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2007/08/28 [Tue] 23:59:49 » E d i t
安倍改造内閣が、8月27日夜、皇居での認証式を経て発足しました。参院選挙での歴史的大敗から1ヶ月も掛けて、慎重な「身体検査」を行い、ようやく発足したのです。


1.まず、報道記事をいくつか

(1) 北海道新聞(08/28 07:53)

 「安倍改造内閣が発足 派閥会長らを重用 外相町村氏、官房長官与謝野氏(08/28 07:53)

 安倍改造内閣が二十七日夜、皇居での認証式を経て発足した。安倍晋三首相は、政権運営の要となる官房長官にベテランの与謝野馨元経済財政担当相を起用。首相続投に批判的だった舛添要一自民党参院政審会長を厚生労働相に抜てきした。また、外相に町村派会長の町村信孝元外相、防衛相に高村派会長の高村正彦元外相、財務相に津島派の額賀福志郎元防衛庁長官と、派閥の領袖や幹部を充てた。実務者中心の手堅い布陣としたが、半面で清新さを欠く陣容となった。

 安倍内閣の改造は昨年九月の政権発足後初めて。参院選の与党惨敗を受け、閣僚に派閥幹部や閣僚経験者を数多く並べ、挙党体制構築に努めた。民間からは、政府の地方分権改革推進委員会委員長代理を務める増田寛也前岩手県知事を総務相に登用した。増田氏は、参院選の与党敗北の要因となった都市と地方の格差対策のために新設した地方・都市格差是正担当相も兼務する。

 閣僚起用が取りざたされた中川昭一前政調会長、武部勤元幹事長の入閣は見送られた。谷垣派からの閣僚就任は前回に引き続きゼロだった。

 参院からは舛添氏のほか、二階派の泉信也氏が国家公安委員長で初入閣。参院枠の二人は維持されたが、参院が求めていた矢野哲朗氏は入閣しなかった。初入閣組では、遠藤武彦氏が農林水産相に就任した。

 伊吹文明文部科学相、甘利明経済産業相、冬柴鉄三国土交通相、渡辺喜美行政改革担当相、大田弘子経済財政担当相は留任した。渡辺氏は金融担当も兼ねる。」



(2) 朝日新聞平成19年8月28日付朝刊1面

 「安倍改造内閣 延命へ改革路線修正

 安倍首相(自民党総裁)は27日、内閣改造を行い、自民、公明両党による安倍改造内閣を発足させた。7月の参院選で大敗した首相は、かつて経済成長路線に批判的だった与謝野馨・元政調会長を官房長官に起用し、増田寛也・前岩手県知事を総務相に登用することで、「地方軽視」と指摘された改革路線の修正をにじませた。首相に批判的な舛添要一・参院政審会長を厚生労働相に任命、谷垣派を除く各領袖(りょうしゅう)クラスの重鎮を閣内に取り込み、党内の批判的勢力封じも狙った。ただ、首相が目指した憲法改正など理念重視の独自色を消し去る陣容で、参院で民主党が主導権を握る現実を前に、政権の延命をなにより優先した首相の窮地が浮き彫りになった。

◆地方を重視・重鎮も起用

 「新経済成長戦略はしっかり進める」。安倍首相は27日夜の記者会見で繰り返し、こう付け加えた。「改革に伴う痛みをどうしたらやわらげることができるか。いままで以上に力を尽くす」

 ただ、改造人事には明確な狙いが込められていた。地方経済の疲弊を招いたと指摘される構造改革路線の修正だ。

 「改革を行うにあたっては地方経済、高齢者、中小企業、年金受給者等々に、やはり温かい改革でなければならない」

 与謝野官房長官は閣僚名簿の記者会見で、こう強調。さらに「2011年度に基礎的財政収支(の黒字化)が達成できるのかどうかはもう1度内閣できちんと前提を変えながら、確認をしていただく必要があるのではないか」と、財政再建のペースを見直す可能性にも言及した。

 首相は昨秋の組閣でも与謝野氏起用を検討していた。官房副長官だった00年から交流を深め、官房長官時代には経済政策について意見をあおいだ間柄。だが、与謝野氏は当時の竹中平蔵総務相と成長路線の見解をめぐって対立、首相は「小泉改革の継承」を鮮明にする観点から入閣を見送った。

 今回の人事で「小泉―竹中路線」の直系だった中川秀直幹事長は退任し、与謝野氏を迎える環境は整った。増田氏の起用もあわせ、政策転換をにじませた。増田氏も会見で「地域の問題を直視する。かつてのばらまきに時計の針を戻すわけにはいかないが、懐の深い政策を展開していかなければいけない」と語った。

