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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2007/04/07 [Sat] 07:32:51 » E d i t
病腎移植問題について、日本移植学会など4学会は3月31日に、「現時点で妥当性なし」という統一見解を示しました。その記者会見後、中国新聞は、3回に渡って特集記事を掲載していましたので、その記事を紹介したいと思います。2回目以降の記事は、「≫この続きを読む」以降で引用しておきます。


1.中国新聞('07/4/2)

 「病気腎移植の波紋<上> 封印 '07/4/2

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 ▽公開の議論なく否定 摘出の実態と落差も

 宇和島徳洲会病院の万波誠医師(66)らの病気腎移植について、日本移植学会や日本泌尿器科学会など四学会は三月三十一日、全否定する声明を発表した。将来の可能性に含みを残したものの、病気腎移植は事実上禁止されることになった。移植医療に突きつけられた問題を検証する。(編集委員・山内雅弥)

 「現時点で、第三者からの病気腎移植はありえない。学会としての立場は明確だ」。年度末ぎりぎりのタイミングで、大阪市内で開かれた移植学会など関連学会の合同会議。終了後の記者会見で、移植学会の田中紘一理事長は言い切った。

 万波医師や呉共済病院の光畑直喜医師(58)らが、「第三の道」として実施してきた病気腎移植が断たれた瞬間だった。

 法改正にらむ

 関係者によると、合同会議では一部の出席者から「厳格なルールの下で病気腎移植の道を残してはどうか」との意見も出された。しかし、特に議論もなく、ほぼ原案通り了承されたという。今国会での臓器移植法改正案の成立を目指す中で、「早く結論を出したいという、移植学会や厚生労働省の意向があったのではないか」と、この関係者はみる。

 今回の病気腎移植には、倫理面で多くの問題があったことは確かだ。医学的な妥当性も全くないのだろうか。

 四学会見解は、尿管狭窄(きょうさく)や腎動脈瘤(りゅう)など良性疾患の場合、「腎臓を温存する治療を第一選択とするのが原則」とする。腎動脈瘤の腎移植は「破裂のリスクがあり、生着率が劣るとのデータがある」と指摘。

 腎がんや尿管がんの摘出については「カルテの廃棄などで妥当性の判断ができなかった」ものの、「腫瘍(しゅよう)細胞の持ち込みの可能性が否定できず、生存率が劣るとのデータがある」として移植への使用は論外との立場だ。

 しかし、夫婦間などの移植で腎動脈瘤などが見つかりながら、治療して移植に用いたケースは、これまでも少なくない。親族間の場合、病気腎であっても「移植学会の基準に基づいたものであれば認められる」(奥山明彦・泌尿器科学会理事長)としてきた。

 「研究の価値」

 一方で、治療のため多くの腎臓が摘出されている。病気腎移植の検証に当たった専門家からも「学会の見解には現実との落差がある」との疑問の声が聞かれる。年間約三十件の腎摘手術をする広島市民病院の三枝道尚・泌尿器科部長(47)は「思いもよらなかった方法だが、十分な説明に基づく同意を前提に、研究していく価値はあるのではないか」とみる。

 万波医師らが五月に予定していた米国学会での発表は、日本移植学会が「書面でのインフォームドコンセントがないなど問題点が多い」と米側に伝えたのを受けて取り消された。「記録も残っていない状況で、公開の場で討論する考えはない」と田中理事長。議論さえも閉ざされた形だ。

【写真説明】病気腎移植について学会声明を発表する日本移植学会の田中理事長(左から3人目)ら関連学会の代表(3月31日、大阪市内)」



今までの報道でも、日本移植学会が流す虚偽情報を訂正するような記事があり、産経新聞や東京新聞は比較的批判的な記事はありました。ただ、4学会の統一見解公表後、日本移植学会の立場にはっきりと批判的な目を向けた記事は初めてではないかと思います。

(1) 

 「「現時点で、第三者からの病気腎移植はありえない。学会としての立場は明確だ」。年度末ぎりぎりのタイミングで、大阪市内で開かれた移植学会など関連学会の合同会議。終了後の記者会見で、移植学会の田中紘一理事長は言い切った。

 万波医師や呉共済病院の光畑直喜医師(58)らが、「第三の道」として実施してきた病気腎移植が断たれた瞬間だった。

 法改正にらむ

 関係者によると、合同会議では一部の出席者から「厳格なルールの下で病気腎移植の道を残してはどうか」との意見も出された。しかし、特に議論もなく、ほぼ原案通り了承されたという。今国会での臓器移植法改正案の成立を目指す中で、「早く結論を出したいという、移植学会や厚生労働省の意向があったのではないか」と、この関係者はみる。」


