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2007/04/20 [Fri] 08:07:16 » E d i t
国際腎不全シンポジウムに参加してきました。大阪会場は1000人ほど集まったそうですが、東京会場の方も満員の状態でした。内容的に意義あるものでした。演目については、時間の関係上、「患者の治療の選択権」(ビデオ講演)(演者:林秀信・弁護士)がカットになったのは残念でした。
米移植外科学会元会長と万波医師が都内で記者会見を行ったという報道、国際腎不全シンポジウムの報道について紹介したいと思います。


1.米移植外科学会元会長が都内で記者会見したという報道について。

(1) 産経新聞平成19年4月19日付朝刊29面

 「病腎移植 「検討対象にできる」  来日中 米移植外科学会元会長

 病気治療のために摘出する腎臓を第三者に移植する「病腎移植」について、来日中の米移植外科学会元会長のリチャード・ハワード・フロリダ大教授は18日、都内で記者会見し「検討対象にできるのではないか」と述べ、強い関心と将来への可能性を示した。

 日本移植学会など4学会は3月31日、「現時点で妥当性はない」と病腎移植に否定的な統一見解を出している。その一方で、病腎移植を望む患者の声は根強い。

 ハワード教授は死体から摘出し移植する臓器について「完璧(かんぺき)なものからどの程度の逸脱が許されるかという問題がある。米国でも正常な機能の臓器ばかりを移植しているわけではない。脳腫瘍(しゅよう)や皮膚がんの患者の臓器は使うし、がんの既往歴のある患者の臓器も使っている」と述べた。

 生体移植の場合でも「がんが小さく完全に切除でき、摘出される患者と移植される患者の双方に十分な情報が提供され、適切な手続きを踏むなら、移植に妥当性がないとは言い切れないのではないか」と述べ、病腎移植が検討対象となり得るとの考えを示した。

 ハワード教授は、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師らを支援する患者らでつくる「移植への理解を求める会」が主催した「腎不全シンポジウム」で講演するため来日した。」




(2) 日テレNEWS24(<4/18 21:37>)

 「病気腎移植、検討対象に~米移植学会元会長<4/18 21:37>

 愛媛・宇和島徳洲会病院の万波誠医師による病気腎移植問題で、全米移植学会の元会長と万波医師が18日、東京都で共同会見を開き、「病気腎移植は今後、移植の新たな道として、検討対象にしてもよいのではないか」との考えを示した。

 18日の会見で、全米移植学会のリチャード・ハワード元会長は、「アメリカでは患者にどのような結果をもたらしているかが重要で、万波医師の病気腎移植は比較的良好な結果をもたらしている」と述べた。その上で、ハワード元会長は病気腎移植を今後、移植の新たな道として、検討対象にしてもよいのではないかのとの考えを示した。

 また、万波医師は病気腎移植について、今でも全く問題なかったと確信しているとした上で、「移植患者の立場に立ち、ドナーを増やすことを積極的に進めていくべき」と述べた。」


この報道のうち、重要なのは

「ハワード教授は死体から摘出し移植する臓器について「完璧(かんぺき)なものからどの程度の逸脱が許されるかという問題がある。米国でも正常な機能の臓器ばかりを移植しているわけではない。脳腫瘍(しゅよう)や皮膚がんの患者の臓器は使うし、がんの既往歴のある患者の臓器も使っている」と述べた。」

という点です。
腎不全シンポジウムでも述べていましたが、米国では、理想的な腎臓、すなわち標準的なドナー(SCD)は少ないので、標準逸脱ドナー(ECD)、心停止後ドナー(DCD)も移植用の臓器として使用しているそうです。これは、米国政府自体が、できる限り移植に使える臓器を増やす努力を求めていることに呼応したしたものであり、移植に適する臓器の廃棄率を低下させる努力を行っているそうです。

臓器不足解消のため、移植可能な腎臓の限界まで探っている米国の実情からすると、米移植外科学会元会長のリチャード・ハワード・フロリダ大教授としては、病腎移植を(現時点で)一切否定しようとする日本の移植医療は、余りにも奇異な感じを受けるはずです。

