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2007/10/22 [Mon] 23:59:25 » E d i t
イラク戦争開戦直前の2003年2月に海上自衛隊の補給艦がインド洋で米補給艦に給油した量が20万ガロンから80万ガロンに訂正された問題で、海上自衛隊が約4年前から間違いを把握していながら当時の石破茂防衛庁長官(現防衛相)らに報告していなかったことが10月21日、明らかになりました。このような隠蔽行為は、文民統制に反する行動であり、重大な問題です。


1.まず、報道記事を。

(1) 東京新聞平成19年10月22日付朝刊1面

 「米補給艦への給油量 海自誤り隠ぺい 4年前把握、報告せず
2007年10月22日 朝刊

 政府が海上自衛隊の補給艦から米補給艦への給油量を訂正した問題で、二〇〇三年五月に当時の石破茂防衛庁長官が誤った供給量を国会で答弁した後、海自が早い段階で給油量の誤りを把握しながら、同長官らに報告せず、隠ぺいしていたことが二十一日、分かった。防衛省首脳が明らかにした。同省は二十二日にも、当時の詳しい経緯を与野党に説明し、近く関係者を処分する方針。

 民主党など野党側は、給油量の訂正問題をイラク戦争への燃料転用疑惑に絡めて追及。給油に関する新たな事実判明を受け、自衛隊に対するシビリアンコントロール(文民統制)が十分機能していなかったとしてさらに追及する構えで、インド洋で給油活動を継続するための新テロ対策特別措置法案の審議にも影響が出る可能性がある。

 当時の石破長官は〇三年五月の参院外交防衛委員会で、海自補給艦「ときわ」が同年二月、米補給艦「ペコス」を介して米空母「キティホーク」に提供した燃料を「二十万ガロン」と答弁。石破氏や当時の福田康夫官房長官は「二十万ガロンは空母の一日の消費量」などと説明していた。

 しかし、市民団体が今年九月、誤りを指摘したことを受け、政府は米補給艦への給油量を八十万ガロン、米空母には六十七万五千ガロンだったと訂正。福田首相は「事務的な誤り」と釈明していた。

 防衛省が当時の関係者らから聞き取り調査したところ、海自の担当者が実際に給油量の誤りに気付いたのは、〇三年の国会答弁のしばらく後で、当時の石破長官や古庄幸一海上幕僚長には報告していなかった。

 石破氏は二十一日、民放テレビの報道番組で、給油量訂正問題について「(誤りだと)気付いていたなら、何で(報告が)上がらなかったのかが大問題だ」と、厳しく対処する意向を示した。」




(2) 朝日新聞平成19年10月22日付朝刊1面

海自、給油量の誤り隠蔽 03年当時から把握2007年10月22日03時00分

 海上自衛隊の補給艦が03年2月にインド洋で米補給艦に給油した量をめぐり、防衛省が20万ガロンから80万ガロンに訂正した問題で、海上幕僚監部が03年当時から誤りに気づいていたにもかかわらず石破茂防衛庁長官(当時)らに報告せず、隠蔽(いんぺい)していたことが21日、分かった。防衛省は当時の担当者を処分する方針で、22日にも調査結果を公表する。これに対し、民主党は当時の統合幕僚会議議長や海上幕僚長ら制服組トップの証人喚問を求め、実現しなければ補給支援特措法案の審議に応じない構えを見せている。

 問題の給油は03年2月25日、海自の補給艦「ときわ」が米補給艦ペコスに対して実施。ペコスは同日、米空母キティホークに給油し、同空母がその後ペルシャ湾内に入って対イラク作戦に従事したことから、燃料の転用疑惑が浮上した。

 当時の福田康夫官房長官や石破防衛庁長官は、給油量を20万ガロンと説明。キティホークの1日の燃料消費量に過ぎないとして転用疑惑を否定した。だが、防衛省は今年9月になって、80万ガロンだったと訂正した。

 防衛省首脳によると、同省が当時の担当者から聞き取り調査したところ、03年の福田氏や石破氏の説明直後に、海上幕僚監部の担当部署が実際の補給量は20万ガロンではなく80万ガロンだったことを把握しながら、石破氏や海自トップの海上幕僚長に報告していなかったことが判明したという。情報は佐官クラスでとどまり、上層部には伝えられなかった。

 その理由について同首脳は「当時の担当者は20万ガロンが80万ガロンに増えても、イラクへの転用はないから重大な問題ではないと判断していたようだ」と語った。

 民主党の山岡賢次国会対策委員長は21日、都内で記者団に「シビリアンコントロールへの大きな危機感を感じる」と指摘。福田首相や二橋正弘官房副長官の証人喚問も求める考えを示した。

 そのうえで、山岡氏は「疑惑がはっきりしない限り、(補給支援特措法案の)審議はやれないことが極めて明快になってきた」と述べた。

     ◇

 03年5月9日、当時の福田官房長官は、記者会見で「キティホークの燃料消費は1日20万ガロンで、(海自提供の燃料は)ほとんど瞬間的に消費してしまう。イラク関係に使われることはあり得ない」と述べ、転用疑惑を否定した。また、当時の石破防衛庁長官も同月15日、参院外交防衛委員会で「アメリカに確認したところ、2月25日に米補給艦に20万ガロン燃料提供した」と答弁していた。

