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2007/06/15 [Fri] 01:45:54 » E d i t
広島県の呉共済病院に勤務する光畑医師が、腎臓や尿管下部のがんの腎臓を移植した四人の症例を論文にまとめ、その論文が米国の移植専門誌「トランスプランテーション」に掲載されることになったという報道が、2月9日にありました(「病腎は提供可能、論文が米雑誌掲載へ」(2007/02/10(土) 00:52:59)「病気腎移植、続く論戦~東京新聞2月14日付朝刊「こちら特報部」より」(2007/02/15(木) 17:17:18)参照)。
早くても3ヵ月後に掲載ということでしたが、6月14日、光畑医師の論文が掲載されたとの報道がありました。この報道について紹介します。


1.中国新聞('07/6/14)

 「病気腎移植 世界的専門誌に論文 '07/6/14

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▽呉共済病院の光畑医師らが報告

 呉共済病院(呉市)の光畑直喜医師らが、がんで摘出された腎臓を使った移植症例の報告が十三日、世界的に権威のある移植専門誌「トランスプランテーション」六月十五日号(電子版)に掲載された。一連の病気腎移植が論文として報告されるのは初めて。

 掲載された論文は「小さな腎がんや悪性度の低い下部尿管がんの腎臓は、移植に使える可能性がある」のタイトルで、光畑医師をはじめ宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師ら六人の共著。

 呉共済病院で一九九七―二〇〇一年に実施した腎がんと下部尿管がんの腎移植四例について、がんの再発もなく、移植を受けた全員が元気に生存していることを報告。提供側と移植患者の双方の意思確認がある場合、がんの摘出腎の一部を使った移植は、世界のドナー不足を補う方法になる可能性を秘めている―と結論づけている。

 万波医師らが五月に予定していた米国移植外科学会での発表は、日本移植学会が米国側に異例の取り消しを要請したことから中止。今月十一日、ドイツであった国際シンポジウムでの発表に続く論文掲載で、ドナー不足に悩む各国からも病気腎移植が注目されそうだ。

 光畑医師は「今回報告した四人のドナーも全員生存している。事実を後世に残すことが責務と考え、論文にまとめた。国際的な評価につながる場に取り上げられてうれしい」と話している。(編集委員・山内雅弥)」




2.藤田士郎助教授によると、日本移植学会は「トランスプランテーションという雑誌に掲載が決まった光畑先生の論文を掲載しないようにと働きかけている」ようだったそうです(「地獄への道は善意で舗装されている」さんの「陰謀専門委員会」(2007/3/15(木) 午後 8:36))。しかし、日本移植学会の妨害工作は実ることなく、残念ながら(苦笑)、掲載されるに至りました。実に喜ばしいことです。

「今月十一日、ドイツであった国際シンポジウムでの発表に続く論文掲載で、ドナー不足に悩む各国からも病気腎移植が注目されそうだ。」



ドイツでの国際シンポジウムでの発表、世界的に権威のある米国の移植専門誌「トランスプランテーション」での論文掲載がなされたのですから、日本と異なり、世界的には積極的に発表の機会を与えているといえます。

藤田士郎助教授によると、ドイツでの国際シンポジウムについては、「演題応募締め切りが1月下旬で2ヶ月もすぎていたにも関わらず、直接Dr. Broelschにメールを送ったところ、心よく、発表を認めていただ」いたそうです(「地獄への道は善意で舗装されている」さんの「病気腎移植、ドイツの国際学会にて発表される。藤田士郎医師の日記から転載」(2007/6/13(水) 午前 6:06)「万波誠医師を支援します」さんの「ドイツ・万波医師ら論文、有効性主張 産経新聞」(2007/06/13 21:24))。このようなやり取りを読むと、世界の移植医療に携わる者にとっては、応募締め切りをすぎていても発表を認めるほど、病腎移植は非常に関心があり注目していると判断できます。

ちなみに、 ドイツでの国際シンポジウムの評価については、藤田士郎助教授によると、「死体腎臓の少ないアジア諸国からは、賛成や強い興味を示され」、他方で、西洋諸国からは、「もっとやってみて、可能性を探ってみたいと言ったところ」だったようです。特に、「この学会の主催者のDr. Broelschから、素晴らしい発表だったと個人的にコメント」があり、「有名な移植外科医のDr. ST Fan, Dr. Sung Gyu Lee, Dr. Heffron、Dr. Nansy Asher らからも、肯定的なコメントを個人的にいただきました」とのことです。

このように、世界的なドナー不足の中、有名な移植外科医が高評価している以上、これらの医師はもちろん、他にも自ら病腎移植を実践する医師が出てくることが予想され、世界の移植医療ではもっと病腎移植を推進する方向にあることは間違いなさそうです。

米国の移植医療では、(死体移植では)広範囲に病気臓器移植を認め推進していますし、米国移植外科学会元会長のリチャード・ハワード教授は、「臓器提供者(ドナー)と移植希望者(レシピエント)がリスクと利益を完全に理解しているならば容認できると思う」と肯定の立場を表明しています(「「病気腎移植禁止」に米国学会元会長らが反論~世界の流れに逆行している!!!」(2007/04/21(土) 06:48:37))。また、うえで引用したように、ドイツでの国際シンポジウムでは好意的な評価だったわけです。

