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2007/07/04 [Wed] 18:55:13 » E d i t
久間章生防衛相(66)(衆院長崎2区)は3日午後、安倍首相を首相官邸に訪ね、米国が広島、長崎に投下した原子爆弾に関する自らの発言が国民の誤解や与党の混乱を招いたとして、辞任する考えを伝え、首相も了承し、辞任となりました。この報道について紹介したいと思います。


1.まずは、辞任についての報道を。

(1) 東京新聞2007年7月3日 夕刊(東京新聞7月4日付朝刊(13版)1面)

 「久間防衛相が辞任 原爆発言で引責 参院選影響に配慮
2007年7月3日 夕刊

 久間章生防衛相は三日午後、首相官邸に安倍晋三首相を訪ね、広島、長崎への原爆投下について「しょうがない」と発言した責任をとり、辞意を表明した。首相も了承した。安倍政権の閣僚が辞任するのは、昨年末の佐田玄一郎行革担当相に次いで二人目。二十九日投票の参院選を目前に、安倍政権には大きな打撃になった。 

 久間氏は首相との会談後、記者団に「なかなか理解を得られていないようだから、『けじめをつけないといけない』と申し上げ、了承された。首相は『残念だ』と言っていたが、慰留はされなかった」と述べた。

 首相は当初、久間氏を更迭しない考えだったが、参院選への影響を懸念する与党からも辞任論が高まったことから、辞意を受け入れることにした。

 これに先立ち、公明党の浜四津敏子代表代行は三日、「久間氏は自覚して、自身の身の処し方を決めてほしい」と述べ、自発的辞任が必要との考えを示していた。

 一方、長崎市の田上富久市長は三日午前、防衛省に久間氏を訪ね、抗議した。田上氏は「原爆投下の正当化とも受け取れる発言は、被爆者の心情を踏みにじるもので、被爆地長崎としては看過できない。被爆者への配慮を欠いた発言であり、(久間氏は)長崎県選出議員であるだけに誠に遺憾だ」という内容の抗議文を久間氏に手渡した。

 これに対し、久間氏は「長崎市民、県民だけでなく全国の被爆者の方に今回の発言で本当にご迷惑をかけた。今後は発言に注意したい」と陳謝。長崎で八月九日に行われる平和祈念式典に久間氏が出席することに被爆者団体が反対していることについて、久間氏は「混乱が生じるようなら出席を辞退したい」と述べた。

 安倍首相は午前の閣僚懇談会で「各閣僚はいろんな言動に気を付けて、緊張感を持って対処してもらいたい」と全閣僚に注意した。」



(2) 朝日新聞平成19年7月3日付夕刊(4版)1面(朝日新聞7月4日付朝刊(13版)1面)

久間防衛相が辞任 「しょうがない」発言で引責 
2007年07月03日13時27分

 久間防衛相=衆院長崎2区選出=は3日午後、首相官邸で安倍首相に会い、講演で米国による広島、長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言した責任をとり、辞任する考えを伝え、首相も了承した。久間氏は発言を撤回して陳謝したが、与党内からも批判の声が広がり、参院選公示を12日に控え、これ以上問題を長期化させるべきではないと判断した。安倍政権発足9カ月あまりで閣僚の交代は3人目。年金記録問題で逆風を受ける安倍政権や与党にとって参院選への深刻な打撃は避けられない情勢だ。

 久間氏は首相との会談後、首相官邸で「長崎の皆さんに非常にご迷惑をおかけした。理解が得られないようなので、それに対して申し訳ない、けじめをつけなければいけないと私自身、辞任することにした」と記者団に語った。久間氏によると、首相は「本当にいろいろやってもらったのに残念だ」と述べ、慰留はしなかったという。

 長崎市の田上富久市長は3日午前、防衛省に久間氏を訪ね、「発言は被爆者の心情を踏みにじるもので、被爆地長崎としては看過できない。いかなる理由があろうとも(核兵器の)使用は許されないということを深く認識され、核兵器廃絶に取り組むことを要請する」とした要請書を手渡した。久間氏は「長崎市民や県民、全国の被爆者にご迷惑をおかけしてすいませんでした」と陳謝し、8月9日の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典への出席辞退を検討する意向を伝えた。

