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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2007/08/27 [Mon] 17:51:31 » E d i t
毎日新聞の夕刊紙には、「特集ワイド」という、インタビュー記事を中心とした記事欄があります。

そこでは、参議院選挙の結果について議員にインタビューした記事などトピック的な記事(例えば、「特集ワイド:混迷の自民党内 論客ほえる 安倍首相、続投に異議あり!」)があったりもしますが、80歳以上の評論家・作家などに、この国の行方についてインタビューした記事(<おちおち死んではいられない>という目を引く表題での記事、例えば「特集ワイド:この国はどこへ行こうとしているのか 秋山ちえ子さん」)があったりするなど、ユニークな記事もあります。


最近は、漫画の主人公にトピックを当て、その主人公に「あいたくて」という趣味的な(!?)記事を掲載しています。その1つに、「ブラック・ジャック」があり、ブラック・ジャックを「異端の医師」であったと捉えて、数名の医師にインタビューを行っています。

「異端の医師」というレッテルが正しいかどうかは別として、毎日新聞が「異端の医師」と評価する医師といえば、諏訪マタニティークリニックの根津八紘院長、宇和島徳洲会病院の万波誠医師、大和成和病院の南淵明宏院長です。このブログではお馴染みの医師かと思います。記事中にはこの3名の方の名前が出ていますが、このうち2名の方のみにインタビューを行っています。


では、以下、この記事を引用しておきます。




1.毎日新聞平成19年8月20日付夕刊2面「特集ワイド」

 「あいたくて 07夏 昭和の主人公たち/5 ブラック・ジャック

 ◆法外な手術料、無免許…それでも患者を裏切らず--ブラック・ジャック

 ◇命がけの異端医師

 がん、心臓、脳の病気が日本人の死因の半数を占める時代、手術は決して遠い世界の話じゃない。なのに、お医者さん、と聞けばつい身構えてしまう。患者を取り違えたとか、未熟な腕で手術したとか、物騒な話が聞こえるからだ。一部のトンデモ医師の手で命を落としたら、それこそおちおち死んではいられない。だから、もしもの時は、手術台で執刀医の手を握り「よろしくお願いします」と念押ししたい。でも、きっと麻酔で眠らされて、ダメだろうなあ。

 ここ一番はブラック・ジャックにお願いしたい。猛暑も何のそのと、黒マントを羽織ったあのご仁だ。なにせ、べらぼうに高い手術料を請求し、無免許とさげすまれても、患者を裏切ったことはない。もしも今の世に現れたら、彼は不肖の後輩ら(失礼!)に、どんなメスさばきを見せるのか。

 ■

 ブラック・ジャックに初めてお目にかかったのは学生時代、近所の本屋にあった単行本(文庫版)だ。朝から晩まで、人目もはばからずに半泣きし、立ち読みしたっけ。原点に立ち返り、まずは本屋で探すと、2冊の本が目をひいた。

 「ブラック・ジャック ALIVE」(秋田書店)。ベテランから若手まで、総勢22人の漫画家らによるリメークの競演だ。サスペンスあり、ギャグありで、中には時代劇調も。手塚治虫さんの長男でビジュアリスト、眞(まこと)さん(46)も描いていた。テレビと映画のアニメで監督もした。その目に映ったブラック・ジャックとは?

 「単に医師が患者を救う物語ではなく、人間の生業(なりわい)を描いた作品。人間や生命の本質とは何か、と問いかけていると思います」

 はた目には分かりづらい人物だ。大病や大けがに見舞われた患者に「3000万円」なんて手術料を請求したかと思えば、全額をチャラにしたり。

 「実は、連載開始当初は冷たく恐ろしいキャラクターとして描かれたんですが、少しずつ優しくなったんです。連載は読者と一緒に作り上げるものですから。患者への接し方が冷酷だったり、優しくなったりと、人間くさく揺れたこともあります」

 当時の治虫さんは「火の鳥」「ブッダ」など大作を抱え込み、眞さんは父とブラック・ジャックの話をした記憶はない。それでも、手塚漫画では珍しい1話完結形式で、家族に一番読まれた作品だった。

 ■

 ブラック・ジャックは今の時代にもいるのか? 異端の医師には心当たりがあった。根津八紘(ねつやひろ)さん(65)。先駆的な不妊治療で知られる諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の名物院長だ。

