、米国で第三者の受精卵の提供を受けて妊娠した独身の60歳の女性が昨年、出産したことを明らかにした。国内最高齢に並ぶとみられる。

 これまでに明らかになっている国内最高齢の出産は、米国で卵子の提供を受け、01年に出産した60歳の女性。【永山悦子、池乗有衣、須田桃子】

毎日新聞 2008年2月1日 東京朝刊」




2.公開講演会について触れる前に、果たして立法化されるのかどうかが問題です。

(1) こうして「生殖補助医療の在り方検討委員会」は、公開講演会を開いて報告書をまとめるとのことですが、かなり空しいものです。多くの国会議員の関心は低く、立法化のめどは立っていないからです。

国会議員低い関心「票にならない」

 検討委はきょう31日の公開講演会を経て、3月末に最終報告書をまとめる。報告書の策定を求めた厚労省、法務省は、法制化を模索するが、「立法府(国会)で代理出産の是非を議論してほしい」(厚労省)としており、政府自らが法律制定に向けて動き出す様子は見えない。

 実は、代理出産に関する法制化の動きは今回が初めてではない。厚労省は、03年に代理出産を罰則付きで禁止する報告書をまとめているが、その後、国会での議論は進まなかった経緯があり、今回も先行きは不透明だ。

 民主党の作業チームが06年12月、妻が子宮を失った夫婦など医学的・身体的な理由に限って、代理出産を認める中間報告をまとめたが、その後、休止状態が続く。他の政党で代理出産について見解を示したところはない。

 民主党の作業チーム座長を務めた西村智奈美衆議院議員は「学術会議の報告内容を聞き、党議拘束をかけるべきか、個々の議員の価値観にゆだねて対応すべきものなのか、整理したい」と話す。

 代理出産の法整備を進める超党派の国会議員グループもあるが、07年6月から活動は事実上停止。「代理出産は票にならないため、国会議員の中では関心が低い」(西村衆議院議員)としている。」(読売新聞平成20年1月31日付朝刊11面「解説スペシャル」



(2) このように、多くの国会議員の関心は低いのですが、生殖補助医療について最も関心の深い国会議員である、野田聖子衆議院議員はすでに関心を向けています。野田聖子議員は、公式メールマガジン「キャサリン通信」で次のように述べているからです。

「新聞各紙は今日、代理出産の是非を検討してきた日本学術会議の「生殖補助医療の在り方検討委員会」(委員長:鴨下重彦・東京大名誉教授)の報告書案について報道しています。いわく、「代理出産の実施は新たな法律で原則禁止し、海外で実施された場合も、法的な親子関係は出産した女性を母とすべき」との内容です。医学に限らず、法律や生物学、生命倫理等々にわたるさまざまな分野の専門家が議論した結果のとりまとめ案であることに十二分の敬意を表しつつも、私はこの報告書案を手放しで評価することはできません。

理由あって自分自身で子どもを産めない女性が代理母となる女性の同意の下に子どもをもつことが、なぜ国によって原則禁止と決められるのか、私には理解できません。代理母の心身に対する悪影響や胎児への悪影響など、妊娠・出産が本来的にもつ危険性や予測不可能性を考慮すべきだという議論や、子どもの福祉の観点からの慎重論、さらには違反した場合に刑罰に処するかという問題等、検討委員会ではさまざまな角度から問題点が提起されたということです。しかし、代理母の存在をはじめ、その他の多くの条件を生涯受け入れながら、それでもわが子を育てたいという母親の心を国が禁ずる、という考え方には基本的に問題があると思います。」(2008/02/01 野田聖子公式メールマガジン「キャサリン通信」第89号



このように今回の報告書案も、野田聖子議員を納得させるほどの内容ではありませんでした。代理出産を含めた生殖補助医療に関して多くの記事を掲載している読売新聞平成20年2月2日付「社説」も、「代理出産 もっと問題点の整理が必要では」などと指摘するほど、報告書は不十分な内容だったのですから、野田聖子議員を納得させることができないのは当然のことでしょう。

生殖補助医療に関して最も関心の深い議員を納得させられないようでは、報告書案をそのまま立法化することはまず困難です。また、憲法学者である「辻村みよ子東北大法学研究科教授も「これまでに出ている禁止論は十分でない」と指摘した。」(時事通信(2008/01/31-20:14))とあるように、憲法論を含めた法律論としては代理出産を禁止する法的根拠は乏しいのです。これでは、報告書案を維持した立法は不可能に近いといっていいかと思います。



