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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2007/10/24 [Wed] 00:26:34 » E d i t
海上自衛隊の補給艦が03年2月に米補給艦に行った給油に関して、海上幕僚監部が03年当時から給油量が20万ガロンではなく80万ガロンだったことを把握しながら隠蔽していた問題について、防衛省の調査報告書によると、「福田首相(当時は官房長官)は同年5月9日に、石破茂防衛相(同防衛庁長官)は15日に20万ガロンだと説明したが、同幕僚監部内で誤りを把握したのは5月9日だったことが分かった。政府部内で誤りを把握しながら、誤った説明をしていたことになる」(朝日新聞平成19年10月23日付朝刊1面)のです。


1.この給油量隠蔽問題については、今日も各新聞社は記事を掲載していました。そのうち1つを紹介します。

給油量誤り隠蔽 文民統制危うし

 給油量の誤りに気づきながら担当課長が上に報告せず、福田首相(当時官房長官)らが誤った事実を公にしていた――。インド洋での海上自衛隊の給油量の取り違え問題は、イラク作戦への転用疑惑に加え、文民統制(シビリアンコントロール)にかかわる重大な問題に発展した。民主党などの野党は、補給支援特措法案の審議の前提として、守屋武昌前事務次官の業者との癒着問題とともにこの問題を重視しており、今国会での新法成立に暗雲が立ちこめてきた。

◆「ミス把握は一部の課だけ」 報告書、不自然な点

 「とんでもないことをしてくれた。組織全体が疑われてしまう。私まで疑われちゃうからね」

 福田首相は22日昼、インド洋での米艦船への補給量をめぐる隠蔽(いんぺい)事件について、不快感をあらわにした。03年5月9日、官房長官として自らの記者会見で「20万ガロン」と誤った数字に言及した。だが、海上幕僚監部では会見前にデータの誤りを把握していただけに、首相は当時の関係者の対応を批判する一方、自身の「関与」を否定することも忘れなかった。

 防衛省の報告書では、報告責任を怠ったのは「担当課長ら」だったとし、組織的関与を否定。海上幕僚長や防衛庁長官、内局も把握していなかったことを強調した。

 だが、当時の事情を知る関係者の一人は「内局なども装備に関連する会計チェックなどで把握していた可能性もあるのではないか」と指摘する。

 実際、海上幕僚監部の一部の担当課だけが把握していたとの説明には不自然な点も多い。

 燃料転用問題のきっかけとなったのは、米空母キティホークを率いる第5空母戦闘群のマシュー・モフィット少将の03年5月6日の発言だった。イラク戦争から同日に母港・横須賀に帰還した際、少将が海自から米補給艦を通じて間接的に約80万ガロンの燃料提供を受けたことを明らかにした。

 ところが2日後の5月8日、石川亨統合幕僚会議議長は会見で、米補給艦への補給量を「約20万ガロン」と発表。この時点で「20」と「80」の数字が入れ替わった。

 日米で発表する数字が食い違えば、当然担当課のみならず、上層部もチェックしてもおかしくない。しかも、報告書によると、インド洋の派遣部隊から給油翌日には、正確なデータが海上幕僚長あてに電報や電子メールで伝えられていた。

 にもかかわらず、政府は統合幕僚会議議長の会見内容をもとに応答要領を作成。これに基づき福田官房長官や石破長官(いずれも当時)が「約20万ガロン」と説明していた。

 民主党の山岡賢次国対委員長が「一見して末端に責任をおしつけ、トカゲのしっぽをきって終わらせようとの姿勢がありありだ」と指摘するように、政府の対応のまずさが問われるのは必至だ。

 報告書を提出するにあたっての政府の危機意識も希薄だ。

 防衛省が22日午前、与党側に説明した際、報告書には文民統制を確保するための検討委員会設置は盛り込まれておらず、当初は「さらなる調査」としか記述されていなかった。

 そのため、公明党から<1>文民統制の観点から重大な問題だとの認識<2>処分を含めた検討<3>文民統制確保のための検討委員会設置――の3点を盛り込むよう求められ、あわてて修正した。(以下、省略)」(朝日新聞平成19年10月23日付朝刊2面「時時刻刻」)