 「ははは、私は高額な報酬をもらっているわけじゃないから」と根津さん。「いい大学を出て、いい教授にくっついて、エリートコースを歩む。実力がなくても時間がたてばポジションを得る。ブラック・ジャックはそんな医師の実態に警鐘を鳴らしたんでしょう」

 ブラック・ジャックは医師団体に敵視されても、我が道を行った。銃を突きつけられることもあり、文字通り命がけ。一方の根津さん、学会で認められていない治療法を実施、学会を除名されたことも。

 「医師の本分とは目の前の患者さんを救うために素晴らしい手術をすること。ブラック・ジャックは患者さんと向き合おうとしない医師に反省を促しているのでは」

 最近の根津さん、病気腎移植を手がけた宇和島徳洲会病院の万波(まんなみ)誠医師に対するバッシングを嘆いている。「私と万波さんの違いは、彼が大病院にいたということでしょう。やはり、現実にはブラック・ジャックはあり得ないし、志してもつぶされてしまう」

 現実と漫画の差は確かにある。ブラック・ジャックは馬の脳を人間に移植したり、歩けない患者の両手を鳥の翼にしたりと荒っぽいこともした。どこかから亡くなったばかりの遺体を回してもらい、臓器を移植するのもざらだった。

 ■

 異端の医師をもう1人訪ねた。神奈川県大和市の大和成和病院、南淵(なぶち)明宏院長(49)だ。医療漫画「ブラックジャックによろしく」のモデルにもなった心臓外科医。「ブラック・ジャック解体新書」(宝島社)も出版した。ブラック・ジャックを相当、意識していますか? 「出版社のアイデアです。でも、こうしてシンボライズされるのは嫌じゃありません」

 ブラック・ジャックにはちょいとうるさい南淵さん。法外な手術料をどう思うのか。「うちも含め、現実にはあり得ません(笑い)。患者も医師も、健康保険制度ではカネをやりとりしている意識がない。本来、医療とはどっちも命がけ。ブラック・ジャックだってカネで患者の意欲を測ることで、自分を奮い立たせたのでしょう」

 医療とは医師と患者が力を合わせて命を守り抜く作業、ということか。ところで、漫画にはこんなせりふがある。

 「…な なあ ど どんな医学だって せ 生命のふしぎさには…かなわん… に 人間が い 生きものの生き死にを じ 自由に ししようなんて おこがましいとは お お思わんかね……」。尊敬する医師、本間丈太郎が、ブラック・ジャックの体内にメスを置き忘れたが、7年も体が傷つかなかったことを振り返ったのだ。

 「医師がその手を人体に差し入れる行為、それ自体が人体の神秘の前では愚かな所業なのです。ブラック・ジャックも100%の成功はない。医師は生命に対し強い畏敬(いけい)の念を常に持つべきです」と南淵さん。気付けばブラック・ジャックを読んだ後のように、背筋が伸びていた。

 ■

 ブラック・ジャックは今、どこで何をしているのだろう。「僕とは違ってメディアに露出せず、人知れず粛々と手術をしているんでしょうね」と南淵さん。運良く出会えたら……ぜひとも「ゲンコーデシクハック病」を治してほしい。

 でも、きっとピノコが脇から口を挟むんだろうな。

 「アッチョンブリケ」【遠藤拓】

 ◇難病や安楽死問題描く

 手塚治虫さん(1928~89)の代表作の一つで、難病や安楽死といった問題を取り上げ、医療漫画の走りとされる。73~83年、週刊少年チャンピオンに全243話掲載。ブラック・ジャックと患者に助手のピノコやライバルのドクター・キリコらが絡み、さらには他の手塚漫画の主役、脇役も登場。手塚さん自身が医師免許を持っており、手塚漫画の集大成としての色合いが強くにじんだ。

 単行本は手塚さんの死去をはさんで7回にわたり出版され、8月現在で累計4564万部を発行。テレビアニメや実写版映画など、たびたび映像化された。第4回日本漫画家協会賞特別優秀賞(75年)などを受賞。

