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2007/08/31 [Fri] 23:59:47 » E d i t
「「新防人考――変ぼうする自衛隊」:第四部 文民統制の真相~東京新聞8月19・20日付(連載開始)」「「新防人考――変ぼうする自衛隊」:第四部 文民統制の真相~東京新聞8月21・22日付」と、東京新聞「新防人考:第四部 文民統制の真相」の記事について触れて触れてきましたが、今回が第四部の最終回です。では、以下紹介します。



1.東京新聞平成19年8月23日付朝刊1・30面「新防人考 変ぼうする自衛隊:第四部 文民統制の真相 5」

ガイドライン 悲劇の裏で同盟強化

 グラウンドは怖いほど静かだった。

 1995年10月21日、沖縄県宣野湾市の海浜公園で開かれた県民総決起大会。参加した8万5千もの人々は、米兵が起こした少女暴行事件への怒りと悲しみを共有していた。

 ワイシャツの袖をまくり上げ、壇上に立った大田昌秀沖縄県知事は「幼い子どもの尊厳を守れなかったことをおわびしたい」と陳謝した。若者代表の女子高生が「軍隊のない、悲劇のない平和な島を返してください」と訴えると、涙ぐむ人もいた。

 集会は米兵の綱紀粛正、日米地位協定の見直しや基地の縮小など、反基地運動への取り組みを決議して終えた。日米両政府が沖縄米軍基地の整理・縮小を協議する特別行動委員会(SACO)を設置するのは翌月のことだ。

 「事件をきっかけに日米関係のあり方が見直される」。そんな沖縄の期待は見事に裏切られる。翌年4月、両政府は日米の軍事協力を極東からアジア太平洋に拡大する日米安全保障共同宣言を発表。同時に米軍と自衛隊が物や労力を融通し合う日米物品役務相互提供協定(ACSA)を締結、軍事同盟は格段に強化された。

 実は、事件とは無関係に、日米関係を見直す動きがひそかに進んでいたのだ。

 95年9月上旬、東京・霞が関。外務省の会議室で、折田正樹北米局長とジョセフ・ナイ米国防次官補が向かい合っていた。後に延期されたが、2ヵ月後に迫ったクリントン大統領訪日の際に発表する日米安保共同宣言の文言を詰めていた。

 共同宣言は、日米防衛協力指針(ガイドライン)見直しに言及し、日米安保体制を再確認する内容だった。

 この時期、ガイドラインの見直しが浮上したのは、北朝鮮による核開発危機がきっかけだった。核開発を進めていた北朝鮮は93年3月、核拡散防止条約(NPT)脱退を表明。米国は朝鮮半島有事が起きた際、自衛隊がどんな米軍支援ができるか、日本政府と非公式協議を繰り返した。

 機雷掃海、米艦艇への洋上補給、負傷兵の捜索・救難。米国が示した支援要求は2千項目近くに上ったが、日本側の回答はことごとく「ノー」。怒った米側は、周辺有事で米軍支援が可能となるようガイドライン見直しを要求した。

 折田氏は「朝鮮半島有事で日本は何もしないで済むはずがない。見直しは必要。これは日本の安全の問題だと思った」と回顧する。

 大田知事は、米国の論文からガイドライン見直しの動きを早い段階からつかんでいた。ベトナム戦争当時、沖縄が米軍の前線基地と化し、地元の労働者が死体処理に従事させられた姿が脳裏に浮かんだ。

 「周辺有事で日米が連携すれば、ベトナム戦争のような事態が再来しかねない」

 沖縄の基地問題に注目が集まる中、日米両政府の作業は水面下で進んだ。「基地問題は重要だが、安保体制の充実もないがしろにできない」(当時の外務省幹部)との意識が働いていた。

 96年4月17日、東京・元赤坂の迎賓館。クリントン大統領と橋本龍太郎が署名した日米安保共同宣言には「ガイドライン見直しを開始することで意見が一致した」と明記された。沖縄の少女暴行事件は、日米関係に何の変化も呼び込まず、自衛隊と米軍が一体化する最初の一歩がこの日、踏み出された。(肩書はいずれも当時)=おわり

 (この連載は編集委員・半田滋、政治部・本田英寛、横浜支局・中山高志が担当しました)

===========================

日米安保共同宣言 1996年4月、当時の橋本龍太郎首相とクリントン米大統領が署名した。冷戦期の日本防衛を主眼とした日米関係をアジア太平洋の広域的な同盟に移行させた。日米防衛協力指針(ガイドライン)見直しにつながった。

日米防衛協力のための指針(ガイドライン) 日米安保条約の円滑な運用のために作成された日米の軍事協力方針。新・旧2種類あり、冷戦後、97年改定された新ガイドラインは、日本防衛に加え、周辺有事の際の日米軍事協力に踏み込んだ。