 一方、与党内からも久間氏に自発的な辞任を求める声が広がった。公明党は3日の閣議後に久間氏から釈明を聞く予定だったが、「党内議論が終わっていないので時期尚早だ」(党幹部)との理由で申し出を断った。浜四津敏子代表代行は同日、「個人としては、柳沢厚労相の発言とは質的に違う重大な発言だと思う。ご自身で身の処し方を賢明に判断していただきたい」とのコメントを出し、辞任を求めた。

 また民主、社民、国民新党の3野党幹事長は3日午後、首相官邸に久間氏の罷免を申し入れることにしていた。

 久間氏は6月30日、千葉県柏市で講演し、米軍が日本に原爆を投下したことについて、「原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、しょうがないと思っている」と述べた。

 この発言を受け、自民党の中川秀直幹事長が謝罪し撤回するよう久間氏に助言するなど、政府・与党は火消しを図った。久間氏も地元で会見し、発言を撤回。首相も1日、久間氏の責任は問わない考えを示していた。

 しかし、野党は罷免要求し、与党内からも厳しい対応を求める声が相次いだ。久間氏の地元・長崎県からも辞任を求める動きがやまず、参院選への影響を考慮し、政府・与党は辞任やむなしとの姿勢に傾いた。

   ◇

 久間氏は農林省職員、長崎県議を経て80年、衆院議員に初当選し、当選9回。運輸政務次官、自民党副幹事長などを歴任し、橋本内閣で防衛庁長官を務めた。その後も自民党の幹事長代理や総務会長などを務め、昨年9月に防衛庁長官に就任。今年1月に同庁は防衛省となり、初代防衛相となった。」



野党のみならず、長崎市長など多くの国民からの批判だけでなく、与党内からも批判があったわけですが、久間氏は、3日朝の閣僚懇談会においても、3日午前11時、長崎市の田上富久市長が防衛省に久間氏を訪ねた際にも、辞任する気がなかったのです。ですから、辞任の決意は唐突でした。

では、久間氏が防衛相の辞任を決意するに至った原因は何なのでしょうか? そこで、この点について触れた、朝日新聞7月4日付朝刊2面「時時刻刻」の記事を紹介することにします。




2.朝日新聞平成19年7月4日付朝刊2面「時時刻刻」

 「久間防衛相辞任 世論読めず 政権危機

 年金記録問題の逆風に苦しむ安倍政権を、原爆投下の「しょうがない」発言が追撃した。公示まで9日。参院選への悪影響に配慮し、久間防衛相は3日、自ら辞任を決断したが、問題の広がりを見誤った安倍首相は最後までかばい続けた。松岡前農水相の自殺に続き、3人目の閣僚交代――。「お友達内閣」とも揶揄(やゆ)された政権は朽ちかけ、首相の危機管理能力そのものが問われかねない危機的な状況に陥った。


◆かばい続け再び後手

 「厳しいな……」

 3日昼、東京都内で知人と昼食をとっていた久間氏は、テレビのニュースを見て、息をのんだ。公明党の浜四津敏子代表代行が「私個人としては、柳沢大臣の発言も問題はあったけれども、それとは質的に違う重大な発言だ。ご自分で身の処し方を賢明に判断していただきたい」と語った発言が伝えられていた。

 続けても安倍さんに迷惑をかけるだけだし、決めるなら早いほうがいい。やっぱり、公明党の反応が厳しい――。久間氏がこう考え、辞任を決断したのはこのときだった。

 それまで、久間氏の気持ちは強気と反省が交錯していた。午前11時に長崎市の田上富久市長と面会した際には、続投する前提で陳謝。一方で、この日朝、予定されていた公明党幹部との会談が当日になって中止となるなど、風圧を肌で感じ始めてもいた。

 午後1時、久間氏は辞意を伝えに官邸に向かった。自民党の中川秀直幹事長が久間氏から辞意を電話で伝えられたのは、その直前だ。町村派幹部は久間氏辞任の知らせに「ウソじゃないか。本当か」と耳を疑った。結果的に外堀を埋める役回りを演じた公明党も、幹部らは引導を渡したつもりはなかった。