(3) 検討委員会の報告書案は、代理出産を禁止しているドイツ型やフランス型の規制に類似した内容となっていますが(「日本学術会議、条件付きで代理出産を容認へ~ただし、例外的な実施条件を巡り議論が紛糾」参照)、ヨーロッパの生殖補助医療の現状を知って報告書を作成したのか疑問に感じます。

ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)はヨーロッパの生殖医学分野におけるコンセンサスを図る目的で、生殖医療のベンチマークとなる多数の重要な文書を発表しています(ESHRE Task Force on Ethics and Lawから発表)。

「ESHRE Task Force on Ethics and Lawは、IVFサロガシーについて、最後の手段(last resort)として認めている。ただしサロゲートマザーに対して、適切な経費や代償以外の報酬は認められず、厳密なカウンセリングを治療提供施設と関係のないカウンセラーによって個別に受けなければならないとしている。」(石原 理・他『卵子提供,代理懐胎(IVFサロガシー)の実態と展望』 臨床婦人科産科2007年12月号(61巻12号)1499頁)


このように、ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)は、代理出産を肯定しており、代理出産について全面禁止するほど危険性のあるものとは評価していないのです。ですから、日本でも、「(検討)委員会の内外から強い異論が出ている。妊娠・出産に伴うリスクは、健康状態をきちんと管理すれば深刻ではなく、現に世界で代理出産はもう珍しくない医療だ、などと主張」(読売新聞平成20年2月2日付「社説」)しているのも、少しもおかしなことではないのです。




3.このように、法律的にも医学的にも禁止する根拠が乏しいとなれば、禁止する理由は日本固有の特殊事情が禁止の主要な根拠になっているのではないかと、自然と推測できます。その日本固有の特殊事情について、水野紀子教授は公開講演会で端的に述べていました。

「委員の水野紀子・東北大教授は「子がほしいという希望は、周囲の圧力などによって生まれたものともいえる」と、報告書案を支持する理由を述べた。」(毎日新聞)



(1) この「子供が欲しいという希望は自分の意思ではない」という禁止根拠は古くから言われているものです。いまだに、多様な夫婦の意思を無視した決め付けを平然と言い放つのかと呆れてしまいます。このような禁止根拠に対しては以前から反論がなされていますので、その一例を挙げておきます。

 「それでは子供を持つというのはどういうことかということを、当たり前のことですが、ちょっと考えてみたいと思います。

 不妊治療をしている女性は本当に自分が子供が欲しいというよりは、周囲のプレッシャーに苦しめられているからだという意見があります。例えば舅や姑に「孫の顔が見たい」とか、「跡取りはまだか」と言われるとか、友人に「赤ちゃんはまだ?」というふうに言われると。

 確かにそういう周囲の圧力が患者を苦しめているということは大変問題だと思いますが、そういう圧力がなくなれば不妊治療は必要なくなるのかというと、そんなことは決してありません。アメリカなんかを見ればわかりますけれども、アメリカでは跡取りはまだかというようなことを言われることはあまりないわけです。家に縛られない自由な国なわけですから。そういう国でも非常にたくさんの不妊治療が行われている。

 言ってみれば子供を持ちたいというのは人間として非常に本源的な欲求だということになります。もちろん本源的な欲求だから、どんな方法で子供を持つのも認めるべきだというふうにはならないわけですけれども、しかし子供を持ちたいという本源的な欲求を制限するには十分に合理的な理由を示す必要があるだろう。これはやっぱり最初の出発点として確認しておくべきことだと思います。」(平成14年2月3日第2回FROM Current opinions 読売新聞医療情報部次長・田中秀一「だれのための生殖医療か-----メディアの立場から」)




(2) 子供がいない夫婦に対して、親族や友人が子供を期待することは今でもよくあることです。しかし、本当に子供が欲しくて不妊治療をしている夫婦にとっては、ただでさえ悩んでいるのですから、そのような悩みを理解することのない心ない人々が過度に精神的なプレッシャーをかけることは、一種のいじめに近いものがあります。だから、代理出産を禁止する――。それも一手段であることは確かです。

しかし、いじめ問題と似ていますが、心ない人々が過度に精神的なプレッシャーをかけること自体が悪い、いじめる側が悪いのだ、いじめる側こそが最も問題であると明言しておくことが大事なことだと思うです。

