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2007/03/18 [Sun] 00:18:06 » E d i t
「宇和島徳洲会病院、調査委員会の調査経過を公表」では、産経新聞とTBSニュースでの報道記事を紹介しました。朝日新聞は、3月15日付夕刊(東京版3版のみ?)では妙な記事を掲載していましたが、地域面「愛媛」では真っ当な記事になっていました。この報道を紹介します。


1.「asahi.com:マイタウン・愛媛(2007年03月16日)」

 「万波移植 調査委記録ビデオ公開
2007年03月16日

◇「議論ありのままを」

 「調査委員会のありのままの姿を見てほしい」 ――。 万波誠医師(66) が病気腎移植を繰り返していた宇和島徳洲会病院の貞島博通院長らは15日、大阪で3日に開いた調査委の様子を記録したビデオ映像を報道陣に公開し、委員会の運営の透明性を強調した。 各専門委員から「万波移植」に厳しい報告書を提出されながら、臨床医療を重視して一転「容認」 に舵(かじ) を切った姿勢に理解を求めた。

 調査委は当初から「身内の理論で結論が出るのでは」 との批判があったため、徳洲会グループは内部委員として参加する系列病院の医師たちに「公平性を担保したいので自由に発言を」 と伝えていたという。

 公開されたビデオは2時間7分。移植に使われた病気の腎臓を摘出された6症例を検討した場面だ。 万波医師が患者の生活環境に触れ、治療の経過や状況などを詳細に説明した。

 議論の中心はネフローゼ症候群。同グループの医師は「腎機能も良好で浮腫もなく、病理検査を行うのが可能だったと専門委員の報告書に書かれている。 そうだとすれば、本当に摘出は必要だったかということになる」 「腎臓内科専門医になぜ相談しなかったのか」 などと厳しい質問を繰り返した。

 万波医師は「手術で皮膚を切ると水がたらたら落ちるぐらい浮腫があった」 「腎臓の専門医は私の田舎にはいない」 などと釈明。外部委員からは治療に対する医師の裁量権に理解を示す意見のほか、「すべての患者が最高の医療を受けられるかというと必ずしもそうでない」 などの発言もあり、調査委の結論と専門委員の報告書と両論併記する形で公表する方針に落ち着いた。

 尿管狭窄(きょうさく) で狭くなった部分を切除するなど手術を4回繰り返した症例の経過について、万波医師が説明を終えると、専門委員でもある調査委員から「苦労されたようですね」 と同情を示す発言も飛び出した。 この委員は「(ほかの) 専門委員も、この話を聞くとずいぶん意見が違うと思います」 とも述べた。

 朝日新聞の取材に対し、この委員は万波医師に同情を示した発言をしたことについて「臨床現場にいるご苦労や説明に一定の理解を示した。 学会から派遣された立場は崩していない。 私の医学的な見地からの意見は提出した報告書の通り」 と話した。

 会見に同席した調査委員の古賀祥嗣・ 東京西徳洲会病院腎臓病総合医療センター長は、腎がんの手術について日本泌尿器学会などで発表された症例を基に、がんの病変部分を切り取る部分切除より腎臓をまるごと摘出する方法が一般的な治療法であるとする調査結果を発表した。

 4センチ以下のがんについて、東京医科歯科大では94の症例すべてで腹腔(ふくくう) 鏡を使って腎臓を摘出。 東京大学でも摘出52件に対して部分切除は50件で、自治医科大では摘出103件に対して部分切除は10件だった――などとした。」




2.調査委記録ビデオの内容については、愛媛新聞の記事と並んでこの記事も詳しいです。ここでの万波医師の発言を読むと、多くの人が納得できるのではないかと思います。

例えば、

 「会見に同席した調査委員の古賀祥嗣・ 東京西徳洲会病院腎臓病総合医療センター長は、腎がんの手術について日本泌尿器学会などで発表された症例を基に、がんの病変部分を切り取る部分切除より腎臓をまるごと摘出する方法が一般的な治療法であるとする調査結果を発表した。

 4センチ以下のがんについて、東京医科歯科大では94の症例すべてで腹腔(ふくくう) 鏡を使って腎臓を摘出。 東京大学でも摘出52件に対して部分切除は50件で、自治医科大では摘出103件に対して部分切除は10件だった――などとした。」


