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2007/01/07 [Sun] 16:59:39 » E d i t
asahi.com「病気腎移植、学会が統一見解策定へ 関係5学会 」(2006年12月26日07時51分)の記事では、日本移植学会の幹部が、万波医師が行った移植手術について、具体例を2点挙げて医学的妥当性を欠いていると批判していました。
この記事については、「病気腎移植問題~1月中にも「万波移植」に学会統一見解」でも紹介しましたが、そのエントリーの追記をしておきたいと思います。


1.「病気腎移植問題~1月中にも「万波移植」に学会統一見解」のエントリーでは、万波医師への批判の2点のうち、

「万波医師らが、薬物療法など内科的治療が一般的なネフローゼ症候群などの病気の腎臓を摘出して移植に使っていたことも明らかになっている。」

という批判への反論を紹介しました(コメント欄では、語学教師さんが反論を詳しく指摘しています。そちらもご覧下さい。)。では、もう1点の批判は妥当な批判なのでしょうか? その点についての反論を、追記として紹介してみたいと思います。



2.もう1点の批判とは次のような内容です。

(1)

 「この会議に出席した日本移植学会の幹部の一人は「現時点でも医学的常識から逸脱している例がいくつか見つかっている」と指摘する。がんで腎臓の摘出が必要な場合は通常、転移を防ぐために腎臓につながっている血管を縛り血流を止めてから摘出するが、万波医師らはそうした方法は取らず、移植を前提とした術式で摘出していたという。この幹部は「腎がんの治療目的での摘出ではないことは明らかで、標準的な治療とはかけ離れていると言わざるをえない」と話す。」(asahi.com「病気腎移植、学会が統一見解策定へ 関係5学会 」(2006年12月26日07時51分)


要するに、がんで腎臓摘出する場合、「転移を防ぐために腎臓につながっている血管を縛り血流を止めてから摘出する」手法を採ることが、現時点での確立した医学的常識・標準的な治療であって、これ以外の手法は到底あり得ない手法であって、腎がんの治療目的での摘出とはいえない、というわけです。

もう1つ注意すべきことは、日本移植学会の幹部は、がんで腎臓摘出する場合、「転移を防ぐために腎臓につながっている血管を縛り血流を止めてから摘出する」手法を採ることが、現時点での確立した医学的常識であるという知識を信じていることです(なお、おそらく、日本移植学会のこの幹部は、これ以外の手法は実施していないと推測できます)。


(2) しかし、がんで腎臓摘出する場合、「転移を防ぐために腎臓につながっている血管を縛り血流を止めてから摘出する」手法を採ることは、本当に、現時点での確立した医学的常識であって、これ以外の手法は到底あり得ない手法なのでしょうか? 

某泌尿器科専門医さんは、次のような反論を行っています。

 「この文中の「まず血管を縛る」というのは、40年近く前の1969年にRobson先生らによって確立された「根治的腎摘出術」の要点の一つですが、現在では必ずしも重視されていません。
 一例を挙げますと、早期の腎臓癌の治療として最近盛んに腎の部分切除術が行われるようになってきていますが、その場合、腎臓およびそれにつながる血管を周囲からきれいに剥がし、腎臓に超音波の機械を当てて癌の位置や大きさを確認し、次いで腎臓の周りにガーゼやビニールシートを敷き詰めてから、初めて血管鉗子で腎臓の血流を遮断します。この間腎臓には血液が流れているまま手術を行います。その後、腎臓の組織障害を防ぐため、腎臓を氷で一気に冷やし、十分冷えたところで部分切除を開始します。すなわち、生体腎移植の際に行う腎臓摘出術と同様に、腎臓全体が周囲組織から剥がされた後に血流が遮断されるわけです。(中略)

M.D.アンダーソン癌センターとクリーブランドクリニックという、世界でも有数の優れた医療機関から出された数百例規模の臨床データによれば、一般に腎の部分切除の適応となり得る直径4cmまでの腎臓癌に対して、根治的腎摘出術を行った場合と、腎部分切除術を行った場合の術後の転移率は、それぞれ7.1%と5.8%だったそうです。すなわち、血管を先に縛ろうが後に縛ろうが、転移の頻度は実際には変わらないと言えそうです。……」(「病気腎移植推進・瀬戸内グループ支援ネット」さんの「専門委員に対する私の疑問  2007年1月 2日(火曜日) 10:13」


要するに、血管を縛ってから摘出する手術方法(「根治的腎摘出術」の要点の1つ)は、40年前に確立していた手術方法でしたが、現在の日本の医療現場では、血液が流れているままの手術方法が盛んに行われている、特に、早期の腎臓癌の治療として最近盛んに実施している腎の部分切除術では、そういった手法が実施されている、というわけです。
そして、世界でも有数の優れた医療機関から出された数百例規模の臨床データによると、「根治的腎摘出術」と「腎部分切除術」ではガンの転移率にさほど差異がないことから、血液が流れているままの手術方法は、世界的には確認済みの確かな手術方法と認識されているというわけです。

このように、血液が流れているままの手術方法は、現在の日本の医療現場では盛んに行われており、世界的には確認済みの確かな手術方法であることからすれば、血液が流れているままの手術方法は現在の新しく確かな手術方法であり、血管を縛ってから摘出する手術方法は古い手術方法であるわけです。

そうすると、がんで腎臓摘出する場合、「転移を防ぐために腎臓につながっている血管を縛り血流を止めてから摘出する」手法を採ることは、現時点での確立した医学的常識・標準的な治療ではなく、万波医師が血液が流れているままの手術方法を採用したからといって、万波医師を批判する理由にならず、この批判は妥当ではないといえるのです。


