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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2007/04/11 [Wed] 18:51:21 » E d i t
向井亜紀さんと夫の高田延彦さんが代理出産を依頼してアメリカで生まれた双子について、最高裁が出生届の受理を認めない決定を下したことを受けて、向井さん夫妻は4月11日、会見を開き、「がっかりした」などと心境を語りました。この報道についてコメントしたいと思います。(追記の可能性があります)


1.時事通信(4月11日17時32分配信)

「がっかり、怒り覚えた」=落胆隠せぬ向井さん夫妻-最高裁決定受け・代理出産
4月11日17時32分配信 時事通信

 代理出産で生まれた双子の男児との親子関係を認めなかった先月23日の最高裁決定を受け、タレント向井亜紀さん(42)が11日、夫の元プロレスラー高田延彦さん(44)とともに東京都港区のホテルで記者会見し、「決定文を何回も読んだ。がっかりしたし、怒りも覚えた」と落胆を隠せない様子で語った。高田さんを父として日本国籍を取得する出生届は提出せず、当面米国籍のまま育てるという。

 向井さんによると、出生届は同日が提出期限とされたが、母親の欄は代理出産した米国人女性としなければならない。女性との契約などで、母親と記載することはできないため、提出を断念した。

 最高裁決定では3裁判官が補足意見で「特別養子縁組」の可能性を指摘した。しかし、女性との契約問題などがあり、ハードルが高いことが分かったという。向井さんは「せっかくの指摘なのに、家裁で『大ざっぱなアドバイス』と言われた」と話した。

 向井さんは「時間と労力を掛けたスケールの大きな社会科見学だった。得るものはなかった」ときっぱり。高田さんは「(親子関係を認めた)高裁の決定は、死ぬまでお守りであり、宝物。(最高裁で破棄されても)幻ではない」と述べた。 

最終更新:4月11日17時32分」




2.この記者会見は、急遽開いたものでした。向井亜紀さんの2007年4月10日のブログによると、「昨日の入園式で、幼稚園にご迷惑をおかけしてしまったので、いきなりですが、明日、記者会見を開く」としているからです。

たしかに、入園式の場面がニュースで流れたのには驚きました。向井さんの双子のプライバシーにかかわるのですから、プライバシー保護を考えれば、撮影、放映していいものではないからです。


 「高田さんを父として日本国籍を取得する出生届は提出せず、当面米国籍のまま育てるという。

 向井さんによると、出生届は同日が提出期限とされたが、母親の欄は代理出産した米国人女性としなければならない。女性との契約などで、母親と記載することはできないため、提出を断念した。」


この出生届だと非嫡出子という扱いになります。ただ、代理母は婚姻中の懐胎によって出生したのですから、はたしてこういう出生届できるのかどうか疑問があります。法務局はこの方法を強要したようですが。

向井著「家族未満」311頁によると、「子供たちがシンディのお腹の中にいる時点で親子関係確定裁判を行っていたので、子供たちを認知したと見なされ、父親といえるようです」と書いていますが、まさに「いえるようです」というくらい不確かなものです。


 「最高裁決定では3裁判官が補足意見で「特別養子縁組」の可能性を指摘した。しかし、女性との契約問題などがあり、ハードルが高いことが分かったという。向井さんは「せっかくの指摘なのに、家裁で『大ざっぱなアドバイス』と言われた」と話した。


この箇所を読んで失笑してしまいました。家事審判を行っている家裁の裁判官からすれば、やはりというべきか、特別養子縁組は難しいと判断しています。

家裁の裁判官にいわせれば、「大ざっぱなアドバイス」、はっきり言えば、

最高裁の3裁判官は、民法、国際私法、国際民事訴訟法に無知なんだから、勝手に特別養子縁組ができそうなことを言うんじゃない! ふざけるのもいい加減にしろ!