この説明は、「腎がんの手術について日本泌尿器学会などで発表された症例を基」にして、腎臓の全摘出が一般的な治療法であると述べているのですから、日本移植学会の幹部が全摘出が不当だとするのは根拠がないことが分かると思います。

こういった内容からすると、調査委員会の結論は不当なものではなかったといえるでしょう。


また、「内部委員として参加する系列病院の医師たちに「公平性を担保したいので自由に発言を」と伝えて」、調査委の様子を記録したビデオ映像内容を報道陣に公開したのです。徳洲会の身内がいたとしても、判断過程を報道陣に公表し、その調査委員会の判断に際して、万波医師を不当に擁護した要素がないのですから、公平な判断であったことが(事後的に)担保されたといってよいはずです。

そうすると、結論も妥当、判断過程の公平性も担保されたのですから、病腎の摘出手術についての調査委員会の判断は、適切であったと判断できるはずです。


しかし、日本移植学会から派遣された医師は違う判断をするのです。解せないのは、この記述です。

 「万波医師が説明を終えると、専門委員でもある調査委員から「苦労されたようですね」 と同情を示す発言も飛び出した。 この委員は「(ほかの) 専門委員も、この話を聞くとずいぶん意見が違うと思います」 とも述べた。

 朝日新聞の取材に対し、この委員は万波医師に同情を示した発言をしたことについて「臨床現場にいるご苦労や説明に一定の理解を示した。 学会から派遣された立場は崩していない。私の医学的な見地からの意見は提出した報告書の通り」と話した。」


万波医師に同情を示した発言をした委員は、この記事では名前を伏せていますが、産経新聞の記事では明示しているように、あの雨宮委員です。

腎臓内科専門医に相談して決定すべきとか(万波医師:この地域にはいないから相談できない)、ネフローゼ症候群の腎臓は摘出すべきでないとか(万波医師:手術で皮膚を切ると水がたらたら落ちるぐらい浮腫があった)、修復して本人に戻すべきとか、理想としては色々言えたとしても、臨床現場においてできないことを求めても無理な話です。

現実には無理なことなのに、「私の医学的な見地からの意見」を押し通して、「○○すべきであった」として万波医師を非難するのはあまりに不合理です。不可能を強いることはできないからです。日本移植学会は、不可能なことを強いることに躊躇いのない学会のようです。

不可能を強いる学会である場合、患者や患者の遺族にとって良いことが1つあります。不可能を強いることを厭わないのですから、医療過誤が生じた場合、日本移植学会に属する医師はすべて全責任を認めて、全額損害賠償を負担してくれることになります。日本移植学会に属する医師を訴える場合には、立証するまでもないのですから、大変楽な訴訟となります。

ただ、遺族の損害賠償請求が認められたとしても、身内を失ったことには変わりありません。理想を追求して、患者が死亡することを厭わない日本移植学会の医師よりも、現実を追及して患者を救ってくれる医師の方が、患者にとっては幸福なのです。




<3月18日追記>

3月17日放映の「報道特集:腎臓再利用(2)~命かルールか? 大詰めの病気腎問題」を見ました。読売新聞の記者がケンカ腰で徳洲会病院の記者会見に望んでいることがよく分かりました。他の新聞記者もそういう記者が多いようです。公平な報道は、およそ無理なことが分かりました。

テーマ:社会ニュース - ジャンル:ニュース

コメント
この記事へのコメント
宇和島市民病院の調査委員会について
春霞さま。こんにちは。
先日のコメントへのお返事、ありがとうございます。

とりいそぎ書込みいたしますが、

日曜日に宇和島市民病院での調査委員会の報告が公表されました。個人的には「すべて不適切」という結論を予測していましたので、「大半は不適切」という物言いは、「適切と言わざるを得ないのもある」と調査委員会側が折れたもの、と解釈しております。

しかし、「移植を前提とした摘出であった」と断定した根拠が、

「さらに腎がんのケースでは、動脈をしばってがん細胞が他の部分に移動することを防ぐ処置を最初にせず摘出にかかっている点を指摘。「移植を前提とした手術で、がん治療のための摘出をすべきだった」と断じた。(毎日新聞を引用)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070318-00000073-mai-soci

