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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2007/10/16 [Tue] 21:45:15 » E d i t
国会では、現在、参議院の予算委員会で審議が行われ、インド洋での自衛隊の給油活動などをめぐって論戦となっています。与党側は、自衛隊の活動を継続させるため、躍起になっており、給油活動継続に反対する民主党をテロリスト呼ばわりするまでに至っています。


「給油活動反対はテロリスト」 自民・中谷氏、民主を批判2007年10月15日12時08分

 自民党の中谷元・安全保障調査会長は14日のフジテレビの番組で、インド洋での海上自衛隊の給油活動について「テロをなくそうという国際社会で非常に評価されている。これに反対するのはテロリストしかないのではないか」と述べ、反対している民主党の対応について「理解できない」と批判した。

 これに対し、民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日の記者会見で「国民の3割が給油活動に反対しているが、日本に3割のテロリストがいるという話になる」と反論。「テロリストをなくさなくてはいけない作戦で、テロリストが急増している。戦争によって本当にテロがなくなるのか」と、給油活動への疑問を改めて示した。」(朝日新聞平成19年10月15日付夕刊2面




中谷議員は、自衛隊での給油継続に「反対するのはテロリストしかないのではないか」というのですから、どうやら市民の44%さえもテロリスト扱いのようです。

自衛隊給油継続 賛成39%、反対44% 本社世論調査 
2007年10月16日03時30分

 朝日新聞社が13、14の両日実施した全国世論調査(電話)によると、インド洋での自衛隊による活動の継続について賛成が39%、反対が44%だった。賛成は安倍前首相の辞任表明を受けて実施した9月13日調査の35%からやや増えたものの、なお反対が上回っている。

 政府は自衛隊の活動を継続させるため、現行のテロ対策特別措置法に代わる新法案を国会に提出する方針だが、この新法案の中身についても賛否を聞いたところ、賛成は28%にとどまり、反対が48%を占めた。(以下、省略)」(asahi.com(2007年10月16日03時30分)



インド洋での自衛隊の給油活動(=無料ガソリンスタンド活動)に反対することに対して、テロリストとレッテル貼りをしたところで何も解決しませんし、かえって後ろ暗いものがあるのではないか、国民に対して隠しているものがあるのではないかと、疑わしくなりました。

今まで一貫して、国民に対してインド洋での自衛隊の活動を明らかにしてこなかったことも不信感の原因であるのに、こうして国会で議論され疑問を呈する声が出てくると、テロリスト呼ばわりして議論を封じようとするのです。国会審議は、国民に対する情報提供の場であるという機能を全く失念しているようです。そして、日本の市民の44%をテロリスト呼ばわりするのですから、自民党への不信感がますます増すことになり、自民党議員には政権担当能力がないことが明確になったように感じます。


このインド洋での自衛隊の無料ガソリンスタンド活動について、作家の高村薫さんが、東京新聞10月15日付において論説を発表していますので、その論説を紹介したいと思います。



1.東京新聞平成19年10月15日付夕刊9面「社会時評」(村薫)

 「テロとの戦いを言う前に  「民生支援」こそ元凶根絶に有効

 前代未聞の首相退陣、総裁選、福田新内閣誕生と続いた秋の臨時国会冒頭の波乱も一息ついた。残されたのは、前政権から持ち越された重要課題、すなわちインド洋における自衛隊の活動の継続を決める新法案の審議である。

   ◆

 現行のテロ対策特別措置法の延長は、夏の参院選での自民党の大敗北と安倍首相の突然の辞任であっけなく頓挫(とんざ)したが、何がなんでも自衛隊のインド洋派遣を継続したいという意向は、福田政権でも変わらない。日本から遠いアフガニスタンで、有志連合のテロ掃討作戦に自衛隊が後方支援として給油活動を行うのだと言われても、正直なところ生活者には関心をもちにくいが、ほんとうのところは誰のための給油活動なのかという分かりにくさを含めて、今国会での新法の上程は、自衛隊の海外活動のあり方をいま一度考える好機である。