 官邸にとっても「寝耳に水」だった。3日朝、首相は閣僚懇談会で「言動に気をつけて緊張感をもってもらいたい」と指示したが、首相周辺は「止める気配は全くなかった」。首相が与党幹部に「久間氏が辞めることになりました」と電話で連絡したのは、ニュース速報も流れた後だった。

 この間、首相は久間氏をかばい続けてきた。発言があった6月30日、首相には秘書官を通じて発言要旨が伝えられたが、直後、首相は「米国の考え方について紹介をしたと承知している」。事態を深刻にとらえている様子はなかった。

 首相周辺は「罷免や辞任はない」と口をそろえ、首相は翌1日の民主党・小沢代表との討論会では「防衛相として核廃絶にこれからも大いに力を発揮していただかなければならない」と擁護。自民党参院執行部の一人は「すべて後手後手だ。辞めるなら昨日辞めればよかったんだ」と吐き捨てた。

 安倍内閣は、総裁選で尽力した身内を重用した「論功行賞人事」と評された。それがほどなくほころびをみせ、首相官邸は危機管理能力を問われるようになっていた。

 佐田玄一郎・前行革担当相は突き放して辞任に追いやり、政府の求心力は低下。柳沢厚労相は逆に徹底して守り、官邸の力を強めたかのようにみえた。だが、同じように擁護した松岡前農水相は自殺し、今回は久間氏が自ら辞任の道を選んだ。

 首相は3日夕、記者団の質問に、こう強がるのが精いっぱいだった。「当然任命責任は私にある。こういう結果になったことは大変残念だが、改革を進めていく大切な使命を果たしていかなければいけない。決意を新たにいたしている」


◆自民「これで100万票減る

 与党内からも久間氏の辞任論が広がったのは、参院選直前だったからだけではない。そのタイミングが「反転攻勢」をかけようとする矢先の出来事だったからだ。

 年金問題が響いて内閣支持率が大幅に下落。首相が国会を延長してまでこだわった改正国家公務員法が成立しても、支持率は上向かなかった。そのなかで与党側は1日の党首討論を「流れを変える好機」(自民党幹部)と見ていた。実際、自民党の中川秀直幹事長は2日の会見で「安倍総裁の圧勝だ。こういう討論は何時でもやってもらいたい」と、反転攻勢に出る構えを見せた。

 ところが、その直前にあった久間氏の発言でかすんでしまった。特に参院選を戦う政治家は敏感だった。

 「唯一の被爆国である日本国民として、選ばれた国会議員として万死に値する」。2日、東京選挙区の保坂三蔵・自民党参院議員が辞任を要求。3日の党総務会でも、東京都選出で、保坂氏を支援する深谷隆司元通産相が「怒りを感じている。抗議する。参院選前に軽率な姿は許されない」と不満をぶちまけた。与党内では「これで100万票減った」(自民党執行部の一人)などとの声が広がった。

 「与党として困っとるんだなと感じた。選挙を控えて、自民党だけでなく、公明党もやりづらいんじゃないかと非常に感じた」

 3日午後の辞任会見で久間氏は、参院選への影響を最小限に食い止めたいとの思いで判断したと強調した。その前には記者団に「参院選にはうちのグループ(派閥)もたくさん出ているわけで、私がだらだら説明してもなかなか理解してもらえない……」ともぼやいた。

 ただ、辞任をもって政府・与党への逆風が鎮まる、という見通しはほとんど聞かれない。

 中川幹事長は3日、参院選への影響を記者団に聞かれ「ないように全力をあげる」。公明党広島県本部代表でもある斉藤鉄夫政調会長は「このまま引きずって戦うのは厳しいと思っていた。言い訳しないで済む分、マイナスの絶対値が減った」と記者団に語った。

 比例区候補で、無党派層に敏感な自民党の舛添要一参院政審会長はこれまで、安倍政権にたびたび苦言を呈してきた。久間氏の発言には「土下座して行脚を」と主張していたが、この日の辞任でどう見方は変わったか。

 「傷をこれ以上拡大するのは阻止した。もし辞めなければ致命傷になる。4つも5つも議席を減らす結果になった。それを2つ3つで止めた。」



すでに他の報道でも同様の指摘がされていますが、参院選での選挙協力が不可欠な公明党(+創価学会)の浜四津敏子代表代行からの批判が“最後通牒”となり、“引導を渡した”こととなって、辞任に至ったようです(読売新聞によると、中川幹事長が久間氏に対して厳しい状況だという趣旨の電話をしたようです)。ただ、公明党としては、「結果的に外堀を埋める役回りを演じた公明党も、幹部らは引導を渡したつもりはなかった」ようですが。