という、非常に初歩的なミスリードをメインとしているのにはあきれました。この件については、既に藤田士朗氏が以下でこう述べています。

http://www.setouchi-ishoku.info/article.php/20070226144520553

>また、臓器摘出手技に関しても、「癌の標準術式である、最初にまず血管を縛ることをしていないので、最初に移植ありきの術式であり、認められない」とされていますが、「まず血管を縛る」というのは、40年近く前の1969年にRobson先生らによって確立された「根治的腎摘出術」の要点の一つですが、現在では必ずしも重視されていません。
>一例を挙げますと、早期の腎臓癌の治療として最近盛んに腎の部分切除術が行われるようになってきていますが、その場合、腎臓およびそれにつながる血管を周囲からきれいに剥がし、腎臓に超音波の機械を当てて癌の位置や大きさを確認し、次いで腎臓の周りにガーゼやビニールシートを敷き詰めてから、初めて血管鉗子で腎臓の血流を遮断します。この間腎臓には血液が流れているまま手術を行います。その後、腎臓の組織障害を防ぐため、腎臓を氷で一気に冷やし、十分冷えたところで部分切除を開始します。すなわち、生体腎移植の際に行う腎臓摘出術と同様に、腎臓全体が周囲組織から剥がされた後に血流が遮断されるわけです。
>また、M.D.アンダーソン癌センターとクリーブランドクリニックという、世界でも有数の優れた医療機関から出された数百例規模の臨床データによれば、一般に腎の部分切除の適応となり得る直径4cmまでの腎臓癌に対して、根治的腎摘出術を行った場合と、腎部分切除術を行った場合の術後の転移率は、それぞれ7.1%と5.8%だったそうです。すなわち、血管を先に縛ろうが後に縛ろうが、転移の頻度は実際には変わらないと言えます。
>要するに、血管を縛ってから摘出する手術方法(「根治的腎摘出術」の要点の1つ)は、40年前に確立していた手術方法でしたが、現在の医療現場では、血液が流れているままの手術方法が盛んに行われている、特に、早期の腎臓癌の治療として最近盛んに実施している腎の部分切除術では、そういった手法が実施されている、というわけです。
>批判する側(日本移植学会の幹部)は、世界的には古い医学的常識に凝り固まっているようです。

新聞によっては、この「動脈を先に止めない腎摘」が万波医師の主観的印象による独断で行われたように記述していますが、既に統計上のデータもある、確立した術式について「不適切」と述べている訳で、いい加減もいいところです。

(これは言ってみれば、現在のルールのバレーボールを観て、「ブロック含めて4段でボールを返した」と抗議するようなものだと言っていいでしょう。)

そもそも、腎臓がんの処置については、早い段階から、「部分切除をすべきだった」あるいは「自家腎移植をするべきだった」という言い分がまかり通っていました。上の藤田氏の文章によれば、そもそも「部分切除」は動脈を後から止める手術ですから(おそらくは先に止めてしまうと、血流のとまる時間が長過ぎて、肝心の腎臓が壊死してしまうんでしょう)、「動脈を先に止めないから不適切」というのは、「今までさかんに学会側が喧伝してきた処置が不適切」と断定しているのと全く同じです。その点について触れているメディアがみたらないのはどうしてでしょう?

ところで、

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070319p201.htm

によると、今回の調査委員会の代表は、あの!深尾立氏だったのですね。

http://www.melma.com/backnumber_18676_3430240/

この人に「先に移植ありきだった」などと万波医師を非難する資格が果たしてあるのでしょうか?

まだまだ言いたいことがたまってますので、ご迷惑かと思いますが、後ほど別コメントを建てさせていただきます。


(20時15分、22分、22時13分補筆・訂正しました。)
2007/03/19 Mon 11:08:13
URL | 語学教師 #va74bd7o[ 編集 ]
続きです。別立てごめんなさい。
先に出た、徳洲会病院外部専門委員による評価、そして今回宇和島市民病院の調査委員会が出した評価は、共に万波誠医師の腎摘について、「不適切だった」との見解を出している点が共通しています。しかし、そのなかみを比較すると、疑問に思うことが出てきます。具体的には両方の調査内容に含まれる尿管狭窄の評価についてなのですが、以下に、前者を愛媛新聞の記事(以下EH)

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/zokibaibai/ren101200703168897.html

から、後者を毎日新聞の記事(以下MN)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070318-00000073-mai-soci

から引用し、比較してみたいと思います。

EH:

>【中部尿管狭窄・水腎症】
>守殿氏(泌尿器科専門医)は「良性疾患による尿管狭窄は腎温存を目的とした形成術が原則」とし、「まず狭窄の根治術(形成術)を考慮すべきだ」と明言。腎機能が極度に低下している場合だけ摘出の適応とし、「泌尿器科学的に腎摘出の適応なし」と判断した。

>【尿管結石・上部尿管狭窄】
>守殿氏は「泌尿器科学的に腎摘の適応はない。適応されるべき根治術を探った経緯もない」と判断した。

>【水腎症・下部尿管狭窄】
>患者は、ぼうこうがんに伴い、腸を使った代用ぼうこう手術を六年前に受けていた。守殿氏は「代用ぼうこうは、尿管狭窄がなくても水腎症や腎機能低下が見られることがまれではない」とし、「保存的治療を行うべきで腎摘の適応はない」とした。

以上、分かりにくいかと思いますが、「適応なし」とは、「やるべきではない・やってはいけない」という意味で、すなわち泌尿器科が専門である守殿氏は、尿管狭窄について「腎摘をする可能性はない」と断言しているのです。それに対し、

MN:

>尿管狭さくでも「腎臓の保存に努めるべきだが、年齢や本人の希望によっては摘出してもいい」とした。

微妙な違いにみえますが、上述の守殿氏は「腎摘の可能性がない」といっているのですから、二つの委員会での見解は、実は大幅に異なります。

この違いはどこから生まれたか?EHの残りの部分にそのヒントがあります。上掲のEHの守殿氏の意見に対し、それぞれ、

>調査委員の東京西徳洲会病院の古賀祥嗣氏(泌尿器科)は、万波医師の手法を「普通の医療」とし、手間の問題と患者が嫌がることを理由に「自家腎移植は泌尿器科の立場からはあまりしない」と指摘。守殿氏の見解を強く批判した上で「この状況では、患者さんが一番望んだのが腎摘だったことが重要ではないか」と主張。結論は「容認できる」となった。

>万波医師は、狭窄部分の癒着が激しく、患者がもともとかかっていた他病院でも摘出を勧められていたことや、患者の社会復帰を考えて摘出を判断したと説明。古賀氏は、万波医師が腸を使った代用手術などの方法を説明した上で、患者が摘出を望んだ経緯などから「適応あり」を主張。調査委員と外部専門委員を兼務する雨宮氏は「適応なしのまま」の姿勢を取ったが、調査委の結論は「適応あり」となった。

>万波医師は尿管と腸の接続部分に狭窄が起きていたと説明。古賀氏は、患者が狭窄切除と摘出の説明を受け、摘出を望んだ点を重視した。雨宮氏は代用ぼうこうの現在の状態などを質問。調査委は「容認できる」とした。

と徳洲会病院の調査委員会は結論しています。つまり、MNに挙げられた宇和島市民病院の調査委員会結論は、「不適切」と断言する一方で、徳洲会病院調査委員会の結論にすり寄るかたちで、徳洲会病院外部専門委員による評価を巧妙に排除しているのです。これはおそらく、徳洲会側が調査委員会の最終討論の場をビデオ収録し、公開したことで、移植学会を中心とする学会側が迂闊なことを言えなくなった結果、結論を譲歩したのではないでしょうか?

もちろん、「徳洲会調査委員会と宇和島市民病院調査委員会の意見が一致したのは、それが客観的事実だからであって、裏事情を想定する必要はない」とみなすこともできますが、それは、前者についてメディアが大いにうたった「身贔屓の密室体質」という非難が不当であり、外部専門委員による評価こそがねじ曲げられたものであったことを意味します。この仮定が真であるならば、徳洲会での外部専門委員会と調査委員会の対立について、メディアには今までの論調を大きく改め、調査委員会側の最終見解を信頼のおけるものと結論する義務が生じることでしょう。