防衛省の説明では、組織的関与でないと説明しています。しかし、この記事からすると、防衛省の説明は虚偽の疑いが濃厚です。

「防衛省の報告書では、報告責任を怠ったのは「担当課長ら」だったとし、組織的関与を否定。海上幕僚長や防衛庁長官、内局も把握していなかったことを強調した。

 だが、当時の事情を知る関係者の一人は「内局なども装備に関連する会計チェックなどで把握していた可能性もあるのではないか」と指摘する。

 実際、海上幕僚監部の一部の担当課だけが把握していたとの説明には不自然な点も多い。……

 日米で発表する数字が食い違えば、当然担当課のみならず、上層部もチェックしてもおかしくない。しかも、報告書によると、インド洋の派遣部隊から給油翌日には、正確なデータが海上幕僚長あてに電報や電子メールで伝えられていた。

 にもかかわらず、政府は統合幕僚会議議長の会見内容をもとに応答要領を作成。これに基づき福田官房長官や石破長官(いずれも当時)が「約20万ガロン」と説明していた。」


「インド洋の派遣部隊から給油翌日には、正確なデータが海上幕僚長あてに電報や電子メールで伝えられていた」のに政府側に報告しなかったのですから、組織的関与でなかったと誰が信じるのでしょうか? そんな戯言を国民は信用すると思っているのでしょうか?


朝日新聞平成19年10月23日付夕刊1面「素粒子」は、次のように揶揄しています。

 「政治家をないがしろにし、国民を欺き、国事を専断しようとするのは、旧陸海軍以来軍部の伝統。

 ×   ×

 大事なのは文民統制、とはいえ業者接待ゴルフ三昧(ざんまい)の文民じゃ、報告を上げる気にもなれまいて。(以下、省略)」


新テロ特措法案は、現行法に盛り込まれていた国会国会の事後承認事項を削除して、文民統制の機能を弱めています。「政治家をないがしろにし、国民を欺き、国事を専断しよう」としている自衛隊にとって、実にうま味のある法案なのです。この法案が成立すれば、事後承認の際に国会審議をなくすことができるのですから、今までよりも一層、政治家をないがしろにし、国民を欺くことが可能になるのですから。


2.この給油量隠蔽問題については、朝日新聞、東京新聞、北海道新聞平成19年10月23日付「社説:給油調査報告 信用しろといわれても(10月23日)」が10月23日付社説で、取り上げていました。「文民統制」軽視という重大問題について、読売新聞と毎日新聞は社説で取り上げないのですから、いかにこの2社が憲法問題について意識が乏しいことが分かるかと思います。ここでは、2つのみ取り上げておきます。


(1) 朝日新聞平成19年10月23日付「社説」

データ隠し―文民統制が侵された

 「とんでもないことをしてくれた。私まで疑われる」。そう語る福田首相の怒りはもっともだが、事態はそれ以上に深刻だ。文民統制は機能しているのか。根源的な疑問が投げかけられている。

 インド洋での海上自衛隊による給油活動をめぐって、衝撃的な事実が明らかになった。情報が違っていることを現場は知りながらそれを報告せず、防衛庁長官(当時)ら閣僚が間違った答弁を繰り返していたというのである。

 始まりは、イラク戦争開戦前夜の03年2月、海上自衛隊が提供した油80万ガロンが米空母に再給油され、イラク作戦に転用されたのではないかという疑惑だった。

 政府は当初、給油したのは20万ガロンであり、その量ではイラク作戦への転用はあり得ないと説明していた。その後、米側の情報公開制度で日本の市民団体が調べたところ、給油量はやはり80万ガロンだったと分かり、政府は先月「情報の入力ミスがあった」として80万ガロンに訂正した。

 ところが、防衛省の新たな説明によると、03年5月8日に当時の石川統合幕僚会議議長が記者会見で「20万ガロン」と説明した翌日、海上自衛隊の防衛課長らが誤りに気づいていた。なのに「燃料担当は他の部局であったと認識していたことや間接給油問題が沈静化しつつあったことを考慮」して報告しなかったという。

 当時の福田官房長官が記者会見でこの問題について答えたのが同じ5月9日。石破防衛庁長官が国会で追及されたのが5月15日である。「沈静化しつつあった」という釈明は全く通らない。