 とくに昨今、この問題について政府が国民に語る文言は「国際貢献」「テロとの戦い」「中東における石油を依存する日本のシーレーン(海上交通路)防衛」といったものであり、常識ある国民なら当然その重要性はわかるでしょう、と続く。けれども「分かる」とうなずく前に数秒考えてみよう。自衛隊のインド洋派遣のどこが、どんなふうに「国際貢献」なのだろうか。シーレーンの防衛というけれども、アフガニスタンのテロ組織が、洋上のタンカーを狙うといった具体的な話があったのだろうか。

 私たちはいま一度、事の次第を正確に振り返っておく必要がある。そもそも、アメリカは2001年の同時多発テロを「新しい戦争」と呼び、国連憲章に定められた自衛権を発動してアフガニスタンのタリバーン政権を攻撃したのだった。国連安保理は、テロ非難決議を出してそれを追認したが、軍事行動はあくまで、集団的自衛権を発動した有志連合によって担われたに過ぎない。日本は、アメリカのアフガン侵攻にもっとも早く賛同した国の一つで、01年のテロ特措法はそれを具体的な行動にするために大急ぎで成立が図られたものである。

 してみれば、同法はそもそも世界の平和と安定のための国際貢献という以前に、まずはアメリカの戦争に与(くみ)するものだったという側面は否定できない。その後、01年12月には国連安保理決議によってNATO(北大西洋条約機構)を主体とする国連治安支援部隊が創設され、軍民合同の復興支援チームを加えると、30カ国前後の国がアフガニスタンで活動するに至っているが、これらの枠組みもそれぞれの国益が絡み合い、NATOとアメリカの温度差もある。アフガニスタンが単純な国際貢献の場であるとは言い難いのが現状であろう。そして肝心のアフガニスタンの状況は、カルザイ政権に統治能力がなく、タリバーンが復活してテロが頻発していると聞く。治安支援部隊の軍事行動が増え、一般国民の犠牲者も相次いでいる現状を見ると、6年前にアメリカが始めた武力によるテロとの戦いは、結果的に成功していないと言うほかない。

 この状況下、インド洋での海上阻止行動を行う有志連合の艦船に、自衛隊が給油をする活動は、ほんとうにアフガニスタンの復興に役立つものであると言えるのか。「国際貢献」を言うのであれば、むしろテロの元凶である貧困を救う民生支援のほうが、はるかに国際貢献ではないか。

   ◆

 「世界中の国がテロとの戦いに参加しているときに、日本だけ何もしないでいいのか」という政府の弁は、論理以前の情緒である。現実が教えているのは、テロとの戦いに軍事力は必ずしも有効でないという事実であり、日本には民生部門での支援の道があるからである。また、中東に石油を依存している日本のシーレーン防衛という論点も、本来の法案の趣旨を逸脱しており、国民に同意を求めるのは筋違いである。

 自衛隊の活動は、仮に新法で給油活動にその範囲を限っても、結果的に武力行使と無縁ではいられない以上、現行憲法下では綱渡りであるほかはない。この1月から自衛隊の海外活動は本来任務になったが、日本は国際社会の動向を中長期的に注視しつつ、アフガニスタンでは当面、自衛隊による民生分野での貢献を模索するほうが、内外にとって賢明だと思われる。
(たかむら・かおる=作家)」




2.いくつかの点に触れていきます。

(1) まず、1点。

「肝心のアフガニスタンの状況は、カルザイ政権に統治能力がなく、タリバーンが復活してテロが頻発していると聞く。治安支援部隊の軍事行動が増え、一般国民の犠牲者も相次いでいる現状を見ると、6年前にアメリカが始めた武力によるテロとの戦いは、結果的に成功していないと言うほかない。」


もう誰もが知っていることとは思いますが、米国が始めたテロとの戦いは、むしろテロ拡散につながっており、効果が上っていません。「国連での報告によると、8月末現在で自爆テロは103件発生。年間で123件と最悪だった06年に並ぶ勢い」(朝日新聞平成19年10月2日付朝刊3面「対テロ戦争の現状と日本 上」)なのです。