日本移植学会は、病腎移植を(現時点で)一切否定しようとしていることからすると、移植医療の先端を走っている米国の事情を全く知らないのでしょう。米国政府上げての取り組みを知らないのですから。
こうなると、日本移植学会所属の腎移植専門医は、米国で移植医療を学ばないのでしょうか? 日本移植学会所属の腎移植専門医の医療知識・技量について、怖いほど不安を感じます。



(3) 記者会見については他の報道機関にも記事があります。報道しないよりはずっと良いのですが、万波医師が記者会見をしたという報道ですので、ピントがずれています。

 「病気腎移植、万波医師が学会声明を批判

 宇和島徳洲会病院の万波誠医師が18日、都内で記者会見し、病気腎移植を不適切だとする関係学会の声明について批判しました。

 「(移植は)全然問題なかったと確信している」(宇和島徳洲会病院 万波 誠 医師)

 万波誠医師らによる病気腎移植問題をめぐっては、先月末に日本移植学会など関係学会が「医学的な妥当性はない」として、移植を「不適切」だとする声明を出しています。

 これに対し、18日、都内で会見を行った万波医師は「学会に説明したが十分に聞いてもらえなかった。症例を慎重に検討してもらえれば分かるはずだ」と批判しました。

 また、万波医師は「日本は20年ほど待ってもドナーが現れないのが現状。もっと患者の立場に立つべき」と述べ、改めて病気腎移植の有効性を訴えました。(18日20:51)」(TBSニュース(04年18日20:51)



 「病気腎移植、もっと検討を 万波医師が学会批判
2007年4月18日 18時58分

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)らが18日、都内で記者会見し、病気腎移植を否定する関係学会の声明について「話を十分に聞いてもらえなかった。症例をもっと慎重に検討してもらえれば分かる」と批判した。

 この問題では日本移植学会など関係学会が3月末、摘出と移植、同意手続きなどについて検討した結果「現時点では医学的な妥当性がない」との声明を発表したが、万波医師は「いろいろな人の話を聞き、あらためて病気腎移植は悪くないと思った」と、有効性を訴え続ける考えを示した。

 自らも万波医師の移植手術を受けた「移植への理解を求める会」の野村正良代表幹事は「使える腎臓が年間2000個は捨てられている。使えるかどうか、医学的検討はしてほしい」と訴えた。

(共同)」(東京新聞(2007年4月18日 18時58分)


万波医師が、病腎移植の有効性を訴えたこともニュースとして価値あることですが、せめて米移植外科学会元会長のリチャード・ハワード・フロリダ大教授ともに記者会見をしたという報道を行うべきでした。もちろん、万波医師が背広を着て記者会見をしたということも貴重ですが。




2.国際腎不全シンポジウムの報道について。

(1) 愛媛新聞(2007年04月18日(水)付「特集宇和島 腎移植」

 「病気腎有効性訴え 移植へ理解求めシンポ 大阪

 病気腎移植を実施していた宇和島徳洲会病院の万波誠医師(66)らを支援する「移植への理解を求める会」(向田陽二会長)は十七日、大阪市のホテルで「国際腎不全シンポジウム」を開催。七人の研究者らが講演、腎移植への理解を求めた。

 日本移植学会など腎臓病関連四学会が三月末、病気腎移植を「現時点では認められない」などとする批判的な声明を発表する中で、同移植を「第三の道」とすることを主張する同会が、徳洲会グループと共催。約千人が参加した。

 講演で米移植外科学会の元会長でフロリダ大のリチャード・ハワード教授は「米国でもドナー不足は深刻で二〇〇三年に政府が対応策を作った。提供者の範囲をより高年齢や感染症などに広げようというものだ」と説明。同教授はパネルディスカッションでも「米国の学会は万波医師の発表をキャンセルするのではなく、発表の場で議論すべきだった」と述べた。

 全米臓器配分ネットワーク(UNOS)のティモシー・プルート会長は「捨てている臓器を有効利用すべきだ。糸球体硬化した腎臓は以前、移植されなかったが、症状の進み具合で使えるものもある」などと病気腎移植の可能性を指摘した。