 「3日昼、東京都内で知人と昼食をとっていた久間氏は、テレビのニュースを見て、息をのんだ。公明党の浜四津敏子代表代行が「私個人としては、柳沢大臣の発言も問題はあったけれども、それとは質的に違う重大な発言だ。ご自分で身の処し方を賢明に判断していただきたい」と語った発言が伝えられていた。

 続けても安倍さんに迷惑をかけるだけだし、決めるなら早いほうがいい。やっぱり、公明党の反応が厳しい――。久間氏がこう考え、辞任を決断したのはこのときだった。」


要するに、事の重大さに危機感を抱いて久間氏に“鈴を付けた”のは、首相として任免権(憲法68条)をもつ安倍首相ではなく公明党だったわけです。首相としての権限を適宜に発揮することができなかった安倍首相は、その首相としての任務を十分に理解できていなかったのです。


 「官邸にとっても「寝耳に水」だった。……首相周辺は「止める気配は全くなかった」。首相が与党幹部に「久間氏が辞めることになりました」と電話で連絡したのは、ニュース速報も流れた後だった。

 この間、首相は久間氏をかばい続けてきた。発言があった6月30日、首相には秘書官を通じて発言要旨が伝えられたが、直後、首相は「米国の考え方について紹介をしたと承知している」。事態を深刻にとらえている様子はなかった。

 首相周辺は「罷免や辞任はない」と口をそろえ、首相は翌1日の民主党・小沢代表との討論会では「防衛相として核廃絶にこれからも大いに力を発揮していただかなければならない」と擁護。自民党参院執行部の一人は「すべて後手後手だ。辞めるなら昨日辞めればよかったんだ」と吐き捨てた。

 安倍内閣は、総裁選で尽力した身内を重用した「論功行賞人事」と評された。それがほどなくほころびをみせ、首相官邸は危機管理能力を問われるようになっていた。……

 佐田玄一郎・前行革担当相は突き放して辞任に……。柳沢厚労相は逆に徹底して守り……。だが、同じように擁護した松岡前農水相は自殺し、今回は久間氏が自ら辞任の道を選んだ。

 首相は3日夕、記者団の質問に、こう強がるのが精いっぱいだった。「当然任命責任は私にある。こういう結果になったことは大変残念だが、改革を進めていく大切な使命を果たしていかなければいけない。決意を新たにいたしている」」


安倍首相は、柳沢厚労相の「産む機械」発言以降は、どんな問題点があっても、かばい続けることを信条としているかのようにかばって来たわけです。しかし、「原爆投下、しょうがない」発言でもかばったことは、何も考えずにかばっていることを露呈してしまったのですから、首相官邸はあまりにも危機管理能力が欠如しており、安倍首相は日本国の代表と認めることができなくなってしまったのです。

「首相は3日夕、記者団の質問に、こう強がるのが精いっぱいだった」と書かれている通り、こわばった顔で、強がって見せても首相としての能力不足が露呈している以上、見苦しいだけです。




3.久間氏は、「九州弁ですぐ口癖で出るんですよ」と弁明していましたが、それは本当でしょうか?

 「「しょうがない、は口癖」 久間防衛相、反省一色
2007年07月03日22時27分

 「原爆投下はあってはならないこと。私が原爆や被爆を軽んじているかのようにとられ、(被爆者の)心情を考えたときに、申し訳なかった」。久間氏は3日、防衛省内で開いた辞任会見で頭を下げた。

辞任の理由については「不用意な発言が総理の姿勢にマイナスにならないよう……すでにマイナスになったかもしれませんが、私自身が身を引く決意をした」。

 安倍首相に辞意を伝えた直後の心情を「ある意味ほっとした」と表現。「私のことで迷惑をかけていたが、これで参院選を堂々と戦える」。参院選への影響を避けるための急転辞任劇だったことをうかがわせた。