むしろ、「掃討作戦では民間人が巻き込まれることが多く、結果的に人々をタリバーン支持に走らせる要因になっている」(朝日新聞平成19年10月2日付朝刊3面)のです。


(2) 2点め。

「 「アメリカは2001年の同時多発テロを「新しい戦争」と呼び、国連憲章に定められた自衛権を発動してアフガニスタンのタリバーン政権を攻撃したのだった。国連安保理は、テロ非難決議を出してそれを追認したが、軍事行動はあくまで、集団的自衛権を発動した有志連合によって担われたに過ぎない。日本は、アメリカのアフガン侵攻にもっとも早く賛同した国の一つで、01年のテロ特措法はそれを具体的な行動にするために大急ぎで成立が図られたものである。

 してみれば、同法はそもそも世界の平和と安定のための国際貢献という以前に、まずはアメリカの戦争に与(くみ)するものだったという側面は否定できない。……

 この状況下、インド洋での海上阻止行動を行う有志連合の艦船に、自衛隊が給油をする活動は、ほんとうにアフガニスタンの復興に役立つものであると言えるのか。「国際貢献」を言うのであれば、むしろテロの元凶である貧困を救う民生支援のほうが、はるかに国際貢献ではないか。

   ◆

 世界中の国がテロとの戦いに参加しているときに、日本だけ何もしないでいいのか」という政府の弁は、論理以前の情緒である。現実が教えているのは、テロとの戦いに軍事力は必ずしも有効でないという事実であり、日本には民生部門での支援の道があるからである。」


要するに、テロ特措法は、最初から国際貢献というよりもアメリカの戦争に与するためのものであり、現在でもアフガニスタンの復興に役立つものでもないということです。当事国であるアフガニスタンやパキスタンでは「対テロ戦争」に冷めた見方が広がっており、 イスラム神学校の教師、退役軍人、国会議員らから、特措法の延長を求める声はほとんどないようなのです。

宮田律・静岡県立大准教授(現代イスラム研究)は、現地取材に基づき、次のような論説を発表しています。


 「◆テロ特措法:対米支援、現地は冷めた視線

 「活動はテロリストの拡散を防ぐための国際社会の一致した行動であり、海上輸送に資源の多くを依存する我が国の国益に資する」

 福田新首相は1日の所信表明で、テロ対策特別措置法に基づくインド洋での海上自衛隊の補給活動継続に意欲を示した。政府・与党は「国際社会の期待」を強調するが、当事国であるアフガニスタンやパキスタンでは「対テロ戦争」に冷めた見方が広がっている。

 8月下旬から9月上旬にかけて、パキスタンを訪問した。ブッシュ政権の支援を受ける同国は、米国主導の「対テロ戦争」にイスラム教国として唯一参加している。シーファー米駐日大使は、海上自衛隊の活動が中断すれば、自衛隊から給油を受けているパキスタン軍が撤退しかねないと警告する。しかし、イスラム神学校の教師、退役軍人、国会議員らから、特措法の延長を求める声はほとんどなかった。

 背景にあるのは、「対テロ戦争」に対する民衆の根深い不信感とそれに伴う反米感情だ。アフガン国内で米軍などが進める「不朽の自由」作戦や、北大西洋条約機構(NATO)軍主体の国際治安支援部隊(ISAF)の軍事作戦で、反政府勢力タリバーンやアルカイダとは関係のない女性や子ども、老人が攻撃の巻き添えで殺害される事態が相次いでいる。

 著名なジャーナリスト、ラヒムラ・ユスフザイ氏は「タリバーン側の自爆攻撃、米軍やNATO軍の攻撃による民間人の死者は昨年だけで4千~5千人に上る」と推計する。

 イスラマバードの神学校の教師は「米軍はアフガンで無実な人々を殺害し、モスクや神学校を破壊した。なぜ国際社会は米国を非難しないのか」と述べた。自衛隊による対米後方支援は「罪もない人々を攻撃することに加担する」ことになる。イスラム系新聞の編集者は「人々は(米国に協力する)日本の製品よりも中国製品を好んで買うようになった」と語った。

