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2007/08/11 [Sat] 17:18:45 » E d i t
参院選を受けた第167臨時国会が8月7日召集され、10日、閉会しました。会期は10日までの4日間でした。ところが、小池百合子防衛相は7日から訪米したため、4日間しかない会期なのにほとんどすべて欠席したのです。そのため、この小池百合子防衛相の訪米については、自民党の山崎拓前副総裁が批判を行っています。この報道について紹介したいと思います。

 「2007/08/07-11:20 第167臨時国会召集=参院議長江田氏、副議長山東氏を選出-会期は4日間

 第167臨時国会が7日召集された。参院は午前の本会議で正副議長選挙を行い、議長に民主党の江田五月元科学技術庁長官、副議長に自民党の山東昭子元科技庁長官をそれぞれ選出した。「55年体制」発足後、自民党以外から参院議長が選ばれるのは初めて。常任委員長人事では、議院運営委員長を選任するほか、参院選で落選、引退して空席となった3ポストの補充などを行った。
 江田氏は議長就任後、本会議場であいさつし、「参院の構成は大きく変化し、過去に経験したことのない政治状況に直面している。参院が国民の期待に応えてその役割と使命を十分果たすよう全力を尽くす覚悟だ」と述べた。
 午後の衆参両院本会議では、会期を10日までの4日間とすることを全会一致で議決。一方、開会式は午後3時から、天皇陛下をお迎えして参院本会議場で行われる。」(時事ドットコム(2007/08/07-11:20)


2007/08/07-19:06 小池防衛相が訪米へ出発=テロ特措法、米軍再編など協議

 小池百合子防衛相は7日夕、就任後初めて米国を訪れるため、成田発の民間機でワシントンに向けて出発した。8日にゲーツ国防長官と会談。11月1日で期限切れとなるテロ対策特別措置法を延長し、インド洋での海上自衛隊による米軍艦艇などへの給油活動を継続する方針を伝える見通しだ。
 また、小池氏は自衛隊で相次いだ情報流出の防止対策を説明。在日米軍再編や北朝鮮、中国情勢などについても協議する。」(時事ドットコム(2007/08/07-19:06)


 「2007/08/10-13:19 臨時国会が閉幕=年金流用禁止法案は廃案

 7月の参院選を受けた第167臨時国会は10日、衆参両院の本会議で閉会中審査の手続きなどを行い、閉幕した。会期4日間で参院議長選挙などのみ行われ、自民党大敗による参院与野党逆転下の本格論戦は、9月に召集される方向の次期臨時国会に持ち越された。
 参院議長には第1党の民主党から江田五月氏が選出された。自民党以外の参院議長は「55年体制」後初めて。
 民主党は9日に年金保険料を年金支給以外に充てることを禁止する年金流用禁止法案と郵政民営化凍結法案を参院に提出した。10日午前の参院議院運営委員会理事会で扱いを協議したが、与党は委員会付託に反対。いずれも廃案となった。民主党は次期臨時国会に再提出する方針だ。」(時事ドットコム(2007/08/10-13:19)




1.では、山崎拓前副総裁が批判しているとの報道記事を。

(1) 時事ドットコム(2007/08/09-12:29)

 「2007/08/09-12:29 小池防衛相の訪米を批判=自民・山崎氏

 自民党の山崎拓前副総裁(安全保障調査会長)は9日午前、同党国防部会などの合同会議であいさつし、小池百合子防衛相が訪米のため同会議を欠席したことについて、「概算要求(基準の説明)の部会に大臣が出席しないのはおそらくまれなことではないか。(臨時)国会を欠席までして、米国に赴かれたのはいささか当を得ない行動ではないか」と批判した。
 また、山崎氏は、小池氏が防衛相に就任した日に3回衣装を変えたことに触れ、「ファッションショーをやったと報じられた。こういう大臣に有事即応の国防を任せられるか、とそのころから心配していた」と語った。」



(2) 読売新聞(2007年8月9日20時29分)

 「小池防衛相の国会欠席訪米、「当を得ぬ」と山崎拓氏が批判

 自民党の山崎拓・前副総裁は9日、党国防部会などの合同会議で、小池防衛相が国会を欠席して訪米したことについて「いささか当を得ない行動ではないか。今、党はテロ対策特別措置法を抱えている」と批判した。

 さらに、小池氏が守屋防衛次官を退任させる方針を決めたことについて、「首相の了承がなければできず、閣議にかけられた形跡もない。(人事の話が)一人歩きしている」と述べ、独裁的との見方を示した。

