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2007/09/27 [Thu] 00:56:54 » E d i t
自民党の福田康夫総裁(71)は9月25日、第91代、58人目の首相に選出され、同日夜の組閣を経て、福田内閣がスタートしました。この報道についてコメントしたいと思います。


1.まず、報道記事をいくつか。

(1) 朝日新聞平成19年9月26日付朝刊1面

 「福田内閣が発足 自ら「背水の陣内閣」と位置づける
2007年09月25日22時32分

 自民党の福田康夫総裁(71)は25日、衆参両院の首相指名投票を経て第91代首相に選ばれ、自民、公明両党による福田連立内閣が事実上、発足した。内閣の要の官房長官に町村信孝外相を起用。外相の後任に高村正彦防衛相を横滑りさせ、防衛相に石破茂元防衛庁長官を充てた。総裁選で善戦した麻生太郎前幹事長には入閣を要請したが、固辞された。開会中の臨時国会への影響を最小限にするため、安倍改造内閣の閣僚17人のうち15人を閣内に残す「居抜き内閣」となった。新内閣はまず、11月1日に期限が切れるインド洋での海上自衛隊による給油活動の継続問題に取り組むが、参院第1党の民主党は反対姿勢を崩しておらず、厳しい政権運営を迫られそうだ。

 福田氏は25日夜、首相官邸で記者会見し、自らの内閣を「一歩間違えれば、自民党が政権を失う『背水の陣内閣』」と位置づけた。参院選での与党惨敗を念頭に、「政治不信の解消に全力を傾ける」と強調。国会運営でも野党との協議を重視する考えを繰り返した。終始、低姿勢で「国民への説明責任を十分に果たしたい」とも語った。福田内閣は26日午前の皇居での首相の任命式と閣僚の認証式を経て、正式に発足し、初閣議を開く。

 福田氏は閣僚人事で、官房長官に起用した町村外相、自民党幹事長に充てた伊吹文明文部科学相の穴を埋める以外は、すべて再任か閣内での横滑りという「必要最小限」(福田氏)の人事にとどめた。国会開会中の安倍前首相の突然の辞任という緊急事態を踏まえ、閣内や与党の「安定」を最重視した「守りの布陣」だ。

 新内閣の閣僚は、直ちに国会答弁に立つことを求められる。準備時間はほとんどなく、逆転国会を乗り切るには現閣僚の続投が得策との判断だ。テロ特措法の審議に臨む防衛相には02年から04年まで防衛庁長官を務めた即戦力の石破氏を起用。初入閣は渡海紀三朗文科相だけだ。

 「政治とカネ」の問題に絡み、閣僚候補の「身体検査」に十分な時間をさけない事情もあった。この問題で不祥事が発覚すれば、野党の追及で新内閣は発足早々、立ちゆかなくなる恐れがある。

 福田氏は麻生派以外の8派閥に推されて党総裁に就任した。一部閣僚だけ交代させ、人事で不満をもたれるより現状維持を優先した側面もありそうだ。麻生氏の入閣は見送られたが、総裁選で麻生氏支持の鳩山法相、甘利経済産業相は再任された。福田氏は大野松茂、岩城光英の両官房副長官、中山恭子、山谷えり子両首相補佐官も再任した。

 そうした中、福田氏が重視したのが首相官邸の体制。官房長官は出身派閥から充てるのが通例だったが、安倍前首相は古賀派の塩崎恭久、無派閥の与謝野馨両氏を起用。福田氏は出身派閥の領袖(りょうしゅう)の町村氏を充てた。さらに事務の副長官には的場順三氏に代え、小泉政権で正副官房長官としてコンビを組んだ二橋正弘氏を再登板させた。

 組閣に先立って25日午後、衆参両院の本会議で行われた首相指名投票では、与党が過半数を占める衆院は福田氏、与野党が逆転した参院は第1回投票の上位2人による決選投票の結果、民主党の小沢代表をそれぞれ指名。衆参の議決がわかれたため、両院協議会が開かれたが、意見は一致せず、憲法67条の規定により衆院の議決が優先され、同日夕に再開された衆院本会議で福田氏指名が正式に決まった。

