1.読売新聞(平成18年3月23日付朝刊)によると、
としています。「筋弛緩剤事件 守被告2審も無期
仙台市泉区の北陵クリニック(2002年廃院)で筋弛緩(しかん)剤を患者の点滴などに混入したとして、1件の殺人罪と4件の殺人未遂罪に問われた元同クリニック勤務の准看護師守(もり)大助被告(34)の控訴審判決は22日午後、仙台高裁で判決理由の朗読に続き、主文が言い渡された。田中亮一裁判長は『5事件すべてを守被告の犯行と認定した原判決に事実誤認はない』として、求刑通り無期懲役を言い渡した1審・仙台地裁判決を支持し、守被告側の控訴を棄却した。弁護側は「実質審理をせず、1審以上に推論を重ねている」と、即日上告した。…
この日の公判冒頭、弁論再開を求めて発言を続けた弁護団7人のうち4人と、守被告は退廷を命じられ、被告不在のままの主文言い渡しとなった。
判決後、会見した弁護団は鑑定請求をすべて却下されたことを挙げ、『科学的判断をせずに1審判決をそのまま引用したような全くの不当判決。最高裁でも無実であることを真正面から訴える』と述べた。
退廷を命じられたことについても『遺憾だし、不当な訴訟指揮だ』と反発した。」
公判での訴訟手続の状況については、読売新聞(平成18年3月22日付夕刊)によると、
としています。「守被告・弁護人に退廷命令
…午前10時5分、仙台高裁101号法廷。紺のブレザーにグレーのズボン姿の守被告が緊張した面持ちで入廷。支援者が手を振っているのを見つけ、笑みを浮かべて被告席についた。
弁護団7人は判決言い渡しの前に『弁論させてほしい。弁論した上で判決を言い渡すのがルールだ』と求めた。しかし、田中亮一裁判長は『昨年10月の4回目の公判で弁護人は最終弁論せずに退廷した。これは弁論権の放棄だ』と制止。それでも、従わずに発言し続ける4人に次々と退廷を命じた。そのたびに守被告は立ち上がり、『今後ともよろしくお願いします』と弁護人に頭を下げ、田中裁判長に『発言しないでください』と注意された。
同10時半、田中裁判長が判決理由を述べ始めると、今度は守被告が『ぼくの言いたいことはいつ言えるのか』と発言。田中裁判長は『発言を禁止します』と制したが、守被告は『どうしてですか』『退廷になっても構いません』と続けたため、田中裁判長が退廷を命じた。守被告は、刑務官に両腕を抱えられて法廷から連れ出されたが、出口付近で『ぼくは絶対やってません』と叫んだ。」
控訴審での公判手続の状況についての詳細は、日本国民救援会宮城県本部さんのHPにあります。その中の「北陵クリニック事件のページ」を見ると、「控訴審公判の概要」が出ています。
それによると、
・第1回控訴審公判(2005年6月15日)では、控訴趣意書についての弁論を行ったこと
・第2回控訴審公判(2005年6月29日)では、弁護側が求めていた橋本東北大名誉教授に対する証人尋問の項目と日程が取り上げられたこと
・第3回控訴審公判(2005年7月20日)では、橋本東北大名誉教授に対する証人尋問が行われたこと、裁判長は弁護側が申請したすべての証人、証拠、鑑定を却下、被告人質問も認めないまま、事実の取調べを終了すると述べたため、弁護側が抗議したこと、それでも実質審理打ち切りを示し、11月2日か9日を最終弁論とし、結審したいと告げたが、弁護側は拒否し鑑定の採用を主張し、次期期日を決めないまま終了したこと
・第4回控訴審公判(2005年10月5日)では、弁護団が申請していた証拠開示請求、鑑定請求を却下したため、異議を述べ、弁護人は退廷したこと、傍聴席からの抗議が止まらなかったため、裁判長は次回日程を決めず、閉廷して退廷したこと、その後マスコミ報道を通じて、判決公判期日は2006年3月22日であると判明したこと
ここでまとめておくと、控訴審では4回だけ公判が開かれ、実質的な内容としては、橋本東北大名誉教授に対する証人尋問だけが行われたということです。証人尋問は事実の取調べ(刑訴法393条)の1つです(松尾「刑事訴訟法下」(平成9年)227頁)。
また、第3回公判では、裁判長は11月2日か9日を最終弁論とし、結審したいと告げたが、弁護側は拒否して次期期日を決めないまま終了し、第4回公判では、抗議した弁護人が退廷し、裁判長は次回日程を決めず、閉廷して退廷したことからすると、第3回公判で最終弁論の期日を示唆はしましたが、結局は最終弁論期日を決めず、最終弁論なしで結審したといえます。
2.ここでまず、控訴審における公判手続について紹介します。三井誠=酒巻匡「入門刑事手続法(第3版)」(2001年)229頁~・233頁~によると、
としています。「控訴審の審判においても、原則として第1審の公判手続の規定が準用されますが、第1審判決の瑕疵の有無を判断することが任務とされているために、次のような特色があります。