 問題の発言は、先月30日、千葉県柏市内の大学での講演で飛び出した。「説明すればわかってもらえるという自信があったが、報道をみると言い方がまずかった。会場で質問があればその場で打ち消していた」。会見の場でもなお真意が伝わらなかったと強調した。

 核兵器の使用について改めて問われると、「長崎が最後の核兵器使用であって欲しいし、長崎県民の悲願でもある。過ぎたことはしょうがないにしても」と説明。再び「しょうがない」が口をついて出た。

 「九州弁ですぐ口癖で出るんですよ」と弁明し、「今さら言ってみたってしょうがないなって、ぽろっと最後に出た」と、講演で「しょうがない」を使った事情を自ら説明した。この点について福岡県出身の国語学者、田籠博・島根大教授は「九州で『しょうがない』が多用されるとは聞いたことがない。個人的な口癖かもしれないが、方言が理由にはなりえない」と指摘する。

 辞任会見で久間氏は「私は語彙(ごい)が少なく、脇が甘いと言えば甘い。今振り返ると誤解されることが多かった」と反省してみせたが、これには防衛省内から疑問の声が出た。幹部らによると、久間氏の語彙は決して乏しくなく、2度目の大臣経験ということもあり、防衛に関する発言や答弁には安定感があったからだ。物議をかもす発言は、久間氏が信念や心情を吐露した時に飛び出したという。

 反省一色の会見で、久間氏が自信に満ちた表情を見せたのは、大臣としての自身の仕事に触れた時。省昇格や米軍再編特措法の成立などを挙げ、「私の時になすべきことはできた」と語った。」(朝日新聞7月4日付朝刊31面



この記事によると、久間氏の言い訳はウソであるようです。

「「九州弁ですぐ口癖で出るんですよ」と弁明し、「今さら言ってみたってしょうがないなって、ぽろっと最後に出た」と、講演で「しょうがない」を使った事情を自ら説明した。この点について福岡県出身の国語学者、田籠博・島根大教授は「九州で『しょうがない』が多用されるとは聞いたことがない。個人的な口癖かもしれないが、方言が理由にはなりえない」と指摘する。」


福岡県出身の国語学者、田籠博・島根大教授は「九州で『しょうがない』が多用されるとは聞いたことがないそうです。根拠なく勝手に方言のせいにしたということは、参院選での協力に不可欠な公明党に言われたから辞任しただけで、「原爆投下、しょうがない」という見解は変えていないことが明らかになっただけです。結局は、謝罪の意思はないのです。


「「辞任会見で久間氏は「私は語彙(ごい)が少なく、脇が甘いと言えば甘い。今振り返ると誤解されることが多かった」と反省してみせたが、これには防衛省内から疑問の声が出た。幹部らによると、久間氏の語彙は決して乏しくなく、2度目の大臣経験ということもあり、防衛に関する発言や答弁には安定感があったからだ。物議をかもす発言は、久間氏が信念や心情を吐露した時に飛び出したという。」


もう1つの言い訳も、「防衛省内から疑問の声が出た。幹部らによると、久間氏の語彙は決して乏しくなく」ということですから、ウソだったのです。「原爆投下、しょうがない」という見解はやはり誤解ではなかったわけです。ウソを言って弁解したのですから、余計に悪い印象となったのです。



4.まとめとして、東京新聞7月4日付朝刊「社説」を引用しておきます。

防衛相辞任 後手の首相にまた打撃
2007年7月4日

 舌禍の久間章生防衛相が辞任した。発足わずか九カ月あまりで安倍政権は辞職閣僚三人(一人は自殺)を出したことになる。極めて異様で深刻な事態だ。首相は国民の不信をどう、ぬぐうつもりか。

 辞任を申し出た久間防衛相に、安倍晋三首相は慰留の言葉を口にしなかったとされる。昨年の暮れに政治資金の不適切経理などで行革担当相を辞めた、佐田玄一郎氏のケースと同じである。

 世間の批判を浴びても自ら辞めないうちは「私の内閣」のメンバーをかばい続ける。現職農相で自殺した松岡利勝氏についてもそうだった。任命権者としての自身の責任を認めながら強気の構えを崩さず、問題の風化を待つ。そういうスタイルなのだろう。「後手」批判も覚悟で。

