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2007/06/21 [Thu] 06:40:29 » E d i t
米下院外交委員会は18日、いわゆる従軍慰安婦問題で日本政府に対して明確に歴史的責任を認め、公式に謝罪するよう求める決議案を26日に採決する方針を固めた、との報道がありました【6月19日 AFP】。この決議案は採決される見通しですが、この決議案がなぜ、今可決に向かっているのでしょうか? について触れたいと思います。


1.まずは、慰安婦決議案採決へ、という報道記事から。
(1) asahi.com(2007年06月19日09時57分)

 「従軍慰安婦問題、決議案を採決へ 米下院外交委
2007年06月19日09時57分

 米下院外交委員会は18日、従軍慰安婦問題で日本政府に対して明確に歴史的責任を認め、首相が公式に謝罪するよう求める決議案を26日に採決する日程を固めた。米議会関係者が明らかにした。本会議での採決は未定だが、ラントス外交委員長も決議案を支持する考えを示しており、同委員会での可決は確実な情勢だ。

 決議案は1月末に日系のマイク・ホンダ議員(民主、カリフォルニア州)が提出。この日までに共同提案者は民主、共和両党の140人(下院の定数は435)に達した。4月末に訪米した安倍首相が謝罪を表明し、5月下旬の委員会採決は見送られたが、米側には人権問題との認識が強く、韓国人団体の働きかけもあって、共同提案者が増え続けていた。

 これに対し、日本の国会議員有志や言論人らは今月14日付の米紙ワシントン・ポストに強制性を示す文書はないとする全面広告を出した。だが、議会関係者の一人は「この広告は確実に採決を促す要因になった。態度を保留していた議員も『決議を通すのは今だ』と確信したかもしれない」と、逆効果だったとの見方を示した。

 広告には「1945年に占領軍当局は、米兵による強姦(ごうかん)を予防するため慰安所の設置を日本政府に要請した」とあり、これが反発を招いた可能性もある。」



(2) 東京新聞(2007年6月19日 夕刊)

 「慰安婦決議案26日採決 本会議でも可決の公算
2007年6月19日 夕刊

 【ワシントン=小栗康之】米下院外交委員会は十八日、第二次世界大戦中の従軍慰安婦問題に対し日本政府の謝罪を求める決議案の採決を二十六日に行う方針を固めた。

 決議案を提出した民主党のマイク・ホンダ下院議員の関係者が十八日明らかにした。採決されると民主、共和両党の賛成多数で可決される見通し。

 同決議案はホンダ議員が一月に提出。日本政府に従軍慰安婦問題での謝罪と歴史上の責任を明確に認めることを要請。与野党の百四十人が共同提案者に名を連ねている。

 一部メディアによると、ラントス同外交委員長(民主党)が地元ロサンゼルスの韓国人系団体の会合で二十六日に採決する意向を表明、圧倒的多数で可決される見通しを示したという。

 民主党のペロシ下院議長も決議案に賛成の姿勢を示しており、同委員会で可決後、本会議で採決、可決される可能性が高い。

 同様趣旨の決議案は過去にも提出されているが採決には至っていない。委員会レベルの可決にとどまったにしても、日本政府にとっては大きな痛手となる。

 同決議案提出以降、日本政府は採決回避に向けて議会関係者に対し働き掛けを強めていたほか、四月に訪米した安倍晋三首相が議会指導者との会談で同問題について「申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と表明していた。

 首相発言により採決は見送られるのではとの見方も出ていたが十四日、自民、民主両党などの一部国会議員や有識者が米紙ワシントン・ポストに旧日本軍によって強制されて慰安婦になったとの歴史的証拠は発見されていないと主張する全面広告を掲載。

 米国内の反発がかえって強まり、採決の流れが強まったとの指摘も出ている。」


この2つの記事によると、安倍首相が謝罪行脚をし、沈静化したはずだったのですが、その後に日本の国会議員有志や言論人が行った「全面意見広告」が、慰安婦決議案の採決へつながったとの見方を示しています。

「日本の国会議員有志や言論人らは今月14日付の米紙ワシントン・ポストに強制性を示す文書はないとする全面広告を出した。だが、議会関係者の一人は「この広告は確実に採決を促す要因になった。態度を保留していた議員も『決議を通すのは今だ』と確信したかもしれない」と、逆効果だったとの見方を示した。

 広告には「1945年に占領軍当局は、米兵による強姦(ごうかん)を予防するため慰安所の設置を日本政府に要請した」とあり、これが反発を招いた可能性もある。」


米兵による強姦予防のために慰安所を置いたというのは、米国政府や市民側にとってかなり刺激的でしょう。「お前も同じことをしたのだから、黙っていろ!」と言うつもりなのかと、感情的な反発をもたらすことは必然でしょうから。


では、慰安婦決議案がなぜ、今可決に向かっているのでしょうか? については、東京新聞6月21日付「こちら特報部」が詳しく掲載しています。




2.東京新聞平成19年6月21日付朝刊24面「こちら特報部」

 「米慰安婦決議案 可決寸前のなぜ  


 米議会で今月中にも日本政府に対し、第二次世界大戦中の従軍慰安婦問題の謝罪を求める決議案が可決される見通しだ。この決議案がなぜ、いま可決に向かっているのか。決議には拘束力こそないが、今後の日米関係の文脈でどんな意味を帯びてくるのか。


