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2007/03/05 [Mon] 06:01:43 » E d i t
宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)は3月3日、病気腎移植の妥当性を検証する調査委員会を大阪市内で開き、万波誠医師が実施した11件のうち同病院で摘出した6件について摘出は「適切」「容認できる」とする結論を公表しました。この報道について紹介したいと思います。なお、参考として、「≫この続きを読む」以降の<追記>で毎日新聞の記事を引用しておきます。


1.調査委員会の記事を紹介する前に、明確にしておくことがあります。
今回の「調査委員会の見解要旨」にも出ていましたが、病腎移植問題については、誤報というか、悪意に満ちた報道が多いです。これは、事実を報道すべき報道機関の役割に反していますし、国民の知る権利(憲法21条)を害するとさえいえるでしょう。こんな悪意に満ちた報道をすると、病腎移植について正しく議論ができませんし、市民の間ではますますマスコミ報道を信用しません。最近の誤報(悪意に満ちた報道)について触れておきます。

(1) 「梅毒やB型肝炎、万波医師が感染患者から4人に腎移植」(読売新聞2月17日付朝刊1面)

 「宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波(まんなみ)誠医師(66)らによる病気腎の移植問題で、B型肝炎ウイルスや梅毒の反応が陽性だった患者、感染性の腎膿瘍(のうよう)の患者から摘出された腎臓が、市立宇和島病院(同市)で万波医師により4人に移植されていたことが16日、わかった。」


しかし、この記事は、他の新聞社がいち早く実質的な訂正記事を出したように(「感染症陽性患者からの腎移植も~読売新聞と毎日新聞の記事を比較すると……本当に問題視すべきなのだろうか?」、ことごとく誤報です。

 「1.まず,リード記事で「4人に移植されていることが16日,わかった。……今回のケースもB型肝炎ウイルスなどに感染した可能性がある。」としている点です。以下に述べるとおり,4人のうち1人も感染していないことが明らかになっていますので,明らかに誤っています。

 2.次に,「2種類の検査が陽性で,ウイルスが体内にいる状態であった」「B型肝炎ウイルスが陽性だった」患者から「摘出された腎臓が,市立宇和島病院で万波医師により「移植されていたことが16日,わかった。」「感染してB型肝炎が慢性化すると,肝硬変や肝がんになる可能性がある。移植を受けた患者2人は生存しているが,感染の有無を調べる検査は行われていなかったという。」という点についてです。

 上記記事のうち,誤りの第一は,「移植を受けた患者2人は生存している」という点です。1名はB型肝炎とは全く無関係の術後急性拒絶症で死亡しており,1人だけが生存していますので,明らかに誤りです。

 誤りの第二は,「感染の有無を調べる検査は行われていなかった」としている点です。生存患者について感染について検査を行い感染していなかったことが明らかになっていましたので,明らかに誤りです。

 第三は,万波医師がB型肝炎ウイルスが感染する可能性を全く考慮せず移植したことを前提としている点です。移植については,市立宇和島病院の肝臓専門の内科医,及び同病院で勤務している愛媛大泌尿器科の3名の医師などに相談し,殆ど感染の可能性がないとの意見を得た上で移植し,その結果として感染がありませんでしたので,明らかに誤りです。

 3.次に,「腎膿瘍の腎臓も70歳代の女性から摘出し,移植に使っていた。腎膿瘍は細菌感染などで腎臓が化膿した状態。移植患者は術後1か月で腎機能が低下し,人工透析に戻っていた。」という点についてです。

 誤りの第一は,膿瘍部分を切除しないままで移植したとしか解釈できない内容です。しかし,腎臓提供者の腎臓は重複腎盂尿管という奇形でしたが,上の腎盂・腎杯に膿瘍を術前検査で認めており,上の腎を半分切除して移植していますので,明らかに誤っています。

 誤りの第二は,「再び人工透析に戻ってしまった」原因が,膿瘍の腎臓を移植したことにあると理解するしかない内容であるという点です。人工透析に戻ったのは移植の成果がなかったからであり,膿瘍とは無関係ですので,明らかに誤りです。

 4.さらに,「梅毒に対する抗体が陽性だった」という点も,「主治医は『疑陽性で,いくつかの検査をしたが,若いころ感染した時にできた抗体で,病原体はすでにないと判断して移植に提供した』としている。」という点です。

 提供する側の医師が梅毒が治癒していることを保証しており,移植後に感染していないことが明らかになっています。しかし,医学用語では「偽陽性」と表現すべきところを「疑陽性」と意図的とも思える誤記をし,未だ治癒しておらず感染の可能性が疑われるような内容となっていることは明らかな誤りです。

 また,上記の扇情的な見出し及び記事内容からして,この記載は,梅毒罹患者の腎臓は,梅毒が治癒していても移植すれば移植を受けた患者に梅毒が感染するという誤解を,意図的に与えようとしたものであることは明らかです。そのような誤解を与えないよう訂正されるべきです。」(「徳洲会グループ―2.読売新聞 平成19年2月17日掲載記事について」より)(「徳洲会グループ:「読売新聞の報道は誤っている」 難波紘二・広島大学名誉教授の講演から」)


こういう患者の医療情報は(提供した病院を除き)専門委員しか知らないのですから、リークしたのは専門委員です。しかし、ここまで誤った情報を流すとなると、(読売新聞を貶める場合を除き)この専門委員自身の医学的知識が乏しいと推測できます。また、読売新聞の記者も、疑わずに報道するのですから、万波医師らに対して偏見をもっていて、冷静な判断力を失っているといえそうです。公平な冷静な報道は無理のようです。


(2) 宇和島徳洲会病院の専門委員会が「11件の摘出が不適切と判断した」との結論を出したとの報道(NHKなど多数)