ということです。
国際私法に長けた者であれば、特別養子縁組は難しいことは分かっていたはずです。ですから、最高裁判所調査官はもう少し、きちんと3裁判官にアドバイスすべきでした。

向井著「家族未満」を読むと、東京法務局からは養子縁組は不可能だといわれ(50頁)、法務省では養子縁組は可能だが、特別養子縁組はシンディが母親として不適格かどうか審査するので、成立するのか予想できない(51頁)と言われたと書かれています。当然ながら、向井さんたちは、分からないので質問をしていたら、法務省の役人に「訴訟を起こしたらどうですか」といわれてしまいました。

親子関係という明確にすべき問題について、国側の対応がはっきりしないのは、国側に問題があります。そのはっきりしない国側の対応にこう翻弄されてしまうのですから、親子関係はどうしたらよいのか訴訟を起こさざるを得ないでしょう。
親子関係は一義的になんていっておきながら、最高裁の3裁判官はいい加減なことを書くのですから、最悪です。

どうしてここまで、民法、国際私法、国際民事訴訟法が分からずに法を運用し、裁判ができるのでしょうか? まったく情けない限りというだけでなく、怒りさえ覚えます。 向井著「家族未満」を読むと、よく法律を勉強されたことが分かります。この問題をよく分かっていない報道機関、最高裁3裁判官は、向井さんを見習って、よく勉強すべきです。




<4月12日追記>

幾つかの報道記事を追記。

1.朝日新聞平成19年4月12日付朝刊38面(asahi.com:2007年04月11日19時17分)

 「代理出産の向井亜紀さん夫妻が会見 日本国籍取得を断念
2007年04月11日19時17分

 タレントの向井亜紀さん(42)が11日、米国人に代理出産してもらった双子の男児(3)との法律上の親子関係を認めなかった3月の最高裁決定の後、初めて記者会見をした。決定について「正直がっかり」と悔しさをにじませた。男児らの出生届を出すことを断念し、日本国籍は取得せずに米国籍のまま育てていくことを明らかにした。

 会見には、夫の元プロレスラー、高田延彦さん(45)も同席した。

 最高裁決定後、東京法務局から「2週間以内に男児の出生届を出さないと、今後日本国籍を与える機会はない」との連絡があり、11日が期限とされたという。

 しかし、向井さん側は出生届を出さなかった。法務局が、届け出の父親欄に高田さん、母親欄に代理出産した米国人女性を記入するよう指示してきたからだ。

 指示に従って「母親」とすれば、訴えられる可能性がある。代理出産契約で、米国人女性には男児の親としての権利義務を一切負わせないよう取り決めているためだ。

 また、最高裁決定の補足意見で、法的な親子関係を成立させるための選択肢として勧められた「特別養子縁組」をするには、子の「実の親」の同意が原則必要になり、やはり契約が壁となる。「高いハードルを感じている」と嘆いた。

 男児は米国人として外国人登録し、この春から幼稚園に通い始めている。このため、具体的には、特別養子縁組のうち外国人を養子とする「国際特別養子縁組」が考えられる。この場合、米国法上は実の親の向井さん夫妻が「同意者」になり、同時に申請者にもなるという不自然な形をとって申し立てることを余儀なくされる。

 「最高裁が特別養子縁組を認める余地はあると言った以上、申し立ては通るのではないか」とみる裁判官もいるが、家裁が認めるかどうかは、申し立ててみないとわからない。

 補足意見について、向井さんは「調べてみると、大雑把な提言だった」と落胆を隠さない。特別養子縁組の期限は、向井さんの場合、双子の男児が8歳になるまでだ。

 向井さんは「時間と労力をかけたのに得るものが少ない『社会科見学』だった」と裁判を振り返り、「代理出産に関する立法にあたっては、経験者の意思を聞いてほしい」と話した。」



 「最高裁決定の補足意見で、法的な親子関係を成立させるための選択肢として勧められた「特別養子縁組」をするには、子の「実の親」の同意が原則必要になり、やはり契約が壁となる。「高いハードルを感じている」と嘆いた。……