 米国による原爆投下を「しょうがない」と言った久間氏に、被爆国・日本の世論の反発はすさまじいものがあった。広島、そして久間氏の地元・長崎の被爆者団体はもちろん、目前の参院選を戦う自民、公明の与党候補からも辞任要求が出た。

 久間発言の直後に「米国の考え方を紹介したもの」とかばった首相もさすがにぶれて、撤回と謝罪を繰り返す久間氏に厳重注意した。そこで直ちに更迭しておれば世論の受け止めも違ったのに、といぶかる自民党支持者も多かったはずである。

 直前までメディアに辞任しない考えを述べていた久間氏はこう言っている。「参院選に影響を与えてはいかんのだからね。それが気になってしょうがなかった」。実は辞任申し出の前に、公明党の浜四津敏子代表代行が厳しい口調で久間氏自ら進退を決断するよう促していた。

 背後の創価学会の意思がそうであるなら、参院選で支援を得ねばならない自民党は万事休すだ。久間氏の判断はそれなりに想像がつく。与野党逆転阻止を至上命題とする首相が慰留しなかったのもうなずける。

 久間氏の騒動は今回だけでない。米軍再編の対米折衝に不満を口にした。ハト派らしく米国の対イラク開戦の判断を批判したこともある。首相周辺では「産む機械」発言や年金問題で針のむしろの柳沢伯夫厚生労働相とともに、選挙後の内閣改造での更迭が検討されていたとも聞く。統率の緩みが政権に並大抵でない痛手を招いた。

 後任の防衛相には首相補佐官の小池百合子氏が起用された。またも取り巻きグループの一員だ。選挙戦へ広告塔を、の算段なのか。だが、底が抜けたような政権の存続へ、小手先で振る舞われては、国民が迷惑する。ことはもう、参院選の勝ち負けどころの話ではなくなっている。」


「発足わずか九カ月あまりで安倍政権は辞職閣僚三人(一人は自殺)を出した」という「極めて異様で深刻な」内閣です。どんな問題点があろうとも、「世間の批判を浴びても自ら辞めないうちは『私の内閣』のメンバーをかばい続け」るのです。自殺した松岡利勝氏の後に生じた不祥事であっても。

最後は、「任命権者としての自身の責任を認めながら強気の構えを崩さ」ないというのも、何度も同じことをしているのですから、虚勢を張っているだけにすぎないとしか見えません。

「久間発言の直後に「米国の考え方を紹介したもの」とかばった首相もさすがにぶれて、撤回と謝罪を繰り返す久間氏に厳重注意した。そこで直ちに更迭しておれば世論の受け止めも違った」と指摘されているように、首相は、事の重大さを理解する能力がないので、マスコミ報道で批判が多いと分かると、慌てて態度を変えていくのです。すぐに罷免する態度であれば、安倍首相を批判していた者も態度を変更せざるを得なかったでしょうが、いまさら辞任を留意することなく了承するに至る、という態度では、ここまで安倍首相は馬鹿なのかと、失望して支持をやめた者が増えてしまったのではないかと思います。

以前、安倍首相が閣議出席のためにきても、閣僚は起立することもなく、みな私語ばかりという報道があり、閣僚みなが安倍首相を馬鹿にしている「学級崩壊」内閣と揶揄されましたが、久間氏の「原爆投下、しょうがない」発言も、多くの閣僚が安倍首相を軽く見ている証拠なのだと思います。

閣僚にどんなに舐められた態度を示されても、後任の防衛相には首相補佐官の小池百合子氏が起用され、「またも取り巻きグループの一員」で固めるのです。ここまで能天気で、態度だけは(根拠なく)強気を崩さない政権を存続させる意義は乏しいのです。「ことはもう、参院選の勝ち負けどころの話ではなくなっている」のです。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
初めまして。
記事には全く関係ないことで恐縮なのだが、