 しかし、防衛省は今年9月、米国の情報公開制度を通じて航海日誌を調べた市民団体「ピースデポ」から給油量の誤りを指摘され、80万ガロンに訂正した。

 福田首相は今月10日の衆院予算委員会で、官房長官当時の説明について「(当時の)防衛庁の情報に基づいたものだが、間違っていたことはおわび申し上げなければいけない」と陳謝。石破防衛相は同9日の同委で「海上幕僚監部で給油記録を集計する際、別の船に補給した20万ガロンと取り違えた」と釈明した。」



(3) 時事ドットコム(2007/10/22-18:58)

 「2007/10/22-18:58 「文民統制にかかわる」=石破防衛相が徹底解明を指示-海自隠ぺい

 防衛省は22日夕、インド洋で給油活動をしていた海上自衛隊補給艦の給油量訂正をめぐる隠ぺい発覚を受け、石破茂防衛相をトップとする「対策検討委員会」の初会合を開いた。石破氏は冒頭、「文民統制にかかわる憂慮すべき重大な問題だ」と指摘、事実関係を徹底調査するよう指示した。同省は調査結果を待って、関係者を厳正処分する方針だ。
 石破氏はまた、隠ぺいについて「構造的な問題だ。意識が希薄だった」と組織の現状を厳しく批判した。」



2.文民統制とは、軍による政治への介入を阻止するために、軍の組織・決定を政治組織のコントロール下におくことであり、民主主義国家の基本の1つです。首相や閣僚は文民でなければならないことを憲法に明記し(憲法66条2項)、国民を代表する国会が<1>自衛官の定数、主要組織などを法律・予算などの形で議決<2>防衛出動などを承認―する仕組みになっています。
軍の組織・決定を政治組織のコントロール下におくためには、内閣や国会に対して、自衛隊の活動実態に関する情報を報告しなければなりません。

海上自衛隊の補給艦が03年2月にインド洋で米補給艦に給油した量をめぐり、防衛省が20万ガロンから80万ガロンに訂正すること自体は問題ではありません。あまりにも慎重さに欠けたために犯した過ちといえるとしても。問題なのは、海上幕僚監部が03年当時から誤りに気づいていたにもかかわらず石破茂防衛庁長官(当時)らに報告せず、隠蔽していたことです。特に、20万ガロンであることを前提として、ずっと政府の説明がなされてきたのですから、ずっと政府は騙され、そして国民も騙されてきたことになったのです。

隠蔽していた理由として、「当時の担当者は20万ガロンが80万ガロンに増えても、イラクへの転用はないから重大な問題ではないと判断していたようだ」と語っています。言い換えると、自衛隊は、自己の勝手な判断で自衛隊の活動実態に関する情報を報告しなかったわけです。自衛隊には、民主主義国家の基本である、文民統制を遵守しようという意識が乏しいのです。

こういう隠蔽の実態が明らかになったのも、参院選において自民党が大敗したため、自衛隊のインド洋での無料ガソリンスタンド活動への疑問が生じたから、出さざるを得なくなったからです。この結果は、自衛隊が今まで自民党を舐めきっていたことを証明しているのです。自衛隊は心底信用できない組織であることが明らかになったといえます。


文民統制については、今まで「「新防人考――変ぼうする自衛隊」:第四部 文民統制の真相~東京新聞8月19・20日付(連載開始)」「「新防人考――変ぼうする自衛隊」:第四部 文民統制の真相~東京新聞8月21・22日付」「「新防人考――変ぼうする自衛隊」:第四部 文民統制の真相~東京新聞8月23日付(終了)」で触れていますが、そのエントリー・引用記事では日本政府が文民統制ができていない事実について触れてきました。またしても、自衛隊は文民統制を軽視していたことが明らかになったのです。

これらの記事で、制服組の一人は、「冷戦後は海外に行かなければ、自衛隊の仕事がなくなってしまう。だから新任務として(海外派遣が)始まった」と述べています。そうすると、インド洋での無料ガソリンスタンド活動に関して、自衛隊が訂正せずに4年間も隠蔽したのは、新任務である海外派遣に問題があると分かったら、自衛隊の仕事がなくなってしまうのではないか、という恐れがあったからだと推測できるのです。

そうなると、自衛隊の存続がかかっていたために隠蔽したのですから、海外派遣に関しては他にも隠蔽している事実が存在している疑いが生じるのであり、海外派遣をする以上、今後とも隠蔽を行うことは必至であるということです。




