1.各紙朝刊(朝日新聞を除く)で報道していましたが、その報道記事のうち幾つか。
(1) 毎日新聞平成19年2月17日付朝刊1面
「民法772条:離婚5カ月「前夫の子」と届け出…大阪地検、誤って起訴
◇「300日規定」知らず
「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」とする民法772条の規定通り、離婚5カ月後に生まれた男児を「前夫の子」として出生を届け出た中国籍の女性(28)が、大阪地検から虚偽を届けたとして公正証書原本不実記載・同行使罪で起訴されていたことが分かった。同地検は16日、「規定の理解不足だった」と発表、大阪地裁への起訴を取り消し同地裁は公訴を棄却した。規定により事実と異なる出生届を強いられたことが誤った起訴につながった。
地検によると、女性は01年5月に日本人男性(前夫)と離婚。同年10月に別の交際相手との間に男児を出産し、「前夫の長男」とする出生届を大阪市港区役所に提出した。これに気付いた前夫は06年1月、女性を大阪府警に刑事告発。府警の書類送検を受け、地検が同10月に在宅起訴した。
女性は当初から「前夫との子供ではないが、そう届け出るよう(役所で)指導された」と供述。同12月の初公判で弁護人も「民法上正当な行為」と無罪を主張したことを受けて、検事が不適切だったことに気付いたという。
男児は、親子関係不存在確認訴訟により前夫の戸籍からは抹消された。別の住居侵入と窃盗罪で服役中の女性は「男児は中国にいる母親に預けている」と話している。
◇清水治・大阪地検次席検事の話
(検事は)法的な運用を理解していなかった。女性に対して申し訳ない。【日野行介、田中龍士】
==============
■ことば
◇民法772条
離婚後に生まれた子の養育などを巡り親子関係が推定できる規定。婚姻解消・取り消しの日から300日以内に生まれた子は離婚前の夫の子と推定すると定めており、早産などの事情でも、親子関係の不存在を裁判所で確認するなどしないと「現夫の子」として戸籍に登録できない。
毎日新聞 2007年2月17日 東京朝刊」
(2) 毎日新聞平成19年2月17日付朝刊27面
「民法772条:解釈ミスで地検起訴 正規手続きで「罪人」、理不尽さ浮き彫り
「離婚後300日以内に誕生した子は前夫の子」とする民法772条をめぐり、大阪地検が規定に対する理解や認識の不足から中国人女性を誤って起訴していた。離婚から5カ月後に生まれた交際中の男性の子を「前夫の子」と規定通り役所に届けたことで女性は罪に問われていた。地検は16日、起訴を取り消して謝罪したが、事実を曲げなければならない規定の問題点が、捜査の現場でも露呈した。【工藤哲、森本英彦】
「捜査を担当した検察官だけでなく、決裁した上司もミスに気付かないなんて、全く考えられない失態だ」。法務省のある幹部はそう言って絶句した。報道などで規定の問題点が次々に明らかになる中、同省は、実態調査をしたうえで、法改正や運用の見直しを検討することを明らかにしている。この幹部は「民法772条の見直し問題と、今回のミスとは直接関係ないとはいうものの非常に時期が悪い」とこぼした。
また、規定により出生届の修正などをした経験のある親たちからは、同地検の認識不足に憤り、改めて規定の見直しを求める声が上がった。
離婚後265日目に男児を出産し、裁判を経て今の夫の子にした神戸市東灘区の井戸正枝さん(41)は「事実と異なる出生届を出さざるを得なくしている規定の理不尽さを浮き彫りにした」。離婚後281日目で出産し前夫相手に嫡出否認の裁判をした東京都目黒区の女性(38)も「女性は法的には正規の手続きをしただけなのに罪人にされてしまった。不本意な手続きを強いられたうえに罪人にまでされたことが許せないし、悲しい」と語った。
◇元最高検検事の土本武司・白鴎大法科大学院教授の話
日本の検察が起訴を取り消すことはほとんどない。規定の誤解が原因となると恐らく初めてではないか。検事だから刑法だけ知っていればいいというのではなく、すべての法律に精通しておくべきだ。
毎日新聞 2007年2月17日 東京朝刊」
(3) YOMIURI ONLINE(関西)(東京版の紙面では2月17日付朝刊34面)
「離婚後140日「前夫の子」出生届、民法見落とし起訴