まず、当事者は、控訴理由を適切に指摘したり、相手方の主張に十分反論する必要がありますので、高度の法律知識を必要とします。そこで専門家である弁護士以外の弁護人(特別弁護人)の選任は許されないことになっています。また公判への被告人の出頭は、権利とされている(したがって公判期日の召喚状は第1審と同様、かならず送達されていなければなりません)ものの義務ではなく、公判閉廷の要件ともなっていません(もっとも、大部分の事件では出頭しています)。
仮に出頭しても、被告人自身による弁論は認められておらず、被告人作成の控訴趣意書が提出されている場合にも、弁護人がその必要性を認めたときのみ被告人の控訴趣意書にもとづく弁論が弁護人によって行われることとなります。このため控訴審では、必要的弁護事件でなく1審で弁護人が選任されていない場合でも、職権で国選弁護人を選任するのが通常です。
審理も、控訴裁判所が事前の検討によって直ちに原判決の当否につき判断できると考えている場合には、第1審とは異なってくることになります。すなわち、一方当事者による控訴趣意書の陳述(不透明な控訴趣意書については、いずれの控訴理由を主張するかについて裁判長からの求釈明があります)とそれに続く相手方の答弁ののち、事実の取調べをまったくせずに結審し、次回公判期日に判決を宣告することになるのです。
もっとも、実際には被告人が出頭すれば、被告人質問を許したり、在廷している情状証人を取り調べることが多い…です。また、控訴裁判所が原判決の当否判断のため事実取調べの必要を感じているときには、当事者から申請のあった証人のうち必要と認めるものを積極的に採用し、何回か公判期日を重ねて、それを取り調べることもあります。
後者の例は件数的にはさほど多くありませんが、そのなかには真相究明の困難な事案が少なくないのが実情です。控訴審が最も苦心し、力を入れているのは、この事実誤認の有無の判断であるといってよいでしょう。」
要するに、控訴審では、一方当事者による控訴趣意書に基づく弁論(刑訴法389条)とそれに続く相手方の答弁ののち、事実の取調べをまったくせずに結審し、事実の取調べ後に一切弁論することなく、次回公判期日に判決を宣告することがあるわけです。これは、控訴審が第1審判決の瑕疵の有無を判断することが任務とされているためだからです。
もっとも、事実の取調べ(刑訴法393条)を行った場合には、検察官及び弁護人は、その結果に基づいて弁論をすることができます(刑訴法393条4項)。この弁論の範囲は、事実の取調べの結果に基づくものに限られますから、控訴趣意書に基づく弁論(刑訴法389条)や第1審における論告・弁論(刑訴法293条)と異なる性質ものですし、別個に認められる弁論です(大コンメンタール刑事訴訟法第6巻364頁〔原田國男〕)。
3.控訴審では4回だけ公判が開かれ、1度しか事実の取調べ(刑訴法393条)が行われませんでした。このように殆ど事実の取調べを行わないことは適法でしょうか?
刑訴法393条1項本文は、裁判所が控訴理由の有無の調査(刑訴法392条)をするため必要があるときは検察官・被告人若しくは弁護人の請求により、又は職権で事実の取調べをすることができるとしています。そして、最高裁昭和59年9月20日決定は、広く事実の取調べを行うことを認めています。そのため、事実の取調べは、全控訴審事件の75%で行われているようです(三井=酒巻「入門刑事手続法」230頁」。
しかし、実際には、検察官控訴の場合には、検察官による証拠の取調べ請求については、控訴裁判所は広く容認しますが、被告人控訴の場合には、事実取調べ請求は厳しく制限されています(光藤景皎「口述刑事訴訟法下」(平成17年)46頁)。このような運用に対しては、被告人の正当な利益の救済の見地から妥当でないと批判されています。
筋弛緩剤事件控訴審では、殆どの取調請求を「裁判所が控訴理由の有無の調査(刑訴法392条)をするため必要がある」と判断しなかったのであり、実際の運用と同様に弁護人の事実取調べ請求を認めなかったというわけです。ですから、控訴審が殆ど事実の取調べを行わないことは適法ということになりますし、一般論としては妥当な運用というわけです。
もっとも、この事件では疑わしい点が多々ありますから、控訴審で殆ど事実の取調べを行わないことが妥当なのかどうかは疑問が残ります。
4.控訴審では、第3回公判で最終弁論の期日を示唆はしましたが、結局は最終弁論期日を決めず、最終弁論なしで結審したといえます。このように弁論なしの結審・判決は適法なのでしょうか? また、被告人に弁論・最終陳述権を認めないことは適法なのでしょうか?
