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2007/03/15 [Thu] 23:54:50 » E d i t
北陸電力は3月15日、志賀原発1号機(石川県志賀町)で1999年6月18日の定期検査中、原子炉格納容器と原子炉圧力容器のふたをあけたままで制御棒を誤って引き抜き、原子炉が約15分間にわたって臨界状態になる臨界事故(核分裂反応で放出された中性子が別の核分裂を起こし、連鎖的に反応が続く状態)があったと発表しました。この報道について紹介しておきます。


1.毎日新聞平成19年3月15日付夕刊1面・11面
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070315dde001040021000c.html

 「北陸電力:制御棒抜け「臨海」、緊急停止遅れる 志賀原発で99年、事故報告せず

北陸電力は15日、同社の志賀原発1号機(石川県志賀町)で99年、停止中の原子炉が突然、臨界状態になる事故が起きた上、緊急停止装置が15分間作動しなかったにもかかわらず、国に報告せず隠ぺいしていたと発表した。原子炉は手動で停止され、外部への放射能漏れはなかった。経済産業省原子力安全・保安院は臨界事故と位置づけ、同日午後に同社の永原功社長を呼び、1号機の停止と安全の総点検を指示する。

 緊急停止隠しはこれまで東京電力、東北電力で計3件発覚している。いずれも原子炉等規制法の報告義務違反にあたるとみられるが、3年の時効が過ぎている。

 北陸電力や保安院によると、99年6月18日午前2時ごろ、定期検査のため止まっていた1号機で、核反応を抑えるブレーキ役の「制御棒」のうち3本が炉から抜けて核反応が始まり、原子炉が臨界状態になった。直後に炉を自動停止させる信号が出たが、緊急停止装置が作動しない状態にしていたため、働かなかった。発電所員が手動で制御棒を戻し、炉は約15分後にようやく停止した。

 当時、原子炉本体である「原子炉圧力容器」と、その外側にあって放射能を封じ込める役割をする「原子炉格納容器」はいずれも、原発の点検のため、ふたが開いていた。保安院は「開いた状態での臨界は想定外で、重大な問題だ」としている。緊急停止装置についても「炉に核燃料が入っている場合、作動できる状態にあるべきだ」として、作動しなかった状態が違法だったかについて調べる。

 1号機の制御棒は89本あり、当初はすべて炉に挿入された状態だった。事故当時は、制御棒が正常に動くことを1本ずつ確かめている途中だった。3本が抜けたのは、所員が制御棒を動かす弁の操作を誤ったとみられるという。

 しかし、同社は緊急停止の問題を国に報告せず、原因も十分に調査していなかった。昨年、データ改ざん問題を受けて保安院から調査を指示され、社員に聞き取り調査をする中で分かったという。【高木昭午】

 ◇隠ぺい、言語道断--元原子炉設計者で科学ライターの田中三彦さんの話

 制御棒を駆動する水圧計に異常があったと思われるが、国内では聞いたことがない。制御棒3本が抜ければ、おそらく約10本の燃料棒が反応を始め、水素が発生してたまれば、爆発の危険もある。隠したというのは言語道断だ。我々が思っていた以上に、緊急停止が頻繁に起きていたことが明らかになるのではないか。

==============

 ■解説

 ◇原発めぐる中核的事故

 北陸電力が隠ぺいしていた原子炉の緊急停止に至る事故は、単なる形式的な情報隠しにとどまる問題ではない。原発をめぐる重要で中核的な諸問題にかかわる深刻な事態だ。制御棒が抜け、一時的に臨界状態に陥った重大事故に関して、8年も事実を隠ぺいした。隠ぺいにより、重大事故の未然防止のための情報も生かされなかったことになる。原発に対する国民の信頼を大きく揺るがせる事態と言える。

 原子炉から抜けた制御棒は、挿入時はブレーキ役、引き抜くとアクセル役となる。停止中のはずの原子炉でそのアクセルが突然踏まれ、緊急ブレーキにあたる緊急停止装置も作動せず約15分間、原子炉は走り続けていた--。今回、明らかになった志賀原発1号機の事故は、そういう事態だったとみられる。