大阪地検が、「女性が離婚後300日以内に出産した場合、子供は戸籍上、離婚前の夫の子供になる」と定めた民法772条の規定を見落とし、本来、罪に問えない中国人女性(28)を公正証書原本不実記載・同行使罪で起訴していたことがわかった。女性は、前夫との離婚の日から140日目に新たな交際相手との間に生まれた男児を前夫の子供として出生届を出していた。同地検は「民法の規定の理解が不十分だった」とし、16日、公訴取り消しを申し立て、女性に謝罪、大阪地裁は公訴棄却を決定した。法を熟知しているはずの検察官の初歩的なミスと言えそうだ。
同地検などによると、女性は1998年に来日し飲食店などで勤務。2000年7月、日本人男性と結婚したが、3か月後に別居し別の日本人男性と交際を始めた。前夫とは01年5月31日に協議離婚が成立した。
女性は同年10月17日、新たな交際相手との間にもうけた男児を出産。前夫に「(戸籍上の)父親になってほしい」と頼んだが断られたため無断で大阪市内の区役所に出生届を出した。これを知った前夫が昨年1月、大阪府警に告発。書類送検を受け、同地検は同年10月、女性が「前夫の子供でないことは認識していた」と述べたことなどから「うその出生届を出した」として在宅起訴したが、昨年12月の初公判で弁護人からミスを指摘された。
清水治・大阪地検次席検事の話「民法の規定に照らして虚偽申告といえるのかどうかに気付くべきだった。女性には申し訳なく思っている」
■民法772条
第1項で女性が婚姻中に懐妊した子供は夫の子供と推定する、と規定。第2項で離婚の日から300日以内に生まれた子供の父親は前夫とみなすことなどを定めている。このため、別居中に別の男性との間にもうけた子供や、再婚後、早産で離婚から300日以内に出産せざるを得なかった子供らが法的には「現在の夫の子供」ではなく、前夫らの子供とされる。家族のあり方が多様化する中、規定の見直しを求める声が高まっており、女性国会議員らによる超党派の勉強会も15日に発足した。
(2007年2月17日 読売新聞)」
2.これらの記事からは色々なことが見えてきます。
(1)
「地検によると、女性は01年5月に日本人男性(前夫)と離婚。同年10月に別の交際相手との間に男児を出産し、「前夫の長男」とする出生届を大阪市港区役所に提出した。これに気付いた前夫は06年1月、女性を大阪府警に刑事告発。府警の書類送検を受け、地検が同10月に在宅起訴した。
女性は当初から「前夫との子供ではないが、そう届け出るよう(役所で)指導された」と供述。
「捜査を担当した検察官だけでなく、決裁した上司もミスに気付かないなんて、全く考えられない失態だ」。」
要するに、この女性の言い分を全く信用せず、まったく調べなかったわけです。役所(戸籍係)に問い合わせればすぐにわかるのに、調べようとしなかったのです。しかも、日本人男性から刑事告発を受けた大阪府警も確認せず、捜査を担当した検察官も確認せず、決済した上司もミスに気づかないのです。
これらからすると、複数の捜査官が関与していているのに、容易に判明することであっても、いずれも確かめるための捜査をしないのですから、大阪の捜査機関においては職務怠慢が蔓延していると判断できそうです。
また、この女性が中国人であり、その言い分を全く信用せず、日本人男性が大阪府警に刑事告発したことを鵜呑みにしたことからすると、中国人に対する偏見があるのかもしれません。中国人は嘘つきであると……。
(2)
「地検は同年10月、女性が「前夫の子供でないことは認識していた」と述べたことなどから「うその出生届を出した」として在宅起訴した」
要するに、この事件を担当した検察官の意識としては、前夫との間で血縁関係がない子供は、戸籍上も前夫との間と子供になるはずがないと思っていたわけです。だから、前夫が自分の子供でないと告発し、女性が前夫の子供でないと分かっているのだったら、「疑いなく虚偽の出生届だ」と速断してしまったのです。
土本教授は「すべての法律に精通しておくべき」と述べていますが、さすがにそれは無理な話ですが、離婚後再婚した場合には、再婚後出生した子供は、通常、現在の夫の間の子供であるというのが一般的な社会通念ですが、検察官も同じような社会通念を有していたといえるわけです。