まだ調査の十分な検討が終わっていないのに、なぜ、年度末ぎりぎりの段階で声明を出したのかというと、中国新聞は「今国会での臓器移植法改正案の成立を目指す」ためであると書いています。もちろん、法改正を念頭においている面もあるのでしょう。

しかし、合同会議では一部の出席者から「厳格なルールの下で病気腎移植の道を残してはどうか」との意見があったのですから、学会である以上、十分に議論を尽くした上で決定されるべきでした。にもかかわらず、「特に議論もなく」という大変奇妙な経過で統一見解が決定されたのです。

これは、田中理事長の任期が3月末までであったので、田中理事長が理事長の権限で、強引に結論を出したかったからに他なりません。日本移植学会の幹部は、今まで次々と虚偽情報を流してきましたから、ともかく任期中に結論を出さないと、病腎移植を肯定的に扱われる可能性が生じることを恐れたのではないかと推測しています。


(2) 

 「今回の病気腎移植には、倫理面で多くの問題があったことは確かだ。医学的な妥当性も全くないのだろうか。

 四学会見解は、尿管狭窄(きょうさく)や腎動脈瘤(りゅう)など良性疾患の場合、「腎臓を温存する治療を第一選択とするのが原則」とする。腎動脈瘤の腎移植は「破裂のリスクがあり、生着率が劣るとのデータがある」と指摘。……

 しかし、夫婦間などの移植で腎動脈瘤などが見つかりながら、治療して移植に用いたケースは、これまでも少なくない。親族間の場合、病気腎であっても「移植学会の基準に基づいたものであれば認められる」(奥山明彦・泌尿器科学会理事長)としてきた。」


生体腎移植では、腎動脈瘤があるという「病腎移植」も移植を行ってきたのです。「破裂のリスクがあり、生着率が劣るとのデータがある」と厳しく非難していても、実際上は、夫婦間の生体腎移植では、問題なく実施してきたのです。

このように今まで問題なく病腎移植を行ってきたという実績があったのに、それを隠して(あからさまに無視して?)、万波医師らの病腎移植を非難したのです。実に不合理極まる非難だったのです。


(3) 

 「四学会見解は、尿管狭窄(きょうさく)や腎動脈瘤(りゅう)など良性疾患の場合、「腎臓を温存する治療を第一選択とするのが原則」とする。……

 一方で、治療のため多くの腎臓が摘出されている。病気腎移植の検証に当たった専門家からも「学会の見解には現実との落差がある」との疑問の声が聞かれる。年間約三十件の腎摘手術をする広島市民病院の三枝道尚・泌尿器科部長(47)は「思いもよらなかった方法だが、十分な説明に基づく同意を前提に、研究していく価値はあるのではないか」とみる。」


日本移植学会は、温存する治療が原則と言うのですが、現実には多くの腎臓が摘出されているのです。「学会の見解には現実との落差がある」という専門家の判断があるように、日本移植学会の判断は現実無視の判断であって、まったく専門家らしくない、まるで素人のような見解を表明しているです。日本移植学会は、現実無視の、まるで素人のような見解を表明したのですから、病腎移植はおよそ理解不能なのだと思います。

移植に携わらずに腎摘手術をする医師の場合は、病腎移植は「思いもよらなかった方法」ということになります。病腎移植を思いついたのは、移植は勿論、泌尿器科の外科手術すべてを実施してきた万波誠医師だからなのでしょう。
思いもよらなかった方法であっても、広島市民病院の三枝道尚・泌尿器科部長は、深刻なドナー不足という現実を考えると、病腎移植を「研究していく価値はあるのではないか」と許容できるだけの現実感覚を持っています。しかし、日本移植学会は、そのような現実感もなく、許容できる現実感覚を持っていませんでした。


(4) 

 「万波医師らが五月に予定していた米国学会での発表は、日本移植学会が「書面でのインフォームドコンセントがないなど問題点が多い」と米側に伝えたのを受けて取り消された。「記録も残っていない状況で、公開の場で討論する考えはない」と田中理事長。議論さえも閉ざされた形だ。」


日本移植学会は、病腎移植の実施の可能性を封印し、議論さえも封印してしまいました。日本移植学会は、万波医師らの米国移植学会での発表さえも妨害するという恥知らずな行動にさえ出るのです。これで、生体腎移植では病腎移植を行ってきたことも封印し、さらには腎臓癌では全摘などが主流であったことなども封印し、何もかも封印してしまうのでしょう。