 01年の米同時多発テロ事件を受けてブッシュ政権が始めた「対テロ戦争」は、テロを軍事力で抑制するという発想だった。だが、パキスタンでは、テロはむしろ増加している。爆弾テロは00年には年間14件だったが、今年は9月中旬までに450件に達した。対テロ戦争が効果を上げているとはとても言えない。

 中東の石油に依存する日本の「シーレーン防衛」の観点から、自衛隊の活動を延長すべきだとの声もある。しかし、海上での現実的な脅威は、テロ組織よりも海賊だ。海賊対策には周辺諸国との地道な治安協力が欠かせない。米国主導の軍事作戦とは区別すべきだ。

 テロを抑制するためには、投資や民生支援などを通じてイスラム世界内部からの発展を後押しする息の長い取り組みが必要だ。イスラム諸国を訪ねると、日本が病院や学校建設を行ったことに対する感謝や評価の声を数多く聞いてきた。こうした面で日本は独自の役割を果たせるはずだ。米国に感謝される補給活動を行うことだけが「国際貢献」ではない。」(朝日新聞平成19年10月5日付朝刊16面「私の視点:静岡県立大准教授(現代イスラム研究)宮田律(みやた おさむ)」)





3.日本政府・与党が求めてる、インド洋での自衛隊の無料ガソリンスタンド活動は、国際貢献という美名を強調していても、それはアメリカの戦争に協力することであることをしっかり認識しておく必要があります。当時国にであるアフガニスタンの市民はテロ特措法延長を望んでおらず、アフガニスタンではテロの脅威は全く減っていないのですから。

国会において、日本が提供している石油がイラクにおける米国の軍事行動のために使われている疑惑追求がなされていますが、米国の軍事行動のために使われているのは当然という意識をもっておくべきでしょう。日本政府が行ってきたことは、最初から一貫して米国の軍事行動に対して協力することだったのですから、イラクにおける米国の軍事行動のために石油を提供することぐらいたいしたことではないのですから。


10月15日昼に行われた政府と自民党との協議では、インド洋での給油継続のための新しい法案について、参議院の予算委員会での3日間の審議が終わる今週17日に、自民党の総務会で承認した後、臨時閣議を開いて閣議決定し、その日のうちに国会へ提出する方針のようです。

この新法ももちろん、政府・自民党の本音としては、米国の軍事行動への協力のためであり、国際貢献のためではありません。米国側と補給艦や空母に給油しないという公文書を交わすということも検討しているようですが、当然ながら密約により何らかの方法で給油するだけのことです。実質的にはそのような公文書を交わしたとしても存在しないに等しくするのです。

日本国民としては、今後も「対テロ戦争」に対して効果が上っていない、米国の軍事行動への協力を行うことに対して賛成するのかどうかという観点から、この問題を捉えるべきであると思うのです。言い換えると、今までどおり、「国民に対して真相隠したまま、米国の御用聞きをするような政府」(東京新聞平成19年10月1日付朝刊27面「本音のコラム」(山口二郎)を信頼するのかどうか、という問題であるのです。

テーマ:時事 - ジャンル:政治・経済

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コメント
この記事へのコメント
上納金の法的な問題
いつも読ませていただいています。客観的な表現でとても参考になります。質問です。昨日、国会で公明党の上納金が問題になりました。
議員が党の公認を貰うのに上納金三百万円を本部に納めるのだそうです。政治資金関連の法的な問題はないのでしょうか。
2007/10/17 Wed 11:39:23
URL | マヨ #-[ 編集 ]
>マヨさん
はじめまして、コメントありがとうございます。お返事が遅くなってすみません。


>いつも読ませていただいています。客観的な表現でとても参考になります。

ありがとうございます。


>昨日、国会で公明党の上納金が問題になりました。
>議員が党の公認を貰うのに上納金三百万円を本部に納めるのだそうです。政治資金関連の法的な問題はないのでしょうか。