 「最高裁が特別養子縁組を認める余地はあると言った以上、申し立ては通るのではないか」とみる裁判官もいるが、家裁が認めるかどうかは、申し立ててみないとわからない。

 補足意見について、向井さんは「調べてみると、大雑把な提言だった」と落胆を隠さない。特別養子縁組の期限は、向井さんの場合、双子の男児が8歳になるまでだ。」


このテキトーなことを言っている裁判官は誰でしょう? 確かに、多くの問題を無視してテキトーに処理すれば、特別養子縁組は認められるでしょう。しかし、テキトーに処理してくれる保障はどこにもありません。法律どおりに真面目に取り組めば、特別養子縁組の成立は難しいのです。

契約上、代理母の同意や代理母の名前を母と扱うことは困難であることは、最高裁判事も当然分かっているべきでした。「契約は守れ」の原則があるのを、最高裁判事は理解していないのでしょうか? 「契約は守れ」の原則は、民法の大原則であると同時に、法治国家として当然の原則です。このような大原則を忘れていたのか、無視していいと思っていたのか分かりませんが、どちらにせよ、あまりにもお粗末な補足意見でした。


 

 「向井さんは「時間と労力をかけたのに得るものが少ない『社会科見学』だった」と裁判を振り返り、「代理出産に関する立法にあたっては、経験者の意思を聞いてほしい」と話した。」


養子縁組できるか不安だったので、実子として認められないかどうか訴訟を起こしたのに、実子として認められず、しかも訴える前と同じように養子縁組の成立が認められるか分からないのです。こんな馬鹿げた訴訟もそうないでしょう。こんな馬鹿げた訴訟になったのは、ひとえに民法・国際私法・国際民事訴訟法に無知な最高裁判事のおかげです。

まさに、「時間と労力をかけたのに得るものが少ない『社会科見学』だった」という、向井さんの実感どおりです。唯一良かったのは、南裁判長による東京高裁決定です。この東京高裁決定は、向井さんにとっても、国際私法学・国際民事訴訟法学上も、高く評価すべき判例です。



2.日経新聞平成19年4月12日付朝刊34面(NIKKEI NET(2007年04月11日(20:33))

代理出産での最高裁決定「怒り覚えた」・向井さん会見

 代理出産での親子関係を認めなかった最高裁決定を受け、タレントの向井亜紀さん(42)が11日、元プロレスラーの高田延彦さん(44)とともに東京都内のホテルで記者会見し「決定は正直がっかりしたし怒りも覚えた」と語り、「海外で合法的に(代理出産が)行われた場合、子どもをどう受け入れるか、できるだけ早く答えを出してほしい」と訴えた。

 代理母から生まれた双子の男児(3)の出生届を改めて出すことはせず、当面米国籍のまま日本で育てるという。

 向井さんによると、出生届の提出期限は同日。高田さんを父に日本国籍を取得することはできたが、米国人の代理母を母親欄に書かなければならないため断念した。代理母契約に違反する恐れがあったという。向井さんは「(代理出産にあたり)ルール違反はしないことをポリシーにしてきた」と理由を説明した。

 最高裁決定で、複数の裁判官が特別養子縁組の可能性を指摘していた。しかし、米ネバダ州の判決で、向井さん夫婦が米国内では双子の親であることが確定しているため、仕組み上は「私が申請して(アメリカの親である)私が承諾する形になってしまう」(向井さん)ため見送った。 (20:33) 」



 「高田さんを父に日本国籍を取得することはできたが、米国人の代理母を母親欄に書かなければならないため断念した。代理母契約に違反する恐れがあったという。向井さんは「(代理出産にあたり)ルール違反はしないことをポリシーにしてきた」と理由を説明した。」

当然ながら、「契約は守れ」という原則があります。民法の大原則であると同時に、法治国家として当然のことです。法務局は民法の大原則違反、契約違反を強要するのですから、日本は法治国家ではないようです。

最高裁は、実は養子縁組できないのにできると誤信して、実親子関係を否定したのですから、最高裁決定自体にも問題があります。重過失といえるほど法解釈を間違えたのですから、本来なら国家賠償もの裁判でしょう。