 さらに、小池氏が防衛相に就任した日、認証式や初登庁の際にドレスやスーツに着替えたことを「衣装を3回も替えてファッションショーをやった」と皮肉り、「このような大臣に有事即応の国防を任せられるか心配してきた」と述べ、内閣改造で交代させるべきとの考えを示した。

 その後、山崎氏は記者団に、「国会中の訪米を許した首相の指導力の欠如だ」と安倍首相を批判した。

(2007年8月9日20時29分 読売新聞)」



(3) 朝日新聞平成19年8月10日付朝刊4面

 「小池防衛相訪米 「無目的」と批判 山崎拓氏

 自民党の山崎拓氏・安全保障調査会長は9日、民主党の小沢代表とシーファー駐日米大使との会談について「小沢氏を一種のヒーロー的存在にしてしまったのは、小池防衛相の無目的な訪米にある。安部首相の指導力の欠如だ」と指摘した。

 小池氏の訪米が内閣改造直前であることから「大きな約束はできないし、すべきではない。今はパフォーマンスの時期ではない」と強調した。

 安倍首相は同日夜、山崎氏の批判について記者団に「日米同盟、重要です。常に連携をはかっていかなければいけません。ゲーツ長官やチェイニー副大統領と大変有意義な会談を行ったと聞いています」と述べ、小池防衛相の訪米に意義はあったとの認識を示した。」



(4) 日経新聞平成19年8月10日付朝刊2面

(8/9)独断?「小池流」の波紋広がる・防衛次官交代人事

 小池百合子防衛相の意向で9月退任が決まった守屋武昌防衛次官の後任人事を巡り、政府・与党内に波紋が広がっている。小池氏がトップダウンで警察庁出身の西川徹矢官房長を内定したが、自民党や首相官邸側への根回し不足が露呈。「小池流」人事への反発が出ている。

 自民党の山崎拓安全保障調査会長は9日、「(小池氏が米国)出発前に人事を記者団にリークする形で発表していったが、首相の了承がなければできない人事だ。閣議にかけられた形跡もないものが独り歩きしている」と批判した。

 中央省庁の幹部人事は正副官房長官による人事検討会議で了承を得る必要がある。だが、政府高官は「事前に全く話を聞いていない」と憤慨。政府筋も「後任次官は新しい防衛相が決めるのではないか」と冷ややかな反応をみせている。」



(5) スポーツニッポン[ 2007年08月11日付 紙面記事 ]

 「小池防衛相に失笑「私は日本のライス」

 臨時国会中に訪米し、与党内からも批判されている小池百合子防衛相(55)が9日(日本時間10日)、現地で講演した。ライス国務長官(52)を引き合いに出し「私は日本のライスと呼ばれている」「(私のことを)マダム寿司と呼んで」などと大はしゃぎ。ライス氏についても「姉妹のような関係」と述べ、内閣改造での続投に向けてアピールしたが、党内からは「目立ちたいだけ」との冷めた声が上がった。

 小池氏は講演で自らを「ライス長官にちなみ、私を“日本のライス”と呼ぶ人もいる。ジャパニーズ・ライスは寿司という意味です」と英語で紹介。「Why don’t you call me “マダム寿司”?(私をマダム寿司と呼んでみてはいかがですか?)」と続けた。失笑が漏れたが、気付かぬ様子で笑顔を振りまいた。

 さらに、年齢も近いライス長官との強いきずなも強調。約40分間の会談の後、日本の記者団に「ライスさんとは姉妹の(ような)関係。今度は一緒にゴルフに行きましょう、ということで楽しく会話を終わった」と満足げに述べた。

 共同電によると、ホワイトハウスでチェイニー副大統領との会談がセットされるなど防衛相訪米としては破格の厚遇。前任の久間章生前防衛相がブッシュ大統領のイラク開戦判断を批判したため、4月の訪米で冷遇された反動もあったとみられる。

 政界関係者は「今月27日予定の内閣改造をにらんで、防衛相続投に向け存在誇示を狙った訪米ではないか」と指摘。米側と早急に協議すべきテーマがあったわけではなく、臨時国会中の訪米には、野党はもとより自民党内にも「今はパフォーマンスの時期ではない」(山崎拓前副総裁)と厳しい声が出ていた。