国会で議論になった上納金問題とは、次のニュースですね。

「2007/10/16-18:26 公明・創価学会を追及=冬柴氏とバトル-民主・石井氏

 16日午後の参院予算委員会で、民主党の石井一副代表が公明党とその支持母体の創価学会への批判を展開。同党の冬柴鉄三国土交通相が色をなして反論する一幕があった。
 石井氏は、公明党には国会議員が党本部を通じて創価学会に納める「上納金」と、国会議員から学会の池田大作名誉会長への「P(プレジデント)献金」があると追及。さらに党役員人事の決定過程も不透明と指摘し、「あらゆる面で不可解」と批判した。
 これに対し、冬柴氏は「上納金」について「(選挙の際に)公認料は党に出している」としながらも、学会への上納は否定。「P献金」の存在も認めなかった。
 石井氏が「閣僚席に座っているのだから、その言葉は重い」と畳み掛けると、冬柴氏も「(P献金などが)ないということになれば、あなたも議員を辞めるか」と反撃。両氏のバトルはエスカレートし、石井氏は池田氏の参考人招致や文部科学省による実態調査を求めた。」
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007101600824


「民主・石井氏 公明党と創価学会の関係追及<10/16 17:06>

 民主党・石井一議員は、16日の参議院予算委員会で、公明党と創価学会の関係について追及した。審議が数回にわたって中断するなど、緊迫したやり取りとなった。
 石井議員は、公明党の国会議員が「創価学会」池田名誉会長に献金をしているなどと指摘して「政教一致だ」と批判した。しかし、公明党・冬柴国交相はこの献金を否定した。
 石井議員「『P献金』というのがある。プレジデント(創価学会の)池田名誉会長を指す。国会議員一人当たり30万円徴収。公職選挙法違反なのか。これは、政治資金規正法違反なのか」
 冬柴国交相「『P献金』が何物か知らないが、そういうことはしていない」
 石井議員「よくその閣僚の席に座っていられる。この言葉は重いですよ」
 冬柴国交相「もし(P献金が)ないとなったら、あなたも(予算委員会の)委員を辞めますね?」
 石井議員「常軌を逸した発言だ。公明党というのは創価学会なんです。票を通じて今の政府を支配している。こんな構図があっていいのか」
 石井議員は「政教分離を定めた憲法20条に抵触する問題だ」と指摘し、公明党を離党した福本潤一前議員の国会招致を求めた。公明党と創価学会の関係を明らかにしていきたいとの考えで、「必要に応じて池田名誉会長らに国会に来ていただきたい」と強調した。」
http://www.news24.jp/95319.html

どうやら、石井議員は、<1>公明党には国会議員が党本部を通じて創価学会に納める「上納金」と、<2>国会議員から学会の池田大作名誉会長への「P(プレジデント)献金」という2種類の献金を問題視しているようです。

この献金の何が問題かについては、石井議員は、公職選挙法違反や政治資金規正法違反の可能性、さらには、政教分離原則違反の可能性を示唆しています。

ただ、公職選挙法では、政党が宗教団体に上納(寄附?)することを禁じる規定は見当たりません。また、政治資金報告書に上納した点を記載していなければ問題ですが、公明党新聞によると(後述引用)、報告済みとのことですから、政治資金規正法違反というのも難しいように思います。(元々、公明党は上納金なんかないと言い張っていますけど。)



「公明に“上納金”存在せず
公明新聞:2007年10月17日

民主・石井氏の中傷質問に反論
参院予算委で山口氏

 16日の参院予算委員会で、公明党の山口那津男政務調査会長代理は、同日の同委員会で民主党の石井一副代表が、公明党の国会議員が党本部に“上納金”を納めているかのような事実誤認の発言をしたことについて、公明党の選挙資金は「党で選挙費用として掛かる分の一部を(議員本人が)党費として納めて、その費用に充てている。きちんと収支報告をしており、何ら異議を挟まれる余地はない」と反論した。
 石井氏が発言した資金は党営選挙の自己負担分であり、“上納金”なるものは公明党に存在しない。
 また、山口氏は、石井氏が公明党と創価学会の関係を「政教分離に抵触する問題ではないか」などと述べたことに対して、「宗教団体には政治活動の自由、選挙の支援活動の自由が保障されている」と強調。憲法上の解釈を政府に確認した。
 これに対して宮崎礼壱・内閣法制局長官は、1970年3月31日の春日一幸議員に対する政府答弁書で、政教分離の原則について「宗教団体または宗教団体が事実上支配する団体が、政治活動をすることをも排除している趣旨であるとは考えていない」と答弁。宗教団体の政治・選挙活動は憲法上、保障されているとの政府見解を改めて確認した。」
http://www.komei.or.jp/news/2007/1017/9871.html