(1) まず、弁論なしの結審・判決は適法なのでしょうか?
先ほど述べたように、事実の取調べ(刑訴法393条)を行った場合には、検察官及び弁護人は、その結果に基づいて弁論をすることができます(刑訴法393条4項)。そうすると、控訴審では事実の取調べがなされたのですから、弁論を認めないことは刑訴法393条4項違反ということができます。
そうすると、「弁護団7人は判決言い渡しの前に『弁論させてほしい。弁論した上で判決を言い渡すのがルールだ』と求めた。」ことは妥当な主張であるといえます。
もっとも、「田中亮一裁判長は『昨年10月の4回目の公判で弁護人は最終弁論せずに退廷した。これは弁論権の放棄だ』と」主張しています。
この点、弁護人の最終弁論が予定されている公判期日に、弁論の機会が与えられたにもかかわらず陳述しないときには、権利を放棄したものとして陳述を聞かないで弁論を終結したり、判決することは適法とされています(東京高裁昭和54年5月30日判決、東京高裁昭和55年7月18日判決)。
控訴審は、この下級審判例を基にして、弁論権の放棄であると評価して、弁論なしでの結審・判決を適法と考えたものといえます。
しかし、下級審判例が弁論権を放棄したと評価しているのは、「弁護人の最終弁論が予定されている公判期日に、弁論の機会が与えられたにもかかわらず陳述しないとき」なのです。また、この事実の取調べ後の弁論(刑訴法393条4項)を規定した趣旨は、事実の取調べが行われた以上その結果に基づき当事者の意見を尽くさせようとするものですから、「弁護人の最終弁論が予定されている公判期日」が設定されていない場合にまで、弁論権の放棄と評価することは、刑訴法393条4項の趣旨に違反すると考えます。
控訴審では、第3回公判で最終弁論の期日を示唆はしましたが、結局は最終弁論期日を決めていませんし、そのため、第4回公判では弁論の予定がなかったわけです。
そうすると、第4回公判は「弁護人の最終弁論が予定されている公判期日」でなかったのですから、第4回公判で弁護人は最終弁論せずに退廷しても、弁論権の放棄と評価できないのです。ですから、弁論を認めないことは刑訴法393条4項違反であり、違法であると考えます。
(2) 次に、被告人に弁論・最終陳述権を認めないことは適法なのでしょうか? 刑訴法388条は「控訴審では、被告人のためにする弁論は、弁護人でなければ、これをすることができない。」と規定して、控訴趣意書に基づく弁論(刑訴法389条)は弁護人にのみ認め、被告人には認めていません。そこで、控訴趣意書に基づく弁論と異なり、事実の取調べ後の弁論については、被告人の弁論権・最終陳述権を認めた第1審の刑訴法293条2項・規則211条の規定の準用があるかどうかが問題となります(大コンメンタール刑事訴訟法第6巻364頁~〔原田國男〕など参照)。
イ:否定説(最高裁昭和41年1月18日決定):刑訴法293条2項・規則211条準用を否定し、被告人の弁論権・最終陳述権は認められない。
(理由)
・控訴審の事実の取調べは第1審判決の当否を判断するためであり(控訴審の事後審性)、自ら事実を認定したり、刑を量定することを目的としていない。
・事実の取調べをした場合に、常に原判決が破棄され、自判されるわけではない。
(批判)
・実際上、事実の取調べがしばしば行われ、続審的運用がなされている現状からすれば、事後審であるとして、被告人に弁論及び最終陳述を認めない実質的根拠は失われている。
ロ:肯定説(団藤、岸、高田、鈴木、小田中、原田國男):刑訴法293条2項・規則211条準用を肯定し、被告人の弁論権・最終陳述権が認められる。
(理由)
・原判決を破棄して、自判をする場合には、第1審と同様の手続が当然要求される。
・自己のこうむるべき運命の重大さを案じて出頭している被告人に一言も発言させないのは、訴訟の形態として妥当でない。
このように学説上はともかく、判例は否定説ですので、被告人に弁論・最終陳述権を認めないことは適法といえます。
