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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2007/05/30 [Wed] 22:39:43 » E d i t
5月29日午前5時15分ごろ、緑資源機構の前身にあたる旧森林開発公団元業務担当理事の山崎進一さん(76)が、飛び降り自殺しました。神奈川県警によると、元理事は午前4時半ごろに起床し、妻と一緒に新聞を読み、妻が「今日は松岡前農水相の自殺のニュースばかりだね」と声をかけると、元理事はうなずいていたという。その後、同じマンションの5階にある自宅を出たようです。元理事は旧公団の林道事業などで官製談合の枠組みを最初に作ったとされています(朝日新聞5月29日付)。

松岡氏の地元熊本県では今月中旬、有力支援者が自殺していましたし、連日の自殺報道になっていますが、今日も触れたいと思います。
 

1.報道記事と社説など幾つか。

(1) 朝日新聞平成19年5月30日付「社説」

緑資源の闇―疑惑は深まるばかりだ

 また自殺者が出た。官製談合事件が明るみに出た独立行政法人「緑資源機構」の前身、旧森林開発公団の元理事で、談合の指南役ともみられていた人物だ。

 前日、松岡利勝農林水産相が自殺したばかりである。いずれも、事件が自殺の直接の動機になったのかどうかはまだはっきりしない。ただ、東京地検特捜部は元理事の自宅を捜索し、参考人として事情を聴いていた。

 事件との関連は分からないが、松岡氏の地元熊本県では今月中旬、有力支援者が自殺している。相次ぐ自殺は何を物語るのだろうか。

 今回の談合事件の構図は、農水省や外局の林野庁の天下り先である緑資源機構が、同じく天下り先の公益法人や民間コンサルタント業者に仕事を割り振っていたというものだ。

 東京地検特捜部が先週、独占禁止法違反の疑いで、緑資源機構の現職理事ら6人を逮捕した。

 疑惑は、逮捕容疑となった林道整備事業の調査業務だけにとどまらない。松岡氏の地元の熊本県小国町などで、機構が手がけた農用地や森林の整備事業でも、同様の談合があった疑いがもたれている。しかも、こちらの事業費は約270億円と巨額にのぼる。

 自殺は痛ましい出来事である。だが、それによって、始まったばかりの捜査が頓挫することがあってはならない。検察は粛々と、農林土木事業にまつわる腐敗を解明すべきだ。

 松岡氏の自殺後、安倍首相は記者団にこう語った。「緑資源機構に関しては捜査当局から『松岡大臣や関係者の取り調べを行っていたという事実もないし、これから取り調べを行う予定もない』との発言があったと聞いている」

 しかし、農林族議員であった松岡氏は、今回の事件で摘発された業者側から多額の政治献金を受けていた。首相は「故人の名誉のため」と強調したが、捜査に予断を与えかねない軽率な発言だ。立場をわきまえるべきだろう。

 受注業者を割り振る仕組みは旧公団時代から連綿と続いていた。その枠組みを作ったとされるのが、自殺した元理事だ。逮捕された現職理事らに談合のやり方を教えていたとみられている。元理事は、松岡氏ら農林族議員に献金してきた業界団体の幹部でもあった。

 談合を通じて受注先から政治家に献金が流れる仕組みはなかったか。あったとすれば、税金の政治家への還流である。元理事はそうした事情を知る立場にあったのかもしれない。巨額の農林土木事業などで談合はなかったのか。闇は深まるばかりだ。

 これまでも汚職事件などで、取り調べを受けた関係者が自殺することがあった。76歳の元理事は連続4日目の聴取を前に命を絶った。無理な捜査はなかったか。検察は自殺と捜査との関連も調べて明らかにするべきだ。」



(2) 朝日新聞平成19年5月30日付「天声人語」

 「工事のクレーン、高速道路、チラシ配り、カラス。朝の冷気の中で都会の音が次々と目を覚まし、何事もなかったように「翌日」が始まった。東京・赤坂の路地に立ち、戦後初めて、現職大臣が自殺した議員宿舎の部屋を見上げる。重い不在である。