 「当病院の病気腎移植問題に関し,外部の専門家による委員会が,調査した11件の移植のほとんどについて,病気の腎臓を摘出してほかの患者に移植したのは医学的に問題があったと判断したこと,また,翌18日に開かれる当病院の調査委員会にそのような見解を報告する予定であること」(NHK)

 「11件の摘出のほとんどは医学的見地から不適切だったとする下部組織の専門委員会の報告を、完全に覆す内容になっている。」(NIKKINET〔共同〕 (3月3日23:32)



これも誤報です。宇和島徳洲会病院が一番正しい情報を持っているのですから、尋ねればすぐにわかるはずなのに、当たり前の調査をしないのです。

 「(専門)委員会において,本件報道のような結論を取りまとめた事実は全く存在しません。このことは,翌18日に専門員全員が出席して開かれた調査委員・専門員合同委員会の冒頭において改めて専門員全員により確認されております。 上記合同委員会の席上では,専門委員がそれぞれの立場の見解を示したレポートを提出し,その説明を個々に行ったに過ぎず,専門委員としての統一的見解が示されてはいません。 したがって,専門委員会としての合意や統一的見解というものは存在しません。

 また,専門委員の中で,11件の移植すべてについて医学的に問題があったとする見解を示したのは,ただ1人のみです。」(徳洲会グループの「マスコミ各社の誤報について」より)


「専門委員の中で,11件の移植すべてについて医学的に問題があったとする見解を示したのは,ただ1人のみ」ということからすると、この1人の専門委員の誤ったリークに、マスコミがすべて踊らされてしまっていることになります。この1人の専門委員(背後は、おそらく日本移植学会の幹部の指示)にとっては、操り人形のように踊ってくれる日本のマスコミの様子は心の底から笑えるほど楽しいでしょう。しかし、万波医師に理があると感じている市民の側とすれば、アホらしくて見てられません


(3) 「病気腎の摘出時に検査せず 万波氏、移植11件で判明」(朝日新聞3月3日付朝刊1面)

 「宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で万波誠・泌尿器科部長(66)が実施した11件の「病気腎」移植をめぐり、摘出手術中に摘出の是非や移植の適合性を診断する病理検査が一切行われていなかったことが、外部の専門医らでつくる同病院の専門委員会の調査でわかった。移植しようとする腎臓に病気が見つかった場合は通常、実施されており、専門委員らは「科学的妥当性に欠けた医療行為」と指摘。11件すべてが不適切と認定した。」


この記事も誤報ですが、さすがに朝日新聞以外は報道しませんでした。当然でしょう。すでに指摘したように、専門員会は「11件すべてが不適切と認定」していません。

調査委員会の見解要旨

 宇和島徳洲会病院の調査委員会が三日発表した見解の要旨は次の通り。
 【新聞報道について】
 摘出手術中に病理検査が一切行われなかったとの記事が掲載されたが、誤りと確認。腎がんでは術中生検も行われ、記録も残っている。」


記録という証拠も残っているのに、「摘出手術中に病理検査が一切行われなかった」なんて、電話をかけて確認すればすぐにばれてしまうことをよくも報道できたものです。朝日新聞もまた、当事者に確認するという報道機関としての基本事項を遵守しないようです。

最初の頃から誤報が気になっていたのですが、ここまでずっと誤報が続くと、日本移植学会の幹部から金銭の授受があって、意図的な「万波つぶし」を行っているのではないかと疑いたくなります。病腎移植が禁止されて困るのは、日本の市民です。そこをよく考えて報道すべきです。日本移植学会が世界のホンモノの専門医から馬鹿にされててもどうでもいいですが。




2.では、本題に入ります。報道記事を幾つか紹介します。この3つで大体の内容は分かると思います。間違いのない報道記事を見つけるのが難しいということもあります。

(1) 東京新聞平成19年3月4日付(日曜日)26面(産経新聞同日3面にも掲載)

 「調査委員会の見解要旨

 宇和島徳洲会病院の調査委員会が三日発表した見解の要旨は次の通り。
 【新聞報道について】
 摘出手術中に病理検査が一切行われなかったとの記事が掲載されたが、誤りと確認。腎がんでは術中生検も行われ、記録も残っている。
 【調査委員の意見】
 各委員から万波誠医師へ<1>腎臓内科の専門医に問い合わせるなどほかの治療方法も検討すべきだった<2>(尿管狭窄=きょうさく=の腎臓について)複数の治療法が説明されており、摘出自体も問題ないのでは、などの意見があった。
 【万波医師の回答】
 <1>患者が死にかけているのに、ほかの治療法を考えている余裕はない<2>(尿管狭窄について)本人には一日でも早く社会復帰したいとの希望があり摘出した、と回答。
 【調査委員から専門委員への指摘】
 専門委員の中に、十一件の移植に「不適切」との意見を出した委員がいた。万波医師は「個々の症例についてあまり質問を受けなかった」と話しており、調査としては不十分。専門委員も、説明を聞けば結論が異なることもありうると認めた。
 【結論】
 委員会として、病院の六件の摘出については、三件は適切、三件は容認できると判断した。
 移植医療は、倫理的視点などに立ち、第三者から見ても可能な限り妥当でなければならない。
 倫理委員会の手続きが踏まれていなかった、書面でインフォームドコンセントがなされていなかった―などは誠に残念で、問題があったと言わざるを得ない。
 しかし腎臓売買の問題発生後、病院は移植全件で倫理委員会の開催を義務付けるなど、体制は整っており評価できる。
 現時点で病気腎移植を完全に否定することはできない。透析患者の負担やドナー不足などの現状からみて、病気腎移植を受ける患者の選択権を奪うことはできない。
 その適否は、今後の公正な臨床研究などによる発展的な解決に委ねるべきだ。」



(2) NHKニュース(3月3日 23時24分)