*****

MNについて気になる点はもう一つあって、

>一方、尿管がん患者の腎臓摘出については「適切」としたほか、腎がんについても「適当ではないが、患者が強く希望すれば摘出を容認できる場合もある」と判断。

これまで学会を中心とした万波医師批判側からは、尿管がん、腎がんいずれについても「部分切除、または自家腎移植が適切であって、移植して使える腎臓ならば全摘はあり得ない」としてきたはずです。それがなぜこのような見解になったか?これはもちろん、ひとつにはこのサイトでも紹介した「がん標準治療」マニュアル

http://cancerinfo.tri-kobe.org/

との整合性を狙ったに違いありません。ただ付言するならば、腎がんについての標準治療は、がんの大きさにかかわらず、最も初期のI期からして、

>外科的摘除は、I期の腎細胞癌に対して認められた、しばしば治癒可能な治療法である。摘除術には単純摘除術または根治的摘除術がある。根治的摘除術とは、腎、副腎、腎周囲脂肪およびジェロタ筋膜摘出であり、場合によっては所属リンパ節の郭清も実施する。根治的手術の方が良好な結果が得られると考える外科医もいる。

http://mext-cancerinfo.tri-kobe.org/database/pdq/summary/japanese.jsp?Pdq_ID=CDR0000062894#_33

つまり、「適当でない」はずはなく、また摘出に際し、「患者が強く希望すれば」などとまで慎重になることが必要とは思われません。つまり、ここで調査委員会が摘出の条件をあらためて定義したことは、今だそれ自体が標準治療からの逸脱を十分に包含しますので、この逸脱について説明を果たす責任があると思われます。

この中途半端な歩み寄りは、おそらく春霞さんが引用された愛媛版朝日新聞の記事にある、

>会見に同席した調査委員の古賀祥嗣・東京西徳洲会病院腎臓病総合医療センター長は、腎がんの手術について日本泌尿器学会などで発表された症例を基に、がんの病変部分を切り取る部分切除より腎臓をまるごと摘出する方法が一般的な治療法であるとする調査結果を発表した。
>4センチ以下のがんについて、東京医科歯科大では94の症例すべてで腹腔(ふくくう)鏡を使って腎臓を摘出。東京大学でも摘出52件に対して部分切除は50件で、自治医科大では摘出103件に対して部分切除は10件だった――などとした。

に由来するのではないでしょうか?つまり、具体的な数字を突きつけられた批判側が、今までと同じ「部分切除、または自家腎移植が適切、全摘は不適切」という主張を撤回せざるを得なくなり、苦し紛れに言い訳して見せたのが、今回の文言であると考えるべきと思われます。

*****

今回の宇和島市民病院調査委員会の見解について、私がたいへんに腹立たしく思うのは、

1)万波医師批判側としておそらくひと括りにできる一派が、動かぬ証拠を突きつけられたり、言い逃れのできそうにない反証がすぐ手許に転がっていそうな部分を今までの主張からさりげなくこそげ落としつつ、

2)一方で、「鮮度のいい腎臓を手に入れるために、ドナーとなる患者をがん転移の危険に追い込んだ」というまことしやか、かつ非常に猟奇的・スキャンダルなストーリーを捏造する(私が捏造と断定する理由は、私自身の前コメントにある通りです)、

というように、一般人の情緒的な反応に両面から対処しながら、万波批判を続けようとする、そのエゲツなさです。しかし、このコメント後半にあるように、現在では何かコメントが出るたびに、以前は強固に主張していた非難を少しずつ手直ししている、その矛盾にマスコミが気付かないはずもなく、その矛盾を鵜呑みにしたままで批判者たちの掌の上で転がされ続けているマスコミの判断能力は果たしてどこにあるのやら、手を変え品を変えての学会側の万波批判への加担を疑われ、糾弾されてもしかたのない状態に、今のマスコミはあると思われます。

さらにいうと、今回メインの争点として批判側が選んだのは、「動脈を縛ったのが先か後か」という、実に巧妙なものです。これが巧妙だという理由は、

1)腎臓の全摘・部分切除という目印は、上掲古賀氏の報告にあるように、ちょっと調べればすぐボロが出ますし、だいいち今後の臨床医療の現場において、患者の側から腎全摘を拒否される可能性の有無など、争点とするには弊害が大きくなり過ぎるリスクがあります。

2)動脈を縛る後先、という争点は、実際に摘出手術を受けた患者さんにすらおそらく告げ知らせていない、技術的な細部です。ですから、多少の嘘を交えて主張したところで、専門家以外にはその嘘が見抜けるはずもありません。(私自身もこの告発については、先に引用した藤田氏の文章に全てを負っています。)それでありながら、「ドナーの患者の安全を犠牲にした」猟奇的な行動として色付けしやすく、批判する側が自らは安全圏にいながら、素人にはいかようにも言い含めることのできるポイントとして活用できる訳です。