通常、学会というところは、学問の発展に寄与する論文を発表し、議論をする場なのですが、日本移植学会は、議論を封印するという驚くべきことを平然と行うのですから、学会ではなかったようです。




2.中国新聞('07/4/3)

 「病気腎移植の波紋<中> 揺れる思い '07/4/3

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 ▽登録で手術実現1.7% 長期の透析、大きな負担

 「いまさら、病気の腎臓をもろうてまでして移植を受けたいとは思わんですよ」。ずらりと並ぶ透析ベッドの一台に横たわりながら、呉市の男性(57)はつぶやいた。そして、こうも付け加えた。「十年前だったら、分からんが…」

 つらさ語る腕

 腎臓の代わりに、血液を装置に通して老廃物や余分な水分を取り除き、再び体内に戻す人工透析。全身の血液を送り出すため、皮下の静脈と動脈をつないで作った「シャント」に、針を刺す。男性の右腕にできたシャントの盛り上がりは、二十三年の透析生活を物語る証しだ。

 慢性腎不全の患者二百五十人が透析に通う、JR呉駅近くの博愛病院。週三回の透析は、一回四、五時間かかる。この中で腎移植を希望している患者は二十人余りいる。

 男性も十年前、臓器移植ネットワークを通じて、岡山の病院で死体腎移植を受けた。だが、手術した日の夜中、激しい痛みに襲われた。急性拒絶反応だった。緊急手術で移植したばかりの腎臓を摘出し、透析に戻った。以来、ネットワークへの登録をやめた。親や兄弟からの移植は「体を傷つけることだから」と考えなかったという。

 「透析がしんどくて、何度でも移植を受けたいという人もいる。臓器提供が少ない中で、病気腎移植にいちるの望みを託した人も多いはず」。腎不全の患者たちと「夫婦以上の長い付き合い」をしてきた博愛病院の高杉敬久院長(62)の思いだ。

 日本透析医学会によると、透析治療を受けている患者の数は全国で約二十六万人。進行すると腎不全をもたらす糖尿病の増加もあって、透析患者は毎年一万人ずつ増え続けている。このうち、移植を希望してネットワークに登録している患者は、二月末現在で一万一千九百人に上る。

 だが、脳死や心停止後のドナー(臓器提供者)からの腎移植を望んでも、「十年待ちは当たり前」といわれる。昨年一年間の移植件数は脳死と心停止ドナーを合わせても百九十七件、登録者全体の1・7%にすぎない。「宝くじに当たるようなもの」(高杉院長)という表現は、決して大げさではない。

 「生きる」実感

 同市内で左官業を営む中向井健治さん(59)は、呉共済病院の光畑直喜医師(58)の執刀で妻から生体腎移植を受けた。「これが生きているということかと、はじめて実感した」と振り返る。移植前は、三十分の運転さえつらかったという。

 「二回目の移植になれば、まずもらえない。がんの腎臓でも欲しいという気持ちは、元気な人には分からんでしょう」。病気腎移植を全面否定した移植学会などの見解が、中向井さんには残念でならない。(編集委員・山内雅弥)

【写真説明】透析のため、シャントが作られた患者の腕。長年透析を続け、大きく盛り上がった(呉市内の病院)」


この記事では、透析患者の実態とその思いが綴られています。


(1) 

 「男性も十年前、臓器移植ネットワークを通じて、岡山の病院で死体腎移植を受けた。だが、手術した日の夜中、激しい痛みに襲われた。急性拒絶反応だった。緊急手術で移植したばかりの腎臓を摘出し、透析に戻った。以来、ネットワークへの登録をやめた。親や兄弟からの移植は「体を傷つけることだから」と考えなかったという。」


健康体から移植を受けたとしても、拒絶反応が生じてしまい、結局は透析に戻ることもあるのです。一度拒絶反応が生じたら、また同じことがあるのではないか、ましてや、親や兄弟からの移植を受けた後で拒絶反応が生じたらと思うこともあるでしょう。そうなると、ネットワークへの登録をやめ、親や兄弟からの移植は求めないことになるかと思います。

ところが、病腎の場合は、摘出した後はその腎臓は捨てるだけです。結果的に提供する側になった方も、移植を受ける側も気が楽な臓器なのです。だからこそ、万波医師は病腎移植を実施したわけですが、日本移植学会は、その道を閉ざす決定をしてしまいました。日本移植学会は、患者の望みを断ち切ったのです。


(2) 