 「病気腎移植 手続きには問題

 愛媛県の「宇和島徳洲会病院」で病気の腎臓が別の患者に移植されていた問題で、病院の調査委員会は、手術の手続きについては問題があったとする見解を示しました。一方、移植が適正だったかどうかは、今後、あらためて結論を出すことになりました。

 この問題で、「宇和島徳洲会病院」は、万波誠医師が中心になって行った11件の手術について、日本移植学会などの外部の専門家も交えた委員会を作って、腎臓の摘出や移植が適正だったかどうか検証を続け、3日は執刀した万波医師本人から直接、説明を受けました。そのうえで、調査委員会としての見解を発表しました。

 この中で、手術の手続きについては、患者からの同意を文書に残していなかったり、倫理委員会を開いていないなど、病院側、万波医師双方に問題があったとしています。しかし、外部の専門家から「医学的に問題がある」と指摘された「腎臓の摘出」は、病院で行われた6件については、万波医師から説明があった個々の患者の状況などから判断して、「適切だった」あるいは「容認できる」としました。さらに、11件の移植が適正だったかどうかは、今後、あらためて委員会を開き、結論を出す方針を示しました。そのうえで、調査委員会は「現時点において、医療の選択肢として、こうした移植を完全には否定できず、今後の研究に委ねるべきだ」とする見解を示しました。

 外部の専門家として調査にあたった日本移植学会の雨宮浩医師は「移植学会としては、摘出すべきでない腎臓を摘出したうえ、移植を受ける患者の選択のしかたにも問題があったと考えており、今の段階で病気腎移植を認めるわけにはいかない。外部の専門家の意見は調査委員会の見解に併記されるものと考えている」と話しました。」(注:原文に段落分けをしました)



(3) 日テレNEWS24<3/4 0:57>

 「調査委「病気腎移植、完全に否定できず」<3/4 0:57>

 万波誠医師が愛媛・宇和島徳洲会病院で行った病気腎移植について調査する院内の調査委員会が3日、大阪市で開かれ、委員会は「病気腎移植は完全には否定できず、臨床研究を進めるべき」との見解を示した。
 宇和島徳洲会病院の調査委員会では、外部の専門家も交え、万波医師が宇和島徳洲会病院で行った11件の病気腎移植について、医学的妥当性を協議した。その結果、同意書を取らないなど移植の手続きに不備はあったものの、病気の腎臓を摘出したことについてはほぼ問題がなかったとした。その上で「病気腎移植は完全には否定できず、臨床研究を進めるべき」との見解を示した。

 これを受け、万波医師は会見で「私からすると(この結果は)当然だと思う。国が病気腎移植の道を容認すれば、また病気腎移植をする」と述べた。

 委員会は、5月に行われる万波医師の全米移植学会での論文発表を踏まえた上で、最終的な結論をまとめるとしている。

 一方、日本移植学会など5つの学会は、病気腎移植を原則、禁止する方向で統一見解をまとめる方針。」



これらの報道からすると、宇和島徳洲会病院の調査委員会の結論のポイントは、次の通りです。

(1) 医学的環境や個々の患者の患者の状況から判断すると、摘出手術11件のうち6件の摘出手術は適切又は容認できる。

(2) 手術の手続上は、万波医師と病院側双方に問題があった。問題点は、患者の同意書を残していなかったことと、倫理委員会を開いていなかったことである。ただし、現在では、問題点は解消している。

(3) 透析患者の負担やドナー不足などの現状からみて、病気腎移植を受ける患者の選択権を奪うことはできない。今後の臨床研究を待つべきである。患者の切実な必要性という現実と、病腎移植においても患者の自己決定権を重視すべきだから。

(4) 11件の移植手術については、6月以降(時事通信による)最終報告をまとめる。5月に行われる万波医師の全米移植学会での論文発表があるため、「世界の先端的な知見を加え」総合的に判断する方が妥当だから。


勘違いしているブログもあるようですが、当然ながら、病気腎の摘出手術の医学的妥当性と、病気腎の移植手術の医学的妥当性と、手術の手続上問題があったこととは別問題です。
要旨だけですと、書面でのインフォームドコンセントがなかったとして、説明書と同意書がなかった両方を問題視しているようですが、他の報道記事からすると、同意書がないことを問題視したようです。もちろん、同意書がないことは、同意がなかったということではありません。

報道では、調査委員会の報告のほかに、万波医師へのインタビューがあったようです。万波医師は、「国が病気腎移植の道を容認すれば、また病気腎移植をする」と述べているように、国として認めて欲しいと要望しています。病腎移植の容認は、万波医師を支持する元患者側の要望でもあります。全米移植学会での論文発表、その影響次第ということもあるでしょうが、政治家への働きかけが必要になってくると思います。




3.「なぜ、専門委員の一部の意見と、調査委員会の結論と食い違う結論になったのか?」について、各紙は次のように触れています。

(1) 読売新聞3月4日2面

 「[解説]公平な判断と言えず

 懸念された事態がやはり起きた。11件の病気腎移植を検討してきた宇和島徳洲会病院の調査委員会は、万波医師を何とかして守ろうとする姿勢が当初から見え隠れしていた。3日の「結論」が公平な判断とは、とうてい言えない。厚生労働省の調査班など、第三者の立場の機関が、改めて調査を行う必要がある。

 調査委の委員13人のうち、9人が同病院スタッフや徳洲会の専務理事ら徳洲会関係者。患者の聞き取り調査をしたのも徳洲会が依頼した弁護士だった。

 客観的な事実を解明して、偏らない立場から評価を進めるのが、外部委員を含む調査委員会の役目だ。だが、院長ら病院関係者は、「医療行為は適切」という立場を明らかにし、徳洲会の機関紙も毎号、病気腎移植を擁護するキャンペーン記事を載せていた。