ただし、実際上、被告人質問を比較的広範囲に認めていて(三井=酒巻「入門刑事手続法」230頁~)、実質的に弁論の機会を与えているのですし、この事案では、無期懲役という極めて重い刑罰を科すことを予定しているのですから、被告人に一言も発言させないのは、訴訟の形態として不当です。要するに、控訴審では、被告人に弁論・最終陳述権を認めないことは適法ですが、妥当でない手続であったと考えます。
5.控訴審の裁判官は、被告人が有罪であることを最初から疑うことが無かったことから、殆ど事実の取調べをすることもなく、かなり強引に訴訟手続を打ち切ったものと推測されます。
このような訴訟進行については裁判員制度が実施された後、非常に危ういものだと感じています。控訴審のような裁判官は、裁判員となった一般市民の意見を強引に押さえ付けて、強引に訴訟進行しようとする危険性があるからです。(もっとも、裁判員制度は第1審で実施されるものですから、今回の控訴審のような訴訟進行が第1審でもなされるのかどうかは定かではありませんが。)
この筋弛緩剤事件では、一般市民のかなりの人たちが「冤罪なのではないか」との疑問を抱いていますし、この控訴審のような強引な訴訟進行は、「冤罪なのではないか」との疑問を増幅させている状況にさえあるといえると思います。
また、裁判員制度が実施された場合、裁判員となった一般市民は冤罪に手を貸したという精神的負い目を一生負担することにもなりかねません。被告人は「ぼくは絶対やってません」と叫んだそうですから、この叫びが一生ついて回ることになるのです。
この控訴審の訴訟進行は、冤罪ではないかとの疑いを増幅させ、将来、裁判員制度がきちんと機能できないのではないかと深く憂慮させられるものでした。
<追記>
「元検弁護士のつぶやき」さんから、ブログエントリーでのリンクと、コメントを頂きました。ありがとうございます。こちらも、TBをさせて頂きました。
<3月28日追記>
雨緑amerokuさんのブログを拝見していたら、自分の記述に誤植を発見しましたので、訂正します。「第4回公判では弁論の予定がなかったわけのです。」は、「第4回公判では弁論の予定がなかったわけです。」に訂正しました。
雨緑amerokuさんから、ブログでの紹介、コメントを頂きました。ありがとうございます。こちらもTBをさせて頂きました。
<3月31日追記>
「赤ちゅん生日記」さんは、この事件の事実関係について詳しく検証なされていますので、ぜひご覧下さい。それから、「赤ちゅん生日記」さんから、TB、ブログでの紹介、コメントを頂きました。ありがとうございます。こちらも、TBさせて頂きました。
<4月2日追記>
控訴審での弁論について少し。
控訴審において事実の取調べ(刑訴法393条1項2項)をした場合、刑訴法393条4項は、
と規定しています。「第1項又は第2項の規定による取調をしたときは、検察官及び弁護人は、その結果に基いて弁論をすることができる。」
これは、弁護人にとっては「控訴審で事実の取調べが行われた場合、弁護人には弁論の権利がある」(佐藤博史「展開講座 刑事弁護の技術と倫理」法学教室306号102頁)という意味です。弁論は権利であって義務ではないから、「弁論をすることができる」と規定したわけです。
もちろん、裁判所の任意で弁論させたりさせなかったりすることが「できる」という意味ではありません。弁論権は、権利であって、裁判所による恩恵ではないのです。
ところで、
>しかし、実際には、検察官控訴の場合には、検察官による証拠の取調べ請求については、控訴裁判所は広く容認しますが、被告人控訴の場合には、事実取調べ請求は厳しく制限されています
についてですが、これは裁判所の容認基準の差というよりは、検察と被告・弁護側の控訴基準の差というべきではないかと思います。
