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2007/02/21 [Wed] 07:33:30 » E d i t
宇和島徳洲会病院の病気腎移植の是非を検討した調査・専門合同委員会の調査結果については、「徳洲会病院の病腎移植調査委の結論は……「不適切」に決定でなく結論先送り!?」で触れました。しかし、同じ調査結果について、愛媛新聞ではかなり異なる論調の記事となっていました。そこで、この記事について紹介したいと思います。


1.特集宇和島 腎移植2007年02月19日(月)付 愛媛新聞

 「大阪市病気腎移植 記録に不備 徳洲会病院合同委員会 結論は持ち越し

 病気腎移植について調査している宇和島徳洲会病院(宇和島市)の調査委員会と専門委員会は十八日、合同委員会を大阪市内で開いた。医学的見地から調査した専門委は医学上の記録が文書で残されていない点に問題があるとの点で一致したが、各専門委員の見解は「十一件すべて医学的に適切とはいえない」「不適切な医療とまではいえない」と分かれた。移植の当否を検証している調査委は三月三日、移植を執刀した万波誠医師(66)から聞き取り調査した上で、最終結論を出す。

 合同委には日本移植学会などが派遣した外部委員や徳洲会グループの内部委員など二十人が出席。専門委の移植、泌尿器、腎臓内科、病理の各専門医が、同病院での十一件の病気腎移植について摘出・移植状況などを報告し、医学的見地から意見を述べた。

 会見した両委員会の委員を務める福島安義・徳洲会専務理事らによると、専門委員から「記録に不備があり、限られた情報の中で判断すれば、十一件すべて医学的に適切とはいえない」との見解が示された。ただ「口頭でのインフォームドコンセント(説明と同意)はなされており、不適切な医療とまではいえない」など病気腎移植に一定の理解を示す意見も出たという。(以下、略)」


ここで特徴的な点は、全国紙の報道のように、専門委員は「11件すべて医学的に適切ではない」と断定したのではなく、

「各専門委員の見解は「十一件すべて医学的に適切とはいえない」「不適切な医療とまではいえない」と分かれた。」

ということです。だからこそ、調査委は、3月3日、移植を執刀した万波誠医師から聞き取り調査した上で、最終結論を出すという結論にしたのです。




2. 特集宇和島 腎移植2007年02月19日(月)付 愛媛新聞

 「専門委 見解に隔たり 徳洲会病院合同委 病気腎 否定と容認

 「きょう最終報告を出すつもりで検証してきたが、カルテの記載内容があまりに少ない。病名と手術結果が書いてあるだけで、どういう経緯で摘出、移植に至ったのか分からない」―。十八日、大阪市であった宇和島徳洲会病院の調査・専門合同委員会終了後、足早に会場を後にした委員が漏らした。

 同病院の万波誠医師(66)らによる病気腎移植を、純粋に医学的見地から検証した専門委では同日、各分野の専門家がそれぞれ見解を示したに過ぎず、統一見解をまとめるには至らなかった。「難航」の要因として、複数の委員がデータの不足を挙げる。

 専門委のある委員は「初めからノーありきの調査じゃない。深刻なドナー(臓器提供者)不足のなか、今回の症例の中からヒントを得たいと考えたが、とにかくデータが足りない」と指摘。別の委員も「最長で術後約二年半だが、現時点の移植成績はかなりいい。なのに万波先生はほとんど医学的データを残しておらず、個別症例の詳細な判断ができない」と話す。

 委員構成に関し、病院関係者と外部専門家のバランスに言及する声も。調査委は委員十八人のうち外部委員は四人だけで、残る十四人は同病院と徳洲会グループ関係者が占める。専門委も九人(一部調査委と重複)のうち四人がグループ医師だ。

 専門委の報告では、現在の医学界のルールなどで判断した結果、外部委員からは「通常なら摘出しないケースが多い」「がんや感染症の臓器は移植しない」との否定的な意見が大半。一方、グループ医師らは「主治医の裁量で許容範囲」との見解を示すなど、見解の隔たりは大きい。

 ある委員は「医療は、目の前の患者を治療することが至上命令だが、同時に社会活動の一つ。社会的批判を受けてもなお認知されるには、有効性や安全性などを証明する記録を残しておくことが絶対的に不可欠だ」と指摘している。(以下、略)」


この記事になると、全国紙やテレビ報道とは全く違う印象を受けるのではないでしょうか?