>最近は、なぜか1日1000ヒットを超えています。
>ありがとうございます。今後とも宜しくお願いします。

これは……閲覧者に対する一種の牽制なのだろうか?
「1日1000ヒット」というのが、PV(閲覧数)のことかip(閲覧者数)のことか判らないし、このブログが1日何ヒットかも判らない。
が、今までのヒット数からは考えられない事態なら、それは何処かで晒されたとか、そういうことは考えないのか。
もしこれが、皮肉とか牽制とかでなく、文章そのままの意味なら、それはブログ管理人として決定的に危機管理に対する意識が欠けている、としか言えない。
全くの部外者である私が言うべき事では無いかもしれないが。
ざっと今のコメント欄を拝見した所、随分と楽しいことになっているようではないか、ある意味。
得体のしれない奴のお節介な戯言と聞き流して頂いて結構だが、fc2ブログになら、リンク元を辿る機能があるはずなので、調べたら如何だろうか。
このブログ、随分と刺激的な内容の様なので、アンチと信者(敢えてそう言わせて頂く)とにハッキリ分かれるブログであろう。
そういうブログの管理人は、普通のブロガー以上に危機管理には敏感でなければならない。
有名人のブログにありがちなように、炎上騒ぎになりたくなければ。
2007/07/08 Sun 23:03:22
URL | 通りすがりのブロガー #uT98G3Pc[ 編集 ]
>通りすがりのブロガー さん
はじめまして、コメントありがとうございます。

>>最近は、なぜか1日1000ヒットを超えています
>もしこれが、皮肉とか牽制とかでなく、文章そのままの意味なら

まぁ皮肉ですね。コメントやエントリーが止まったら、大体、いつも通りになりました。


>ざっと今のコメント欄を拝見した所、随分と楽しいことになっているようではないか、ある意味。
>得体のしれない奴のお節介な戯言と聞き流して頂いて結構だが

お節介とは思いません。わざわざありがとうございます。確かに、「楽しいこと」になっていましたね~(^^ゞ 傍目から見てもそう思うのですね。すぐに、アクセス禁止の措置を採ることにしました。背中を押してくれてありがとうございます。