不妊症は夫婦10組に1組の割合で発生する疾患であって少しも珍しくないのですから、不妊治療は日常的な医療行為なのですから、不妊であることに対してプレッシャーをかけるべきではないのです。そして、子供を持つか持たないかなど、「多様な家族のあり方」が現実として存在し、多様な価値観があることを認めるべきであることを、日本社会に対して啓蒙し、理解を求めるべきなのです。

このように、水野紀子・東北大教授が述べるような「子がほしいという希望は、周囲の圧力などによって生まれたものともいえる」という主張は、根本的に間違っているのです。

テーマ:法律全般 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
理想と現実
春霞さんこんにちは。
玄倉川と申します。ブログで代理出産容認反対の意見を何度か書いています。

一言だけ言わせていただきます。
春霞さんは理想主義的な方だとお見受けします。それは何も間違っておりません、立派なことです。
ですが、理想と現実を取り違えるのは間違いです。
「理想に反すること(いじめ・親族の出産強要)があってはならない」と思うのは結構ですが、「『あってはならないこと』を『無いこと』とみなす」のは現実から目をそむける愚かで臆病な行為です。旧軍(大日本帝国)が自らの弱点と敗北を否定し、理想と精神力にすがったことを思い出します。

代理出産は容認・禁止どちらにしてもさまざまな重い現実にぶつかる大問題です。どうか理想論と受益者だけでなく、現実と弱い立場の人たちのことをお考えになってください。
2008/02/03 Sun 19:47:44
URL | 玄倉川 #8iCOsRG2[ 編集 ]
>玄倉川さん
はじめまして、コメントありがとうございます。確か一度、TBを相互に送り合ったことがあったと思います。


>ブログで代理出産容認反対の意見を何度か書いています

何度か拝見しています。代理出産を「寄生出産」などと揶揄するようなエントリーでした。全体として代理出産を揶揄するエントリーが多いように感じました。

代理出産などの生殖補助医療を巡る問題は、どのような立法を行うかの段階に入っています(立法論)。日本学術会議の議論も立法を念頭においているわけです。立法論ですから、関連する法分野(憲法、民法、刑法、国際私法、国際民事訴訟法)に目を配りつつ法律的な議論を行うことが不可欠です。

仮に法律論でなくても、法の根底にある理念や立法観などに触れているものであれば、十分に意義のある議論です。そういうブログも現に2つほどあり、素晴らしいと感じています。(1つは引用させて頂いたことがあります)

他方で、玄倉川さんの代理出産に関するエントリーは、代理出産自体を揶揄することに懸命で、それ以上の議論にまで進展させていないように思えます。そうなると、法律系ブログの立場としては、「反対しているな~」と意識しただけにとどまってしまいます。この問題は多方面にわたる法律論なのに、なぜ法律論を論じないのですか?


>春霞さんは理想主義的な方だとお見受けします

理想主義的ではなく、理想主義を説いているわけでもありません。法律雑誌、医学雑誌を紐解き、国際的にも代理出産はずっと実施されていくという現実を踏まえて、十分に妥当性があるとして、代理出産肯定論を主張しています。

なお、この問題はすでに立法論ですから、立法理念を掲げて議論しています。立法理念と理想論とは別個の問題です。念のため。


>代理出産は容認・禁止どちらにしてもさまざまな重い現実にぶつかる大問題です。どうか理想論と受益者だけでなく、現実と弱い立場の人たちのことをお考えになってください

代理出産において最も尊重・保護すべき弱き者は、代理出産で生まれてきた子供です。代理出産に限らず、他の生殖補助医療を行った場合に生まれてきた子供はすでに膨大に存在しますし、今後もずっと増えていくのです。

玄倉川さんは生殖補助医療により生まれた子供の法的地位の問題について論じていますか? 今最も必要な議論はその問題なのです。このブログでは何度か触れていますが、最近のものとしては↓のエントリーがあります。

「海外における配偶子提供の現状~学術会議報告書素案が子の出自を知る権利や配偶子提供の是非につき沈黙したのはなぜか?」
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-823.html
2008/02/04 Mon 23:56:53
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
残念です
春霞さん、お返事ありがとうございます。

ご意見は承りました。これまでの春霞さんのブログと同じく参考にさせていただきます。
私が法律論を語らないのは、単純にその能力がないからです。また、法律論は大事ですが、それが全てだとは思っていないからです。