検察は、控訴の可否を検討するにあたり、控訴審で立証可能な、つまり控訴審が証拠調べとして採用する見込みのある新証拠があるかどうかを検討した上で、そのような証拠がない場合は控訴を断念するのが通例であるのに対し、被告・弁護側はそのような検討抜きで、または証拠調べの見込みが薄くても控訴する場合が多いです。
そうしますと、結果的に、検察官の証拠調べ請求は容認され、弁護人の請求は却下される場合が多くなると考えています。
>勝手ながら私のブログエントリにリンクを貼らせていただきました
エントリーでのリンク、ありがとうございます。自由にリンクして下さって構いません。
>裁判所の容認基準の差というよりは、検察と被告・弁護側の控訴基準
>の差というべきではないか
>検察は…控訴審が証拠調べとして採用する見込みのある新証拠があるか
>どうかを検討した上で、そのような証拠がない場合は控訴を断念する
>のが通例であるのに対し、
>被告・弁護側はそのような検討抜きで、または証拠調べの見込みが
>薄くても控訴する場合が多い
なるほど、ご教授ありがとうございます。「最近の高裁の判決、審理の状況をみると、控訴棄却がほとんどで、証拠調べも極端に制限する傾向」であっても「第1審判決に不服があるにもかかわらず、被告人が安易に控訴をあきらめるようなことがあってはならない」(大出=川崎=神山=岡崎編「刑事弁護」(1993年)162頁)そうですから、検察官的な見地からすれば、仰るとおりかもしれません。
しかし、「被告・弁護側は…証拠調べの見込みが薄くても控訴する場合が多い」なんて言うと、刑事法研究者や刑事弁護に携わる弁護士たちが激怒する気がしますけど、大丈夫なのでしょうか…。
>刑事法研究者や刑事弁護に携わる弁護士たちが激怒する気がしますけど、
証拠調べの採否の観点で述べましたけど、実は私は検事当時から検察庁(特に控訴に消極的な高検の姿勢)に不満を持っていまして、「新証拠などなくても、一審の判断に不満があればもっと控訴すればいいんじゃないか。」と思っていました(この考え自体にご批判はあると思いますが)。
その意味で、私が述べた弁護士の姿勢については、批判する意図はなく、逆に検察官ももう少し弁護士的に控訴してもいいのではないかと思っております。
被告人及び弁護士からすれば大変迷惑なことを言っておりますが。
この問題は、特に裁判員制度下において三審制をどう理解するかという問題に関係してくるように思います。
URL | モトケン #CKyOUH4I[ 編集 ]
真意を伺って安心致しました。もっとも、私のブログは、法曹関係者や学者とリンクしてませんし、宣伝もしていないので法曹関係者などが見ることもないでしょうから、安心して大胆なご発言をして大丈夫だと思います(^^ゞ。
>逆に検察官ももう少し弁護士的に控訴してもいいのではないか
「1998(平成10)年中の控訴事件のうち、98.0%が被告人側からのもので、1.6%が検察官、0.4%が双方控訴というのが実情」(三井=酒巻「入門刑事手続法」226頁)」だそうですから、弁護士的(弁護士並み)に控訴したら、統計上、モノスゴイことになりそうです。
こちらの記事がとても勉強になりましたので、参照させていただきました。
一般人の漠然とした感想のため多少はご容赦いただきたいですが、もし重大な誤りがあったり、ご迷惑があればご指摘ください。宜しくお願いします。
>こちらの記事がとても勉強になりましたので
そう言って頂けると嬉しいです。
>重大な誤りがあったり、ご迷惑があればご指摘ください
特に誤りはなかったです。迷惑なんてことはありません、紹介ありがとうございます。
間違いがないとのことでホッとしています。
それから、「素人には難しい」などと書いてごめんなさい;
こちらの記事は確かに、ふだん法律用語に触れていない一般人にはレベルの高いものですが、専門ブログとしてぜひ今のレベルであって欲しいと願います。むしろ分かりやすさを心がけて、言葉足らずになってしまっては危険だと思いますので。
必要ならこちらが勉強して追いつきます!