 「「透析がしんどくて、何度でも移植を受けたいという人もいる。臓器提供が少ない中で、病気腎移植にいちるの望みを託した人も多いはず」。腎不全の患者たちと「夫婦以上の長い付き合い」をしてきた博愛病院の高杉敬久院長(62)の思いだ。……

 脳死や心停止後のドナー(臓器提供者)からの腎移植を望んでも、「十年待ちは当たり前」といわれる。昨年一年間の移植件数は脳死と心停止ドナーを合わせても百九十七件、登録者全体の1・7%にすぎない。「宝くじに当たるようなもの」(高杉院長)という表現は、決して大げさではない。……

 同市内で左官業を営む中向井健治さん(59)は、呉共済病院の光畑直喜医師(58)の執刀で妻から生体腎移植を受けた。「これが生きているということかと、はじめて実感した」と振り返る。移植前は、三十分の運転さえつらかったという。

 「二回目の移植になれば、まずもらえない。がんの腎臓でも欲しいという気持ちは、元気な人には分からんでしょう」。病気腎移植を全面否定した移植学会などの見解が、中向井さんには残念でならない。」


生きていることをはじめて実感した……。透析患者だった人にとってはこれが本当の気持ちなのです。普通に生活できることはそれだけで幸せなことなのです。
生きているということ、普通に生活したいということを、求めることはそれほどおかしなことなのでしょうか? 

献体腎移植については、10年待ちが当たり前なのですから、2回目の移植はまずありません。待っていても移植が不可能な状態において、普通に生活したいことを求めることは、それほどおかしなことなのでしょうか? 

 「万波医師は「捨てられる臓器を使う。移植用の臓器が足りない中で、死体腎、生体腎に次いで第3の道になる」と主張してきた。その一方で、学会の見解に沿って厚生労働省が禁止すれば従うと述べていた。これで病気腎移植は当面、中止されることになるだろう。

 この方法に希望を託し、認めてほしいと厚労省に働きかけていた患者や家族たちの失望は大きいに違いない。

 しかし、摘出にも移植にも多くの問題があると専門家から厳しく批判された以上、あきらめるしかあるまい。」(朝日新聞平成19年4月4日付社説「病気腎移植―やはり無謀な試みだった」


朝日新聞は、普通に生活したいという患者の望みに対して、平然と「あきらめるしかあるまい」と言い放つのです。朝日新聞の論説委員はすべては、元気な人ばかりで、透析患者の気持ちに対して共感する気持ちを持つ者が皆無のようです。




3.中国新聞('07/4/4)

 「病気腎移植の波紋<下> 法の壁 '07/4/4

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 ▽死体腎、提供先選べず 実情に即した議論必要

 広島大霞キャンパス(広島市南区)の一角にある「ひろしまドナーバンク」。角膜、腎臓、骨髄の提供者(ドナー)と移植希望者の橋渡しを掲げ、一九九〇年から活動を始めた。

 広島ではゼロ

 広島県内では昨年、脳死での臓器提供はもとより、心停止後の死体腎提供も、一件もなかった。今年もゼロが続く。山根俊則事務局長(58)は「救急病院などから寄せられた情報は八件あったが、結局のところ実現しなかった」と打ち明ける。情報があった八件の半数は、家族が申し出たケースだった。

 九七年に施行された臓器移植法では、脳死移植は書面による本人の意思表示が不可欠。一方、以前から行われていた腎臓、角膜移植については、家族の承諾があれば心停止後の提供が可能だ。

 同法の運用指針によると、家族の同意は「原則として配偶者、子、父母、孫、祖父母、同居親族の承諾を得る」が、それ以外の親族から異論が出た場合は「慎重に判断する」としている。その結果、「遠い親類でも反対があれば見合わさざるを得ない」(山根事務局長)実態があるという。

 死体腎が提供された場合、日本臓器移植ネットワークが搬送時間や待機日数を基準に移植患者を選び、ドナー側からは提供先を指定できない。生体腎なら当たり前の親子間移植も、死体腎ではまず不可能。現行法は「公平・公正」な臓器分配を旨とするからだ。

 しかし、こうした厳しいルールが、かえって移植の普及にブレーキをかけたともいえる。昨年の脳死・心停止を合わせた死体腎移植件数は全国で百九十七件。法制定前でピークだった八九年(二百六十一件)の四分の三にとどまる。

 三月末まで二年間、広島県の臓器移植コーディネーターを務めた浜崎ツヤコさん(65)は「みんなで移植医療を支えようという市民の意識が薄いことが、背景にあるのではないか」と感じる。