以上のように、学会側の万波医師批判の手口は、積み重なるごとに洗練の度を深めているので、個々の公表をみると、万波グループが窮地に立たされているように読めます。しかし、それらを重ね合わせた上で、かねてからの学会側の主張と読み比べてみると、正反対に、積み重なるごとに矛盾点が明らかになる構造を内包しています。このサイトをご覧になる皆さんは、そのへんに着目して、ここに引用されている過去からの記事をもう一度読み直してみられてはいかがでしょうか。

(20日午前7時12分、結語のみ微修正しました。)
2007/03/20 Tue 00:13:16
URL | 語学教師 #va74bd7o[ 編集 ]
報道について
春霞様
こんばんは。

先日の宇和島市民病院の、元日本移植学会理事長の深尾立らが行った調査結果を受けてなされた報道についてです。
(この調査結果に対する医学的な反証は容易と考えますので他に譲りたいと思います。)


すでに語学教師様も触れておられますが、19日の毎日新聞の報道をみると、「「移植ありき」許されぬ…市立宇和島病院調査」として、「特筆すべきは、ドナー(臓器提供者)のがん腎臓の摘出ケースだ。動脈をしばって血流を止め、がん細胞が流出しないようにする処置を後回しにしていたことを問題視」していました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070318-00000073-mai-soci

18日の調査結果の発表を受けて、各新聞社は万波医師に取材しに来ました。万波医師は血管をいつ縛ってもがん転移のリスクには影響しないことはすでに証明されているという事を文献資料を挙げて記者達に伝えました。
しかしながら、19日の報道ではその事に触れているものは見あたりませんでした。

また、血管を縛るタイミングに関しては、すでに万波医師の弟である万波廉介医師への聞き取り調査の際にも問題になったことがあります。この時廉介医師は、質問した医師に「あなたはいつ血管を処置するのか」と尋ねると、学会から派遣されたその医師は「先に縛る事もある」とのみ答えたとのことです。全腎摘において所謂「動脈を後に縛る」手法は、特殊なものではありません。
2007/03/21 Wed 01:26:32
URL | インサイダー #sc6rXX4c[ 編集 ]
>語学教師さん:2007/03/19(月) 11:08:13・ 00:13:16へのお返事
コメントありがとうございます。

>個人的には「すべて不適切」という結論を予測していましたので、
>「大半は不適切」という物言いは、「適切と言わざるを得ないのも
>ある」と調査委員会側が折れたもの

そうですね。さすがにどう誤魔化してもすべて不適切とはいえなかったのでしょう。
大半は不適切というのは、深尾立委員長がそう記者会見で言ったからでしょうね。ところが、産経新聞3月19日付の報道記事(後でエントリーで取り上げます)を読むと、ずいぶんと違った感じになります。


>非常に初歩的なミスリードをメインとしているのにはあきれました
>批判する側(日本移植学会の幹部)は、世界的には古い医学的常識に
>凝り固まっている
>新聞によっては、この「動脈を先に止めない腎摘」が万波医師の主観的
>印象による独断で行われたように記述していますが、既に統計上のデータ
>もある、確立した術式について「不適切」と述べている訳で、いい加減
>もいいところ

全く仰るとおりです!
日本移植学会が古い医学的知識に基づいて、万波医師を批判するのは、いつもどおりですが、マスコミもいい加減に批判したらどうか……と思いたいですが。
3月18日の報道特集を見たら、徳洲会病医院の記者会見では、読売新聞の記者がケンカ腰で問い詰める様子がでてました。新聞記者は、「徳洲会=悪、万波=悪」と思い込んでしまっているようですから、無理なんでしょう。思考力ゼロです。


>によると、今回の調査委員会の代表は、あの!深尾立氏だったのですね。
>http://www.melma.com/backnumber_18676_3430240/
>この人に「先に移植ありきだった」などと万波医師を非難する資格が
果たしてあるのでしょうか?