 前回の委員会でも、専門委員からは「容認できない」と、医学的な評価は明確になったが、徳洲会関係の委員が「万波医師の話も聞くべきだ」などと主張、結論を持ち越した。身内ばかりが多い委員会で、適切な調査結果が出せるだろうか。

 移植医療と同様に、調査も「オープン・フェア・ベスト」に行われなければ、日本の医療に禍根を残しかねない。(大阪科学部 阿利明美)

(2007年3月4日 読売新聞)」


要するに、調査委員会は身内ばかりで判断しているので、調査員会の結論は公平・適切な判断結果でははく、専門医の方が適切な判断結果である、ということです。

確かに、身内による判断は公平性を担保できないと指摘を受けてしまうでしょう。しかし、身内だからと言って、適切な判断結果でないというのは言いすぎです。重要なことは、どちらが妥当な判断を行っていたかどうか、です。

調査委員会の見解要旨に出ているように、専門委員は、個々の症例について質問をすることなく判断していますが、医療行為自体、個々の患者の状態を見て判断するのが通常ですから、カルテだけで医学的妥当性を判断することは無理があります。しかも、綿密にカルテに記載しているわけではなかったようですから、元々、カルテだけで判断するのは不可能でしょう。病腎移植を否定する、専門委員の一部の意見には問題があります。

だいたい、問題が生じた場合、どんな組織であっても身内の委員を入れて判断するのが通常です。身内が関与しない手続は裁判制度くらいです。ですから、「身内ばかりが多い委員会で、適切な調査結果が出せるだろうか」という疑問の投げかけは意味のある批判とはいえません

公平性が問題だといっても、日本移植学会の幹部はカルテを見る前から、万波医師に対して批判していたのですから、日本移植学会の幹部の息のかかった人物が判断することもまた、公平性を欠くものといえます。

このようなことから、「調査委員会は身内ばかりで判断しているので、調査員会の結論は公平・適切な判断結果でははく、専門医の方が適切な判断結果である」という判断は妥当でないと考えます。

色々書いてきましたが、読売新聞が問題視するような「公平性」は、もう問題ありません。万波医師は、5月にATCで論文を発表するのです。この会合には、遅れた医療水準を妥当なごとく唱える、日本移植学会の幹部もいなければ、徳洲会の身内もいません。しかも、腎移植では日本一といえる万波医師以上の技量と手術数を誇る、世界の本物の移植医たちを含めた多数人が判断するのです。これ以上の“第三者の立場の機関”はありません。ATCでの評価こそ尊重に値すると思います。読売新聞は、公平性を問題にしたのですから、必ずATCでの評価を尊重すべきです。


この解説には、許しがたい部分があります。

「調査委の委員13人のうち、9人が同病院スタッフや徳洲会の専務理事ら徳洲会関係者。患者の聞き取り調査をしたのも徳洲会が依頼した弁護士だった。」


弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし、その使命を自覚し、自らの行動を規律する社会的責任を負っています。そして、「真実を尊重し、信義に従い、誠実かつ公正に職務を行うものとする」というように、信義誠実義務(弁護士職務規程5条)も負うといった弁護士倫理を遵守しなければなりません。

もちろん、弁護士の中には、社会的責任に反したり、弁護倫理に反する者もいるでしょう。しかし、依頼人から依頼を受けたからといって、徳洲会が依頼した弁護士だからといって、患者の聞き取り調査を真実に反して行ってるかのように書くことは、弁護士の使命・職務を全く理解しない、ひいては司法制度・裁判制度に対する無知を晒した物言いであって、弁護士全体に対する侮辱です。読売新聞は、認識を改め、直ちに訂正すべきであると思います。



(2) 朝日新聞3月4日付39面

 「万波氏の主張に配慮

 「患者の選択肢は奪えない」。病気腎移植の舞台となった宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の調査委員会がまとめた結論は、「万波移植」を医学的に問題視する専門医らの意見を受け入れず、600例以上の移植実績を誇る万波誠医師(66)の主張に最大限配慮した内容となった。」


要するに、万波医師の主張に配慮して判断したから結論が異なったのであり、万波医師の主張に配慮することはおかしいということです。

しかし、万波医師は移植を行った当事者なのですから、その主張を聞くのは当然のことです。専門員会が、当事者である、万波医師の主張を聞かずに判断を下したことの方がおかしいのに、万波氏の主張に配慮することの方がおかしいかのような見出しと記事を書くことこそ、おかしいのです。



(3) 毎日新聞のHP

◇専門医と別判断…問題の複雑さ示す

 日本の移植医療を大きく揺るがした万波誠医師(66)らによる病気腎移植を巡って宇和島徳洲会病院の調査委員会は3日、6件の摘出手術について「摘出は臨床的に見れば適切、または容認できる部分もある」と、すべて「問題あり」とした同委員会下部組織の専門委員会とは別の判断を示し、この問題の複雑さを見せつけた。

 調査委員会は13人の委員で構成され、うち9人が徳洲会関係者。このため調査委員会後の会見では、二つの委員会の判断が異なったことに質問が集中した。これに対して、調査委員の古賀祥嗣・東京西徳洲会病院腎臓病総合医療センター長は「カルテだけでなく、万波医師の話を聞いた結果」と説明した。

 一方、同委員会メンバーで専門委員でもある雨宮浩・日本移植学会元理事は困惑したような表情で「報告書は両論併記。専門委員会は医学的な立場から判断。調査委員会は患者の事情などを含めて臨床的に判断したので、どちらも間違いではない。立場の違いということだ」と説明。「我々は専門委員会としての話を調査委員会に出しているが、最終的にどうするかは徳洲会の判断。僕らにはどうしようもない」と話した。