 衆参両院で首相指名が異なったのは、98年に衆院で小渕恵三氏、参院で民主党の菅直人氏が指名され、最終的に小渕氏が首相に選出されて以来、9年ぶり4回目。」



(2) 東京新聞平成19年9月26日付朝刊2面

 「『安倍内閣のお下がり内閣』 野党は対決姿勢
2007年9月26日 朝刊

 野党各党は二十五日、十三閣僚を再任した福田内閣の顔触れを「安倍内閣のお下がり内閣」(市田忠義共産党書記局長)などと批判、参院で民主党の小沢一郎代表が首相指名されたことを受け「直近の参院選で示された民意を反映すべきだ」(福島瑞穂社民党党首)と衆院解散・総選挙を求める対決姿勢を強めた。

 小沢氏は記者会見で「(首相が)誰に代わっても自民、公明の政権であることは同じだ。あらゆる分野での不公正、不平等、格差を生んできた政権は一日も早く終わってもらう以外にない」と強調した。

 市田氏は「首相だけが代わって路線も内閣の顔触れも変わらない。何の新しさもない新内閣だ」と酷評。穀田恵二共産党国対委員長は参院の決選投票での小沢氏への投票を「自公政権ノーという立場」と説明した。

 福島氏は「派閥領袖を起用するなど、国民に背を向けている。自民党の自民党による自民党のための内閣。『自民党政治幕引き内閣』にするよう全力を挙げる」と表明。決選投票での小沢氏への投票には「与野党逆転の参院を表現した」と述べた。

 国民新党の亀井久興幹事長は「何をやろうとしているのか、明確に分からない」と断じた。

 新党日本の田中康夫代表は「世代“後退”の党役員人事に続き、新内閣は政権“後退”そのもの」との談話を出した。」





2.9月25日に行われた首相指名選挙(憲法67条1項)では、野党が過半数を占める参院で民主党の小沢一郎代表が指名されましたので、衆議院と参議院とが異なった指名を決議したことになります。これまで、衆議院と参議院の指名が異なった場合、3回ありました(1948年2月に衆議院は芦田均、参議院は吉田茂、1989年8月に衆議院は海部俊樹、参議院は土井たか子、1998年7月に衆議院は小渕恵三、衆議院は管直人を指名しました)。

憲法67条2項により、両院協議会が開かれ、意見が一致しなかったので、衆議院の議決が国会の議決とされ、福田氏を指名した衆院の議決が最終的に優先されました。

両院協議会が開かれたことなどから25日に予定されていた皇居での首相任命式(憲法6条1項)と閣僚認証式(憲法7条5号)は26日午前行われることになり、福田内閣の正式発足は、9月26日になりました。


(1) 福田首相は、開会中の臨時国会への影響を最小限にするため、閣僚の入れ替えは小幅にとどめました。そのため、組閣に当たっては安倍改造内閣の17閣僚のうち13人を引き続き同じポストで起用し、2人を横滑りさせ、結局は新入閣は2人だけになりました。しかも、「防衛相には02年から04年まで防衛庁長官を務めた即戦力の石破氏を起用」したのですから、「初入閣は渡海紀三朗文科相だけ」です。

 首相の臨時代理もおかず、臨時国会が事実上休会であることを考慮すると、閣僚の入れ替えは小幅にとどめるということもおかしなことではありません。しかし、いくらなんでも、新入閣は2人だけ、それも「初入閣は渡海紀三朗文科相だけ」では、安倍改造内閣をそのまま引き継いだだけとなり、あまりにも変化がない布陣です。誰が見ても、安倍氏のみを抜いた「居抜き内閣」・「上書き保存内閣」・「安倍首相のお下がり内閣」との評価を受けても頷けるものがあります。


(2) いくら閣僚の入れ替えは小幅にとどめたいとはいえ、不明朗な会計処理や政官業癒着を疑わせる「政治とカネ」絡みで説明責任を求められている閣僚を再任したことは、不思議です。

若林氏をめぐっては、同氏を支援する政治団体代表を元水産庁長官で農水省の補助金交付団体トップが兼任していた問題が指摘されています。また、鴨下氏は安倍改造内閣発足直後、資金管理団体の政治資金収支報告書で記載ミスなどが相次いで発覚し、釈明に追われていたのです。