 大はしゃぎの訪米から、11日に帰国すれば逆風が待っている。訪米直前に決めた守屋武昌防衛事務次官の後任人事は、官邸や与党との十分な意思疎通を欠いたために難航。また、インド洋での海上自衛隊による米艦船などへの給油活動の根拠となっているテロ対策特別措置法の延長問題は、民主党の小沢一郎代表が反対姿勢を強める中で打開策が見つかっていない。

 ある政界関係者は「日本のライスと呼ばれているなんて聞いたことがない。自意識過剰なんじゃないか」と首をひねった。また、自民党議員は「内閣改造後も生き残るために、存在をアピールしているだけ」と吐き捨てた。
[ 2007年08月11日付 紙面記事 ] 」





2.これらの記事からすると、山崎拓・前副総裁は、小池防衛相の訪米は「無目的」であるとか、「いささか当を得ない行動ではないか」と厳しく批判していますし、そればかりか、山崎前副総裁は、「国会中の訪米を許した首相の指導力の欠如だ」と安倍首相をも批判しています。

山崎前副総裁の批判のうち、次の点が重要です。すなわち、

(1)内閣改造直前であって、無意味な訪米をしたこと、
(2)概算要求(基準の説明)の部会に大臣が出席せずに訪米したこと、(3)わずか4日間しかない臨時国会を欠席して訪米したこと、
(4)小池氏が首相の了承や閣議決定がないのに、守屋防衛次官を退任させる方針を決め、正副官房長官による人事検討会議の了承もなく、警察庁出身の西川徹矢官房長を内定したという、独裁的な人事を行ったこと、

です。


(1) 安倍首相は、人心一新を表明し内閣改造を8月27日に予定していますので、小池氏の防衛相としての任期は8月27日までであり、本当に人心一新をするのであれば、8月27日以降は防衛相の職務を離れるはずです。

そうすると、あと3週間程度で防衛相の職を離れる者であれば、山崎前副総裁が言うとおり、「大きな約束はできないし、すべきではない。」のです。テロ特措法の延長問題にしても、民主党の小沢代表が「延長反対」を表明している以上、小沢代表が意見を変えなければ、有効な手立てはなく、小池氏はテロ特措法の延長を約束できるはずがないのです。

だとすると、小池氏は、日本政府の国益に結びつかない「無目的」な訪米をしたことになります。


もっとも安倍首相は、「『ゲーツ長官やチェイニー副大統領と大変有意義な会談を行ったと聞いています』と述べ、小池防衛相の訪米に意義はあった」と反論しています。

しかし、小池氏は(安倍氏から留任の内定を得ているならともかく)8月27日までしか任期がないのですから、将来の政府方針について何ら約束できないのであって、「有意義な会談」になるわけがありません。すぐに辞める人物が会談し、米側にへんな期待をもたせること自体、米国に対して失礼な話です。

しかも会談内容はテロ特措法延長問題に限っておらず、その内容は「難題ばかり」なのです。

 「テロ特措法 米、延長へ募る不安  安倍政権の力量を注視

 小池防衛相の初訪米は、米側の異例の厚遇で華やかな空気に包まれている。しかし、テロ特措法の延長という肝心の課題では展望を示せないままだ。カギを握る民主党の小沢代表が反対の姿勢を鮮明にしたとあって米側の不安は募る一方だ。

 「延長を検討している。野党にも理解を得られるよう努力したい」。小池氏は8日、ゲーツ国防長官との会談でこう語るのが精いっぱいだった。「1年延長」を明言しているが、参院選大敗に加え小沢氏が「延長反対」を変えない現状では有効な手だてはない。

 「だからこそ訪米して同盟の強さを確認すべきだ」。こう語ってワシントンに乗り込んだ。しかし、ゲーツ副大統領、アーミテージ元国務副長官といった「有力者総なめ」の会談で取り上げられたのは、同法延長に加え情報の遺漏防止、米軍再編、次期戦闘機(FX)調達など難題ばかり。協議したことに意味はあっても解決したわけではないので、なかなか「同盟の強さ」を示すことにはつながらない。(以下、省略)」(朝日新聞平成19年8月10日付朝刊4面)




(2) 山崎氏は、概算要求(基準の説明)の部会に大臣が出席せずに訪米したことを非難していますが、そればかりか小池氏は10日の閣議も欠席したのです。
  

 「2007/08/10-12:49 概算要求基準を閣議了解

 政府は10日の閣議で、2008年度予算の概算要求基準(シーリング)を了解した。政策の実行に充てる一般歳出の上限は47兆3000億円と、前年度当初予算に比べ3000億円程度増加。地域活性化や教育再生などの重点分野を対象に6000億円の特別要求枠を設けた。
 これを受け、各省庁は8月末までに財務省に予算要求する。同省による査定を経て、政府は年末に予算案を策定する。」(時事ドットコム(2007/08/10-12:49 )