 この日調査委員会に約3時間にわたり、病気腎移植を実施した経緯について説明した万波医師はこの後、疲れた表情で会見した。摘出6件を適切または容認できるとした調査委の判断について「当然だと思う。(不適切とした)専門委員会の先生たちはカルテを見ただけで、私が患者とどう向き合って摘出を決めたか理解されていなかったのではないか」。」


要するに、専門委員会は医学的な立場から判断したのであって、調査委員会は患者の事情などを含めて臨床的に判断したから、結論が異なったのであってどちらも間違いではないということです。

専門医と臨床医の違いという、この判断が一番妥当なものといえそうです。ただ、専門委員の方は、読売新聞平成19年2月17日掲載記事の誤報で分かるように、あまりにも医学的知識が乏しい専門委員が存在しますから、どれほどの医学的知識にも基づいて「医学的な立場」から判断していたといえるのか大いに疑問です。



(4) 東京新聞3月4日付26面

 「外部の専門家が多く、移植に批判的だった下部組織の専門委員会とは食い違う結論。調査委の多数を占める徳洲会側の調査委員の1人は「専門委員はカルテだけで判断しているが、万波先生の話を聞けば考えが変わるはずだ」と万波医師を擁護する。

 一方、「専門医としての意見とは食い違うのではないか」と問われた調査委員で専門委員を兼ねる雨宮浩氏は「整合性は難しいですね」と苦渋の表情。やがて「専門委員はあくまで純医学的な見地。調査委員は患者の生活などの問題を含めて調査する。私個人の意見というより調査委員の意見だ」と言葉をしぼり出した。」


これも毎日新聞と同じ説明です。要するに、専門委員会は医学的な立場から判断したのであって、調査委員会は患者の事情などを含めて臨床的に判断したから、結論が異なったのであってどちらも間違いではないということです。




4.日本移植学会の幹部(大島氏など)は、最初から万波医師批判を繰り広げ、マスコミ各社(産経新聞や東京新聞は除く)は常に操り人形のように踊っていますが、個人的にはどうしても一緒になって踊る気になれません。

万波医師は、腎移植につき(個人では)日本一の手術経験があり、泌尿器科医として極めて優れた技量を有する医師ですから、泌尿器科医、腎臓の移植医としては、日本では万波医師を明らかに上回る医師はいないのかもしれません。しかも、(患者のコメントによると)手術後のケアもしている医師であり、病腎移植も良好な結果が出ているという客観的事実があることから、だからこそと言うべきか、ほとんど患者が万波医師を非難していないのです。

これに対して、日本移植学会の大島氏は腎移植の専門医だそうですが、専門医としてあまりに医学的知識が乏しいのです。

 「初めは動脈瘤を移植に使うのはけしからんと言っていました。それが事実論破された。他病院でも一杯やっていました。大島伸一・日本移植学会副理事長がOKを与えた症例もあります。そのために反論できない。それで腎がん、尿管がんを使ったの、がんが移ると言いました。しかし、移っていませんし、転移もしていません。それは事実で証明しました。がんは遺伝子病で、伝染病ではありません。がんに関しては、外国には多くの文献があります。呉共済病院の4例は、アメリカの『トランスプランテーション』という(医学)雑誌に投稿して受理が決まっています。

 ネフローゼに関しては、摘出報告例があります。愛媛県立中央病院で、しかも大人のネフローゼに対して86年に上側腎摘出をやっています。子どものネフローゼは4例を都立の清瀬小児病院で89年にやっており、これは雑誌に報告されています。そのほかにもドイツのハノーバーから、大人のネフローゼで腎臓を摘出する以外に、治療法がないという論文が書かれています。メルクの『フィジシャンズ・マニュアル』は、インターネットで読むことができますが、一番新しい2007年版に、「大人の重症のネフローゼは、腎摘出が必要になる場合もある」と書いてあるのです。」(「読売新聞の報道は誤っている」難波紘二・広島大学名誉教授の講演から:徳洲新聞 2007年(平成19年)3月5日 月曜日 No.559 3面より。)


こういった人物であるのですから、とても大島氏の医学的主張を信用するになれないのです。

大島氏がよく言っていた「がんのあった臓器の移植は禁忌」という発言にも問題があります。医療上行ってはならないという「禁忌」には、個別の比較をすることなく許されない「絶対禁忌」のほかに、具体的な状況次第では許される「相対禁忌」などがあります。しかし、禁忌とされている医療行為であっても、人によって絶対禁忌か相対禁忌に分かれるなど、禁忌性は画一的に決まらないのです(弁護士 上田和孝著「実務 医療過誤訴訟入門」45・46頁)。画一的に決まらないものであるのに、「禁忌」と言えば納得させられると思っている大島氏の医学的知見は、到底信頼できるものではありません

専門委員が万波医師に対して、個々の症例についてあまり質問をしなかったそうですが、質問しなかったのは、専門医としての知識が乏しいのが暴露されるのが怖かったからではないかと思えてきそうです。日本移植学会から派遣された医師は「実際に自家腎移植を執刀したことがない医師がほとんど」(「病気腎移植問題~大島伸一・移植学会副理事長は万波医師を非難する資格があるのか?」のコメント欄参照)だそうですから。

これほど万波医師と他の専門医との間で、医師としての能力に差異があるようだと、病腎移植に関して、摘出手術の医学的妥当性、移植手術の医学的妥当性を判断することは無理なのではないかと思うのです。そうなると、万波医師を超えるほどの「世界の先端的な知見」を有する、全米移植学会に評価してもらうことが最もベストな判断であると思います。


調査委員会は、11件の移植手術につき、5月に行われる万波医師の全米移植学会での論文発表による評価を考慮した上で、最終報告を行うとしていますが、その判断は妥当なものであると考えます。