 本来ならば、この二つの大きな事態について公開し、第三者も交えた詳細な調査が必要だ。さらに事故原因を踏まえた安全対策の確立が急務だった。

 北陸電力は社内にも記録をほとんど残していなかったという。徹底した事故原因の究明と、隠ぺいした経緯の解明が、早急に求められる。【大島秀利】

毎日新聞 2007年3月15日 東京夕刊」



 「北陸電力:緊急停止隠ぺい 「想定しえない現象」保安院担当者、表情険しく

 「想定しえない現象だ」。15日正午過ぎに東京・霞が関の経済産業省原子力安全・保安院で会見した同院担当者は厳しい表情で語った。定期検査で停止中の原発が想定外に動き出し、原発の運転で最も重要な緊急停止装置も正常に作動しなかった。しかも、北陸電力側は、これらの事実を一切、国に報告していなかった。原発で相次ぐ情報隠し。不信の連鎖はとどまるところを知らない。

 保安院の市村知也・原子力事故故障対策室長は事故の状況を約30分間説明。市村室長は「重く受け止めなければならない。保安規定に抵触するかどうか調査したい」と語った。

 保安院に続いて北陸電力の室崎純一郎東京支社長が会見。「このような重大な事態が発生し、報告していなかったことは誠に遺憾で深く反省し、おわび申し上げます」と陳謝した。

 ◇命取りの恐れも--久米三四郎・元大阪大講師(核化学)の話

 制御棒は原子炉をコントロールする大事な装置で、これがもし運転中だったら、暴走を起こしていた可能性が高く、非常に重大な問題だ。定期検査だったため、運転員に緊張感がなかったのかもしれない。制御棒に関する運転中のミスは命取りになりかねず、電力会社はなぜこのようなことが起きたのか、十分に調査して対策を講じるべきだ。

毎日新聞 2007年3月15日 東京夕刊」




2.今日は、多くの重大ニュース(プロ野球西武の裏金問題で、早大部員が西部の隠蔽工作を告白、憲法改正手続を定める国民投票法案について中央公聴会日程が22日に決定、米、北朝鮮への金融制裁解除を事実上容認)があったせいか、扱いが小さいようにも感じますが、毎日新聞や読売新聞の夕刊(おそらく)最終版(4版)では1面トップの扱いで大きく紹介していました。それほどの重大で深刻な問題だと思います。


(1) 「停止中の原子炉が突然、臨界状態になる事故が起きた上、緊急停止装置が15分間作動しなかった」ことから、経済産業省原子力安全・保安院は「想定外の重大事象で臨界事故にあたる」と評価しています。

国内の臨界事故では1999年年9月、茨城県東海村の核燃料加工会社JCOで大量のウラン溶液を一度にかくはんしたため臨界に達する事故が起きていて、被ばくした作業員二人が死亡しています(東京新聞平成19年3月15日付夕刊)。ですから、この死者まで出た臨界事故は、実は国内で2例目だったわけです。


(2) 臨界事故であったということ自体も問題ですが、この臨界事故は「所長の判断で運転日誌には書かれなかった」(東京新聞3月15日付)のであり、「北陸電力は社内にも記録をほとんど残していなかった」のです。結局、社内でも隠蔽し、当然ながら国に報告せずに隠蔽していた点も問題です。隠したままでは、今後事故を未然に防ぐことができないままになってしまい、事故の危険性にさらされたままになってしまうからです。

「昨年、データ改ざん問題を受けて保安院から調査を指示され、社員に聞き取り調査をする中で分かった」そうですから、8年も臨界事故を隠蔽したまま、北陸電力は自ら公表する気がなかったわけです。このような会社の姿勢からすると、他にも多くの事故を隠していたのではないかと疑わざるを得ませんし、調査をすれば「思っていた以上に、緊急停止が頻繁に起きていたことが明らかになる」(元原子炉設計者で科学ライターの田中三彦さんの話)ように思えます。

今回は、原子炉は手動で停止され、外部への放射能漏れはなかったそうですし、原子炉建屋内の原子炉周辺には作業員がおらず、被曝(ひばく)事故は起きなかったのは幸いでした。しかし、今回の臨界事故は、保安院から調査を指示されて発覚したわけですが、今後も隠蔽するのではないかとの疑いは消えません。今後も、死亡事故が起きなければ、公表することはないかもしれません。


(3) 徹底した事故原因の究明とともに、原子炉等規制法の報告義務を徹底させるだけでなく、今後は、隠蔽体質は改善できないという前提で、徹底的な監視を行う必要があるように感じます。それができなければ、原子力発電所は廃止の方向へ、原子力政策を転換するしかないように思います。重大事故が起きても社内でも隠蔽してしまい、今後の改善策をとることもしないのであって、到底信頼できないのですから。

テーマ:社会ニュース - ジャンル:ニュース

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