もちろん、安倍首相の了解済みで訪米したのですから、閣議への欠席が法的に問題になるわけではありません。しかし、概算要求基準は、予算案策定のために必要なものですから、与党及び政府ともども最重要視すべき事柄なのです。

そうすると、米国との差し迫った事項の解決のためでもないのに訪米を優先させて、概算要求(基準の説明)の部会や閣議を欠席したことは、内閣の一員しての行動としては妥当ではないというべきです。



(3) 国会議員は国民の代表者ですから、本来、国民の代表者の集まりである国会に出席することは欠かすことのできない職務です。ところが、小池百合子防衛相は7日から訪米したため、4日間しかない会期なのにほとんどすべて欠席したのですから、国会議員としての職務も放棄したのです。

元々、8月27日までしか任期がない大臣なのですから、何も約束できず、緊急な要件もないのですから「無目的」な訪米です。「無目的な」訪米を優先して、国会議員としての職務を放棄することは妥当でなく、国会議員の資格を認める必要がありません。国会議員としての職務を放棄して、「私は日本のライスと呼ばれている」「(私のことを)マダム寿司と呼んで」などと大はしゃぎしているのですから、恥知らずとしか言いようがありません。



(4) このように「無目的な」訪米でだったのですから山崎氏の批判は妥当なものであり、また、安倍氏は「無目的な」訪米を認めたのですから、「安部首相の指導力の欠如だ」という批判も妥当なものといえます。相変わらず、安倍氏は人を見る目がなく、政治的センスも欠如しています。閣僚の相次ぐ失言などで自民党が大敗したことへの反省は皆無のようです。

「政界渡り鳥」と呼ばれる、したたかな小池氏のことですから、「無目的な」訪米であることは百も承知のはずです。ですから、誰もが予想できるように、安倍首相へ「閣僚として留任することをお願いする」という、アピールをすることが主目的の訪米であるのです。「自民党議員は『内閣改造後も生き残るために、存在をアピールしているだけ』と吐き捨てた。」(スポーツニッポン)のは当然の反応です。

人を見る目がなく、政治的センスのない安倍氏にとっては、媚を売ってくる人物は好人物と感じているようで、「有意義な」訪米と判断しています。麻生氏が「大敗して票が減ったといっても、前回から50万票減るくらいなもんだ」と述べて、安倍氏に強く続投を促したことが功を奏して、引き続き重要ポストでの処遇を確約したこと(毎日新聞8月10日付朝刊2面)も、小池氏は承知のことでしょう。麻生氏も、よくもここまで媚を売れるものだと呆れますが、安倍氏の政治的センスをよく理解した行動でした。

麻生氏と同様、小池氏も閣僚にとどまる可能性が高くなったようです。




3.それにしてもなぜ、小池防衛相の初訪米は、米側の異例の厚遇だったのでしょうか? 

小池防衛相 訪米で厚遇 

◆テロ特措法延長などで会談「国防族」との距離背景に

【ワシントン=杉田義文】訪米中の小池防衛相は、米政府から厚遇を受けた。米側はゲーツ国防長官との会談以外にも、チェーニー副大統領やライス国務長官、ハドリー大統領補佐官らとの会談を次々と設定。11月1日で期限が切れるテロ対策特別措置法について、延長への期待を相次いで示した。

 今回の訪米について、小池氏は8日夜(日本時間9日午前)、記者団に、「初めてにしては、重厚な布陣で会ってくれた。(テロ特措法延長について)露骨な要求はないが、『これはテロとの戦いだ。日本はわかっているのか』という感じだった」と語った。

 米国の小池氏厚遇の背景には、小池氏が自民党内のいわゆる「国防族」議員とのしがらみが薄いこともあるようだ。

 日米間には、動きが止まっている沖縄の米海兵隊普天間飛行場移設問題などの懸案がある。難航の背景には、国防族議員の間で沖縄政策に関する見解が分かれている事情などがあるとされる。ある米政府関係者は小池氏について「これまでのタイプと違う小池氏には防衛政策で新たな進展が期待できそうだ」と語った。」