 路線修正は、地方の自民支持組織からの強い要望でもある。麻生太郎幹事長は27日の就任会見で「『自民党をぶっ壊す』という人をみんなで選んだ。ぶっ壊された後の自民党をどうやって立て直すか。我々に与えられた使命だ」と語った。

 だが、「地方の痛み」に応える具体的な処方箋(せん)は首相会見でも示されなかった。しかも参院選大敗で薄まったのは「小泉色」ばかりではない。首相は参院選後、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を語らない。憲法改正や集団駅自衛権の憲法解釈変更などは、優先課題から遠のいている。

 改造人事の陣営も「論功型」とされた昨年の内閣発足時に比べると変化を余儀なくされた。できるだけ多くの派閥の実力者を取り込むことで挙党態勢を築こうとしたのは間違いない。

 外相には町村派の町村信孝会長が起用され、伊吹派の伊吹文明文部科学相は留任。麻生派の麻生太郎会長は幹事長、二階派の二階俊博会長は総務会長といった具合だ。9月の臨時国会で焦点となるテロ特措法延長問題で矢面に立つ防衛相には、高村派の高村正彦会長を充てた。

 ただ、首相への党内の批判の火種はなおくすぶっている。参院自民党が推した矢野哲朗・前国会対策委員長の入閣が見送られる事態も起きた。今回の人事刷新をもってしても、内閣支持率が低迷するようであれば、安倍首相で次の総選挙を戦えるのかという疑問の声が、一気に噴き出す状況に変わりはない。」



(3) 東京新聞平成19年8月28日付朝刊1面

 「説明不十分なら更迭 首相 政治とカネで方針言及
2007年8月28日 朝刊

 安倍晋三首相は二十七日夜、内閣改造を受けて首相官邸で記者会見し、新閣僚に「政治とカネ」の問題が発覚した場合の対応について「十分な説明ができなければ、去ってもらう覚悟で閣僚になっていただいている」と述べ、説明責任の果たし方が不十分なら、更迭する方針を明らかにした。

 同時に、政治とカネの透明性を高めるため「政治資金規正法改正に取り組んでいかなければいけない」と述べ、通常国会で改正した同法の再改正に取り組む考えを明言。

 また、参院選の大敗について「格差に配慮すべきだ、それが教訓だ」と指摘。その上で「そうした(国民の)声に耳を傾け、政策で対応していかねばならない」と述べ、格差是正を重視して政権運営に当たる方針を表明。ただ、就任以来掲げてきた「戦後レジーム(体制)からの脱却」について「この方針に変わりはない」とも述べた。

 今回の内閣改造については「政策の実行力に力点を置いた。その中で適材適所で人事を行った」と強調した。」



安倍改造内閣は、「実務者中心の手堅い布陣としたが、半面で清新さを欠く陣容」となりました。「谷垣派からの閣僚就任は前回に引き続きゼロ」でしたので、やはり安倍氏は批判をする者に対しては決して許さないということのようです。

安倍首相批判をしていた舛添氏が入閣したので、批判勢力の取り込みをしたとも評価されています。しかし、舛添氏は安倍批判をしつつも「本人が続投を決めた以上はみんなで支えないといけない」などと最後にはフォローをして、安倍首相支持をほのめかしていたのですから、本気で批判をしていなかったのです。ミエミエの猟官運動だったのですから、「批判勢力の取り込み」をしたとはいえないでしょう。

改造内閣前の17閣僚のうち、「伊吹文明文部科学相、甘利明経済産業相、冬柴鉄三国土交通相、渡辺喜美行政改革担当相、大田弘子経済財政担当相」ら5人が留任したので、明らかに人心一新した、とはいえないでしょう。

 「金融相ポストが渡辺喜美行政改革担当相による兼任となったことには『ますます複雑化する金融市場に対応できるとは思えない』(大手証券)と不安視する声も上った。9月末には証券取引法を抜本改正した金融商品取引法の施行も控えており『理解できない。市場を軽視していると受け取られても仕方ない』(同)との批判も出た」(東京新聞平成19年8月28日付朝刊9面)