3.産経新聞平成19年4月12日付朝刊28面(Sankei.WEB(2007/04/11 18:16))

 「代理出産 向井さん「生殖補助医療のプラスになれば」

 タレントの向井亜紀さん(42)と元プロレスラーの高田延彦さん(45)夫妻は11日、東京都内で記者会見し、米国での代理出産でもうけた双子(3)の出生届の不受理処分が確定した3月の最高裁決定について、初めて公式の場で感想を語った。向井さんは最高裁決定までの道のりを「時間と労力とお金をかけたスケールの大きな社会科見学だった」と振り返った上で、「この経験が生殖補助医療の立法にプラスになれば」と、いつもの明るい笑顔で語った。

 最高裁決定について向井さんは「決定文を何回も読んだが、正直がっかりし怒りも覚えた。子宮の働きを持たない女性の救済の道はないのかと思った」と感想を語った。

 米国籍の双子は現在、「保護者同居人が日本人である」との在留資格で生活。最高裁決定後、東京法務局からは11日を期限に、父親を高田さん、母親を代理母の米国人女性とする出生届を提出すれば、日本国籍とするとの連絡があったという。

 これについて、向井さんは「(代理母とは)母としての権利も義務も放棄したとの契約を交わしており、その約束を破ることになる」などとして出生届の提出を見送ったほか、特別養子縁組制度も代理母を実の母親として手続きを進める必要があるため、当面は活用しない方針を表明した。

 向井さんは「親子とは認められなかったが、自称・家族として暮らせることは幸せ。この経験が生殖補助医療の立法にプラスになればと思う」と締めくくった。

 また、高田さんは出生届の受理を命じた東京高裁決定に触れ、「われわれが死ぬまでの宝物」とした上で、「(双子は)魂を込めて全力で育て、優しく礼儀正しい人間になるよう守っていきたい」と決意を新たにしていた。

(2007/04/11 18:16)」


記者会見全体の内容が要領よくまとまっていますし、法務局が要求してきた出生届や、特別養子縁組をしない理由が分かり易く書かれています。記事の最後に、お二人の決意がうかがえる言葉も載せています。いい記事だと思います。



<4月13日追記>

さらに報道記事を追記。

1.スポーツニッポン平成19年4月12日付22面

代理出産の向井夫婦“自称親子”宣言(紙面での表題は、「特別養子縁組NO!! 向井高田」

 代理出産でもうけた双子男児(3)の出生届不受理が最高裁で確定した格闘家の高田延彦(45)とタレントの向井亜紀(42)夫妻が11日、都内で会見した。向井は、法律上2人の子供となる特別養子縁組の手続きは当面とらないとした上で「“自称・親子”として立派に育てていきたい」と宣言。高田は「ぽっくり逝くかもしれないから」と遺言を書くことを明かした。

 最高裁の決定は3月23日。それから20日目にしての会見となったが、気持ちの整理をつけるのにも必要な時間だった。夫妻は無念さをにじませて席に着いた。

 高田は「親子関係を認めた高裁の判決が“宝物”であるとすれば、今回の決定は大人の私でも理解できない。月曜日(9日)に幼稚園に入園した子供が、物事を理解できるようになるのもそう遠くない。どう説明したらいいのか…」と感想から述べた。向井も「正直がっかりし、怒りも覚えた」と落胆の色を見せた。

 最高裁の決定を受け、夫妻は双子を、米国籍のまま、日本の在留資格を得ながら育てていくことを表明。3年ごとの更新が必要となり、その最初の期限が11日であったことも明かした。向井は「実の親子としては認められなかったが、アメリカ人の子供を持つ日本人として、法律が今後整備されていくのを待ちたい」と明言。高田は「(最高裁決定を)受け入れることはできないが、There is nothing I can do(手は尽くした)」と強調、双子の母国語である英語を交えて胸中を吐露した。