私のブログ記事を「揶揄」とお感じになったのですね。私はこれ以上ないほど真剣に書いたので心外です。
さいわい、リテラシーに優れた読者には真意を理解していただいてます。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/1971e549b2d2d0da64c20d84c4de5eaa
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/2c31cf9c1d7e3d9b87b648cc09e5e63e
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/59714e22757966463cafeee81e7af973

また、「玄倉川 代理出産」といったキーワードで検索すれば一般的な反応を知ることができます。

春霞さんが法律論を重視し、大いに勉強して意見を語っておられるのはとても立派なことです。
ですが、世の中のほとんどの人々は代理出産の問題点について真面目に考えていない、と私は思います。「所詮は他人事」として、代理出産の負の部分を考えず気軽に賛成論を語る人が多い。それは学術会議の答申案(原則禁止)と世論(容認)の温度差にはっきりと表れています。

春霞さんは「望ましくない現実から目をそむけている」という私の指摘にお答えくださいませんでした。とても残念です。私は春霞さんが良心的な方であることを信じますが、同時に視野の狭さを惜しみます。

お邪魔いたしました。春霞さんお今後のご活躍に期待します。
2008/02/05 Tue 04:17:09
URL | 玄倉川 #SFo5/nok[ 編集 ]
>玄倉川さん:2008/02/05(火) 04:17:09
コメントとTBありがとうございます。

玄倉川さんのエントリーはこのブログのみのエントリーでしたが、ずいぶんと勘違いした理解をしていると感じました。法律論を理解していないと、こういう読み方になるんでしょう。勉強になりますね。プリンスホテルの会場使用拒否問題では、正しく理解なされているのに残念だな~と思いました。
http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/5427f7c4e5c7af908c2f63d2d355cae2

あと、倫敦橋さんがいち早くコメントしていたのはちょっと可笑しかったですね。どうせなら、こちらでコメントすればいいのに。


>私が法律論を語らないのは、単純にその能力がないからです

「(法律論を論じる)能力」ではなくて、法律的な知識がないということなのでしょうけど、それだとこのブログを読んでいても難しいでしょうね。最近出た検討委員会の報告書も、当然ながら法律的な論理・理解を基礎として作成されたものです。法律的な知識がないと諦めないで、法律知識を理解する方がよいと思います。


>私のブログ記事を「揶揄」とお感じになったのですね。私はこれ以上ないほど真剣に書いたので心外です。
>さいわい、リテラシーに優れた読者には真意を理解していただいてます。

真剣に書いたとしても、どんなに賛同するコメントがあっても、客観的に評価に値する内容でなければ意味がありません。

ご自分のエントリーを3つ挙げているところをみると、もう一度読み直して、再検討してほしいということかと思います。では、1つ1つコメントを加えることにします。


(1)「玄倉川の岸辺『産む機械』を肯定する世論」について

2008年1月28日の柳沢厚労相の「産む機械」発言を契機として、「代理出産は産む機械である」と論じているものですが、それ以上の内容はありません。

代理出産の禁止理由としては、「代理母を生殖の手段として道具のように扱うものであり、代理母の人格を否定するものである」というものがあり、「産む機械」はそれと同じ内容にすぎません。

代理出産が「産む道具」か否かは、昔から言い尽くされた議論であり、2003年の厚労省の報告書当時でも議論されていたことはご存知のことかと思います。代理出産が「産む機械」か否かを論じるならば、すでに出されている反論を引用したうえで議論を展開しなければ何の意味もありません。

柳沢発言の是非と代理出産の是非は、論理のお楽しみとして比較してみるのはよいとしても(同じ問題であるという一般人の誤解を解く意味もあるでしょうが)、まったく別個の議論なのですから、代理出産の議論に何ら寄与するものではないのです。


(2)「玄倉川の岸辺 代理出産=『寄生出産』」について

代理出産を「寄生出産」だとレッテル貼りを行い揶揄した内容です。物事を論じる場合、レッテル貼りを行うと一見わかりやすく見えますが、議論の本質がずれてしまい混乱を招く危険があります。しかも、「代理出産」という用語は、法律的にも確立したものであって、そう簡単に動かすことは困難です。「寄生出産」というレッテル貼りは全く無意味です。

代理出産の是非は、法律面・医学面など多面にわたる議論であり立法問題なのですから、揶揄する言動は肯定否定のどちらの立場であっても、真剣な議論を妨害するものであって、妥当ではありません。