<追記>

毎日新聞のHP(2007年3月3日 23時41分 (最終更新時間 3月4日 1時12分))を引用しておきます。(同日31面では、「◇専門医と別判断…問題の複雑さ示す」以降は紙面にありませんでした。最終版は不明)

 「病気腎移植:結論先送り、摘出6件は問題なし 病院調査委

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の泌尿器科部長、万波誠医師(66)らが実施した病気腎移植の是非を検討していた同病院の調査委員会は3日、同病院で実施された全11件の病気腎移植のうち、同病院で行われた摘出手術6件について「適切」または「容認できる」との見解をまとめた。11件の移植手術についても「病気腎移植を完全には否定できない。世界の先端的な知見を加え総合的に判断する」として、結論を先送りした。

 大阪市内で開かれた調査委はこの日、万波医師からも意見を聞いた。「適切」としたのは尿管狭さくの3件。複数の治療法が説明されたことなどを理由に挙げた。「容認」はネフローゼ2件と腎動脈瘤(りゅう)の1件。他の病院で実施された5件については言及していない。

 調査委の下部組織で、外部有識者らによる同病院の専門委員会は2月、6件の摘出と11件の移植すべてについて医学的に問題だとの見解をまとめていた。関係学会も今月末、病気腎移植を不適切とする見解をまとめる見込みで、これらを否定する形になった。

 ただし、「手術にあたって倫理委を開かず、インフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)も不十分。病院と万波医師に問題があった」と指摘した。

 調査委の雨宮浩・日本移植学会元理事は記者会見で「調査委は医学的環境や患者の事情も踏まえて判断をした。専門委の報告も日本移植学会などに提出する」と述べた。

 万波医師は今年5月、米・サンフランシスコでの米国移植学会議で病気腎移植について発表することが決まっている。調査委員会はこの学会の結果を受けて、移植についてさらに検討する。【野田武、津久井達】

 ◇万波医師は「当然の判断」

 この日調査委員会に約3時間にわたり、病気腎移植を実施した経緯について説明した万波医師はこの後、疲れた表情で会見した。摘出6件を適切または容認できるとした調査委の判断について「当然だと思う。(不適切とした)専門委員会の先生たちはカルテを見ただけで、私が患者とどう向き合って摘出を決めたか理解されていなかったのではないか」。病気腎移植については「国が容認してくれれば再開したい。だめだと言われたらやるつもりはない」と述べた。【野田武、津久井達】

 ◇「理解できない」 移植学会副理事長

 同病院の調査委員会の下部組織で、外部有識者らが参加した専門委員会は今年2月、11件すべてについて病気腎の摘出・移植は医学的に問題だと指摘していた。大島伸一・日本移植学会副理事長は「摘出が適切・容認できるとの結論は、専門委員会の医学的な判断を無視するもので、理解できない。医療の現場は大変なことになる。調査委は徳洲会の関係者が主体であり、構成に疑問がある」と話している。

 ◇専門医と別判断…問題の複雑さ示す

 日本の移植医療を大きく揺るがした万波誠医師(66)らによる病気腎移植を巡って宇和島徳洲会病院の調査委員会は3日、6件の摘出手術について「摘出は臨床的に見れば適切、または容認できる部分もある」と、すべて「問題あり」とした同委員会下部組織の専門委員会とは別の判断を示し、この問題の複雑さを見せつけた。

 調査委員会は13人の委員で構成され、うち9人が徳洲会関係者。このため調査委員会後の会見では、二つの委員会の判断が異なったことに質問が集中した。これに対して、調査委員の古賀祥嗣・東京西徳洲会病院腎臓病総合医療センター長は「カルテだけでなく、万波医師の話を聞いた結果」と説明した。

 一方、同委員会メンバーで専門委員でもある雨宮浩・日本移植学会元理事は困惑したような表情で「報告書は両論併記。専門委員会は医学的な立場から判断。調査委員会は患者の事情などを含めて臨床的に判断したので、どちらも間違いではない。立場の違いということだ」と説明。「我々は専門委員会としての話を調査委員会に出しているが、最終的にどうするかは徳洲会の判断。僕らにはどうしようもない」と話した。

 この日調査委員会に約3時間にわたり、病気腎移植を実施した経緯について説明した万波医師はこの後、疲れた表情で会見した。摘出6件を適切または容認できるとした調査委の判断について「当然だと思う。(不適切とした)専門委員会の先生たちはカルテを見ただけで、私が患者とどう向き合って摘出を決めたか理解されていなかったのではないか」。病気腎移植については「国が容認してくれれば再開したい。だめと言われたらやるつもりはない」と述べた。【野田武、津久井達】

毎日新聞 2007年3月3日 23時41分 (最終更新時間 3月4日 1時12分)」





テーマ:社会ニュース - ジャンル:ニュース

コメント
この記事へのコメント
大人の判断?
春霞さま。続けての投稿で申し訳ないです。

考えてみれば、徳洲会のスタッフ中心の調査委員会において判断が万波氏よりになることはある程度予想できていたはずですから、下部組織である専門委員会としては、強硬派の委員を代表として出席させて議論を紛糾させ、あわよくば「意見の取りまとめは不可能」の結論を出させることもできたろうと思います。(メンバーが最初から固定されていたのかもしれませんが、「下部委員会の代表」という形式なわけですから、代理出席などの名目でそのくらいの操作は行えたことでしょう。)小学校のホームルームではない、大人の会議である以上、多数派が有無を言わせず少数派を押しつぶす、などという非紳士的行為はありえませんから。

また、既に別エントリでコメントしたように、「意図的に調査結果を曲げたり、不十分な内容にするなら、関係学会で厳しく対応する」という高原史郎・大阪大教授の公式な牽制!もあった訳ですから、誰が下部委員会代表であろうと、自らの主張が正しいと判断するなら強硬に調査委員会の意見取りまとめに異議を出せばよかったはずです。