そういうわけで、これからも勉強しに伺います。では。
URL | yoshi #z6raKc2k[ 編集 ]
全然謝ることなんてないです。なるべくわかり易くしようと思っているので、遠慮なく書いて下さい(^^ゞ。
>そういうわけで、これからも勉強しに伺います
ありがとうございます。でも、勉強だと思わず、気軽に見に来てください。少しでも面白いと思って頂けると嬉しいです。
北陵クリニック事件の控訴審判決について、法律的な観点でとても詳しく丁寧に記事を書かれていたことに感銘を受けましたので、トラックバックさせて頂きました。
私は守大助被告を支援していましたので、法律や過去の判例と照合し客観的に今回の判決の違法性、不当性を指摘して下さったことに大変感謝しております。
>法律や過去の判例と照合し客観的に
「客観的に」書くことは大事だと思っています。「客観的」であるためには、必ず文献や判例を見る必要がありますから、法律や過去の判例を照合するのは当然のことと思っています。
…何も文献を調べないで法律論を書くこと自体、どうも気持ち悪くて(汗)。
>私は守大助被告を支援していましたので
支援する側は色々と嫌な思いをさせられることもあると思います。全く月並みで申し訳ないですが…、頑張って下さい。
守大助さんから社会へ向けて発信するよう依頼を受けているメッセージを添付させていただきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「自白」
初めまして。私は仙台北稜クリニック事件(筋弛緩剤事件)で冤罪に問われている守大助です。
私はやってもいないことを認めました。これが恐ろしい殺人事件になると思いもしなかったし、まして5年以上も世間から隔離される生活をするなんて全く思いも、考えもしませんでした。
私の父親は宮城県警察本部・警察官です。(今年3月定年)小さい頃から、警察官という仕事を知っているつもりでした。捜査して、ちゃんと両方から話を聞いて調べる、そして逮捕するんだとばかり思っていました。
私が「自白」したという件は、11歳女児の件だけ。平成12年10月31日に入院して急変した患者です。対応したのは半田郁子医師と、結婚を約束して一緒に生活していた彼女である看護婦と私です。急変原因が分からないが、植物状態になってしまったのは、半田医師のラリンゲルチューブ挿管のミスでした。この事は間違いない事実です。私も彼女も見ている介助しているのです。だから私たちは、患者の家族が北稜を警察に訴えたと思っていました。患者の両親は医師と看護婦ですので当然だろうと思っていた。
平成13年1月6日に婦長と刑事2名が来ても、ドキドキとかなかった。父の同僚なので親近感を私は持ってた。”A子ちゃんのことで今日は2人に話を聞きたい”と、私たちは協力しましょうと、ミスしたことを伝えようと確認したのです。
2人は別々に移動したのですが、私が疑われていると思えなかった。地下の狭い取調室で担当のS刑事から、”急変原因を知っているのはお前だ”とガンガン言われるのです。私は急変原因なんて分からないこと、事実をありのまま伝えた。挿管ミスで現在の状態になったことをです。全く私の説明聞こうとしない。ポリグラフ検査を受けさせられ、直後からは”お前がやってるんだ”と怒鳴って言ってくるのです。
私には現実感がないのです。撃たれた・刺されたとかというのがあればまた違うのだが。病院で急変・亡くなるというのはおかしいことではありません。なのでいくら”お前だ””マスキュラックスで”と言われても結び付かないんです。怒鳴ってガンガン言われるのが嫌になった。彼女も私と同じように調べられていると思うとかわいそうだと思ったんです。女性ですから。
S刑事にいくら知らない、分からない、やってないと言っても聞いてもらえず、急変した時にいた者がやったのかとも言いしまいには”お前じゃなければ彼女を逮捕する”と言うのです。もう私はかんべんしてほしいと思った。だんだん怒鳴られていると、処置の時間違ったのかと思うようになり、確認ができないので判断もできなくなった。”どうせやってもいない事ですので調べれば分かる”と思ったんです。刑事が半田にも聞くだろうと思った。私は怒鳴られるのに耐えられなくなってしまい”間違って注射した”と。しかしSは違うと。分からないと言うと、アドバイスくれるんです。その時なんかしていただろうと。こうして点滴へ入れたという文ができたのです。これが自白と本当に言えますか。私は方法を知らないです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
支援組織である「守大助さんを支援する会」は以下の呼びかけを行っています。
1.最高裁あて上申書の提出と署名集めにご協力ください。
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0608zyousinnsyo.pdf
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0606saikousai.pdf
2.最高裁に要望を送ってください。
要望先 〒102-8651
東京都千代田区隼町4-2 最高裁判所第3少法廷
裁判長 藤田宙靖 殿
3.大助さんに激励の手紙を送ってください。
また現在、私は主に東京で支援グループの結成を呼びかけています。
ご参加いただける方はご連絡ください。
守大助さんからのメッセージ、ありがとうございます。
この事件は、極めて冤罪の疑いが濃いと思っています。何らかの形で支援したり、激励できればと思っています。
守大助さんから社会へ向けて発信するよう依頼を受けているメッセージを添付させていただきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
警察・検察について
私は警察官という仕事は、父親を見て育ってきましたので、先ずデタラメな仕事はしていないと思っていました。当時の私は、前回の“自白”でも説明しましたが。
「やってないことを言わされているのですから」警察はそのことについて調べると思ったのです。だからそれが“自白”だとも思いも・考えもしませんでした。(“自白”になるとも)現実に私が筋弛緩剤を混入したという事実がない。11歳女児が重症になったのは、挿管ミスであるというのを、私は自分の目で見ているんです。いくら説明しようとしても全く聞こうとしなかった。
これは初めから、警察は調べることなく半田夫妻の“点滴=急変”、“守=犯人”という考えのままです。差別です!身分差別!「東北大医学部Profが言うのだから間違いない」という考えです。私の担当したS刑事、A刑事が全く“挿管ミス”について聞こうとしなかったのは、そこに問題があったと思います。(准看護師の話より東北大学Profの方が信用できるとしたこと)
皆さんは警察が間違うはずないと思いますね。私も当時は“調べてくれる”、“何を言っている”という思いが強かったが、あのように取り調べてそのままにしてしまう。(調べもしないまま)
私は方法についてだって知りません。やってないのだからこれは当然です!S刑事から誘導され方法を教えられたんです。点滴へとですよ。
私はこの事件とされている「点滴」での使用方法なんて見たことも、聞いたこともなかったです。「注射」でしか分かりませんでした。(これこそ調べれば本当に作用するのか分かると!)