 会場最前列で講演を聞いた万波医師は「こうした取り組みを重ね、みんなに理解してもらえたらいい」と感想を述べた。同会は十八日、東京でも同様のシンポを開く。」



(2) 中国新聞('07/4/18)

病気腎移植の有効性訴える 大阪でシンポ '07/4/18

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 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師らの病気腎移植への理解を求めるシンポジウムが十七日、患者ら約千人が参加して大阪市内のホテルであった。日米の参加者からは「世界的な提供者(ドナー)不足の中で、病気腎移植の道も探るべきだ」との発言が相次いだ。

 全米臓器配分ネットワーク(UNOS)のティモシー・プルート会長らは、「米国でもドナー不足が深刻化し、高齢者や高血圧の人もドナーの適用に広げるなど、政府の方針で使用できる臓器を増やす努力をしている」と報告した。

 VTRで出演した米ピッツバーグ大のエマヌエラ・タイオーリ教授は、イタリアでの疫学調査を基に「ドナーのがんが、移植を受けた人に転移する例は極めてまれだった」と発表した。

 腎がんなどで摘出される腎臓の数について、日本病理学会理事の堤寛・藤田保健衛生大教授は国内で摘出される腎臓のうち移植に利用できる数は年間千―二千個と推計。病気腎移植により、移植の待機時間減少につながると期待した。

 病気腎移植を受けた岡山市の林秀信弁護士は「この機会に、患者は移植を受ける権利を声高に主張すべきだ」と訴えた。

 万波医師らの患者らでつくる「移植への理解を求める会」が主催。会場には、万波医師や呉共済病院(呉市)の光畑直喜医師も姿を見せた。

 病気腎移植をめぐっては、日本移植学会など四学会が三月末、「現時点で医学的妥当性はない」として、万波医師らの手法を全面否定する共同声明を発表している。(山内雅弥)」



記者会見と重複するのですが、

 「米移植外科学会の元会長でフロリダ大のリチャード・ハワード教授は「米国でもドナー不足は深刻で二〇〇三年に政府が対応策を作った。提供者の範囲をより高年齢や感染症などに広げようというものだ」と説明。」(愛媛新聞)

 「全米臓器配分ネットワーク(UNOS)のティモシー・プルート会長らは、「米国でもドナー不足が深刻化し、高齢者や高血圧の人もドナーの適用に広げるなど、政府の方針で使用できる臓器を増やす努力をしている」と報告した。」(中国新聞)

という点が重要です。
要するに、臓器不足をできる限り解消するために、米国政府の方針・施策として、病腎移植を推進しているのです。米国の移植医も積極的に使用できる臓器の範囲を広げつつあったのですが、米国政府は、ますます臓器不足になっている現状をしっかり把握して、現実的な対応を図るように求めたわけです。

こういう米国の実情を考えると、日本の対応はどうすべきか、となるわけですが、東京新聞4月20日付の新聞報道によると、厚労省は、現時点では病気腎移植を認めないことを、臓器移植法の運用指針に新たに盛り込む方針を固めたそうですから、米国の実情・現実感は全く無視するようです。


もしかしたら難波先生は、大阪会場の講演の中では言わなかったのかもしれませんが、東京会場では

「過去、幾つか病腎移植がなされていた。しかし、ちゃんと機能したのは宇和島の例だけ。」

と述べていました。
ということは、病腎移植は、腎摘出、腎移植ともに技量の優れた「瀬戸内グループ」の医師らだからこそ、成功したということになります。それだからこそ、一般レベルの移植医・泌尿器科医では、治療と移植両方の目的に適した病気腎摘出は到底できないので、理解できないのでしょうし、病気腎の移植も到底うまくできないので、理解できないのでしょう。
日本移植学会がどうして頑強に拒絶反応を示すのか、やっと分かった気がしました。成功した経験がないのですから、理解できないのは当然です。

こうなると、難波先生がパネルディスカッションで次のように述べたことは、大変重みのある発言でした。

「医者を選ぶのも寿命の内」

「瀬戸内グループ」の医師たちから治療を受けた患者は幸運です。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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