(3)「玄倉川の岸辺 『代理出産』賛成派の意見 その2」について

一般人の意見を多数引用したうえで、「あなたが出産可能な女性なら、自分で『代理母』を引き受けるのか」として、自己ができるかという個人的な事情に置き換えて妥当でないとした内容です。

正直な話、一般人の意見をこれほど引用しても法律的に大丈夫なのか非常に不安になります。一般人の方々は、ずっと批判に晒され続けることをとても嫌がるはずです。人が嫌がることが予想されることをやっていいのかどうか、かなり怖すぎです。

法律問題に限らずある社会問題が生じたとき、自分に置き換えてみてできるかどうかで判断することは、問題点を身近に捉えることになって良い面もあるとは思います。ですが、他方で、自分に置き換えて議論すると、どうしても個人の感情などの主観で判断することになり、普遍的であるべき問題点の解決が歪められてしまいます。

社会問題の解決は、自分ができるか否かでなく、第三者の立場で客観的に判断しなければならないのです。玄倉川さんの論述は、主観に左右されて結論を導いたものであり、全く評価できません。ただ、代理出産を肯定する人々を揶揄したかっただけのように思えます。


このように玄倉川さんの3つのエントリーはすべて評価するに値しません。残念なことでしょうが。玄倉川さんが代理出産を否定するなら否定で論じてもよいのです。ただし、論じるならば、代理出産の是非に関する理由を十分に調べたうえで、揶揄することを止めて感情論を排して論じるべきです。

代理出産の是非に関する議論は、ずっと前からディベートのテーマであり、 ネットで見る限りでも多くの文献を見た上でディベートに臨んでいることが分かります。玄倉川さんは、代理出産について論じた文献をほとんど読んでいないように思いますが、どれほど読んで論じているのですか? ディベートのために多数の文献を調べた方が読んでも、納得できるほどの内容になっていると思いますか?

私がここで論じている代理出産は、巷であふれている一般書籍を見ただけでなく、法律論に特化したものです。こういった法律論は、ディベートで代理出産を論じている中高生にはできないものであり、だからこそこのブログで論じる意義があるものだと思っています。


>世の中のほとんどの人々は代理出産の問題点について真面目に考えていない、と私は思います。「所詮は他人事」として、代理出産の負の部分を考えず気軽に賛成論を語る人が多い。

代理出産の負の部分が問題となるのは、法律面と医学面です。玄倉川さんは両方とも情報提供していません。両方とも何も情報提供をしない者が、「気軽に賛成論を語る人が多い」などと非難する資格はありません。


>春霞さんは「望ましくない現実から目をそむけている」という私の指摘にお答えくださいませんでした

代理出産を強要されている人がいるという点ですか? 日本において代理出産を強要されたという公式な報告は見当たりません。ネットでは都市伝説のように「代理出産を強要された」という体験談が流通していることは知っていますが。

不確かな情報を前提にして議論することはしません。どんな社会問題であっても、確かな情報を前提することが議論のイロハです。

代理出産以外の一般的な強要は、まさにこのエントリーで論じたことですし、他のエントリーでも何度か触れています。

なので、「目をそむけている」と言われてもね~。エントリーを読んだのだろうかと思うだけです。



<2月7日追記>

不妊で悩み、子供を期待する声にも悩む夫婦はごく身近にもたくさんいます。ノイローゼになってしまった友人もいます。だから、ネットで検索しなくても実情はよく知っています。

それに、臓器移植の場合の方が、強要の度合いは熾烈ですね。生きるか死ぬかがかかっているのですから。このブログでは、臓器移植問題について64のエントリーを書いていることから、よく分かるとは思いますが。なので、「望ましくない現実から目をそむけている」と言われてもね~。
2008/02/06 Wed 22:16:12
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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福祉 資格、という名のサイトをオープンします。資格に関する情報、体験談、クチコミを紹介する資格ファン必見のサイトです。
2008/02/04(月) 00:45:41 | 福祉 資格,日本学術会議、公開講演会を開催~
世の中にはさまざまな問題がある。 残念ながら日本は天国ではなく、住んでいる人々が完璧な善意と賢さに恵まれているはずもない。テレビのニュースを見れば、毎日悲しむべき事件や事故がたくさん起きていることがわかる。それらは「あってはならない」ことだけれど、「あ?...
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