このように、金融相ポストが渡辺喜美行政改革担当相による兼任となったことには、批判があがっているようです。



2.解説記事・社説を幾つか。

(1) 朝日新聞平成19年8月28日付朝刊1面

 「政策見えぬ空虚な船出――編集委員・星浩

 にぎやかな内閣改造劇を遠目で眺めれば、この騒動が政治大乱第2幕の序幕に過ぎないことが分かる。

 第1幕は、参院選での自民党の歴史的惨敗だった。敗因が「安倍政権と民意とのズレ」にあったことは、自民党自身が総括文書で認めている。

 年金問題で国民の不安が募っている時に安倍首相は「憲法改正」を争点に掲げる。格差拡大に苦しむ参院「1人区」から悲鳴が出ているのに、なすすべがない。都市部では改革に対する自民党の熱意に疑問が生じたが、それには明確な答えが示せない。そして自民党を率いた安倍首相の責任は問われないのか―。

 あくまで続投するという安倍氏が、こうした民意とのズレを正しつつ挙党一致の態勢を整えることが、内閣改造の目的だったはずである。

 結果はどうか。外交路線や歴史認識で安倍氏と立場が隔たる福田康夫、谷垣禎一・両氏らを取り込むことはできなかった。町村信孝、伊吹文明、高村正彦、額賀福志郎各氏ら恭順の意を示した派閥会長クラスを登用。政権延命のための多数派づくりという狙いが見える。

 地方の反乱にどう応えるのか。構造改革路線との折り合いをどうつけるのか。安倍氏や新閣僚から、具体的な処方箋(せん)は聞かれなかった。参院選の直後に「首相は退陣すべし」と威勢の良かった人が、一転して入閣に応じる光景も寒々しい。何よりも、この改造を経て、どんな政策を断行するのかが見えてこない。安倍政権の出直しは、空虚なものとなった。

 政治大乱の第2幕は、与野党が政策を競い合う舞台である。臨時国会で焦点となるテロ対策特別措置法は、日米同盟と国連中心主義との兼ね合いを論じ合う格好のテーマだ。イラクで輸送活動を続ける航空自衛隊の撤退問題も、合わせて俎上(そじょう)に載せる必要がある。

 年金制度の抜本改正、政治資金の透明化拡大、農業再生など論争の材料は尽きない。

 参院選で大きく傷ついた安倍内閣が、改造後も浮揚のメドが立たなければ、いずれ総辞職を余儀なくされる。自民党は新総裁を選んで出直すことになる。一方、民主党は参院を主戦場に政府・与党を攻め立てる。参院選のマニフェスト(政権公約)を肉付けする作業が求められるが、与党側は財源問題を突く作戦だ。

 与野党の真剣勝負を民意はどう判断するのか。内閣改造で始まった政治大乱の第2幕は、衆院の解散・総選挙という最終章まで続く。」



(2) 朝日新聞平成19年8月28日付朝刊2面(13版)「きょうがわかる」欄

 「堤防二重 選挙シフト

◆「仲間」で固めた党執行部 政局指導権手放せず

 信頼できる「仲間」は党執行部、経験豊富な「保護者」は閣僚に。政権浮揚をかけた27日の人事で、安倍首相は2つの路線を使い分けた。衆院解散・総選挙含みの政局で主導権を手放さないよう、コンビを「ダブルA」と称する麻生太郎幹事長と蜜に連携。一方、主要閣僚には派閥の幹部を起用して安定を図るという図式だ。だが、これで政権浮揚が果たせなければ、古賀派や谷垣派など冷遇された派閥からは「安倍降ろし」の動きが出かねない。

 麻生幹事長に近いベテラン議員は27日、二階俊博氏の総務会長起用がこの人事のポイントだと指摘した。

 「麻生さんは『二階氏を取り込んでおかないといけない』と言っていた。野放しにすると、古賀誠氏らと変な動きをする、と懸念していた」

 党役員人事は、麻生氏の意向が反映された。選挙対策の役職には、管義偉選対総局長や細田博之幹事長代理といった首相と気心の知れた顔ぶれを配置。首相と麻生氏の「仲間たち」で解散・総選挙の準備を進める体制で、政局・選挙シフトが鮮明になっている。

 津島派の中堅議員は、経験者をそろえた内閣の布陣も踏まえ「首相は退路を断った。これで露出が高まる来夏のサミット後に解散だ」との見通しを示した。内閣の足もとを安定させ、政局の主導権確保を優先した人事だ、という見立てだ。

 27日のテレビ番組で、解散・総選挙の時期を問われた麻生氏は「(任期の)2年以内。一番わかりやすいでしょ。2年後とは言わない」とけむに巻いた。だが党内には、早ければ年内にも政権が行き詰まり、解散含みの政局になるとの見方が消えない。