某泌尿器科専門医さんは、

「早期腎臓癌に対して先に腎臓を剥離した後に血管を処理すると転移率が有意に上昇するといったデータが存在するのかも知れません。」

というように慎重な言い回しをしています。しかし、常識的に考えて、M.D.アンダーソン癌センターとクリーブランドクリニックという、世界でも有数の優れた医療機関から出された数百例規模の臨床データ以上のデータが存在することは非常に考え難いですから、「転移率が有意に上昇するといったデータ」はないとみるべきだと思います。



3.病気腎移植問題についての報道を読むと、批判する側(日本移植学会の幹部)は、世界的には古い医学的常識に凝り固まっているように感じられます。

(1) 「血管を縛ってから摘出する手術方法」は、40年前は確立した医学的常識であって、40年前はこれ以外の手法はあり得なかったのでしょう。だから、「血液が流れているままの手術方法」を行った、万波医師を厳しく批判するわけです。

しかし、「血管を縛ってから摘出する手術方法」は、確かな手術方法だったかもしれませんが、現在では、「血液が流れているままの手術方法」は、世界的データに基づく確かな手術方法であって、万波医師以外の医師も行っている新しい手術方法なのです。そうなると、古い医学的常識に基づいて新しい確かな手術方法を批判しても、無意味であってひどく愚かなことであると思うのです。


(2) 「血管を縛ってから摘出する手術方法」以外にも、万波医師を痛烈に批判している大島伸一・日本移植学会副理事長は、次のような批判をしています。

 「万波医師の行為については「がんの臓器の移植は禁忌中の禁忌。万波さんが米国でそういう移植を見たというのなら証拠を出すべきだ」と憤る。」(「特集宇和島 腎移植2006年12月03日(日)付 愛媛新聞:宇和島市万波医師の独善に批判 情報公開 十分な議論必須 がん臓器利用「禁忌中の禁忌」 専門医に聞く「病気の臓器移植」の是非」


しかし、

 「非常に小さな腎癌がある腎臓を部分切除後、移植していたケースが米国で2005年に報告されている。「小さな腎癌のある腎臓はドナー腎となりうるか?(Donor kidneys with small renal cell cancers: can they be transplanted?)」という論文で取り上げられている症例は、全部で14例。癌の大きさの平均は2cmで観察期間は平均69カ月、癌の再発症例は、1例も存在していなかった。研究者の考察では、「提供腎に小さな、しかも悪性度の低い腎癌が見付かった場合、体外で腎癌を切除し、移植に使用したとしてもレシピエントに癌が再発する可能性はきわめて低く、このような症例の基礎データになる」と移植に対して肯定的な意見を出している。」(「シリーズ・検証 腎不全と移植医療1 病気腎移植は医学的に議論されるべきだ」徳洲新聞 2006年(平成18年)12月4日 月曜日 No.547 1,3面より)

読売新聞では、「万波医師が病気腎移植を思いついたのは、1970年代の米国留学がきっかけだった。留学先で状態の悪い腎臓を移植する症例を見たという。確かに、米シンシナティ大などの調査によると、腎がんの腎臓から患部を取り除いての移植が、米国で14例報告されている。手術後5年間でがん発生はないというが、症例が少なく、安全とは言い切れない。」という形でこの論文を紹介している([解説]病気腎移植なぜ起きた(2006年12月7日 読売新聞))」


この批判と反論をみると、大島伸一・日本移植学会副理事長は、「がんの臓器の移植は禁忌中の禁忌。証拠を出せ、証拠を出せ」とわめくのですが、証拠はあるのであって、大島氏が知らなかっただけなのです。ここでも、日本移植学会の幹部は自己の医学的知識のなさを露呈してしまったのです。学会会員であっても、医学的知識が乏しいのであれば、学会は何のためにあるのでしょうか? 最新の医学知識を共有し合えないのあれば、学会の存在意義はないと思うのです。


(3) 古い医学的知識に凝り固まり、新しい、それも確かなデータがある手術方法を行った医師を批判し、データがあるのに知らずにデータがないと思い込んで批判するのですから、批判する側は最新の医学的知識を学習することを怠っていることを自白しているようなものです。むしろ、批判する側(日本移植学会の幹部)は、最新の医学的知識のなさを恥じるべきであり、古い医学的知識を信じきっている態度を改めるべきなのです。

最新の医学的知識のない者が日本移植学会の幹部におさまり、その幹部が最新の手術方法を行う非学会会員を批判することがまかり通っているようです。日本の医学界は、不思議な世界ですが、幹部の意見を鵜呑みして報道する日本の報道機関もまた、不思議な世界です。



4.最後に、患者の立場からすると非常に重要なことを指摘しておきます。日本移植学会の幹部は、古い医学的知識を信じきっているのですから、この幹部が属する病院では新しい治療方法・手術方法を説明してもらず、新しい治療方法・手術方法を実施する能力が著しく乏しい可能性があるということです。

要するに、日本移植学会の幹部の属する病院においては、患者の身体に関する自己決定権(憲法13条)を行使する選択の幅自体が狭まってしまうのです。具体的には、新しい手術方法が、身体に対して負担の少ない手術方法であっても、患者は選択できないことを意味します。

そうすると、自己決定権や手術後の人生を考えると、日本移植学会の幹部のいる病院に行くことは慎重であるべきと考えます。

テーマ:社会問題 - ジャンル:ニュース

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