検察官がすべての法律に精通しているかは別として、法律に親しんでいる地位にある者も、つい民法772条の「300日規定」の存在を忘れてしまうのですから、民法772条の「300日規定」は、現実と合致せず、誤解しやすい不合理な規定なのでしょう。やはり、「離婚後再婚した場合には、再婚後に出生した子供は現在の夫の子供と推定する」という規定に改正した方がよいと考えます(「離婚後300日問題(民法772条問題)〜離婚後に出産、子供の戸籍は?」参照)。
(3)
「昨年12月の初公判で弁護人から指摘を受け、同地検は対応を協議。16日、「これ以上の公判の継続は妥当でない」と判断し、公訴を取り消すとともに女性に謝罪したという。」(読売新聞平成19年2月17日付朝刊34面東京版)
この女性は、在宅起訴であって身柄拘束を受けていないからいいものの、昨年12月に指摘を受けてから、2月16日に公訴取消しをするまで、1ヵ月半近く放置していたのです。民法772条を見てもすぐにわかるともいえますが、出生届を受け付けた役所に確認すれば、それこそすぐに判明します。
すぐに分かることであるのに、対応を協議して、結果として、1ヵ月半近くも放置していたのですから、この点でも職務怠慢であるといえそうです。
「対応を協議」するというのは、1つは、公正証書原本不実記載・同行使罪について、裁判所に無罪判決を下してもらうか、検察側で公訴取消をして、裁判所に公訴棄却してもらうかということなのでしょうが、公訴取消を選択したようです。
もう1つは、何とか誤魔化すことができないか対応したということなのでしょう。明らかなミスを犯したとすれば、担当した検察官は何らかの責任を負うことになるでしょうから。
土本教授によれば、「日本の検察が起訴を取り消すことはほとんどない。規定の誤解が原因となると恐らく初めてではないか」というほどの失態なのです。
3.このように検討してみると、この事件については、民法772条「300日規定」の問題性ゆえに問題となったというよりも、それ以外の問題点の方が問題であるように感じました。
<追記>
東京新聞平成19年2月17日付朝刊27面
「法律通り出生届…なのに起訴 離婚後300日規定トラブル
離婚後三百日以内に生まれた子を一律に前夫の子として扱う民法の規定通りに出生届を提出した中国籍の無職女性(28)=窃盗罪などで服役中=が、虚偽の届け出をしたとして大阪地検に公正証書原本不実記載などの罪で起訴されていたことが十六日、分かった。
大阪地検は同日、規定を見落としていたことを認めて女性に謝罪するとともに起訴取り消しを申し立て、大阪地裁は公訴棄却を決定した。
地検によると、女性は二〇〇〇年七月に前夫と結婚し、翌年五月に協議離婚が成立。十月に別の男性との間にできた男児を出産したが民法の規定に従って前夫の長男として出生届を区役所に提出した。
その後、前夫が戸籍に長男の記載があることに気付き、昨年一月に大阪府警港署に公正証書原本不実記載などの疑いで告発。地検は十月六日に起訴した。
十二月一日の初公判で女性の弁護人がこの規定を持ち出して無罪を主張し、担当検事が気付いたという。
女性は取り調べ段階で「区役所の戸籍係の職員に前夫の子として届けるように言われた」と供述していたという。
窃盗罪などは〇五年十二月に有罪判決が確定した。
大阪地検の清水治次席検事の話 女性には申し訳なく思っている。捜査段階でもう少し突っ込んで考えないといけなかった。
■勝手に名前削除…子は無戸籍
山形市内の二十代女性が提出した男児の出生届を、離婚後三百日以内に出されたものだったのに、同市が気付かず誤って受理。その後に気付き、女性の戸籍から男児の名前を削除したため、男児が無戸籍状態になっていることが分かった。
男児は現在、医療費などが全額負担になるなど公的サービスが受けられない状態。山形市は東京都在住の男性の戸籍を二十年間「長女」と誤記載したミスが判明したばかり。市川昭男市長は「不祥事を重ねて引き起こし深くおわび申し上げる」とのコメントを発表した。
市によると、女性は離婚後三百日以内の昨年十一月、父親の欄を空白のまま出生届を提出した。
このケースでは本来、民法の離婚後三百日規定により、男児は前の夫の戸籍に入るが、市は気付かずに受理。女性の戸籍に男児の名前を印字した。