また、政教分離原則は、国家(=政府)が宗教と深い関わりをもつことを禁止し、宗教団体に公金を支出することを禁じるものです。ですから、政党という(公的側面はあっても)私的団体が上納金を出したとしても政教分離原則違反というのは難しいように思います。


では何も問題はないかというとそうではないように思います。

政党助成法1条は、「政党の政治活動の健全な発達の促進」のために、「国が政党に対し政党交付金による助成を行う」としたのです。公明党も政党助成金を受けている以上、助成金を、政治活動と無関係に支出することは政党助成法の意義からして問題であるように思います。

また、もし、公明党の国会議員全員が上納し、しかもかなり高額であったような場合には、創価学会は上納を強要しているのではないかと思われ、不法行為責任(民法709条)の可能性があります。

また、創価学会が上納を強要できるのであれば、公明党は「組織及び運営については民主的かつ公正」(政党助成法4条)なものといえず、公明党に政党助成金を認めてよいのか、問題視されてしまうように思います。

選挙運動のあり方など色々と疑問点があるのですから、公明党を離党した福本潤一前議員や、池田名誉会長を参考人招致してみた方がよいように思います。
もっとも、公明党は自民党を抱き込んで参考人招致を絶対に阻止する行動にでるため、実際上は参考人招致は難しいでしょうけど。
2007/10/21 Sun 00:05:56
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
公明党の上納金の回答について。
丁寧なご回答ありがとうございました。よく分かりました。今回のは民主党と公明党の取引のようで、恐らくもう決着したのでしょう。
政治とは何であるのか、小沢さんに教えてもらった気がしました。
2007/10/23 Tue 11:14:13
URL | マヨ #-[ 編集 ]
>マヨさん:2007/10/23(火) 11:14:13
コメントありがとうございます。


>今回のは民主党と公明党の取引のようで、恐らくもう決着したのでしょう。

そうでしょうね、もう決着済みのようです。10月16日の参議院予算委員会だけで、もう国会では誰も論議しないのですから。

民主党と公明党だけの「取引」というよりも、自民党も抱き込んでの「取引」なのでしょうけど。


>政治とは何であるのか、小沢さんに教えてもらった気がしました

公明党と創価学会の関係の危うさ、池田名誉会長の件は公明党のアキレス腱ですが、本気で国会審議しようとしたら、生命の危険さえあったわけですし。創価学会批判を繰り広げていて「怪死」した、朝木明代・東村山市会議員のように……。

民主党としては、ブラフであったのだろうと思いますが、公明党への強烈な牽制となったことは確かですし、小沢代表の今国会でのやる気を感じました。
2007/10/24 Wed 19:03:02
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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2007/10/17(水) 01:38:09 | 村野瀬玲奈の秘書課広報室
{/kaeru_ang2/}さて、次は民主党やな。 {/hiyos/}民主党って言うたら、こないだ小沢はんが雑誌に出した記事、あれすごいな。 {/kaeru_ang2/}すごいって? 何がどうすごいねん? {/hiyos/}「民主党が政権とったらISAFに参加する」て言うとるやんけ。すごい思わへんけ? ...
2007/10/17(水) 13:10:59 | 斜47°
●民主党 2007/10/17 情報隠し、ミスの連続にシビリアンコントロールの危機を指摘 山岡国対委員長 山岡賢次国会対策委員長は17日午前の記者会見で、冒頭、海上自衛隊補給艦「とわだ」がインド洋で給油活動中の「航泊日誌」を、定められた保存期間内にもかかわらず誤...
2007/10/17(水) 22:15:32 | 晴天とら日和
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2007/10/17(水) 23:24:37 | 日本がアブナイ!
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2007/10/19(金) 01:07:40 | 晴天とら日和
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