◆本質は戦前回帰への警告 種まいたのは日本

 「米国民一般の関心はまだ低いが、世論とは別に米国の外交姿勢の問題として注目すべきだ」。ニューヨーク在住のジャーナリスト、北丸雄二氏はこう危機感を募らせる。

 下院の決議案は今月1月末、日系三世のマイケル・ホンダ議員ら7人が提出。日本政府に慰安婦問題について「あいまいでない形で歴史的責任を認め」「公式に謝罪し」「(国内の反論に)政府として反ばく」することを求めている。

 この決議案は今回が初めてではない。1996年以来、8回提出され、いずれも本会議にかからず廃案になった。ただ、東京経済大の鈴木裕子講師(女性史)は「案の柱は国家的犯罪とみなす点。92年に韓国の挺身(ていしん)隊問題対策協議会が国連人権委員会に訴えて以降、国際的に主流となっている見方だ」と説明する。

 これまで日本政府のロビー活動もあり、廃案続きだった決議案がなぜ、今回は可決寸前なのか。種をまいたのは、実は日本側だ。

 2月に麻生太郎外相が決議案にある「日本軍による強制的な性奴隷化」との表現を「客観的な事実ではなく遺憾」と非難。3月5日には安倍首相が「狭義の強制性はなかった」「決議があっても謝罪することはない」と公式に発言した。

 この発言を米メディアは「日本は再び事実に対し、無責任な態度を示した」(ウォールストリート・ジャーナル紙)などと批判。だが、安倍首相は4月の訪米で、慰安婦問題への旧日本軍の関与を認めた河野洋平官房長官談話(93年)の継承などを強調。事態はいったん沈静化に向かった。

 とはいえ、ニューヨーク・タイムズ紙が訪米中の会見での首相の“謝罪”を「責任回避のためにあいまいな言葉を使った」と記すなど、疑念は残っていた。

◆議員ら米誌に全面意見広告

 その疑念の残り火に油を注いだのは再び日本側だった。今月14日付のワシントン・ポスト紙に載った「THE FACTS(事実)」と題した全面意見広告がそれだ。島村宣伸元農相ら自民党の29議員、河村たかし衆院議員ら民主党の13議員、ほかにジャーナリストの櫻井よしこ氏らが連名で訴えている。

 内容は戦前の韓国で慰安婦集めに女性を誘拐していた地元業者が、日本統治下の警察に摘発されたという報道などを並べ、旧日本軍の関与を否定するもの。これが「やはり日本側の本音は別」と受け取られた。

 北丸氏は「広告の内容はひどいの一語。『米国が日本占領後、日本に衛生的で安全な慰安所の設置を依頼した』なんて記述がある。米国世論がどう刺激されるかを考えて書いたとは思えない」と話す。実際、チェイニー副大統領はこの広告に不快感を表明した。

 北丸氏は「米国は(慰安婦問題での)強制の有無を問題にはしていない。慰安婦を生み出した戦時体制を肯定するのか否か、敗戦を認めるのか否かが焦点。そこを日本政府は分かっていない」と懸念する。「安倍政権の右傾化への警戒こそが決議の本質だ。この視点に立つ民主党が次期政権を担当するだろうが、ブッシュ一辺倒だった日本政府には同党へのチャンネルすらない」

◆公的責任認め謝罪「孤立化阻止への最後のチャンス」

 95年に元慰安婦への償い事業を目的に設立されたアジア女性基金も今年3月に解散した。

 鈴木講師は「あの基金自体、国家の責任を認める政府賠償の形態を回避するため、民間の形で設立された」と振り返りつつ、今回の決議案への対応をこう提案する。

 「日本政府が公的責任を認めて謝罪し、賠償すること。世界で孤立しないためには、これが最後のチャンスなのかもしれない」」



(1) 廃案続きだった慰安婦決議案がなぜ、今回は可決寸前なのかについては、「種をまいたのは、実は日本側」なのです。

「2月に麻生太郎外相が決議案にある「日本軍による強制的な性奴隷化」との表現を「客観的な事実ではなく遺憾」と非難。3月5日には安倍首相が「狭義の強制性はなかった」「決議があっても謝罪することはない」と公式に発言した。」


やはり発端は、ここからです。主要閣僚と首相という、日本政府を代表する立場にある者が、日本軍の関与を弱める発言をしたことで、日本政府は慰安婦問題の責任を否定し始めたと、米メディアは受け取ったわけです。


(2) もっとも、安倍首相は4月の訪米で、お詫び行脚を行ったわけですが、ニューヨーク・タイムズ紙は“謝罪”を「責任回避のためにあいまいな言葉を使った」と記し、疑念は残っていたままでした。なので、本来なら、米世論を刺激しないような行動を行うべきだったのですが、日本の国会議員らは、米世論を刺激するような行動をしてしまいした。