それが、(専門委員会でどのような発言をしたのかはしりませんが)おそらく強硬派ではなかったろうと思われる(そして腎移植の専門家ですらないらしい)雨宮浩医師の出席でよしとし、今回の公式見解にまで譲歩してきたのは、既に専門委員会が逃げ腰に入っているとみることもできるのではないでしょうか。

万波医師のアメリカでの学会発表が決まって、問題が国際的な評価にさらされることが明らかになり、あまり無茶なごり押しは自分たちの名誉にとって得策でないとの判断が働いた可能性も否定できない気がします。

そう考えると、学会発表の一件は、「専門家」のセンセー方にはかなりのインパクトがあったと推察できますね。

現時点で、関係5学会による否定的な声明が3月中に出るとされていますから、学会発表に名を連ねる方々は、ぜひとも学会側の意見も(できれば主張するセンセーの名前入りで)発表のなかで公表し、5学会の言い分と自分たちの主張とのどちらが正しいのか、世界に問いかけて欲しいですね。讀売新聞の記者が訴えるような「オープン・フェア・ベスト」な調査の実現に、これほどふさわしい舞台はないことでしょう。

もっとも、騒動のそもそもの最初から、がん標準治療などの指標を無視して、「戻せるなら戻せ」という、現状に明らかにそぐわない主張をしてきた日本移植学会のお偉方が、この期に及んで予定通り3月中に声明を出せるとは、ちょっと思えませんけれど。今回の公式見解同様、最終的な判断を5月以降に持ち越し、「我々はNOだが世界的に認められるなら不問にしてやる」的内容の声明としてお茶を濁す、という解決をとりそうです。
2007/03/05 Mon 07:52:10
URL | 語学教師 #va74bd7o[ 編集 ]
こんばんは
春霞様 こんばんは
今回は2つの事をご報告します。


1 本日、先日開かれた調査委員会について、愛媛新聞のウェブ記事に次のような文章が載りました。

> 調査委と専門委の委員を兼ねる雨宮浩氏(日本移植学会)は三日、各学会派遣の専門委員四人の統一見解を提出した。批判的な内容だった。しかし、徳洲会グループ関係者がほとんどを占める中、署名に押印がないという手続き上の不備を指摘され、撤回せざるを得なくなった。
(中略)
> 調査委終了後、記者会見で配られた議事要旨には学会派遣の専門委員を批判する文言が並んだ。「守秘義務のある専門委員が誤った情報を外部に漏らした」「専門委員の報告を聞いた一部の学会幹部が、専門委の統一見解だと虚偽の情報をマスコミにリークした」と病気腎移植の適否とはかけ離れた議論も展開され、調査委として学会側に抗議することを明言した。

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/zokibaibai/ren101200703058701.html

 この記事では、紛糾した原因が外部委員と徳洲会側の対立のように読めます。しかし実際は、各学会の統一見解と称するものを他の外部委員に承諾なく提出した雨宮委員に対し、他の外部委員が異議を唱えて紛糾したというのが真相です。「署名に押印がない」というのは、その事を指しているのではないでしょうか。
ご存知の通り、調査委員会には外部(学会側)から4人の医師が加わっていました。メンバーの人選については、徳洲会側からの要求ではなく、専門委員会の判断に従っています。なぜこのメンバーに「腎移植が専門で、摘出は専門外」と公言する(上記愛媛新聞ウェブ記事より)雨宮氏のみが移植学会側として参加したのかは不明です。

2 「「腎臓摘出はすべて不適切」と5学会が結論する見通し」という報道が2月に出ましたが、5学会が実際にこの結論の見通しについて協議した事は無く、報道が先行したことについて一部の学会から不快の声が上がっています。


内部事情を出すことはこのサイトの趣旨に反しますので、大変心苦しく思います。しかしながら、患者の方や医療の場を考えない一部の悪意ある人間にささやかながら抵抗したいと思い、三度この場をお借りしました。
2007/03/05 Mon 23:18:56
URL | インサイダー #sc6rXX4c[ 編集 ]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/03/06 Tue 05:42:25
| #[ 編集 ]
>語学教師さん(コメント修正しました)
コメントありがとうございます。

インサイダーさんのコメントを読むと、専門委員会と調査委員会で齟齬を生じているかのような報道のおかしさが分かったように思います。


>万波医師のアメリカでの学会発表が決まって、問題が国際的な評価に
>さらされることが明らかになり

そうそう! アメリカでの学会発表の評判は楽しみです。評価が高かったら日本移植学会の幹部は、どう反応するのでしょうね~(^^ゞ


>現時点で、関係5学会による否定的な声明が3月中に出るとされています
>この期に及んで予定通り3月中に声明を出せるとは、ちょっと思えませんけれど。

そうですね。出せるのかなと思います。大島氏は、昨年中に結論を出したいと言っていてまだですし。この報道も、インサイダーさんの話からすると怪しげな感じですね。ウソと誤報がいっぱいで困ります。

東京新聞3月6日付の「こちら特報部」では、日本移植学会の大島氏は、病腎移植は「原則禁止とは誰も言っていない」なんてトボケたことを言ってますし。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20070306/mng_____tokuho__000.shtml

リークしているのは誰か、市民は知らないとでも思っているのだろうか、と思います。
2007/03/06 Tue 08:28:41
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
>インサイダーさん
コメントというか、いつもながら情報ありがとうございます。感謝します。


>この記事では、紛糾した原因が外部委員と徳洲会側の対立のように読め
>ます。しかし実際は、専門委の統一見解と称するものを他の外部委員に
>承諾なく提出した雨宮委員に対し、他の外部委員が異議を唱えて紛糾した
>というのが真相
>「署名に押印がない」というのは、その事を指しているのでは
>ないでしょうか。