===========================」



 「制服組インタビュー・機能する組織 まず議論――新日米ガイドライン締結時の海上幕僚長・夏川和也氏(67)

 ――北朝鮮が1993年に核不拡散防止条約(NPT)脱退を表明した。

 「核開発しているとの情報があり、 NPT脱退もあるかもしれないと思っていた。想像が現実になった。防衛庁だけでなく難民対策など各省庁が北朝鮮問題を検討するきっかけになった」

 ――95年に沖縄で米兵による少女暴行事件が発生した。日米関係に変化があるとの見方もあったが、翌年には日米安保共同宣言が出され、日米関係が強化された。

 「沖縄の事件は大変なことだと思った。事件は米軍基地問題の見直しを呼び起こした。ただ、基地問題にとどめるべきで、日米の枠組みは崩すべきではない。そこへ安保共同宣言だ。日米両政府は淡々とコトを進めていた」

 ――海幕長のときに日米防衛協力指針(ガイドライン)が改定され、周辺有事の共同対処が一部可能になった。

 「ずっと前から(1978年合意の旧)ガイドラインに実効性があるのか疑問だった。いざというとき、日米でどう動くか具体的な取り決めがなかったからだ。日米連携の研究をやっていたはずだが、終わったのかどうか分からない」

 ――新ガイドラインでは日米間の調整メカニズムで協力態勢を議論すると書かれた。

 「私が海幕長の時に後方支援をどうするか議論が始まり、次に運用について検討されたはずだ。制服組は与えられた任務をきちっとやらなければならない。権限、能力を与えずに『ほら、できない』と責められても困る。そのためには平素から議論が重要だ」

 ――北朝鮮の弾道ミサイル、核開発で国民は危機意識を持った。

 「もともと自衛隊は朝鮮戦争をきっかけに生まれた。国民の軍事アレルギーから自衛隊は批判的な目で見られ、動いてはいけない組織とされてきた。ただ、私は北朝鮮の脅威より、国際貢献の積み上げが自衛隊を押し上げたとみている」

 ――海外活動を通じて、できること、できないことがはっきりしたからか。

 「『ここまでやったから次はここまでやれる』という既成事実の積み上げが一番よくない。あるべき姿をまず議論すべきだ。例えば自衛隊の戦略は何なのか、と」

 ――有事法制など、自衛隊が行動するための法整備は進んでいる。

 「他国の軍隊は『やれないこと』を明示しているから、やり方にさまざまな方法論がある。一方、自衛隊は『やれること』を決めて、あとは全部ダメだから、柔軟性に欠ける。法体系を見直さないと、必要なときに自衛隊は使えず、タイミングを逸することになる」=おわり

 ■記者の一言■

 新ガイドラインで自衛隊が米軍と連携できるのは周辺有事までだった。昨年改定された自衛隊法で、「国際安全保障環境の改善」のため、世界各地への進出が可能になった。アフリカや南米で米軍とともに行動する日が来るかもしれない。」






2.この記事は、国民による、日本政府が行う軍事同盟への抑制ができていない、すなわち広い意味での文民統制ができていないことを示すものとなっています。

 「1995年10月21日、沖縄県宣野湾市の海浜公園で開かれた県民総決起大会。参加した8万5千もの人々は、米兵が起こした少女暴行事件への怒りと悲しみを共有していた。

 ワイシャツの袖をまくり上げ、壇上に立った大田昌秀沖縄県知事は「幼い子どもの尊厳を守れなかったことをおわびしたい」と陳謝した。若者代表の女子高生が「軍隊のない、悲劇のない平和な島を返してください」と訴えると、涙ぐむ人もいた。……

 「事件をきっかけに日米関係のあり方が見直される」。そんな沖縄の期待は見事に裏切られる。翌年4月、両政府は日米の軍事協力を極東からアジア太平洋に拡大する日米安全保障共同宣言を発表。同時に米軍と自衛隊が物や労力を融通し合う日米物品役務相互提供協定(ACSA)を締結、軍事同盟は格段に強化された。……

 96年4月17日、東京・元赤坂の迎賓館。クリントン大統領と橋本龍太郎が署名した日米安保共同宣言には「ガイドライン見直しを開始することで意見が一致した」と明記された。沖縄の少女暴行事件は、日米関係に何の変化も呼び込まず、自衛隊と米軍が一体化する最初の一歩がこの日、踏み出された。」



沖縄でどんなに悲劇的な事件があろうとも、軍事同盟は強化されてしまったのです。自民党政権下では、日米関係のあり方は少しも見直す切っ掛けさえも掴めなかったのです。言い換えれば、日本政府は米国に言いなりであり、今もそれは変わりません。米国による軍事的な協力要請を背景として、安倍首相は日本国憲法を改正しようとしているのです。憲法改正さえも米国の言いなりなのです。安倍首相押し付け憲法であると言いながら、米国からの押し付けで憲法改正するという論理矛盾をおかしているのです。