 2人の政治家は間違った情報で「だから転用はなかった」という説明を続けてきた。80万ガロンなら転用の可能性は否定しきれなくなる。自衛隊は都合の悪い情報を隠蔽(いんぺい)したのが真相ではないのか。

 そう思うと、他の疑問も出てくる。補給艦の日誌が保存期間内なのに破棄されていた。「誤って裁断した」ことになっているが、本当なのか。

 イラクでの航空自衛隊の活動もほとんど実態が明かされていない。法から逸脱している恐れはないのか。

 防衛省の説明通りだとすれば、自衛隊の制服組が都合の悪いことを内局の官僚に知らせていなかったことになる。文官は現場の状況を十分に把握できておらず、重要な情報のらち外に置かれていた。国会や国民が欺かれていた。文民統制の空洞化である。

 防衛省は急きょ、文民統制を確保するための検討機関を発足させた。徹底的に実態を解明し、対策を考えるべきだ。省内の問題だけに終わらせてはならない。

 その文民の方にも、あきれた問題が噴出している。守屋前事務次官が取引先の業者にゴルフをたかり、さまざまな便宜をはかった疑いがもたれている。

 政府は給油新法の審議を急ぎたいとしているが、その業務を担う防衛省に文民統制をはじめとする疑惑が相次ぐ。国会はその究明を最優先にせざるを得まい。」



(2) 東京新聞平成19年10月23日付【社説】

『給油』隠ぺい 許せぬ文民統制の軽視
2007年10月23日

 海上自衛隊補給艦の給油量訂正問題で、担当者が誤りに気づきながら上司に報告していなかった。流用疑惑の最中のことだ。意図的隠ぺいを疑われても仕方ない。文民統制を軽んじるのは許せない。

 きょうから衆院本会議でインド洋での給油活動を継続させる新テロ対策特別措置法案の審議が始まる。その矢先に報じられている防衛省の不祥事がひどすぎる。

 補給艦「ときわ」が二〇〇三年二月に米補給艦を通じて米空母に間接給油した量について、当初の二十万ガロンから六十七万五千ガロンに訂正された経緯を防衛省が公表した。

 それによると、派遣部隊から海上幕僚監部運用課に報告された給油量をパソコン集計する際、米補給艦と他の駆逐艦の分を取り違えた。防衛課長らが同年五月、誤りを確認したが、上司らへの報告は行わず、訂正の措置も取らなかったという。

 米空母に給油した燃料がイラク作戦に流用された疑惑が浮上していたころだ。福田康夫官房長官(当時)は給油量が一日の消費量である二十万ガロンにすぎないことを理由に疑惑を否定。石破茂防衛庁長官(同)も国会で同様の答弁をしたが、担当者はその時点で誤りに気づいていた。

 報告しなかったのは、流用問題が「沈静化しつつあったことを考慮した」ためという。正確な情報を公表すれば疑惑が深まる懸念を抱いていたことを認めているようなものだ。あまりにも悪質だ。

 ウソの説明は国民への裏切り行為だ。石破氏ら防衛トップがその事実を把握しないまま、誤った情報をもとに国会審議が行われたことを考えれば、シビリアンコントロール(文民統制)が二重にないがしろにされたことになる。防衛省側の罪は重い。

 給油問題では、補給艦「とわだ」の航海日誌が誤って破棄されるなど、防衛省全体が「弛緩(しかん)した」(石破防衛相)現状が浮かび上がっている。守屋武昌前事務次官のゴルフ接待疑惑も浮上しており、国民の不信は極めて厳しいものがある。

 福田首相は「とんでもないことをしてくれた。そういうことをすると組織全体、私まで疑われてしまう」と人ごとのように語ったが、事態を深刻に考えるべきだ。担当者の処分だけでは済まない。情報隠ぺいはこれだけなのか。公表された事実すら疑いの目で見られている。真相解明なしには前へ進めない。当事者の証人喚問なども欠かせないだろう。

 安倍前政権のつまずきの元となった問題処理能力が、福田政権でも再び問われている。」




文民統制に関わる問題については、このブログでは何度も取り上げていますが、それは、国民主権下、特に軍隊だけは取り消しの効かない強力な権力であるだけに「文民統制」が厳格に求められているからです。