全くデタラメなのは2名の刑事の法廷証言です!
“点滴へ混入したと言ったのは被告です”“私から誘導もしていません”
と証言しました。
冗談じゃないです。私は証言を聴いていて頭にきました。“お前が私に調べで言っていることと違うじゃないか。誘導したから点滴になって納得したんだろ”と声を出したかったです。
ましてこの2人は“点滴での方法は事前に知ってない”なんて言うのです。半田夫妻が点滴方法をS刑事にも伝えているんです。まして医学・薬品の本にも点滴方法は出ていません。半田が自分で考えたということ明らかになっているんです。S,Aの2名が知らないと言うのは全く嘘。法廷で堂々と証言する。これが本当に警察官なのかと!怒りだらけです。
点滴の方法では作用しないと捜査側が知ったのは、逮捕した後のことです。都合が悪くなって方法を知らない、被告に騙されたとまで言うのです。ふざけてますよ。なんでもやってきます。
もっとひどいのは検察官で“ありえない”という東京大学助教授のシュミレーションを高裁まで隠し持っていた。弁護団によってシュミレーションやっていたこと指摘されて、やっと出した。(高裁はこのシュミレーションについて無視です。別テーマで伝えます。)“ありえない”ばかりでなく“鑑定方法もおかしい”と書かれていました。作成日はH13・2月と3月です!逮捕後1ヶ月たってからやってます。(作成日が本当か疑問)
それでも事件にしなければいけなかったのはなぜか!警・検察は逮捕してしまえばもう戻れないシステムになっているのです。私は否認後の3月・4月には警・検からこう言われました。
“逮捕したが起訴したのは検事だ、我々は関係ない”(警)
“裁判で無罪になっても、それは公判の検事であり、私は起訴しただけで関係ない”(検事)
と責任逃れの発言していました。こういうことが(証拠)山ほどあると思います。
皆さんは証拠というのが、すべて開示されていると思いますが全くのデタラメです。開示しません。犯行で使用されたという、薬品の空アンプルもあるあるというだけで出してません。1つも出してない!指紋検出したというが、それが誰のかは不明です。私のでないから明らかにできないのです。警察は“自白”というものだけほしかったのでしょう。
私がやってないと、頭の中が整理され否認した。そしたら刑事は「点滴」方法は騙されたと言う。こんなことが、権力側は知っていてやっている。警察が調べれば分かると思ったことは、今の捜査側にはちっともありません。
こんなデタラメをしていることを知って下さい。
今後も警察・検察について書いていきます。
守 大助。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※以上は2007/1/9付けのお手紙で、本人から社会へ無実をアピールするために預かった文章です。
刑事の実名は仮名に変えました。
<ご支援いただける皆様へ>
1. 最高裁あて上申書の提出と署名集めにご協力ください。
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0608zyousinnsyo.pdf
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0606saikousai.pdf
2. 最高裁に直接要望を送ってください。
要望先 〒102-8651
東京都千代田区隼町4-2 最高裁判所第3少法廷
裁判長 藤田宙靖 殿
3. 大助さんに激励の手紙を送ってください。
激励先 〒984-0825
仙台市若林区古城2-2-1
仙台拘置支所
守 大助
4.現在、「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」の結成準備中です。
ご参加いただける方はぜひご連絡ください。
※3/19(月)夕方から、守大助さんのご両親をお招きして、
東京で支援集会を開く予定です。詳細は後日お知らせ致します。
ぜひご参加ください。
<本件参考サイト>
○日本国民救援会宮城県本部 守大助さんを支援する会
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/sub001.html
○独立系メディア「今日のコラム」 守大助さんの投稿記事、守大助さんとの面会記、他
http://eritokyo.jp/independent/today-column-legal.htm
>守大助さんから社会へ向けて発信するよう依頼を受けているメッセージ
>を添付させていただきます。
守大助さんからのメッセージ(2)ありがとうございます。今後とも宜しくお願いします。
■□■ 仙台・北陵クリニック冤罪事件
守大助さんを支援する首都圏の集い ■□■
2001年1月、仙台の「北陵クリニック」の准看護師だった
守大助さんが、患者5人の点滴に筋弛緩剤を混入したとして
逮捕され、1人殺人、4人殺人未遂の容疑で起訴され、
一審、二審ともに無期懲役の不当判決がなされ、
現在最高裁にかかっています。
本事件を冤罪と確信し、守大助さんを助けたいという