(1) 

 「「きょう最終報告を出すつもりで検証してきたが、カルテの記載内容があまりに少ない。病名と手術結果が書いてあるだけで、どういう経緯で摘出、移植に至ったのか分からない」―。十八日、大阪市であった宇和島徳洲会病院の調査・専門合同委員会終了後、足早に会場を後にした委員が漏らした。」


要するに、ずっと、カルテの記載で判断してきたが、カルテの記載内容が少ないので、病腎移植の是非を判断できず、このままでは結論を出すことは無理だというわけです。


(2) 

 「専門委のある委員は「初めからノーありきの調査じゃない。深刻なドナー(臓器提供者)不足のなか、今回の症例の中からヒントを得たいと考えたが、とにかくデータが足りない」と指摘。別の委員も「最長で術後約二年半だが、現時点の移植成績はかなりいい。なのに万波先生はほとんど医学的データを残しておらず、個別症例の詳細な判断ができない」と話す。」


この記述には、正直驚きました。病腎移植はダメという「結論ありき」ではなかったわけです。むしろ、「初めからノーありきの調査」ではなく、「現時点の移植成績はかなりいい」のだから、「症例の中からヒントを得たい」と思っていたのですから、ドナー不足の対応策として、一部でも病腎移植を肯定することはできるのではないか、と考えていた委員が複数いたわけです。

そうなると、なぜ全国紙では、「すべて不適切」といった報道になったのでしょうか? 次の部分がヒントになると思います。


(3) 

 「専門委の報告では、現在の医学界のルールなどで判断した結果、外部委員からは「通常なら摘出しないケースが多い」「がんや感染症の臓器は移植しない」との否定的な意見が大半。一方、グループ医師らは「主治医の裁量で許容範囲」との見解を示すなど、見解の隔たりは大きい。」


どうやら、病腎移植すべて否定的な外部委員と、肯定的なグループ医師らの意見が対立しているようです。そこで、全国紙の報道機関は、外部委員のうち、病腎移植すべてに否定的な委員(おそらく、移植学会の幹部か?)から詳しくリークしてもらって、それを基にして報道したのだと思います。

調査・専門合同委員会では、記載の少ないカルテしか判断材料がないのですから、万波医師から聴取することなく判断することは困難なので、「結論先送り」になるのは当然といえるのです。しかし、「結論先送り」の決定に不満があり、病腎移植をすべて否定したい委員がいたのでしょう。
病腎移植をすべて否定したい委員と、万波医師を執拗に非難したい一部のマスコミとが結託して、病腎移植すべて不適切といった誤報を繰り広げたというのが“真相”であるように感じました。




3.「結論先送り」の決定に不満があり、病腎移植をすべて否定したい委員と、万波医師を執拗に非難したいマスコミとが結託した結果が、次のような社説に表れています。

(1) 毎日新聞平成19年2月20日付社説

 「社説:病気腎移植 徹底調査で問題点明らかに

 腎臓病の人から摘出した腎臓を別の人に移植する。宇和島徳洲会病院で万波誠医師らが実施した「病気腎移植」は、11件すべてが医学的に不適切だったという。

 病院の調査委員会に専門委員らが報告したもので、腎臓の提供者にとっても、移植を受けた人にとっても、気が重くなる内容だ。

 病気腎移植は、これ以外に2病院で31件実施されている。全部で42件の症例が医学的に見てどうだったのか。各病院はさらに徹底した調査をし、詳しい報告を公表してほしい。(以下、略)」


まだ結論が出ていないに、「『病気腎移植』は、11件すべてが医学的に不適切だったという」と断言してしまうのです。「気が重くなる」のは、デマを流す毎日新聞の社説の方です。


(2) 日経新聞平成19年2月20日付社説

 「社説2 病気腎移植の理不尽な実態(2/20)

 宇和島徳洲会病院で万波誠医師らが実施した11件の病気腎移植について、外部の専門家委員会は、ほとんどが不適切な手術だったという結論を下した。患者への説明と同意を省略するという、倫理手続きの欠陥というより、手術そのものの医学的な根拠に大きな疑問があると指摘しており、問題は相当に深刻だ。(以下、略)」


この社説は、デマばかりであり、この一部引用部分だけでも無茶苦茶としか言いようがありません。

「外部の専門家委員会は、ほとんどが不適切な手術だったという結論を下した」

としていますが、「外部の専門家委員会」の結論とは、2月17日の専門員会の結論のことなのでしょうか? 仮にそうであっても、18日の調査・専門合同委員会の調査結果では「結論先送り」なのですから、「結論を下した」と断ずるのは妥当ではありません


「患者への説明と同意を省略するという、倫理手続きの欠陥」

としていますが、省略されていたのは、患者への説明書と同意書という“書面”が省略されていたのであって、「説明と同意を省略」したわけではないのです。日経新聞は、説明と同意がないことと、説明書と同意書がないことの違いが分からないほど愚か者であるか、それとも、意図的にデマ報道を行うつもりなのか、のどちらかです。いずれにしても、妥当でなく訂正すべきです。