 松岡利勝さんは、何も語らぬまま逝った。便箋(びんせん)1枚に記した国民と後援会あての遺書は「私自身の不明不徳」「ご迷惑」「お騒がせ」といったおわびで、一連の疑惑には触れていないという。言葉が命の政治家として、厳しいようだが最もふさわしくない身の処し方ではないか。

 ナントカ還元水も、緑資源機構の談合事件も、政治の本質に触れる話だ。松岡さんは捜査対象ではなかったと安倍首相は語るが、参院選を前に幕引きを急げば、彼の死はあらゆる意味で無駄になる。

 死をもっての清算を了とするような政治や社会は退化する。故人の断に粛然としながらも、62歳の男性を悼むことと、閣僚の見識を問うことはきっちりと分けたい。疑惑に正面から反論できないのなら、真実を語って辞めるか、辞めて真実を語るか。責任を果たす道はこれしかなかった。

 松岡さんの後を追うように、今回の談合事件で家宅捜索を受けた元公団役員が身を投げた。闇の中で永遠に黙してしまうのは、社会正義に背を向けるも同じだ。

 赤坂一帯は、江戸時代の武家屋敷により発展した。南町奉行、大岡越前守忠相(えちぜんのかみただすけ)の邸宅もあった。大岡裁きなら「死んで花実が咲くものか」と諭すところではないか。「生きて、語れ」と背中を押して。」



(3) 東京新聞平成19年5月30日付朝刊1面

 「無念、伝わる 松岡氏遺書で首相
2007年5月30日 朝刊

 安倍晋三首相は二十九日夜、首相官邸で記者団に対し、自殺した松岡利勝前農相が首相にあてた遺書の内容を明らかにした。 

 首相は「(文章は)大変短かった。『ありがとうございます』の言葉と、日本の農政について、この道を行けば必ず発展をしていくという趣旨のことが書かれていた。松岡氏の大変無念な気持ちが伝わってきた」と説明した。事務所費問題への言及については「なかった」と述べた。

後援会あてなど 遺書と文面判明
 松岡利勝前農相が残した遺書八通のうち、農林水産省のA4判の便せんに記された「国民の皆様 後援会の皆様」あての遺書と、発見者のために記されたとみられる文面の内容が関係者の話で分かった。内容は以下の通り。

国民の皆様 後援会の皆様

私自身の不明、不徳の為、お騒がせ致しましたこと、ご迷惑をおかけ致しましたこと、衷心からお詫び申し上げます。

自分の身命を持って責任とお詫びに代えさせていただきます。

なにとぞお許し下さいませ。

残された者達には、皆様方のお情けを賜りますようお願い申し上げます。

安倍総理 日本国万歳

平成19年5月28日      松岡利勝

家族への手紙は、女房が分かるところにありますので、ぜひ探さないで下さい。

女房が来るまでは、どこにも触れないで下さい。」




2.松岡氏の遺書を見ると、「自分の身命を持って責任とお詫びに代えさせて」とし、「残された者達には、皆様方のお情けを賜りますようお願い申し上げます」としていることからすると、触れられたくない点まで探られることを、自分が死んで口を閉ざすことによって、防いだものといえます。 具体的に特定しているわけではないので、はっきりしませせんが、事件の広がりと重大さを考えると、おそらくは、緑資源機構の談合事件を特に念頭においたものと思われ、その点について「皆様方のお情け」、すなわち捜査を終結させてほしいと願って書いたものと推測できそうです。

独立行政法人「緑資源機構」の前身、旧森林開発公団の元理事で、談合の指南役ともみられていた人物が、松岡氏の自殺に続いて自殺したのも、松岡氏が「触れられたくない点まで探られることを、自分が死んで口を閉ざす」道を選んだと感じて、自殺したのでしょう。