 出産した女性を母とする出生届を最高裁決定から2週間以内に提出して、国際特別養子縁組の申し立てをしてはという判事の勧めもあったというが、向井は「母の欄に(代理出産した)米国人女性の名前を書くことはできなかった」と説明。その理由として「(代理母との間に、代理母は)母である権利、義務を一切放棄するという契約を結んでいる」と明かした。

 高田は「あしたポックリ逝くかもしれない。法律上は父でないから、遺言書はちゃんと書いておく」と述べた。ただし、成長した子供たちが養子縁組を望むケースも想定されるため、向井は「6歳の在留資格更新時まで考えていきたい」と含みを持たせ「子供がアメリカで生活したいと言えば、移住も考える」と話した。

 同席した森真二弁護士は「懐胎出産に限られるという古い民法の枠内の決定、司法が機能しなかった」と総括した。」  [ 2007年04月12日付 紙面記事 ]




<夫妻に聞く>

――法的に戦いは一段落?
向井 「私たちは決めていただく立場。第1Rは終わったと思っている」

――第2Rもある?
向井 「特別養子縁組の勉強をちゃんとしていきたい」
高田 「法律に関してはど素人だが、その時代その時代の世論、常識がバックボーンとしてあれば、法律改正の風が起こっていくと思う。ことさらに運動していくことはないが、さらに魂を込めて全力で勉強していきたい」


――子供ができない女性もいる。欲しい人に代理出産は勧められる?
向井 「本当に子供が欲しい、抱っこしたいという気持ちがあれば。私はトライしてきたことに1つも後悔はない。米国では、代理出産はキリスト教的な奉仕の精神に基づいて行われているが、日本人には苦手な考え方」

――今後、どんな子育てをしていく?
向井 「おまえのかあちゃん誰?と友だちにから聞かれても、自信を持って高田亜紀と呼んでくれる子にしたい」
高田 「素直で優しく礼儀正しい子になるように育てていこうと決意した」



<経緯>

 ▼00年9月 妊娠16週の検査で子宮頸(けい)がんが見つかり、出産した場合「余命6ヶ月」と診断される
 ▼11月 子宮の全摘出手術
 ▼02年8月 代理出産のため渡米。受精卵を米女性に移植するが失敗
 ▼03年1月 2度目の失敗を告白
 ▼6月 3度目の代理出産挑戦と米女性の妊娠を発表
 ▼11月 双子の男の子が誕生
 ▼04年1月 夫妻を実の親とする出生届を品川区役所に提出
 ▼6月 法務省が「日本では産んだ女性が(民法上の)母親」として出生届の不受理を決定
 ▼05年11月 不受理決定取り消しの申し立てを東京家裁が却下
 ▼06年9月 高裁が「血縁関係は明らかで公の秩序に反しない」「子の福祉を優先」として東京家裁決定を取り消し、出生届受理を命じる決定
 ▼10月 区が高裁決定を不服として許可抗告
 ▼07年3月 最高裁が「実の親子関係は明確な基準で一律に判断すべき」として高裁決定を破棄



<メモ>

 ▽国際特別養子縁組 
 普通養子縁組では、実親との間で相続権や扶養義務が残るのに対して、特別養子縁組では、実親との法律上の関係がすべて絶たれる。国際間での特別養子縁組も可能。実親による養育が困難か不適当な場合、子供の利益を優先して家裁の審判で成立。原則として養親が25歳以上の夫婦で、6歳未満の子供が対象で。88年にスタート。




<出生届>

提出期限は出生から14日以内で、海外で出生した場合は3ヶ月以内。子の本籍地、出生地または届出人の所在地の役所、役場に届ける。不受理とされたときは家裁に不服申し立てが可能


スポーツニッポンの記事が一番充実しています。この記事を見ると、質疑応答の部分とそうでない部分が分かると思います。
 

「同席した森真二弁護士は「懐胎出産に限られるという古い民法の枠内の決定、司法が機能しなかった」と総括した。」

もう何度も書いていることですが、外国判決の承認の問題ですから、日本民法の枠内で決定すること自体、妥当ではありませんでした。実親という決定も否定し、養子縁組も困難では、法的な親を付与すべきという子の保護の要請はまったく実現できません。であるにもかかわらず、立法に委ねるとして、結局、解決を放棄したのですから、「司法が機能しなかった」といわれても仕方がないのでしょう。