福田首相は、「政治不信の解消」を言っているのに、危機感が乏しいようです。


(3) また、鳩山邦夫法相は25日の安倍改造内閣の閣議後の記者会見で、死刑執行の現制度について「法相が絡まなくても、自動的に客観的に(死刑執行が)進むような方法を考えたらどうか。法相に責任をおっかぶせる形ではなくて」と述べ、法相の署名がなくても執行できるように制度を変更すべきだとの考えを示していたのです。

死刑の執行権は行政府に属し、しかも命を奪うのですから、法務省の最高責任者が責任を負うのは当然のことなのに、「法相に責任をおっかぶせる形」は嫌だと責任回避を口にし、しかも、自動的に命を奪うことを平然と言い放つのです。

鳩山氏は、法相として「人殺し」をする責任を負うつもりがないのですから、法相の資格がないのです。退任の“置きみやげ”として過激提案したのであって、元々、再任される意思がなく、それなのに法相として再任したのですから、福田氏には任命責任があるのです。


(4) 小泉チルドレンの行動も不思議です。福田氏を最初に担いだのが古賀派と谷垣派らですから、古賀氏が福田政権において大きな地位を占めることはわかっていたはずです。結局、古賀氏は、次期衆院選の実務全般を取り仕切る選挙対策委員長として、就任したのです。

古賀氏が選対委員長に就いた以上、反小泉・安倍路線を貫くことは明白ですから、小泉チルドレンすべて推薦さえ受けられるか疑問であり、少なくとも比例区当選組は選挙名簿にさえ掲載されるかどうかも疑問であり、まず当選しないでしょう。

それなのに、小泉氏擁立を画策したと思ったら、次の日には、片山さつき氏は福田氏の下で愛嬌を振りまくなど、節操のない行動をしているのです。佐藤ゆかり氏も同様です。

元から衆院選では当選可能性が乏しかったのに、古賀氏が選対委員長である以上、当選見込みは限りなくゼロになったのに、愛嬌を振りまくほど見識がないのですから、自業自得なのだと思います。




3.「派閥領袖を起用するなど、国民に背を向けている。自民党の自民党による自民党のための内閣」なのですから、いよいよ自民党政権も最後になるかもしれないという思いが、現実味を増しているように思います。

総裁選も、開始当初から派閥のほとんどが福田氏支持になったため、結論が分かっていた茶番劇でした。安倍氏による国会開会中の政権投げ出し、茶番劇のために、2週間も臨時国会が事実上休会したままだったのです。1日2億円かかるといわれる国会が、何もせずにずっと無駄にされてきました。

以前にも触れましたが、前政権もこの新政権も、選挙による民意が問われていないのです。しかも、参院選では自民党大敗という結果を出しているのですから、今の福田政権は、国民の信任を得ている政権かどうか疑わしいのです。

政権の正統性を保障するためにも、できるだけ早く衆議院を解散し、国民の信を問うべきだと思います。総選挙を引き延ばしてみても、参議院で法案を通すことが困難な状態はずっと続くのですから。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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コメント
この記事へのコメント
『しょうが内閣』、『これしか内閣』
小泉、安倍で失われた、かつての自民党的なるもの、を取り戻そうとすれば、結局これしかない、これでしょうがない、という事ですよね。
古参揃いで、“落ち着き”だけは有ります。(=活性、進取の気性、戦略性が無い)
他ブログで「福田には“強かな不徳”を感じる。 善人が善政をしくとは限らないのが世の常。 だから、敢えてちょっと期待」とコメントしました。 “きれいなタカ”のチキン振りに辟易しているので、ここは“汚れたハト”が、ブッシュだ、正日だの、汚穢の輩どもを、どう捌いて見せるか。
2007/09/28 Fri 12:40:54
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
>rice_showerさん
コメントありがとうございます。


>結局これしかない、これでしょうがない、という事ですよね。
>古参揃いで、“落ち着き”だけは有ります

確かにそうですね。派閥の領袖を集めましたから、衆院選対策としてはこの布陣がベターでしょう。


>“きれいなタカ”のチキン振りに辟易している

右よりの考えの方は、(庇う方もいるようですが)安倍氏の政権投げ出しに心底がっかりしたと思います。安倍氏はホープであっただけに余計に。
それにしてもなぜここまで「チキン」だったのでしょうね~。安倍氏の首相としての最後の会見をみると、安倍氏はすっかり生気をなくしてしまい、政治家としても無理な感じでしたし。
2007/10/01 Mon 06:12:02
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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