「――有事法制など、自衛隊が行動するための法整備は進んでいる。

 「他国の軍隊は『やれないこと』を明示しているから、やり方にさまざまな方法論がある。一方、自衛隊は『やれること』を決めて、あとは全部ダメだから、柔軟性に欠ける。法体系を見直さないと、必要なときに自衛隊は使えず、タイミングを逸することになる」」


「自衛隊は『やれること』を決めて、あとは全部ダメ」という理由は、他国と異なり、日本国憲法では集団的自衛権を認めていないからです。このインタビューに答えた制服組の方は、他国と同じように、「やれないこと」を明示する方向に変えたいという意図を持っていますが、それは、日本国憲法下では集団的自衛権が認められていない点を無視又は(憲法改正なしに?)変更することを意味するのです。

軍事同盟の強化も米国の言いなりである状況において、どこまで軍事的協力を行うのでしょうか? 制服組は、米国の意向と同様に、現在の歯止めを越えて活動することを求めています。集団的自衛権の見直しにせよ、テロ特措法延長問題にせよ、どうやって歯止めを掛けるのかが問題となっているのです。




<9月1日追記>

いままで、東京新聞のHPでは未掲載だったのですが、つい最近、「新防人考 変ぼうする自衛隊」として、過去の記事からすべて掲載することになりました。そちらもあわせてぜひご覧下さい。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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コメント
この記事へのコメント
戦時の際の準則
こんにちは!
>「他国の軍隊は『やれないこと』を明示しているから、やり方にさまざまな方法論がある。一方、自衛隊は『やれること』を決めて、あとは全部ダメだから、<
についての感想は、ボクは「集団的自衛権」とは異なる視点から見ています。

「有事法制」とは、一種の「国家レベルの危機管理」だと思います。
想定外の事態が起きたとき(戦時)に、軍隊(自衛隊)が採るべき行動を準則として予め定めておく。軍部(例えば旧関東軍など)が、”国防を理由に”超法規的行動をしないようにです。文民統制(シビリアンコントロール)が徹底されるために予め準則を定めて行動させる(現実には事前の細かい完全な準則整備は無理ですが可能な限りという意味です)のです。
最後に、国会や国民は、想定外の事態(有事)に備えるために、平時のときから安全保障の議論(和平への努力はもちろんです)を尽くしていてほしいと考えます。
2007/09/01 Sat 14:20:38
URL | Gくん #-[ 編集 ]
>Gくんさん
コメントありがとうございます。


>>自衛隊は『やれること』を決めて、あとは全部ダメだから
>ボクは「集団的自衛権」とは異なる視点から見ています
>「有事法制」とは、一種の「国家レベルの危機管理」だと思います。

なるほど。日本国内での「有事」のことを考えたわけですね。そういう発想も可能ですね。

ただ、このインタビューに答えた制服組の方も、「日本では仕事がないので、海外派遣を行っているが、制約がありすぎる」という意味かと思います。
↓別の方も次のように答えていますし。

「【新防人考 変ぼうする自衛隊】第四部 文民統制の真相 <4>『湾岸』トラウマ」
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakimori/news/070822.html
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-526.html
「――イラク派遣では陸上幕僚監部が国葬に準じる儀式を準備していた。

 「すごい進歩だ。経験を重ねた成果だね。冷戦後は海外に行かなければ、自衛隊の仕事がなくなってしまう。だから新任務として始まったが……」」

それに、現在では、「有事」すなわち戦争は考えにくく、テロやゲリラ戦対策に特化した方が、効果的かと思います。
2007/09/02 Sun 22:58:04
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
汎用の議論
ありがとうございます。

安全保障とは、 国防が最大の目的ですので(国がなくなれば、日本国憲法もなくなるという意味です)、 平時から「考えにくい」ことも含めて”あらゆる事態”に備えて議論(「汎用の議論」としました)をしておくべきではないかと考え、上のように、一般論として(どこの国が攻めて来るということではなくて)コメントした次第でございます。
2007/09/03 Mon 11:36:22
URL | Gくん #-[ 編集 ]
>Gくんさん:2007/09/03(月) 11:36:22へのお返事
コメントありがとうございます。


>平時から「考えにくい」ことも含めて”あらゆる事態”に備えて議論(「汎用の議論」としました)をしておくべきではないかと考え、上のように、一般論として(どこの国が攻めて来るということではなくて)コメント

なるほど、了解しました。「”あらゆる事態”に備えて議論」しておくことを否定する必要はないですね。
2007/09/04 Tue 23:19:58
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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