この訴追請求によって訴追決定がなされるのかどうかについて、検討してみたいと思います。
1.最初に、紹介記事を引用してみます。
(1) まず、日経新聞(11月29日付)によると、
「『判決短すぎる』と減点の判事、上司の所長罷免を請求
裁判官再任に関して『判決理由が短すぎる』として減点評価したのは人事権を武器にした『裁判干渉』に当たるとして、横浜地裁の井上薫裁判官…が29日までに、裁判官弾劾法に基づき、同地裁の浅生重機所長…の罷免を求める訴追請求状を国会の裁判官訴追委員会に提出した。
現職判事が憲法が定める裁判官の独立を侵害されたとして『上司』の裁判所所長の罷免を求めたのは極めて異例。
浅生所長は29日午前、地裁総務課を通じて『申し上げることはない』とコメントした。
井上判事は任官20年目。判決文のうち結論を導くのに必要ない部分は『蛇足』で不要というのが持論で、著作『司法のしゃべりすぎ』で有名。昨年4月、横浜地裁に赴任し、交通事件などを担当している。〔共同〕…」
(2) 朝日新聞(11月29日付)によると、
「『判決理由が短い』と言われ、裁判官が裁判官を訴追請求
…関係者によると、請求は25日付。訴追請求状によると、浅生所長は昨年から今年にかけて、『君の判決の理由欄が短いので改善するよう所長として勧告する』『勧告に従わないので人事上減点評価とし、来春の判事再任は無理だ』などと述べた、という。これについて井上判事は『裁判干渉であり、裁判官の独立を侵害した』と訴えている。
井上判事は86年判事補になり、96年判事に任命された。判事の任期は10年で、来春の任期切れを前に来月、最高裁の諮問委員会で審査を受ける。判決文の短さが東京高裁関係者からも指摘されていることや、本人が被告になった名誉棄損訴訟で一審で敗訴した(二審で逆転勝訴)ことなどから、諮問委では重点審査対象になっている模様だ。…
訴追委は、裁判官弾劾裁判所に対して、いわば検察官役として裁判官の罷免の訴追を行う機関。 」
(3) これらの記事からすると、現職判事である井上判事が、上司の裁判所所長の罷免を求める訴追請求状を提出したこと、訴追請求の理由は、判決の理由欄が短いとする改善勧告・勧告に従わないことによって人事上の減点評価がなされたことは、「裁判干渉であり、裁判官の独立を侵害した」こと、という2点にまとめることができます。
2.まず、「判事」が上司の裁判所所長の罷免を請求できるのでしょうか?
裁判官弾劾法15条1項(訴追の請求)によると、
「何人も、裁判官について弾劾による罷免の事由があると思料するときは、訴追委員会に対し、罷免の訴追をすべきことを求めることができる。」
と規定しています。
「何人」(裁判官弾劾法15条)も訴追できるのですから、裁判官も「何人」含まれることに全く問題はないでしょう。井上判事も罷免請求できることについては特に異論はないと思います。もっとも、現職判事が「上司」の罷免を求めるのは異例のようですが。
3.訴追が決定されるためには、「出席訴追委員の3分の2以上の多数が、弾劾による罷免の事由にあたる事実があり、弾劾裁判所に罷免の訴追をする必要があると認めるとき(裁判官弾劾法10条2項)」である必要があります。
(1) その罷免事由は、裁判官弾劾法2条によると、
[1] 職務上の義務に著しく違反し、又は職務を甚だしく怠ったとき。
[2] その他職務の内外を問わず、裁判官としての威信を著しく失うべき非行があったとき。
この罷免事由にあたると、訴追が決定されるわけです。(罷免該当事例については、裁判官訴追委員会を紹介したHPをご覧下さい。
(2) そうすると、「判決の理由欄が短いとする改善勧告・勧告に従わないことによって人事上の減点評価がなされたことは、『裁判干渉であり、裁判官の独立を侵害した』ことにあたる」という訴追請求の理由は、この罷免事由にあたるのでしょうか?