 昨年十一月の内閣府調査によると、臓器不足解消の鍵を握る臓器提供意思表示カード(ドナーカード)の所持率は8%にすぎない。呉市のように、ドナーカード機能を備えた国民健康保険証を発行する自治体の動きも、ようやく始まったばかりだ。

 2つの改正案

 臓器移植法施行から十年。親族に優先提供できるようにするなど、条件を緩和する二つの改正案が議員提案され、今国会での成立を目指している。法的規制が不十分だった生体間移植については、厚生労働省が新たなルールを設けるが、移植学会などの統一見解を受け、第三者からの病気腎移植を原則禁止するとみられる。

 長く移植を待つうちに年老い、状態も悪くなっていく患者たち。腎移植の現場で、目の当たりにしてきた県立広島病院(広島市南区)の福田康彦副院長(63)は訴える。

 「深刻なドナー不足をどうするのかという大前提に立って、病気腎移植も含めた議論をすべき時期が来ている」(編集委員・山内雅弥)

【写真説明】献腎をはじめ臓器提供の普及啓発に取り組んでいる「ひろしまドナーバンク」(広島市南区)」



(1) 

 「死体腎が提供された場合、日本臓器移植ネットワークが搬送時間や待機日数を基準に移植患者を選び、ドナー側からは提供先を指定できない。生体腎なら当たり前の親子間移植も、死体腎ではまず不可能。現行法は「公平・公正」な臓器分配を旨とするからだ。

 しかし、こうした厳しいルールが、かえって移植の普及にブレーキをかけたともいえる。昨年の脳死・心停止を合わせた死体腎移植件数は全国で百九十七件。法制定前でピークだった八九年(二百六十一件)の四分の三にとどまる。」


「全国すべて公平を図るが、全国すべてで移植の機会が減少すること」と、「地域差があるが、全国すべてで移植の機会が増えること」のどちらが望ましいのでしょうか? 

移植を望む患者にとっては、現実に移植を受けることが希望です。ならば、現実に移植できる機会が増える方が大事のように思うのです。


(2) 

 「三月末まで二年間、広島県の臓器移植コーディネーターを務めた浜崎ツヤコさん(65)は「みんなで移植医療を支えようという市民の意識が薄いことが、背景にあるのではないか」と感じる。」


みんなで移植医療を支える意識、すなわち移植を待つ患者の気持ちに共感するという意識が薄いという面はあるでしょう。しかし、病腎移植でもよいと思う切実な患者の気持ちを無視し、病腎移植を議論を封印したのです。日本移植学会の方こそ、切実な患者の気持ちを無視する行動に出たのですから、市民の方が移植医療を支える意識を持てるはずがありません
まずは、日本移植学会の方が、移植医療を支えようという意識を持つ必要があるのです。


(3) 

「長く移植を待つうちに年老い、状態も悪くなっていく患者たち。腎移植の現場で、目の当たりにしてきた県立広島病院(広島市南区)の福田康彦副院長(63)は訴える。

 「深刻なドナー不足をどうするのかという大前提に立って、病気腎移植も含めた議論をすべき時期が来ている」」


「10年待ち」では、必然的に長期間移植を待たざるを得ません。移植を受けても、体の状態が悪くなってから移植を受けることになります。これでは、機能しなくなる腎臓も増えてきてしまいます。

今後、ますます移植を待つ患者が増えることが予測されています。臓器移植法を改正したとしても、到底、ドナー不足は解消の道につながらず、ドナー不足はより深刻さを増していくことになります。世界の移植医療が病腎移植の方法を推進し、ドナー不足に対応していこうとしているのに、日本の移植医療は世界の流れに背を向けてしまいました

日本は、どうしようもなくなるまでドナー不足が深刻化しないと、何も変わらないようです。愚かとしか言いようがありません。

テーマ:時事ニュース - ジャンル:ニュース

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それでも万波先生は正しいことをした日本移植学会等3団体は、31日、病腎移植について「現時点では医学的妥当性がない」とする統一見解を発表した。それを受けて新聞各紙は下記のとおり社説を書いた。(読売新聞は4日現在なし)多勢に無勢とはこのことだが、一医師に対し
2007/04/07(土) 20:26:29 | 万波誠医師を支援します
私自身、「公選法」遵守の立場にたちます。特定の候補に投票して下さいとは22日以降一切申し上げてはいません。後は、東京都民の方々のご判断ですので・・・・・。●⇒JAN JAN 2007/03/30 東京都知事選主要候補、「風雲」的マニフェスト比較 ●⇒東京都知事選挙...
2007/04/08(日) 01:05:52 | 晴天とら日和
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