「高田 「法律に関してはど素人だが、その時代その時代の世論、常識がバックボーンとしてあれば、法律改正の風が起こっていくと思う。ことさらに運動していくことはないが、さらに魂を込めて全力で勉強していきたい」」

高田さんらしい発言です。魂を込めて挑んで頂きたいと思います。



2.東京新聞平成19年4月12日付朝刊

 「

立法待たれる、にがっかり 代理出産敗訴 向井さん会見


2007年4月12日 朝刊

 代理出産で生まれた双子の男児(3つ)の出生届を不受理とされ、最高裁で敗訴が確定したタレントの向井亜紀さん(42)と元プロレスラー高田延彦さん(44)夫妻が十一日、東京都内で記者会見を開いた。向井さんは「代理出産について定めた法律がないから裁判を起こしたのに、『立法が待たれる』という結論でがっかりした」と心境を明かし、「生殖補助医療の立法には経験者の意見が必要。プラスになるなら、私の経験も話していく」と訴えた。

 最高裁は先月二十三日、「今の民法の解釈では、代理出産で生まれた子の母は、妊娠・出産した女性」として、向井さんとの母子関係を認めなかった。向井さんは「日本の法律の枠外という理由で、子の福祉が二の次になってしまうことにいらだちを覚えた。親子関係を認めた東京高裁判決を宝物にする」と述べた。

 双子は米国籍で、在留資格を取って日本で暮らしている。向井さんは「米国人の子どもを持つ日本人夫婦としてやっていく。親子とは認めてもらえなかったが、このまま一緒に暮らせれば幸せだ。容認には時間がかかると思う。私たちの動きから、世論がわき上がればいいと思う」と話した。」


法律問題は、法律がない又は法解釈上はっきりしないために問題となり、裁判になるわけです。裁判所は紛争を終局的に解決する機関ですから、殆どの場合、法律がないとしても解釈を行って解決することになります。しかし、今回の場合、一応の結論は出しましたが、最高裁は「立法が待たれる」という結論にしてしまいました。

特に、この事案は外国判決の承認(民事訴訟法118条)の問題であって、日本法と外国法とは一致しないことがあるのは当然の前提なのです。だから、日本法に代理出産の規定がないからといって、立法を待つ必要はないのです。であるにもかかわらず、役所側は「立法がない」からと拒絶したために(親子関係の処理が不明確となり)裁判となったのに、裁判所は「立法を待つ」と判断したのです。

これでは、何も判断していないに等しく、振り出しに戻っただけですから、向井さん高田さんが、がっかりするのも当然ですし、「親子関係を認めた東京高裁判決を宝物にする」と述べるのことも十分に理解できることです。

テーマ:法律全般 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/04/12 Thu 05:03:16
| #[ 編集 ]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/04/12 Thu 13:39:46
| #[ 編集 ]
>非公開コメント(2007/04/12(木) 05:03:16)の方へのお返事
情報ありがとうございます。
仕事の調整を付けて連絡します。


<追記>
……と思ったら、某ブログで情報を出してましたね(^^ゞ そちらに連絡した方がいいでしょうか……。迷います。いずれにしてもありがとうございます。
2007/04/12 Thu 22:59:10
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
>非公開コメントの方(2007/04/12(木) 13:39:46) へ
コメントありがとうございます。

紹介・引用なされたとのお知らせ、わざわざありがとうございます。どのように引用なされても自由ですので、ご遠慮なくお願いします。

ミクシー登録はしておりません。ミクシーでの議論は多少は気になりますが、登録していませんので分からない以上、仕方ありません。

このブログは、代理出産に関わる判例・法律問題について、昨年10月からたびたび触れていますので、かなり充実したものとなっていると思います。ぜひ参考にして頂ければと思います。
2007/04/12 Thu 23:11:39
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
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