このように、「相当に深刻」なのは、万波医師の医療行為ではなくて、デタラメな社説を垂れ流す日経新聞の方です。




4.このように、各報道記事・社説を引用してみると、宇和島徳洲会病院の病気腎移植の是非を検討した調査・専門合同委員会の調査結果については、全国紙での報道記事よりも、愛媛新聞の報道記事の方が適切であったと思います。

しかし、多くの人たちは、全国紙の記事や社説による誤報を信じてしまっているのではないでしょうか? この愛媛新聞の記事が広く読まれることを期待しています。

テーマ:ニュース - ジャンル:ニュース

コメント
この記事へのコメント
ご報告
春霞様 こんばんは。
私のような関係者が再び書き込むのはどうかとためらったのですが、敢えてこの場をお借りします。


現在2月23日ですが、明日明後日のうちに読売新聞などに万波誠医師の弟、廉介医師が行った病気腎関連の手術に関してかなり否定的な記事が掲載されると思います。関係する委員会での廉介医師本人に対する聞き取りでは、廉介氏の主張に対して諸委員が「医療措置に全く問題はない」と同意を表明していましたが、今回の報道はそうした委員会の経過を封じ込めようとした一部の委員のリークによるものと思われます。

調査に携わった関係諸学会はどういう経緯で結論に至ったかを、公開すべきであると考えています。
2007/02/23 Fri 23:58:30
URL | インサイダー #sc6rXX4c[ 編集 ]
>インサイダーさん
コメントありがとうございます。


>現在2月23日ですが、明日明後日のうちに読売新聞などに万波誠医師
>の弟、廉介医師が行った病気腎関連の手術に関してかなり否定的な記事
>が掲載されると思います。

情報ありがとうございます。やはりというべきか、否定的な記事ばかりなのですね。

すでに読売新聞2月23日付朝刊1面で否定的な記事がでていますが、これからも出るということですね。

「「万波移植」完全否定へ…病気腎症例調査

 病気腎移植に関する各病院や厚生労働省の調査で、計42症例の全容が明らかになった。がんやネフローゼに加え、B型肝炎ウイルス陽性患者の腎臓を移植するなど通常では考えられない医療行為が次々と浮かび上がった。」

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070223ik09.htm

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070223ik0a.htm


>調査に携わった関係諸学会はどういう経緯で結論に至ったかを、公開
>すべきであると考えています

仰るとおりです。議論を公開することが重要です。議論を公開しなければ、医学的な確証の元に議論をしたのか分からないのです。

日本のマスコミ、例えば、毎日新聞社の元村有希子記者は、万波医師に対して、「密室医療」だと非難しているのですから、調査に携わった関係諸学会に対しても、議論を公開せよと言うべきです。元村有希子記者の見識が問われています。

「発信箱:最善の努力=元村有希子

 万波誠医師の姿を初めて見た時、懐かしさを覚えた。私が小さいころ、あんな雰囲気の外科医が大勢いた。

 白衣の下はU首シャツ。素足にサンダルで、袖をまくった両腕をポケットに突っ込んで歩く。どんな危ない手術をしたかが自慢で、その代わり患者のためなら喜んで一肌脱いだ。

 病気腎移植という万波医師の行為も危ない挑戦だ。臓器提供が少ない中、目の前には死と向き合う患者がいる。そんなぎりぎりの状況下での彼の行為を、最善の努力として支援する動きがある一方、学会は批判的だ。

 「最善の努力」という言葉、情報通信の世界では「ベストエフォート」と英語で呼ばれている。例えば、高速通信に利用が集中して機能が低下しても、業者は責任を問われない。「この品質を最善の努力で目指すが、能力を超えた事態では保証できない」ということに、社会の合意がある。それが許されるのは、たとえ完ぺきでなくても、情報通信技術による恩恵が大きいからだ。

 では、万波医師の行為は「ベストエフォート」だろうか。私はノーだと思う。

 日本の移植医療の遅れは、68年の「和田移植」で露呈した密室性への不信が響いたといわれる。だからこそ、移植医療は情報公開を前提に進んできた。万波医師の行為は、外から見れば密室医療といわざるを得ない。記録も不十分で、真相解明は難しいだろう。

 「最善の努力」を認めさせるなら、あらかじめ公表して学会や社会に問うことしかなかった。まして発覚後の言い訳に使えば、移植医療の根本が問われる。(科学環境部)

毎日新聞 2007年2月21日 東京朝刊」
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hassinbako/news/20070221ddm002070031000c.html
2007/02/24 Sat 22:53:18
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
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