ところが八日後に、別の職員が点検し、間違いが分かり、戸籍法上は印字の訂正には訂正線などを用いるとしているにもかかわらず、砂消しゴムで消し、男児の名前を削除していた。
その際、女性にも連絡したが、削ったことを伝えていなかった。その後、女性が戸籍謄本を取得した際に消した跡に気付き、市に問い合わせて判明した。
<メモ> 離婚後300日規定 民法772条2項は「婚姻の成立の日から200日を経過した後または婚姻の解消もしくは取り消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と規定。離婚後300日以内に、別の男性との間に生まれた子は前夫の子として届けなければならない。この規定をめぐっては、安倍晋三首相が「慎重に検討していきたい」と述べ、見直しを求める声が高まっている。」
前半の記事は、上で挙げた記事と同じです。この女性は、すでに05年12月に窃盗罪で有罪が確定していたようです。その後、06年10月に公正証書原本不実記載・同行使罪で起訴したということになります。窃盗罪を犯していたのだから、公正証書原本不実記載・同行使罪も犯していてもおかしくないという思い込みがあったのかもしれません。
しかし、前夫も後夫も日本人なのですし、戸籍上、わざわざ、子供の父親を前の夫にする意義は乏しいように思います。前夫が資産家だったといった事情でもあるのでしょうか? それにしても、前夫はいきなり刑事告発ですから、かなりエキセントリックな感じも受けます。
後段の事件は、出生届を受けた山形市の職員が、戸籍実務をよく理解していなかったということです。戸籍担当者は、もう一度戸籍の運用を勉強し直すべきでしょう。
民法772条の「300日規定」が不合理であっておかしな規定であると、多くの戸籍実務担当者が感じていても、さらに、戸籍実務の細かい運用を理解することにうんざりしているとしても。
ご意見は、1 夫と死別した場合は300日以内の場合の推定規定をそのままとし、2 離婚後に再婚していた場合は現在の夫の子と推定する、ということだと思います。
では、離婚後、再婚していない場合は、どのようにお考えでしょうか?300日以内の場合の規定をそのままにするというご意見でしょうか?
ご迷惑でなければ、ご意見をお聞かせ下さい。
URL | 平家 #-[ 編集 ]
>1 夫と死別した場合は300日以内の場合の推定規定をそのままとし、
>2 離婚後に再婚していた場合は現在の夫の子と推定する
その通りです。
簡単に言えば、離婚後再婚した後に出生した場合は、今夫の子である場合が殆どというのが現実なので、前夫の子となるような処理は止めた方がいいということです。
>離婚後、再婚していない場合は、どのようにお考えでしょうか?
>300日以内の場合の規定をそのままにするというご意見でしょうか?
再婚していない場合は、父子推定がなく、非嫡出子となります。民法772条1項は、婚姻中懐胎した子についての推定規定ですから、婚姻していない場合には772条の推定を受けないという処理は、条文に適った処理だと思います。
一度も婚姻しないで懐胎し、出産した場合と同じ扱いです。
私の質問が不明確だったのかもしれませんが、離婚後、300日以内に出産し、かつ、それまでの間に再婚していない場合の扱いです。現在の規定であれば、前夫の子と推定され、嫡出子となるのではないでしょうか?
仮に、第2項を死別の場合に限れば、前夫の子と推定されず、非嫡出子とされる可能性が出てくると思います。この場合、適切な父を与えられないことになると思います。
立法論としてそれでいいとするのか、あるいは、死別と同じように扱い、前夫の子と推定させるのがいいとお考えなのか、どちらでしょう?
URL | 平家 #-[ 編集 ]
>離婚後、300日以内に出産し、かつ、それまでの間に再婚していない
>場合の扱いです。
誰が父親であるかの推定がない(その結果として非嫡出子となる)規定でよいと考えます。現実的に前夫との血のつながりがないのが通常であって、前夫からの養育を受けない以上、前夫を父とするのは不合理だからです。
↓で述べたとおりです。
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-289.html
>現在の規定であれば、前夫の子と推定され、嫡出子となるのではない
>でしょうか?