首都圏の有志が集まり、このほど
「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」を立ち上げました。
「首都圏の会」は企画第一弾として、守大助さんのご両親をお招きし、
以下の要領で支援集会を開催することにしました。
関心のある方はどなたでも是非お気軽にご参加ください。
終了後、懇親会等も予定しています。
◇日時:3月19日(月)18:30~(終了20:30予定)
◇場所:南部労政会館 第三会議室
(JR山手線・大崎駅下車徒歩3分)
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sosiki/roseikaikan/nanbu.html
南改札口→連絡デッキ→(連絡デッキ突き当たり)→専用エレベーター(3Fから1F)
→労政会館入口(1F)→労政会館(2F)
◇参加費:無料
◇事前申込み:不要
◇主催:無実の守大助さんを支援する首都圏の会
◇連絡先:daisuke_shien@mbr.nifty.com
電話・FAXでのお問い合わせは日本国民救援会神奈川県本部(下記)へ
Tel:045-663-7952 Fax:045-663-7953
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
>守大助さんを支援する首都圏の集い ■□■
>◇日時:3月19日(月)18:30~(終了20:30予定)
お知らせありがとうございます。
>守大助さんのご両親をお招きし
ご両親が、大助さんのことを思う気持ちを考えると、心が痛みます。
http://homepage2.nifty.com/daisuke_support/
大助さんの連続メッセージも掲載してあります。
一番読んでいただきたい事件詳細部分が、調整中のため未公開になっていますが、3/19前後に公開予定です。
その頃にもまたぜひのぞいて見てください。
本事件(事件ではない!)は120%間違いなく冤罪です。
警察の思い込みとずさんな捜査によって作り上げられたでっち上げ事件です。
高裁の控訴棄却から1年が経ち、いつ判決が出てもおかしくない状況です。
前途ある無実の青年に「無期懲役」などを確定させないよう、
どうか皆様のご協力をよろしくお願い致します。
>3/19前後に公開予定です
>その頃にもまたぜひのぞいて見てください
3月19日は「守大助さんを支援する首都圏の集い」がある、大事な日でもありますね。そのときにもまた拝見させて頂きます。
「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」HPに、
・4・28阿部弁護士を招き質疑応答勉強会のお知らせ
・事件詳細解説ページ(「ここがおかしい!北陵クリニック事件」)
・3・19に行われた支援集会の様子
・大助さんからのメッセージ4~6通目
等を追加しましたので、ぜひご覧下さい。
http://homepage2.nifty.com/daisuke_support/event2.htm
http://homepage2.nifty.com/daisuke_support/unfair.htm
http://homepage2.nifty.com/daisuke_support/record.htm
http://homepage2.nifty.com/daisuke_support/message.htm
警察の鑑定は薬毒物鑑定の権威である福岡大学影浦教授の鑑定意見書で誤りが明らかにされており破綻しています。
大助さんのお母さんがある東北大学の臨床医から言われれたというように、
「鑑定ははじめから無かったか(筋弛緩剤は)出なかった」のです。
赤い針箱の件も筋弛緩剤消失の件も、謎はほとんど明らかにされ、警察・検察の主張はもはや完全に破綻しています。
冤罪の構図も既に明らかになっています。
詳しくは弁護団が最高裁へ提出済みの「上告趣意書」に分かりやすく解説されていますのでぜひご覧ください。
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/sub06.html
ご支援よろしくお願い致します。
>等を追加しましたので、ぜひご覧下さい。
更新情報のお知らせ、ありがとうございます。
>詳しくは弁護団が最高裁へ提出済みの「上告趣意書」に分かりやすく解説
販売という形で支援をするわけですね。いずれ購入を申し込んで拝見させて頂きます。
仙台・北陵クリニック(筋弛緩剤点滴)冤罪事件の
学習・支援集会を行います。
お近くの方はぜひお出でください。
~仙台・北陵クリニック冤罪事件~
守大助さんを支援する湘南学習集会
6月12日(火)18:30~
藤沢市民会館(神奈川県藤沢市)
http://homepage2.nifty.com/daisuke_support/event3.htm
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