 さきの通常国会で法案処理をめぐり官邸との党の関係がギクシャクしたことに加え、参院選惨敗を受けて「条件つき続投。落ち着いたら解散して信を問う」(津島派の笹川堯氏)という圧力も噴き出している。

 2人の頭文字から「ダブルA」と呼ぶ親密な間柄である麻生氏に首相が党運営の要を委ねたのは、党内の批判勢力に対する防波堤の役割を期待するからだ。

 7月29日夕、すでに内々に幹事長起用を打診されていた麻生氏は真っ先に首相と協議して「大敗しても続投」を確認。8月に入ってから2人で人事構想の検討に着手し、首相に近い人材を執行部に配置することを決めた。

 一方、挙党態勢への期待感から古賀派会長である古賀誠氏の執行部入りの可能性も取りざたされていた。首相側近の1人も「古賀さんは国対委員長なら受ける」と首相に進言していた。

 しかし、ふたを開けてみれば、古賀氏どころか古賀派からの執行部入りはゼロ。古賀派のベテラン議員は「自分の寝首をかくような人間をそばにおいておけないでしょ」と解説した。

 当の古賀氏は27日夜、記者団に「大切なことは、今度の組閣、党役員人事でどれだけ求心力が発揮されるか。これは、むしろ国民がどう評価するかということだと思う」と語った。だが、古賀派の幹部は怒りをぶちまける。

 「挙党態勢を取るのに『お友達執行部』で固めた。この人事で分かったのは、安部は反省していないということだ」

 首相批判を展開しながら、衆院議院運営委員長に内定した笹川氏は、首相にこうクギを刺した。「私流でやらせてもらう。どんどん参院に送るようなことはしませんよ」

◆重要閣僚に派閥会長3人 親安倍優遇、反発の芽

 「いいんじゃないか。トンネルやフィルダースチョイスをする人はいない。堅実一路だ」

 反・安倍勢力の「ポスト安倍」候補と目されることの多い福田康夫元官房長官は、安倍改造内閣をこう評した。森元首相も「お友達と言っても前は『年少組』だったが、『年中組』にいっている感じがする」。

 3人の派閥会長を重要閣僚に起用するなど、派閥の実力を配したことを「一歩前進」と評価したものだ。

 象徴が津島派だ。

 会長代理の額賀福志郎氏は参院選中、安倍政権の経済成長路線を修正すべきだ、と指摘。投開票日の29日夜には、首相続投に批判的な発言をしようともした。

 だが、周囲にたしなめられ、派内の若手・中堅からも『今、党内を荒立てる時期ではない」との声が相次いだ。8月上旬には、安倍官邸に近い派内の中堅議員に「安倍さんが一番怖いのは、津島派と古賀派が組んで反乱を起こすことです」と耳打ちされ、批判的な発言は「封印」。結果的に津島派からは閣僚に3人が起用された。

 久間章生元防衛相らの辞任で閣僚はゼロだっただけに、津島派会長の津島雄二氏も「できるだけ党の体制を整え、難局にあたろうという努力は認められる」。主流派入りを果たしたという思いもにじむ。

 こうした「親安倍」の優遇は津島派だけではない。

 首相に批判的な山崎拓会長率いる山崎派からは、甘利経済産業相が留任し、遠藤農林水産相も初入閣を果たした。ともに山崎氏とは立場を異にし、昨年の総選挙では首相を支持したのだが、山崎氏もこの人事については「今までよりは手堅い、実務型の内閣だ」と一定の評価をした。

 しかし、こうした人事手法は反発を生む可能性もある。

 国会運営で官邸とあつれきを生じていた参院自民党にも不満は募る。青木幹雄氏の後継、尾辻秀久議員会長らが推していた矢野哲朗国対委員長が入閣できず、議員会館の部屋で待ちぼうけを食ったからだ。

 総裁選で会長の谷垣禎一氏が首相と争い、所属議員が首相退陣論をぶっていた谷垣派は、今回も入閣ゼロに。

 谷垣氏は「党の再生のために言うべきことはきちんと言っていかないといけない。そういう形で党再生に努力する」と、政権に批判的な立場を続けることを表明した。

 首相に批判的な閣僚経験者の一人は、こうぶちまけた。「安倍政権は来夏のサミットまで持たないぞ。やはり人事は敵をつくる」」



(3) 北海道新聞平成19年8月28日付「社説」

 「安倍改造内閣*何を、どう変えるのか(8月28日)