なるほど! 
専門委員の意見の統一見解はないということが「専門員全員が出席して開かれた調査委員・専門員合同委員会の冒頭において改めて専門員全員により確認」されているのに、妙なことをしているのは、雨宮委員なのですね(苦笑)。
ずっと誤報をリークし続けている専門委員は誰だろうかと訝しんでいたので。


>調査委員会には外部(学会側)から4人の医師が加わっていました。
>メンバーの人選については、徳洲会側からの要求ではなく、専門委員会
>の判断に従っています

なるほど。
そうすると、人選に関しては公平性を問題にするのは筋違いということになりそうですね。


>なぜこのメンバーに「腎移植が専門で、摘出は専門外」と公言する
>(上記愛媛新聞ウェブ記事より)雨宮氏のみが移植学会側として参加
>したのかは不明

摘出は専門外だとすると、雨宮氏は、病気腎の摘出手術の医学的妥当性については判断能力がないということになりますね。そして、移植だけしている医師なら病気腎に接することがないので、まず病気腎を移植する経験はない……。経験がなければ判断もできないわけで……。

雨宮氏は、11件の移植について不適切と言っているようですが、元々、判断できるだけの知識と経験がないのでしょうね。



>「「腎臓摘出はすべて不適切」と5学会が結論する見通し」という報道が
>2月に出ましたが、5学会が実際にこの結論の見通しについて協議した
>事は無く、報道が先行したことについて一部の学会から不快の声が

え! これも誤報ですか(苦笑)。
よく考えれば、医学者たちは、大島氏や官僚とは異なり、調査が終わってその精査が終わってから結論を出すはずです。
誤報というのは十分に納得できます。


>三度この場をお借りしました

いつもながら貴重な情報ありがとうございます。これからも宜しくお願いします。
2007/03/06 Tue 18:08:43
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
>非公開コメントの方へ
コメントありがとうございます。

この問題に関する誤報はあまりにも多すぎです。まずは、誤報を正すことからと思い、最初に取り上げました。
とはいえ、この問題に関するマスコミ報道は、まず疑ってかからなければならないというのは、困ったものです。
2007/03/06 Tue 18:12:38
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
大島大センセーは
春霞さま。ご返答をありがとうございます。

移植学会副会長なる大島氏は、とんでもない人物のようですね。

このエントリへの「地獄への道は善意で舗装されている」サイトへのトラックバックを拝見しました。(sxed2004さん、ありがとうございます。)

http://blogs.yahoo.co.jp/sxed2004/663850.html

そこに掲載されている、東京新聞の大島氏へのインタビューへの藤田士朗氏(フロリダ大学)の反論によりますと、大島氏は

1)先日石川で開かれた臨床腎移植学会において、病気腎移植関係の研究発表を行おうとした会員に、発表を取りやめさせた。

2)日米の医師を集めて行われるはずだった病気腎移植に関するシンポジウムについて、日本移植学会会長のオーソライズがあったにもかかわらず、開催を妨害し、キャンセルさせた。

3)5月の万波グループによる全米移植外科学会における研究発表をできないようにしようと工作している。

>さらに、やろうとしたこと、やった結果がどうか報告し、専門の場で批判や意見交換を繰り返し、それが一般治療として有効かどうかの検証が必要。そのためにはたくさんの症例の積み重ねがいるし時間がかかる。その過程で常にオープンにし、議論すべきだ。その検証無しに、治療としてやってしまうのはまずい。

と東京新聞のインタビューで答えていた大島氏ですが、こと病気腎移植に関しては、そもそもオープンに検証する機会を持つつもりがさらさらないだけでなく、一切の議論を封印してしまおうとしているようです。

この大島氏の態度の、どこに倫理があり、どこに社会への責任があり、そしてどこに、実際に苦しんでいる患者さんたちへの思いがあるのでしょうか?

大島氏への藤田氏の反論の詳細は、上記サイトをご覧下さい。

(追補しました:3月6日23時24分、31分)
2007/03/06 Tue 20:50:22
URL | 語学教師 #va74bd7o[ 編集 ]
>語学教師さん:2007/03/06(火) 20:50:22へのお返事
コメントありがとうございます。


>移植学会副会長なる大島氏は、とんでもない人物のようですね
>こと病気腎移植に関しては、そもそもオープンに検証する機会を持つつ
>もりがさらさらないだけでなく

外面は好人物のように装っておきながら、裏では正反対の行動をする……。こういう酷い人物ってどの分野でもいるものなんですね。法律の分野でも一人(刑法学者。まだ存命中。)いたことを思い出しました。


>この大島氏の態度の、どこに倫理があり、どこに社会への責任があり、
>そしてどこに、実際に苦しんでいる患者さんたちへの思いがあるの
>でしょうか?

裏で色々画策しているようだと、倫理観に欠けているのはどっちだと言いたくなります。
東京新聞の記事だと、「ドナー保護が優先」なんていっていますが、それもウソでしょう。東京新聞の記事を読むと苦々しい思いで一杯になります。


>大島氏への藤田氏の反論の詳細は、上記サイトをご覧下さい

藤田氏の反論を読むと、大島氏は腎移植の専門医であってその分野は幾らか分かっていても、他の分野は殆ど知らないことが分かります。だから、泌尿器科の手術すべて上手な万波医師のことは、到底理解できないんでしょうね。
2007/03/07 Wed 06:59:03
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
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2007/03/05(月) 20:16:40 | 晴天とら日和
下記のニュースに対して、藤田先生から、このようなご意見いただきました。私は、大島氏が少しは、良心が残っているのではと思っていましたが、こんな策謀を巡らせていたとは、とても良心が残っているとは思えなくなりました。以下、藤田先生の見解です。「今の医療ではとて
2007/03/06(火) 15:45:38 | 地獄への道は善意で舗装されている
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