要するに、防衛政策の知識が乏しくて「国防族」でない小池氏であれば、米側の操り人形として使いやすいから、米側は厚遇をしたのです。小池氏側も安倍氏へアピールしたいという目的で訪米したのですから、利害が一致したわけです。小池氏は米側の思うように小沢批判を含む記者会見し、安倍氏も喜んでいるようですから、米側の狙いはうまくいったのです。

まったく馬鹿げた話ですが、安倍氏が首相、小池氏が防衛相という状態では仕方がありません。日本にとってまったく不幸なことです。




4.小池防衛相の存在はどうでもいいのですが、民主党がテロ特措法に反対する法的根拠について理解しておく必要があります。

(1) 朝日新聞平成19年8月11日付朝刊4面

国連決議 対立の根  テロ特措法―――――民主VS.米国

 9.11同時多発テロ事件を受けた国連安保理決議は、テロ対策特別措置法に基づく活動の法的根拠になるのか――。インド洋で海上自衛隊が給油給水活動を続けるため、同法の延長を期待する米政府と、反対の姿勢を示す小沢民主党代表。その対立の根は、関連する国連決議の解釈にある。同法は延長を重ねて6年近く経過したが、参院の与野党逆転で、制定当時、玉虫色のまま棚上げされた争点が再び頭をもたげた格好だ。(金子桂一)

◆米武力行使容認か否か 制定時の争点、再燃

 シーファー米駐日大使「日本にもテロが起きる可能性がある。テロ特措法の延長をしっかりやることが重要だ」

 麻生外相「次期国会で最も論争を呼ぶ話。延長に向け努力していきたい」

 小沢氏との「対決シーン」から2日。シーファー氏は10日、外務省で麻生外相と会談し、米国の立場を改めて伝えた。

 テロ特措法は01年10月の参院本会議で自民、公明、保守(当時)の与党3党などの賛成多数で成立、民主の大半は反対に回った。小沢氏の今の指摘は、その時に野党が繰り返した論理と重なる。「安保理決議は米国の武力行使を容認したものではない。日本が支援するためには新たな国連決議が必要」というものだ。

 現行のテロ特措法には、01年9月の米同時多発テロ直後に採択された国連安保理決議1368などが根拠として書かれている。同決議は国際テロ組織によるテロ行為を「国際の平和および安全に対する脅威」と非難し「対応するために、あらゆる必要な手段をとる用意がある」とした。

 その後、米国は自らの軍事行動を国連決議に基づくものではなく個別的自衛権の発動と位置づけた。一方でアフガニスタンで対テロ作戦に参加している北大西洋条約機構(NATO)は、同盟国米国との集団的自衛権の発動と位置づけている。

 小沢氏の「米中心の作戦は、直接、安保理で認められたものではないという認識」との指摘はこの点を指している。

 日本は、集団的自衛権の行使を憲法上認めていない。政府は「憲法の範囲内」を前提にテロ特措法案を作成。インド洋での海自の活動について「国連憲章の目的に合致したもの。さらなる安保理決議をする必要はない」などと答弁してきた。

 一方、小沢氏は、国連安保理がアフガンの治安維持でNATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)設立承認のための決議1386を採択している点に言及、日本もISAFに参加する余地があるとしている。

 ただ、ISAFは、反政府勢力タリバーンの掃討作戦にも従事しており、国連の平和維持活動(PKO)とは異なる。

 シーファー氏は「(対テロ戦は)米国だけの問題ではない」と国連協調も持ち出して民主側の説得を試みている。」



(2) 確かに「現行のテロ特措法には、01年9月の米同時多発テロ直後に採択された国連安保理決議1368などが根拠として書かれている」のです。

しかし、「米国は自らの軍事行動を国連決議に基づくものではなく個別的自衛権の発動と位置づけ」ているのですし、「アフガニスタンで対テロ作戦に参加している北大西洋条約機構(NATO)は、同盟国米国との集団的自衛権の発動と位置づけている」ことからすると、集団的自衛権の行使を憲法上認めていない日本が、米国や北大西洋条約機構(NATO)と行動とともにすることは、困難なはずです。行動を共にする以上、集団的自衛権の発動をしているに等しいからです。

そうすると、小沢氏の「米中心の作戦は、直接、安保理で認められたものではないという認識」との指摘は正しい面を有しているのです。



(3) さらにいえば、テロ特措法から6年の現在、何の目的でアフガニスタンでの諸外国の活動を支援しているのでしょうか? 