その通りです。
>この場合、適切な父を与えられないことになると思います
再婚予定の相手がいるから子供ができるのです。なので、通常は、再婚予定相手と再婚し、その男性が「適切な父」になるので、問題ありません。
「適切な父」とはどういう父なのでしょうか? 平家さんは、前夫が「適切な父」と考えているのだとしたら、どういう理由で「適切な父」と考えるのですか?ぜひお聞かせ下さい。
>立法論としてそれでいいとするのか
これは、この民法772条の「離婚後300日規定」の妥当性そのものですね。
この問題については、幾つか書いています。↓をご覧下さい。
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-category-17.html
とはいえ、すでに報道されているように、近時、改正する方向にありますから、今後はこの改正案で進むのでしょう。
「自民、公明両党は十五日、離婚後三百日以内に生まれた子を一律に「前夫の子」として扱う民法七七二条の規定について、前夫の子でないことを証明すれば規定の対象外とし、出生届受理の判断主体を市区町村から法務局に移す特例を設けるため、新法の制定を検討することで一致した。」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20070316/mng_____sei_____000.shtml
近いうち、この改正案について検討してみたいと思います。
URL | 平家 #-[ 編集 ]
後者だと、民法上の父と戸籍上の父が違うという、奇妙奇天烈な事態が生じるような気がします。
URL | 平家 #-[ 編集 ]
まず。離婚後300日問題について検討する前に、前提となる事実(公知の事実)を確認しておきます。それは、離婚に至る実情です。
通常、「いざこざ発生→性交渉なし→別居→離婚届又は裁判離婚」という経過を辿ります。なので、離婚後に出産する場合、前夫の子である場合は著しく少ないことになります。
こういう実情があるからこそ、離婚後に出産する場合、後夫の子である可能性が高く、それなのに離婚後300日以内に出産した子は前夫の子と扱う民法や戸籍実務には、関係者全て困っている、というわけです。
>第2項を死別の場合に限れば、前夫の子と推定されず、非嫡出子とされる
>可能性が出てくると思います。この場合、適切な父を与えられないこと
>になると思います。
「適切な父」とはどういう父なのでしょうか?というこちらの問いに対して、「適切な父とは真実の父のこと」というお答えでした。
そうだとすると、必ずしも前夫は「真実の父」ではないのですから、前夫を「適切な父」として与えない方がいいのではないでしょうか?
このコメント中の最初に述べたように、前夫は真実の父でない可能性が高いのですから、ますます、前夫を父と推定するのはマズイと思います。
平家さんの「適切な父=真実の父」論を貫くなら、推定規定はない方がいいはずです。いわゆる民法772条廃止論ですね。本当に真実の父かどうかは、DNA鑑定で検査しないと分からないのですから。
(追記:真実の父を適切な父としたいというのは、妥当な考えだと思います。多くの人がそれを望んでいます。なぜか判例は違いますが。)
>民法の改正に踏む込むのでしょうか?
>それとも戸籍の問題だけとりあえず処理しようというのでしょうか?
>後者だと、民法上の父と戸籍上の父が違うという、奇妙奇天烈な事態
>が生じるような気がします。
民法772条は、↓で触れたように問題のある規定ですし、特に「300日規定」は、現実と合致せず不合理です。なので、判例によって不合理を解消するため多くの例外が付け加えられ、戸籍実務は判例に対応して多くの例外を処理しています。本来は民法改正が望ましいのですが。
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-289.html
読売新聞の報道によると、自公による議員立法は、「民法は改正せず、戸籍事務に関する新法を制定する方向で調整する」そうですから、民法改正ではありません。
772条の不合理な部分については、戸籍実務で処理していたのですから、その実務処理を広げようというものですね。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20070316ik08.htm
このような報道からすると、前者か後者のどちらかといえば、後者でしょう。
平家 さんは、後者だとすると「民法上の父と戸籍上の父が違う」ことになっておかしくなると心配しておられるようです。しかし、戸籍上、父子関係ありとの続柄が掲載されないと、法律上の父とは認められないでしょうから、「民法上の父と戸籍上の父が違う」ということはないのではないか、と思います。
もっとも、平家さんが、「法律上の父」、「民法上の父」、「戸籍上の父」の意味をすべて違うものと考えているのかよく分からないので、何とも言えませんが。
URL | 平家 #-[ 編集 ]
>私の考えている「法律上の父」、「民法上の父」、「戸籍上の父」
なるほど。どのような考えか分かりました。かなり色々と考えてみたわけですね。
そういえば、与党の民法見直しプロジェクトチーム(PT)による、離婚後300日以内に生まれた子を前夫の子とする規定の見直しは、立法化されるのかと思ったら、頓挫しそうな感じですね。
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