小林節・慶応大学教授は、 『一刀両断』(大阪日日新聞)において次のように述べています。

「最近のテロ特措法に関連して、二〇〇三年二月の米空母への給油量を当初二十万ガロンだと国会答弁していたものを、他から指摘されて、八十万ガロンに訂正した。その理由は、防衛省の発表によれば「データの入力ミス」だそうである。また、同じ関連で、民主党から資料請求された補給艦の航海日誌の不存在(規則違反の廃棄)も発覚した。

 これらが、防衛省が説明しているように単なる人的ミスならば、これは恐ろしく人的能力の低い集団だということになってしまう。つまり、たまたま国政上の必要で問われたこの二点について重大なミスが発覚したのなら、確率的に、この組織には他に無数のミスが隠れていることになるからだ。

 他方、この二点のミスが、野党に批判材料を与えないための人為的な情報操作であったなら、これは、軍隊に対するシビリアン・コントロール(文民統制。国会を通した、主権者・国民による民主的統制)という憲法原則に対する反抗である。

 国民主権国家にあっては、国家権力(立法、行政、司法)の行使はすべて国民の統制下にあるものだが、特に軍隊だけは取り消しの効かない強力な権力(暴力)であるだけに「文民統制」が厳格に求められている。

 それが、わが国の防衛省・自衛隊は「文民統制」が事実上効かないほどに人的能力が低いのか、または、文民統制を意識的に無視する気風があるのか、いずれにせよ大丈夫か、心配である。」(「防衛省は大丈夫か?」(H19/10/23)



給油量の誤りについて意図的に隠蔽した疑いが強いと思われますが、もし万が一そうでないとしたら、「恐ろしく人的能力の低い集団だ」ということなのです。いずれにしても、「文民統制」上、問題があるのです。

「米補給艦への給油量、海自が誤り隠蔽~相変わらず文民統制の軽視の体質!」で指摘したように、防衛省・自衛隊には、国民主権・民主主義国家の基本である、文民統制を遵守しようという意識が乏しいのです。防衛省・自衛隊に対しては、できる限り情報を開示させ、国会(及び市民)による厳しい監視を行う必要があるのです。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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コメント
この記事へのコメント
エントリーとは違うコメントでごめんなさい。
 少しご無沙汰しましたが、お元気ですか。
 今日も、裁判員制度についての報道がありました。文藝春秋今月号で、裁判員制度は違憲である、という内容の論説を読んだところでした。これは無茶苦茶な制度なのだと感じています。
 ほんとはHPへ文藝春秋の記事を全部載せたかったのですが、無断転載になるのかぁ、などと考え、僅かだけ引用して載せました。
 春霞さんに見ていただきたいのです。
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/adagio/saiban-in1.htm
2007/10/24 Wed 22:32:22
URL | ゆうこ #mQop/nM.[ 編集 ]
いわゆる右翼の私は、いわゆる左巻きリベラルメディアの常軌を逸したパラノイア報道を無防備に受け止めてしまうと、冷静を失い異常行動を取りかねず(決して凶悪にはなりませんが、酔って猥褻、醜悪になる恐れが大!)、普段からマスメディアの報道は基本的に無視、“本件”についても“見ざる言わざる聞かざる”を決め込んでいたのですが、一方深い興味の尽きない“守屋騒動”について考察の参考にと思い、こちらを拝見すると春霞様が積極的に“文民統制”問題を語られており、引用されたメディアの文章を読むにつけ、黙っているわけには行かなくなった次第。