◆議員ら米誌に全面意見広告

 その疑念の残り火に油を注いだのは再び日本側だった。今月14日付のワシントン・ポスト紙に載った「THE FACTS(事実)」と題した全面意見広告がそれだ。島村宣伸元農相ら自民党の29議員、河村たかし衆院議員ら民主党の13議員、ほかにジャーナリストの櫻井よしこ氏らが連名で訴えている。

 内容は戦前の韓国で慰安婦集めに女性を誘拐していた地元業者が、日本統治下の警察に摘発されたという報道などを並べ、旧日本軍の関与を否定するもの。これが「やはり日本側の本音は別」と受け取られた。

 北丸氏は「広告の内容はひどいの一語。『米国が日本占領後、日本に衛生的で安全な慰安所の設置を依頼した』なんて記述がある。米国世論がどう刺激されるかを考えて書いたとは思えない」と話す。実際、チェイニー副大統領はこの広告に不快感を表明した。」



「事実を知ってください」という冷静なトーンの意見広告だったとの見方もあるようです(産経新聞(2007/06/19 08:08))。日本側、旧日本軍による強制を否定したい側からすれば、「冷静なトーン」かもしれません。

しかし、米国が日本占領下において「慰安所の設置を依頼した」などという記述があると、米国政府・議員にとっては、「米国にも同じ問題があるとして慰安婦問題を相対化するもの」と受け取り、何よりも米国民の感情を苛立たせる内容です。これが「THE FACTS(事実)」だと題するのであれば、余計に腹立たしくなるはずです。

特に、「チェイニー副大統領はこの広告に不快感を表明した」のですから、そうなると、米政府に不快感に抱かせたに等しく、最悪の意見広告だったことになります。米政府に不快感を抱かせたのならば、安倍首相がブッシュ大統領に謝罪したことが無意味になってしまうからです。

いつまでも慰安婦問題が解決しないのは、日本側がいつまでも持ち出してくることに原因があるのです。


(3) もし、米国議会において、慰安婦決議案が採決・可決された場合、日本政府は、それに対する対応が必ず求められることになります。日米の関係性からして、無視することはできません。

鈴木講師が言うように、「日本政府が公的責任を認めて謝罪し、賠償する」のかどうか、米国及び世界から注目されていると思います。
また、日本国民は、日本政府の対応に対してどのような反応を示すべきでしょうか? 日本国民の態度もまた、米国及び世界から注目されていると思います。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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コメント
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2007/06/21 Thu 21:14:08
| #[ 編集 ]
この広告の国辱をぬぐう道は
春霞さん、トラックバックありがとうございます。

今回この「広告」を出した勢力は「いつまで謝罪させるのか」などと常々えらそうに言っているわけですが、何度も謝罪しなければならないとしたらそれは自分たちが蒔いた種です。

↑こういう見方がこれを機会に日本国内に少しでも定着することだけがこの「広告」の国辱をぬぐう道だと思います。そのことを願って、そのことをめざして意見を発信したいと思います。
2007/06/22 Fri 00:29:39
URL | 村野瀬玲奈 #6fyJxoAE[ 編集 ]
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2007/06/22 Fri 00:56:21
| #[ 編集 ]
>非公開コメントの方へ:2007/06/21(木) 21:14:08と2007/06/22(金) 00:56:21へのお返事
コメントありがとうございます。

HPの紹介、ありがとうございます。お申し出、了解しました。
2007/06/22 Fri 07:35:24
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
>村野瀬玲奈さん
コメントありがとうございます。


>何度も謝罪しなければならないとしたらそれは自分たちが蒔いた種です
>こういう見方がこれを機会に日本国内に少しでも定着することだけがこの「広告」の国辱をぬぐう道だと思います

いくら国内で、安倍首相を無能扱いしたとしても、日本を代表して安倍首相が米国へお詫び行脚をしたり、何度も日本政府が海外へ向けて謝罪をする姿は、私も屈辱的に思います。

いい加減、「慰安婦広告」といった蒸し返しをすると、また謝罪をせざるを得なくなることを学習してほしいのですが……。
2007/06/22 Fri 07:50:53
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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 先に書いた、『素朴な疑問なんだが・・・(慰安婦問題)』について、かなり多くのコメントを頂いた。広告や考え方に対する是非とかで、賛否というか様々な考え方が寄せられたのは、自分にとっても勉強になるのだが、正直言
2007/06/21(木) 21:59:50 | Re:F's blogroom
日本のTVを見ていたら「バカ」になるよ~ダ!~~~っ、て思っているからTVは見なくなってしまいました。その調子で、下らない週刊誌を読んでいたら「バカ」になるよ~ダ!って、思って下らない週刊誌は読まなくなりました。週刊文春も新潮も、文藝春秋も、....
2007/06/22(金) 00:08:36 | 晴天とら日和
今回、ワシントン・ポストに掲載された楽しい広告は、2chでしか通らない珍説・妄説・屁理屈をかき集め、米国メディアに堂々と開示したという愚行のきわみでした。
2007/06/25(月) 01:46:09 | 戦争を語るブログ
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