==============

 ◇「夕刊とっておき」へご意見、ご感想を

t.yukan@mbx.mainichi.co.jp

ファクス03・3212・0279

毎日新聞 2007年8月20日 東京夕刊」




2.読んで分かるように、ブラック・ジャックから根津八紘院長を連想したのであり、根津八紘院長の言葉を否定することなく、そのまま引用しています。そうすると、毎日新聞にしては珍しく、根津八紘院長や万波誠医師に対して好意的に評価しているとさえ、理解できそうです。

ブラック・ジャックは今の時代にもいるのか? 異端の医師には心当たりがあった。根津八紘(ねつやひろ)さん(65)。先駆的な不妊治療で知られる諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の名物院長だ。

 「ははは、私は高額な報酬をもらっているわけじゃないから」と根津さん。「いい大学を出て、いい教授にくっついて、エリートコースを歩む。実力がなくても時間がたてばポジションを得る。ブラック・ジャックはそんな医師の実態に警鐘を鳴らしたんでしょう」

 ブラック・ジャックは医師団体に敵視されても、我が道を行った。銃を突きつけられることもあり、文字通り命がけ。一方の根津さん、学会で認められていない治療法を実施、学会を除名されたことも。

 「医師の本分とは目の前の患者さんを救うために素晴らしい手術をすること。ブラック・ジャックは患者さんと向き合おうとしない医師に反省を促しているのでは

 最近の根津さん、病気腎移植を手がけた宇和島徳洲会病院の万波(まんなみ)誠医師に対するバッシングを嘆いている。「私と万波さんの違いは、彼が大病院にいたということでしょう。やはり、現実にはブラック・ジャックはあり得ないし、志してもつぶされてしまう」」


この記事は遠藤拓記者によるものですが、この記者は科学環境部所属ではないのでしょう、きっと。今後は毎日新聞全体で認識を変えてほしいものです。


それはともかくとして、この記事を切っ掛けとして、ブラック・ジャックを読んで見るのもいいかと思います。この記事の記者と同様に、現実の医師を連想してみるのもまた、楽しみが広がるのでしょう。このブログの読者の皆さんは、ブラック・ジャックと聞いて、現実の医師としては誰を連想するのでしょうか……。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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コメント
この記事へのコメント
懐かしく
春霞さん、連日の記事をお読みしています。暑い日々ですが、お疲れ様です。そしてありがとうございます。
ブラックジャック、懐かしく思い出しました。彼はたくさんの傷跡が顔や体にあったかと思います。たくさん自分も傷つきだからこそきっと傷ついている人の気持ちが分かる人だったのだろうと今になって気が付いたりもします。
マスコミは、本分を貫こうとする医師の葛藤や選択を自らの価値観に照らし合わすのではなく、常に患者の視点と立場でかつ公平な情報を提供してほしいと思います。今回、毎日新聞の遠藤拓記者を大きく評価したいと思います。
大きな壁そして反響反論はあると分かりつつもやらねばならなかった・・・。やっぱり「根津先生、万波先生がんばれ」と応援せずにおれません。
2007/08/28 Tue 00:00:54
URL | 青空 #-[ 編集 ]
>青空さん
はじめまして(ですよね?)。コメントありがとうございます。


>連日の記事をお読みしています。暑い日々ですが、お疲れ様です

ありがとうございます。毎日更新は結構、苦しいのですが(汗)、更新しておかないとお蔵入りになってしまいかねないので。


>ブラックジャック、懐かしく思い出しました。
>たくさん自分も傷つきだからこそきっと傷ついている人の気持ちが分かる人だったのだろうと今になって気が付いたり

そうですね。ブラックジャックは、年齢を経てから読むと、印象が違ってきたりします。名著とか古典と言われる小説などと同じようなものかもしれません。


>大きな壁そして反響反論はあると分かりつつもやらねばならなかった・・・。やっぱり「根津先生、万波先生がんばれ」と応援せずにおれません

この両名は異なる分野の先駆者ですが、高く評価することなく、日本ではすぐに猛烈な批判をするのです。失敗ばかりで無謀な医療だったわけではなく、成功を収めているという結果も伴っているのに。

日本では社会的な合意がなくては認められないとして、全面否定しつつも、社会的な合意形成をしないままで放置するのです。全く妙なことです。
2007/08/29 Wed 23:59:28
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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