「「安倍総理 日本国万歳」。こういう言葉を堂々と遺書に記せる思考回路について考え込む。心中を察するに余りあるが、四面楚歌(そか)の連隊長が玉砕する場面を連想してしまう。」(毎日新聞平成19年5月30日付朝刊1面「近事片々」


確かに、「玉砕する場面を連想してしまう」面があり、悲壮感が漂う言葉と受け取れます。ただ、気になるのは、国民に向けての遺書であって、安倍首相あての遺書もあるのに、なぜ「安倍総理 日本国万歳」と記したのでしょうか? 国民に向けての遺書を装っても、結局はあくまでも安倍首相向けであり、逝く際にも忠節を尽くすのかと、哀れを感じます。

しかし、安倍首相はそこまで忠節を尽くすほどの人物でしょうか? 年金問題で支持率が激減したら、慌てて「年金時効撤廃特例法案」を強行採決を指示し、党首討論では、できもしないのに1年で5000万件を調査すると明言し、国民は年金に強制的に加入させられ、保険料を払わなければ、差し押さえを受けるのに、肝心の「消えた年金」について立証責任が誰にあるのかはっきりしないのです。

松岡氏は、鈴木議員だけでなく、地元の支持者にも「答弁を止められている」と述べているように(テレビ報道より)、自民党は口止めを行い、追い詰めたのです。

「死をもっての清算を了とするような政治や社会は退化する。故人の断に粛然としながらも、62歳の男性を悼むことと、閣僚の見識を問うことはきっちりと分けたい。疑惑に正面から反論できないのなら、真実を語って辞めるか、辞めて真実を語るか。責任を果たす道はこれしかなかった。

 松岡さんの後を追うように、今回の談合事件で家宅捜索を受けた元公団役員が身を投げた。闇の中で永遠に黙してしまうのは、社会正義に背を向けるも同じだ。

 赤坂一帯は、江戸時代の武家屋敷により発展した。南町奉行、大岡越前守忠相(えちぜんのかみただすけ)の邸宅もあった。大岡裁きなら「死んで花実が咲くものか」と諭すところではないか。「生きて、語れ」と背中を押して。」



「死をもっての清算を了とするような政治や社会」、「上役など他の人まで追及されることや、触れられたくない点まで探られることを、自分が死んで口を閉ざすことによって、防ごうとする社会」、「自殺に追い込んだ自民党・安倍首相に対して最後まで忠誠を尽くす態度をよしとする社会」……から、脱却すべきではないかと思うのです。

「死んで花実が咲くものか」


この言葉をもう1度強調しておきたいと思います。

テーマ:社会ニュース - ジャンル:ニュース

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コメント
この記事へのコメント
美しい・・・?
安倍首相のいう「美しい国」は、「美しく死に」ではあるまい?
「生きて語る」ことほど、つらく強いものはない。
死んだら永遠に花は咲かない実もない・・・美しいなんて、言えない。
2007/06/01 Fri 00:30:46
URL | 梅雨空 #-[ 編集 ]
>梅雨空さん
はじめまして、コメントありがとうございます。


>「生きて語る」ことほど、つらく強いものはない。
>死んだら永遠に花は咲かない実もない・・・美しいなんて、言えない。

ご家族にとっては、逮捕されようがともかく生きてほしかったはずです。自殺によってご家族は精神的ショックを受けて、ずっと気に悩む日々を送っていたりします。ご家族のためにも、ぜひ生きるべきです。

安倍首相は、記者会見において「残念です」とか「慙愧に堪えない」と語っていますが、「ぜひ生きて語ってほしかった」とは語りませんでした。もっとも、安倍首相は適切な言葉を語ることが苦手なようですが。

安倍首相としては、桜のようにパッと(命を)散ってみせたのも「美しい」国の表れかもしれませんね……(苦笑)
2007/06/03 Sun 00:38:29
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
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