 「発信箱:テロ特措法の必読文献=町田幸彦

 自民党惨敗、民主党圧勝の参議院選挙の結果を受けて、秋の臨時国会の行方に日本の外務省は神経質になっている。東京の米大使館もそうだ。彼らを悩ましているのは、11月1日に期限切れになるテロ対策特別措置法の延長問題だ。

 テロ特措法は01年11月、アフガニスタンでの米英軍の活動を支援するために施行された。それから約6年後、「対テロ戦争」の大義とアフガン情勢はどうなったのか。

 英下院国防委員会の報告書「アフガニスタンでの英国の活動」(182ページ)が先月、発表された。報告書はアフガン派遣多国籍軍の国際治安支援部隊(ISAF)をめぐる米欧の矛盾を軍事専門家の意見として明記した。「派兵の使命を欧州諸国は復興、米国は対テロ戦争の一環とみて、見解の相違がある」

 さらに国際テロ組織アルカイダと連携した旧政権タリバン勢力の復活を認めている。「タリバンは戦略的脅威に達していないが、平穏だった北部、西部、首都にまで攻撃を拡大している」。世界のアヘン生産量の9割を占めるアフガンのアヘン耕地面積は05年から06年に1・5倍強に増え、国土の荒廃ぶりを訴える悲観的な記述が続く。

 報告書の「告白」は、アフガン戦線に翻弄(ほんろう)され援軍を求める英軍の悲鳴にも聞こえる。これがテロ特措法が支えようとした舞台の姿だ。

 民主党はテロ特措法の期限延長に反対し、自民党との駆け引きを繰り広げるだろう。だが、国民の期待は衆参両院の真剣な論戦にある。英下院報告書を日本の国会議員は精読して国会に臨んでほしい。(欧州総局)

毎日新聞 2007年8月10日 東京朝刊」(毎日新聞平成19年8月10日付朝刊2面


英下院国防委員会の報告書「アフガニスタンでの英国の活動」によれば、

「派兵の使命を欧州諸国は復興、米国は対テロ戦争の一環とみて、見解の相違がある」

のです。日本はどいう目的で支援するのでしょうか? 給水給油活動は本当にアフガニスタンのためになっているのでしょうか? 他に方法はないのでしょうか? 「特措法」という本来、期限延長を予定していない法律なのですから、読売新聞の社説のように米国への協力(媚を売る!?)ばかりに一生懸命で「延長ありき」の議論では、法律の性質にもそぐわないし、短絡的な考えにすぎるのです。

英下院国防委員会の報告書などを踏まえてアフガニスタンの現状をよく調査したうえで、テロ特措法に限らず日本がアフガニスタンにおいて何をすべきなのかについてよく吟味し、国会において十分な議論を行い、テロ特措法の期限延長を有無を決定してほしいと思います。

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コメント
この記事へのコメント
報道関係者からの情報によると、小池防衛相は、身内の事業に関連して、不正に政府関係の金が流れているとのことで、もっとも、スキャンダルに近い大臣だそうで、彼女が防衛相に選出されたとき、報道関係者からは、驚きの声と、バッシングの対象が出来たことに歓声の声があがったとのことです。これからの、報道に注目したいと思います、
2007/08/11 Sat 19:24:38
URL | ビルエバンス #-[ 編集 ]
>ビルエバンスさん
コメントありがとうございます。


>報道関係者からの情報によると、小池防衛相は、身内の事業に関連して、不正に政府関係の金が流れているとのこと

情報ありがとうございます。小池氏が入閣したら早速報道による追及の嵐が待っているわけですね。楽しみだな~(笑) 
2007/08/12 Sun 23:36:21
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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2007/08/12(日) 22:39:32 | 無期懲役刑に関する誤解の蔓延を防止するためのブログ
当分この図柄は使えそうです。キャハハハッ!< 中 央 省 庁 等 改 革 基 本 法 > (国の行政機関の幹部職員の任免についての内閣承認) 第十三条 国の行政機関の事務次官、局長その他の幹部職員については、任命権者がその任免を行うに際し内閣の承....
2007/08/14(火) 21:08:30 | 晴天とら日和
小池百合子小池百合子(こいけ ゆりこ、1952年7月15日 ‐ )は、日本の政治家。衆議院議員(5期)。元参議院議員(当選1回)。日本新党を皮切りに、新進党、自由党_(日本)#自由党_(日本_1998-2003)|自由党、保守新党|保守党、保守クラブを経て現在は自由
2007/08/16(木) 13:00:22 | みやこのブログ
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