深尾氏が何を言っても、過去の経歴があまりにもエグイので、万波医師批判は到底、説得力がないです。これも、記者会見で、記者が突っ込みをいれたらいいだろうに、と思いますが。どうせ無理なんでしょうが。


>そのなかみを比較すると、疑問に思うことが出てきます

比較検討ありがとうございます。


>泌尿器科が専門である守殿氏は、尿管狭窄について「腎摘をする可能性
>はない」と断言
>調査委員の東京西徳洲会病院の古賀祥嗣氏(泌尿器科)は、万波医師の
>手法を「普通の医療」とし、手間の問題と患者が嫌がることを理由に
>「自家腎移植は泌尿器科の立場からはあまりしない」
>>万波医師は、狭窄部分の癒着が激しく、患者がもともとかかっていた
>他病院でも摘出を勧められていたことや、患者の社会復帰を考えて摘出

こういうように比較しただけでも、万波医師や調査委員会の方が、おかしい判断をしたとは思えないんですよね。「普通の医療」をなぜ、守殿氏は違う判断をするのか、どれだけの経験があるのか疑ってしまいます。何よりも患者の状態を無視した判断はどう考えてもおかしい。


>現在では何かコメントが出るたびに、以前は強固に主張していた非難を
>少しずつ手直ししている、その矛盾にマスコミが気付かないはずもなく、
>その矛盾を鵜呑みにしたままで批判者たちの掌の上で転がされ続けている
>マスコミの判断能力は果たしてどこにある

そうなんですよね、最初の報道を少しずつ修正して報道する、おかしさはあまりに妙です。
報道のおかしさを丹念に追っている人ならともかく、病腎移植問題をざっと流し読んでいる人なら、気づかずにいてしまうんじゃないかと、危惧します。


>今回メインの争点として批判側が選んだのは、「動脈を縛ったのが先か
>後か」という、実に巧妙なものです

古い医学的知識しかない日本移植学会はともかく、いまだにこれが正しいと思って報道しているんでしょうかね、まったく。
2007/03/21 Wed 21:40:43
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
>インサイダーさん
コメントありがとうございます。


>18日の調査結果の発表を受けて、各新聞社は万波医師に取材
>万波医師は血管をいつ縛ってもがん転移のリスクには影響しないことは
>すでに証明されているという事を文献資料を挙げて記者達に伝えました。
>しかしながら、19日の報道ではその事に触れているものは見あたり
>ませんでした。
>全腎摘において所謂「動脈を後に縛る」手法は、特殊なものでは
>ありません。

一応、万波医師に取材に行ったんですね。でも、日本移植学会に不利なものは報道しないわけですが(苦笑)。

産経新聞や東京新聞(+テレビ報道は結構一方的でなかったりしますが)は、抵抗を示す記事を載せることがありますが、大方の新聞報道は、古い医学的知識をそのまま垂れ流すままなので、最近、空しい気分になってきました。万波医師や徳洲会病院や患者団体は、もっと空しい気分だと思いますけど。
2007/03/21 Wed 21:44:08
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
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2007/03/18(日) 23:06:23 | 晴天とら日和
で、ホリエモンの社説が出揃いました。で、ホリエモンのやったことと、<日興コーディアル>がやった事とどう違うのか、教えて欲しい。よぉ!そこの偉い人!!!!!ホリエモンは悪事を働きました、だから、実刑であっても仕方がないと私は思う。だから、日興....
2007/03/18(日) 23:06:47 | 晴天とら日和
【検証3】調査委員会及び専門委員会のメンバーを兼ねる雨宮専門委員(日本移植学会名誉会員)が報告書を提出しています。内容は、新聞報道等が取り上げているとおり、そのほとんどが万波医師の行った医療に対する批判です。ところがその中の調査報告書5ページ及び6ページ
2007/03/21(水) 11:14:14 | 万波誠医師を支援します
【検証3】調査委員会及び専門委員会のメンバーを兼ねる雨宮専門委員(日本移植学会名誉会員)が報告書を提出しています。内容は、新聞報道等が取り上げているとおり、そのほとんどが万波医師の行った医療に対する批判です。ところがその中の調査報告書5ページ及び6ページ
2007/03/21(水) 11:16:35 | 万波誠医師を支援します
【検証9】次に「D6  水腎症・下部尿管狭窄 」の公開映像です。【概要】2007年03月16日(金)付 愛媛新聞から【水腎症・下部尿管狭窄】 患者は、ぼうこうがんに伴い、腸を使った代用ぼうこう手術を六年前に受けていた。守殿氏は「代用ぼうこうは、尿管狭窄がなくても水
2007/04/03(火) 00:07:34 | 万波誠医師を支援します
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