このようなことからすると、「トランスプランテーション」に掲載された光畑医師の論文も、かなり関心を呼ぶものであり、好意的な評価を受けることになりそうです。



3.このように世界的には病腎移植を積極的に評価する方向にあるのに、日本移植学会は、いわゆる「病腎移植」(治療目的で摘出した腎臓を移植)を事実上全面禁止して、世界的な流れに逆行する動きをしています。臓器移植法の運用指針の改定案では臨床試験としてはできるかのような文言ですが、現実には全面禁止の予定です。

がんの場合は別として、世界的には「死体移植での病気腎移植」は臨床試験の段階でなく通常の移植医療として実施され、日本でも「生体移植での病気腎移植」は臨床試験でなく、通常の生体移植と同じに扱われて、かなりの数がほとんど問題視されることなく(例えば倫理委員会に諮ることなしで)実施されてきました。

腎臓の場合ではありませんが、FAP患者からの肝臓摘出やドミノ肝移植は、病腎移植と比較して「病気の臓器を移植するという意味では大きな違いはない」」(読売新聞「医療ルネサンス:「病気肝ドミノ」次善の策(2007年5月30日))のに国際的に認知されているのにもかかわらず、病腎移植だけは否定するのはおかしいという批判は常になされています。

このように考えると、病気腎も様々であることも相俟って、いわゆる「病腎移植」をすべて臨床試験の段階にとどめることも妙なことであり、少なくとも全面禁止することは、世界的な流れに逆行するものであっておかしなことだと思うのです。(もっとも、現実には臨床試験での実施さえ可能か怪しいところですが)

テーマ:時事ニュース - ジャンル:ニュース

コメント
この記事へのコメント
こんばんわ!
コメント頂きありがとうございました!
自分のブログで自分のコメントが認証されないという馬鹿げたことをライブドアにされています。
それか、NTT西日本が悪いか!?

アナタの文章の骨格のシッカリとしたのが、なんとも羨ましいです。
本当にいいなぁ!と思うよ!

これからも書き続けて下さい!

では、また!
2007/06/15 Fri 23:36:09
URL | とらちゃん #-[ 編集 ]
春霞様
>呉共済病院で一九九七―二〇〇一年に実施した腎がんと下部尿管がんの腎移植四例について、がんの再発もなく、移植を受けた全員が元気に生存していることを報告。

この事実が論文に掲載されたこと、そして今回ドイツでのシンポで取り上げられたことから、今後世界中の移植医等から関心がもっと深まり、評価が高まることを祈っています。

それにしても、光畑先生の4例の移植を受けた全員の方が元気に生存していることから「がんは禁忌中の禁忌」としての考えは以前ならやむを得ませんが、副理事長はそろそろ思考回路を広げないと同業者からも不信感を覚えられるのが免れないのではないでしょうか。広島県の医師ははっきりと学会の体質を指摘されていますね。
2007/06/16 Sat 02:02:16
URL | hiroyuki #-[ 編集 ]
助けたいという思いが
春霞様

嬉しいお知らせ、ありがとうございます。

光畑医師の論文が「トランスプランテーション」に掲載された由、おめでとうございます。

患者を助けたいという光畑先生の思いが、世界各国の移植医と腎不全患者さんへ届きますように。

2007/06/16 Sat 12:03:07
URL | 梅雨空 #-[ 編集 ]
>とらちゃんさん
コメントありがとうございます。


>自分のブログで自分のコメントが認証されないという馬鹿げたことをライブドアにされています。
>それか、NTT西日本が悪いか!?

自分のコメントが認証されないのは、確かに馬鹿げてます。ライブドアの方に原因があるのか、NTT西日本が悪いか、はっきりしないのは困りますね。


>アナタの文章の骨格のシッカリとしたのが、なんとも羨ましいです。

ありがとうございます。


>これからも書き続けて下さい!

とらちゃんさんのブログも楽しみにしていますので、ぜひ続けて下さい。
2007/06/16 Sat 23:42:13
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
> hiroyukiさん
コメントありがとうございます。


>今後世界中の移植医等から関心がもっと深まり、評価が高まることを祈っています

まったく同感です。


>光畑先生の4例の移植を受けた全員の方が元気に生存している
>副理事長はそろそろ思考回路を広げないと同業者からも不信感を覚えられるのが免れないのではないでしょうか。広島県の医師ははっきりと学会の体質を指摘されていますね。

そうですね。どんどん不信感や疑問視する声が増えていくのではないかと思います。
「元気に生存している」という結果もあり、その結果を好意的に評価するのが国際的な医療事情なのですから。
2007/06/18 Mon 00:16:27
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
>梅雨空さん
コメントありがとうございます。


>嬉しいお知らせ、ありがとうございます

日本移植学会が妨害工作をするのではという疑念があり、どうなったのだろうと心配していたので、掲載されたという報道を目にして、はっきりとエントリーにしました。
妨害工作をするなんて日本の恥ですから(苦笑)、止めてほしいものです。


>光畑医師の論文が「トランスプランテーション」に掲載された由、おめでとうございます。
>患者を助けたいという光畑先生の思いが、世界各国の移植医と腎不全患者さんへ届きますように

掲載の知らせ、よかったと思います。世界の移植医や腎不全患者に情報がいきわたってほしいです。
有名な専門誌「トランスプランテーション」への掲載ですから、日本の腎移植動向について、さすがに今後は世界の移植医から関心が寄せられるかと思います。
2007/06/18 Mon 00:18:33
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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