「大阪高裁は違憲判断をしてはいけなかったのか?」というエントリーで書きましたが、簡単にまとめると、
「民訴法253条や判決書作成の目的からすると、判決理由は当事者を納得させるだけの十分な根拠付けをしなければならず、特に、中心的争点については当事者が納得できるように、できる限り丁寧に記述することを要請しています(梅本吉彦「民事訴訟法」840頁〜)。 そうすると、できる限り丁寧に、記載することが要請されることからすれば、一定程度の長さのある判決理由を要求していることも、民訴法253条は要請している。」と考えます。
このように、民事訴訟法上の要請について、浅生所長は井上判事に求めたのですから、裁判干渉にならず、裁判官の独立を侵害したとはいえません。なぜなら、憲法76条2項により、すべての裁判官は憲法及び法律に拘束されるのですから、井上判事も民訴法に拘束されるのは当然であって、浅生所長による勧告は、裁判干渉でもなく、裁判官の独立を侵害したといえないからです。
この勧告の内容は、民訴法上の要請なのですから、それに従わない井上判事の行動は、当然、人事上の減点評価がなされるべきですから、浅生所長による人事上の減点評価も、裁判干渉ではなく、裁判官の独立を侵害したとはいえません。
そうだとすれば、浅生所長による「勧告・人事上の減点評価」は妥当であり、「裁判干渉であり、裁判官の独立を侵害した」との訴追理由自体、理由として認められませんので、浅生所長の行動は、罷免事由に当たらないと考えます。
そうすると、井上判事による訴追請求により、浅生所長に対して訴追決定がなされることはないことになります。
4.前にも書いたことですが、「井上判事は訴訟当事者の不満を知りながら全く改善する意思がないこと」が問題だと思います。
民事訴訟法の要請を無視し、訴訟当事者の不満を無視し、所長の改善勧告も無視して、持説に固執して判決書を書いているのです。ここまですると、通常の感覚の持ち主ならば、井上判事の行動が咎められるだろうと、思うはずです。
今、井上判事は、最高裁の諮問委員会において、重要審査対象となっているのですから、通常の感覚の持ち主なら大人しくしていようと思うはずです。ところが、今回、訴追委員会に(持説を固持するとしか思えない内容での)訴追請求をしたことで、裁判官の資質に著しく欠ける裁判官であるとして、最高裁の諮問委員会の委員の心証は最悪になったと思われます。
今回の訴追委員会への訴追請求により、諮問委員会及び最高裁が井上判事を再任しないことは確実になってしまったと考えます。
井上判事も法律家ですから、当然、その訴追請求が及ぼす影響については予測しているはずなのに、あえて訴追請求をするのですから、なかなかできない態度です。再任不可を望んでいるとしか思えない行動です。
また、「諸君!」(2006年1月号・12月1日発売)において、井上判事は「我、『裁判干渉』を甘受せず」という表題の論説を公表なされているようです。ここまでくると、諮問委員会に対する挑発的行為といえるでしょう。
あくまで持説の正当性を主張し、間違いなく再任されないことに突き進む態度は、清々しさを感じますし、ある意味、尊敬に値します。このまま怯むことなく、突き進んで欲しいと思います。
なお、井上判事に関しては、このブログでも2度ほど取り上げています。「大阪高裁は違憲判断をしてはいけなかったのか?」と、「『判決短すぎる』とマイナス評価」は不当なのか?というエントリーです。この2つもご参照下さい。
http://peacepromotion.hp.infoseek.co.jp/contri2.html
侵略の全体像は次をご覧下さい。出版社を紹介していただいたかたにお礼を差し上げます。脅迫で出版が流れ、海外で出版社を捜してますが、日本でなら直に出版できます。
http://peacepromotion.hp.infoseek.co.jp/report2.html
侵略者達は、暗殺やその他の犯罪を自慢し組織を拡大してますので、それらを紹介する多数のウェブがあります。私達の次のウェブをご覧下さい。
http://peacepromotion.hp.infoseek.co.jp/assa3.html
「密かな侵略」は、密かな侵略のための技術が開発されたから進められてます。特に「密かな侵略システム」は日本中の多くのビルに設置されてますので、回収できます。次をご覧下さい。
http://peacepromotion.hp.infoseek.co.jp/sear3.html
読者から興味あるWebを紹介されましたので、どうぞご覧下さい。
http://peacepromotion.hp.infoseek.co.jp/otherweb2.html
弁護士と技術者を募集してます。次をご覧下さい。
http://peacepromotion.hp.infoseek.co.jp/hewa2.html
質問は当研究所に下さい。電子メールの他に、当研究所の支持者達に連絡して下されば、どちらかでつながると思います。
peacepromotion@infoseek.jp
ただ。紹介して頂いたアドレスは、訳が分かりません。それはともかく、「平和推進研究所」さんのご活躍を期待しております。「侵略者達」の攻撃を是非とも跳ね返して下さい。
アドレスは、訳がわかりません」と書かれてますが、届かないのでしょうか? 状況をお知らせいただけると幸いです。密かな侵略を知らせると遮断されます。次に報告してます。
http://progr3.hp.infoseek.co.jp/dis2.html
>「アドレスは、訳がわかりません」と書かれていますが、届かないのでしょうか?
当時、アクセスできなかったものが多かったので、そう書きました。
いずれにせよ、陰ながら応援させて頂くということで、ご容赦願います(汗)
私の犯人扱いの公表に対して、私を名誉棄損罪に該当すると訴えないで、黙秘を使用して3,年時効を成立させて犯人裁判官は逃げ切り、犯人顔を隠して、素知らぬ顔で判決を包帯で下している。
>全部見て下さい
>国民の皆様、現状を見て検討してください
川上勇さんの訴え、拝見しました。
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