事の本質は、自衛隊に対するシビリアンコントロールの問題でありません。(そもそも守屋氏を“文官”としている記事が少なくないのはどういうこと? こんな基本的ミスに気付かない、基礎学力、知識無しにジャーナリストを標榜する記者が多すぎるので、私はテレビ、新聞のニュースを見ないのです) 
事が深刻なのは、政治が官僚をコントロール出来ていない、近代化以来の持病、ビューロクラシーの問題であり、これを脱却出来ぬ政治の非力、即ちは未熟なデモクラシー、オクロクラシー、ポピュリズムの問題でしょう。 (カタカナを多用するのは、自身の理解が足らぬことを誤魔化そうとの企みの証左。 メディアに合わせて私も誤魔化させて頂く)
先日CSのニュース番組で石破さんは「自衛隊にミス、誤魔化しがあっても、給油に関しては相手方(受給側)の記録を調べれば事実は直ぐに明らかになるので、その方向で云々」と言っていたが、その通りで“意図的に隠蔽”などという大層なことは有り得ない。
単に、官僚が政治(家)と、これを選択した国民を舐めてかかっているだけの話。
「シビリアン・コントロールはシビル・アンコントロールの意味」と自衛隊OBがどこかで言っていたが、言い得て妙。
また、軍が暴走することばかりが言及されるが、(手前らの為に死んでたまるか、と)有事に軍が出動命令を拒否する、という逆のアンコントロールも有り得ることにも気付いてもらいたい。
長くなるのでそろそろ黙りますが、“軍事、暴力即悪”という、非常識、ヘタレ思想をいい加減に卒業してもらいたい、日本人には。 
国民一人一人が、暴力を完璧に統制し得る“理の力”を身に付けることが肝要なのです。 それが文民統制の精髄。
2007/10/25 Thu 16:40:20
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
>ゆうこさん(修正しました)
コメントありがとうございます。


>文藝春秋今月号で、裁判員制度は違憲である、という内容の論説を読んだところでした。これは無茶苦茶な制度なのだと感じています。
>春霞さんに見ていただきたいのです

文藝春秋今月号読みました。

裁判員制度は、裁判員が事実認定のみならず法適用や量刑判断にまで関与するので、基本的には参審制に近いのですが、参審制は違憲とするのが多数説でした。
そういった経緯からすると、裁判員制度の合憲性については、違憲とする方が説明しやすいです。

しかし、裁判員制度導入の際に説明されたのは、「ともかく刑事裁判への国民参加の制度を導入することを決めたのだから、合憲か違憲かは問題としない」ということだったのです。言い換えると、「裁判員制度は政策的に合憲と看做すこととにした」と言った方がはっきりするかもしれません。

裁判員制度は「違憲のデパート」と言われることがありますが、無茶苦茶な制度だということは承知の上で導入した制度だったといえるのでしょうね。裁判員制度導入の際の会議録を読むと、そういった話になっていました。

ただ、実際に裁判員制度が導入されたら、弁護人は裁判員制度の違憲性を争うことになるでしょうけど。

どんなに「合憲か違憲かは議論しない」としたとして法律論を棚上げにしても、実際上の問題点だけは回避できません。実際上、裁判員・被告人に及ぼす不利益が数多く考えられます(文藝春秋今月号の論説の後半がその点に言及しています)。
そして、一般市民の一部は、刑事裁判や刑事弁護の知識が乏しい点が明らかになりました。

最近、西野喜一著『裁判員制度の正体』(講談社現代新書)という著作も出版されているように、本当に裁判員制度を実施してよいのか、もっと切実感を持って検討するべきなのだと思います。
2007/10/27 Sat 01:58:09
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
>rice_showerさん
コメントありがとうございます。


>事の本質は、自衛隊に対するシビリアンコントロールの問題でありません
>事が深刻なのは、政治が官僚をコントロール出来ていない、近代化以来の持病、ビューロクラシーの問題であり
>単に、官僚が政治(家)と、これを選択した国民を舐めてかかっているだけの話

東京新聞の「新防人考 変ぼうする自衛隊」の記事でも出ていましたが、政治家がまるで自衛隊の現状や軍事問題について理解していないこともあって、自衛官側が政治家を舐めている……(政治家の言動に困っている!?)。
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakimori/

そういったことからすると、厳密に言えば、rice_showerさんが仰るとおり、ビューロクラシーの問題なのでしょうね。


>“軍事、暴力即悪”という、非常識、ヘタレ思想をいい加減に卒業してもらいたい、日本人には

自衛隊という軍隊を現に保有し、今後も保有し続けるのですから、その実態と能力の限度を正確に理解しておく必要はありますね。軍事=悪として避けてしまうのでなく。
2007/10/27 Sat 22:59:03
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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2007/10/24(水) 22:33:37 | 来栖宥子★午後のアダージオ
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