 安倍晋三首相が内閣改造と自民党人事を行った。

 参院選で歴史的大敗を喫しながら辞任を拒んだ首相は「反省すべきは反省し、人心を一新する」と出直しを約束し、続投に理解を求めた。

 具体的に何を反省し、どう改めるのか。初の改造人事は一カ月近い時間をかけて首相がようやく国民の前に提出した宿題の答えというべきものだ。

 だが、このままで及第点が得られるだろうか。

 改造の焦点は挙党態勢の確立と安倍政治の見直しの二つだった。

 首相に近い人物を党総裁選の論功行賞で集めたこれまでの「お友達内閣」は実力に欠け、閣僚にあるまじき失言や政治資金をめぐる疑惑の続出で参院選敗北の原因の一つになった。

 新閣僚と新しい党三役の顔触れを見ると、各派閥の領袖を主要ポストに起用し、重厚さを印象づけようとの意図は伝わる。

 首相の政権運営を批判してきた舛添要一党参院政審会長を厚生労働相に抜てきするなど、批判勢力の取り込みにも一定の目配りをした。

 ただ総裁選以来、首相と一線を画してきた谷垣禎一元財務相は引き続き無役となり、同派からの入閣も前回同様ゼロだった。党内の人材を文字通り網羅したといえるか疑問だ。

 一方、首相は改革路線の続行を明言するとともに、「陰の部分」への対策に取り組む方針を表明してきた。

 党の参院選総括委員会は敗因分析で「政策の優先順位が民意とずれていなかったか」と指摘した。「戦後体制からの脱却」を唱えて改憲に力を入れた首相は、格差をはじめ国民生活の問題に鈍感すぎたということだろう。

 その反省の表れが地方政策を扱う総務相に増田寛也前岩手県知事を民間から起用したことだけというのなら、期待外れと言わざるを得ない。

 首相は記者会見で「地域が活力を回復するよう全力を挙げる」と強調した。しかし、格差は地域間にだけ存在するわけではない。非正規雇用者の増大や所得格差の拡大は都市と地方に共通の社会問題だ。

 地域を越えた格差問題こそが参院選で有権者が突きつけた大きな政策課題であり、自民党を惨敗に導く結果となった。首相はこの民意をどうくみ取って今後の政権運営に生かすつもりか、明確に語らねばならない。

 改造後は首相補佐官も五人から二人に減り、政権の「チーム安倍」色は薄まった。政策の面でも理念先行でタカ派色が強い安倍カラーは変わっていくのか。国民はこの点についても首相から丁寧な説明を聞きたいはずだ。

 単なる化粧直しでは信頼回復も内閣の支持率回復も到底望めない。このことを肝に銘じ、民意と向き合っていく覚悟が首相にあるだろうか。」



党執行部と閣僚全体を見ると、「信頼できる『仲間』は党執行部、経験豊富な『保護者』は閣僚に」という布陣にしたのですから、「お友達内閣」ではなくても「お友達執行部」となったことは確かです。安倍首相による参院選大敗の反省は、中途半端なものとなってしまいました。

中途半端といえば、格差をはじめ国民生活の問題についても同様です。国民生活の問題を軽視していた反省として、「地方政策を扱う総務相に増田寛也前岩手県知事を民間から起用した」のですが、「格差は地域間にだけ存在するわけではない。非正規雇用者の増大や所得格差の拡大は都市と地方に共通の社会問題」なのです。前岩手県知事という地方の知事を閣僚したということは、地方だけに目を向けているように思えます。

安倍首相は、記者会見で「戦後レジームからの脱却」の「方針に変わりはない」としつつ、格差是正を重視し、小泉流の経済政策に批判的な与謝野氏を起用しました。安倍政権の経済政策の路線変更なくして、格差などの国民生活の問題の解消は困難なはずです。


安倍首相は参院選の大敗を反省して、「何を、どう変えるのか」よく分からない、内閣改造となったと思います。

テーマ:安倍政権 - ジャンル:政治・経済

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2007/08/29(水) 23:36:59 | 晴天とら日和
今回の内閣改造には、サプライズがなかったと言われるが・・・。私には、驚いた&不思議に思ったことがいくつかあった。 一番驚いたのは、町村派(旧・森派)から町村会長ひとりしか閣僚&党要職にはいらなかったことだ。(゚Д゚)<ちなみに、入閣決定的と言われた超盟友の
2007/08/30(木) 15:14:42 | 日本がアブナイ!
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2007/08/30(木) 16:51:26 | 無期懲役刑に関する誤解の蔓延を防止するためのブログ
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