3.自衛隊が政府に対してなめきった態度をとれるのは、日本政府が米国のブッシュ政権の言うままに行動していていることから、米国の意向にそっていれば咎められないと分かっているからでしょう。今回、石破防衛相は、「文民統制にかかわる憂慮すべき重大な問題だ」と指摘、事実関係を徹底調査するよう指示したとしていますが、これも形式的・表面的な儀式にすぎず、内閣と防衛省の間ではさほどの問題とは思っていないと理解しておくべきです。

しかし、日本政府は、本当にブッシュ政権の言うままに行動していてよいのでしょうか? 米民主党員の有力者は、次のような論説を発表しています。 

 「◆米大統領選と日米 日本は共和党偏重から脱却を

ロバート・オアー 前ボーイング・ジャパン社長
エドワード・リンカーン ニューヨーク大教授(経済学)

 昨年11月、米国の中間選挙で民主党が議会の多数を制しそうだとの見通しが出始めると、日本では急にあわてたり懸念を表明したりする動きが見られた。過去6年にわたる共和党によるホワイトハウスとの議会の支配を経て今、日本の政界や官界のエリートたちは米民主党が再び日本にとって重要な存在になると気づいたようだ。日本に知り合いがいる我々民主党員には電話や電子メールが殺到し、民主党の勝利は日本にとってどういう意味があるのかという質問攻めに遭った。

 □  ■  □

 こうした不安は、08年の大統領選で共和党が勝つ見通しが次第に暗くなるにつれて一層深まっている。米民主党の関係者の多くは、日本のエリート層はブッシュ大統領とより親密な関係をつくり外交政策に歩調を合わせるため、民主党をないがしろにしてきたと感じてきた。その外交政策は今やイラク戦争の泥沼化でぼろぼろとなり、米国内でも拒絶する人が増えている。日本は勝ち目のない政策にあまりにも近づき過ぎた。

 そうした問題点は、テロ対策特別措置法の延長や新法づくりをめぐる最近の日本国内の動きを見ても明らかだ。国際社会が日本に対し、地球規模の様々な責任を担うよう期待していることは言うまでもない。しかし、具体的に何をどうするかは、日本が決めるべき問題だ。もし、インド洋上で海上自衛隊が行ってきた給油活動が最善の策ではないと日本が判断したとしても、多くの米国民は十分に理解するし、日本が他の方法でテロとの戦いやアフガニスタン復興に意味のある貢献をすると信頼している。

 しかし、ブッシュ政権の関係者は、テロ特措法の延長を求める一方で、日本の野党民主党の小沢代表は異なる意見を持つと言って攻撃してきた。こうした対応は、アフガンやイラク、さらには国際テロにどう対処するかという問題の解決に日米両国をともに導くものではない。米国の民主党もそうした複雑な問題と格闘しているが、ブッシュ政権の取り組みが欠陥を抱えていることは明らかだ。日本国民は、ただブッシュ政権が求めているというだけの理由で給油活動を継続しなければならないと感じる必要はない。(中略)

 私たちは、日本は共和党の大統領を拒否すべきだと言いたいのではない。しかし、ある時点でたまたま勢いがあって魅力的な政治的党派に限定して接近するのではなく、米国社会のすべての層に広く関心を持って接触を図るべきだと思うのだ。もし、米民主党が実際に政権につくことになった場合、日本の政治家や官僚が、共和党への偏った傾倒や民主党との関係が不十分なために、不必要な懸念を抱くとしたら非常に不幸なことだと思う。(以下、省略)」(朝日新聞平成19年10月22日付朝刊10面「私の視点」)

  

「インド洋上で海上自衛隊が行ってきた給油活動が最善の策ではないと日本が判断したとしても、多くの米国民は十分に理解する」のですし、「ただブッシュ政権が求めているというだけの理由で給油活動を継続しなければならないと感じる必要はない」のです。実に真っ当な見解です。

「米民主党の関係者の多くは、日本のエリート層はブッシュ大統領とより親密な関係をつくり外交政策に歩調を合わせるため、民主党をないがしろにしてきたと感じてきた」とまで思われているのですから、ブッシュ政権の言いなりに行動することに対しては、もっと慎重になるべきなのです。日米関係が重要であるならば。

しかも、「インド洋での自衛隊活動継続問題:テロとの戦いを言う前に~東京新聞10月15日付「社会時評」より」で触れたように、テロ特措法は、最初から国際貢献というよりもアメリカの戦争に与するためのものであり、現在でもアフガニスタンの復興に役立つものでもないのです。当事国であるアフガニスタンやパキスタンでは「対テロ戦争」に冷めた見方が広がっており、 イスラム神学校の教師、退役軍人、国会議員らから、特措法の延長を求める声はほとんどないのです。

今までどおり、「国民に対して真相隠したまま、米国の御用聞きをするような政府」(東京新聞平成19年10月1日付朝刊27面「本音のコラム」(山口二郎)のままでは、自衛隊はこれからも文民統制を無視する態度を行うことが必至であることをよく認識しておく必要があります。

日本国民は、これらの事実をよく理解したうえで、今後も、自衛隊がインド洋において無料のガソリンスタンド活動を行うべきかどうかについて、賛否を示すべきであると思います。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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