>このブログ、随分と刺激的な内容の様なので、
>そういうブログの管理人は、普通のブロガー以上に危機管理には敏感でなければならない。

多くは、法律論のスジを説いているだけなのですが、「刺激的」かもしれません。旅行中やその前後は、ネット自体を見ていなかったのですが、管理を怠らないことは必要ですね。ご忠告ありがとうございます。
2007/07/11 Wed 21:47:12
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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みなさん、7月3日の各紙夕刊のトップの、あのさわやかな表情を見ましたか?※上の画像は、asahi.comよりなんとも割り切れないね、どうも…。久間氏はこれまで、こんな発言で槍玉に上げられていた。イラク戦争、久間防衛長官「米支持は公式ではない」久間防衛長官は7日の
2007/07/04(水) 19:21:02 | にほん民族解放戦線^o^
みなさん、7月3日の各紙夕刊のトップの、あのさわやかな表情を見ましたか?※上の画像は、asahi.comよりなんとも割り切れないね、どうも…。久間氏はこれまで、こんな発言で槍玉に上げられていた。イラク戦争、久間防衛長官「米支持は公式ではない」久間防衛長官は7日の
2007/07/04(水) 19:23:05 | にほん民族解放戦線^o^
人気ブログランキング ← より多くの人に伝える為にクリックのご協力を♪ 政治ブログランキングでお陰様で今現在19位です。有難うございます。おバカのQの久魔・元防衛大臣が放った「しょうがないな」は九州弁だったらし
2007/07/04(水) 19:42:49 | らんきーブログ
先日のエントリ以後、いろいろと好き勝手言う人も多かったようですが、決め手は結局、「票」ですね。後任防衛相に小池補佐官=首相、身内から起用-参院選一段と厳しく(時事通信)(元ニュースはこちら)(記事引用)安倍晋三首相は3日午後、広島、長崎...
2007/07/04(水) 21:37:00 | BBRの雑記帳
久間防衛相が辞任 「しょうがない」発言で引責 久間防衛相=衆院長崎2区選出=は3日午後、首相官邸で安倍首相に会い、講演で米国による広島、長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言した責任をとり、辞任する考えを伝え、首相も了承した。久間氏は発言を撤回して陳謝
2007/07/04(水) 22:51:40 | S氏の時事問題
とっても、気持ちの悪いカメラ目線で、・・・●(2007/07/02) 04:53 「私も官邸に大臣を呼び、厳しく叱責を致しました 」●(2007/07/03) 07:13「辞任をするというのは政治家として、閣僚として、大変重い決断です 私はその決断を尊重いたしました」ア...
2007/07/04(水) 23:04:25 | 晴天とら日和
久間章生防衛大臣(66)は3日、先の大戦での米国の
2007/07/04(水) 23:10:22 | ネット社会、その光と闇を追うー
あと一月ほどで公演を終了し、解散予定のアベ一座公演「うちゅくぴいくに」が千秋楽にむけて、ますます気合の入った演目を披露してくれている。ヤラセタウンミィティングで観客の視線を釘付けにしたかと思うと、強行採決猿芝居で大立ち回りをやらかす。戦争モノのシナリオに
2007/07/05(木) 01:09:16 | 逍遥録 -衒学城奇譚-
アラ?どうしたの?日本は拉致問題が解決しないと「援助」等はしないって、誰かさんが●●の一つ覚えのように言ってたんじゃぁ~ありませんか!!!!!何時の間に宗旨を変えたのでしょうかねぇ?????●2007/07/04 16:40 【共同通信】核施設停止確証後に....
2007/07/05(木) 21:02:01 | 晴天とら日和
通称「原爆発言問題」で辞任した久間前防衛相の後釜として参院選対策に小池百合子が就任した。それにしても、強かやな~この人。細川に小沢に小泉に安倍にと、次々にたらしこむ「おやじ殺し」のテクはご教授頂きたいくらいだ。で、こんで済ますつもりか?これで今回の事件に
2007/07/05(木) 23:09:51 | しっとう?岩田亜矢那
え~と、原爆のハナシだけど……あ?Qちゃんはもうえぇ。出番は終わった。とっととイナカ帰って、畑耕してろ。問題はコイツだ。米政府のロバート・ジョセフ核不拡散問題担当特使が「原爆の使用が終戦をもたらし、連合国側の数十万単位の人命だけでなく、文字通り何百万人
2007/07/06(金) 00:32:48 | 逍遥録 -衒学城奇譚-
●NHKニュース  7月6日 18時8分 年金記録ミス 昭和39年以前この答弁書は、民主党の長妻昭衆議院議員が提出した質問主意書に対するものです。それによりますと、社会保険庁年金保険部の業務課長名で、昭和39年9月に出された通知に「厚生年金の記号番号の確認...
2007/07/06(金) 23:15:41 | 晴天とら日和
●2007/06/01 46:00安倍内閣閣僚記者会見【農林水産大臣】(赤城徳彦大臣)線が細くって大臣の器じゃぁ~ないのに、・・・・・おこちゃま内閣にはちょうど良いのかもしれないが、・・・一国の大臣です。もっと、まともなのオランのかと、・・・・・。このま...
2007/07/07(土) 22:29:54 | 晴天とら日和
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/archive/news/2007/07/04/20070704k0000m010182000c.htmlアベの危機管理能力の欠如の表れだな。 また、統率力のなさも顕著。 ここまで哀れな宰相も、珍しいのか? 最近よく見られる民間企業の不祥事でのトップの対応と同様。 失敗した
2007/07/08(日) 00:19:17 | すうたまちゃん
覚悟の程がしのばれるなぁ、・・・・・●「報道2001」[ 8日12時52分 ]与野党党首、参院選への抱負述べる 民主・小沢代表「過半数取れなければ政界引退」 フジテレビの「報道2001」でフジテレビの「報道2001」の中で、与野党の党首7人が、今週公示される参議院選....
2007/07/08(日) 22:51:56 | 晴天とら日和
これも全く同じ原理だよね。 米日軍事産業界と政界の金権癒着によって、政府の戦争推進政策が進められている構図がある。 この場合は癒着軍事産業が儲かる戦争を、政府が起こそうとしている現状に繋がっている。 昨今の格差社会化も、政界と財界の癒着構造が生んで来た、腐
2007/07/08(日) 23:41:26 | 野生化の時代 ZAKIのblog
   ◆◆◆ 2007年参院選投票日 ◆◆◆   < 公示日 7 月 1 2 日 (木) >    < 投票日 7 月 2 9 日 (日) >●安倍「ご高齢だからそういう印象を思ったかもしれない、フフフ」安倍さんは、正直に話した赤....
2007/07/09(月) 19:39:40 | 晴天とら日和
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