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2006/12/26 [Tue] 23:59:54 » E d i t
病気腎移植について検証中だったはずですが、朝日新聞12月26日付朝刊26面によると、1月中にも結論を示すそうです。この報道についてコメントしたいと思います。


1.asahi.com(2006年12月26日07時51分)
12月26日付朝刊26面よりもasahi.comの方が長いので、そちらを引用します。

病気腎移植、学会が統一見解策定へ 関係5学会
2006年12月26日07時51分

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる病気腎移植の医学的妥当性を検証している日本移植学会と日本泌尿器科学会は、新たに日本腎臓学会など三つの学会に呼びかけ、がんの腎臓を使うなどした「万波移植」について統一見解をまとめることを決めた。一部の例外的なケースを除き、基本的には容認できないとの内容になる見通しで、早ければ来年1月にも公表する方針だ。

 田中紘一・日本移植学会理事長の呼びかけで先週末、大阪市内で関係学会の理事と厚生労働省の担当者がこれまでの調査結果を踏まえて今後の方針を協議。個々の症例に即した具体的な調査が進む年明け以降、まとまって見解を示すことが必要との認識で一致した。

 この会議に出席した日本移植学会の幹部の一人は「現時点でも医学的常識から逸脱している例がいくつか見つかっている」と指摘する。がんで腎臓の摘出が必要な場合は通常、転移を防ぐために腎臓につながっている血管を縛り血流を止めてから摘出するが、万波医師らはそうした方法は取らず、移植を前提とした術式で摘出していたという。この幹部は「腎がんの治療目的での摘出ではないことは明らかで、標準的な治療とはかけ離れていると言わざるをえない」と話す。

 病気腎移植に関してはこれまで、外科医らでつくる日本移植学会と日本泌尿器科学会が対応してきたが、万波医師らが、薬物療法など内科的治療が一般的なネフローゼ症候群などの病気の腎臓を摘出して移植に使っていたことも明らかになっている。このため、両学会は内科医も加入している日本腎臓学会のほか、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会にも参加を呼びかけることにした。」




2.「田中紘一・日本移植学会理事長の呼びかけで先週末、大阪市内で関係学会の理事と厚生労働省の担当者がこれまでの調査結果を踏まえて今後の方針」を決定したようです。

それだけならまだしも、

「一部の例外的なケースを除き、基本的には容認できない、との内容になる見通し」

という、結論がすでに決まっているのですから、関係学会と厚労省の「談合」が行われた
と言っていいでしょう。すでに結論が決定しているのですから、今行っている調査なんて無意味です。最初から、学会会員が関与した病気腎移植は許されて、生体腎移植の際における病気腎移植は許されるが、非学会会員である万波医師が行った病気腎移植は許されないと、決まっていたわけです。

そうなると、公平な厳密な調査というのはしないという決定をしたわけです。病気腎移植に関わる患者(ドナーとレシピエント)の健康状態、病気腎移植が移植医療の第3の道となるのかどうか、医学的な検証は大変重要だったはずですが、どうでもいいようです。

病気腎移植でも問題なく機能している、多くの移植患者の存在は一体なんなのでしょうか? 病気腎移植であっても問題が生じていないという結果に目をつぶるなんてどうかしているとしか思えません。

元々、生体腎移植の際において病気腎移植が珍しくなかったのですから、病気腎移植自体は、前からさほど問題視されていなかったはずです。生体腎移植の際の病気腎移植は問題視せずに、治療目的で腎臓摘出後の病気腎移植は問題視するなんて、整合性が欠けていると思うのです。病気腎移植という点では全く同じなのですから。


病気腎移植すべてを否定する必要がないのに、関係学会と厚労省が露骨に病気腎移植を否定する「談合」をするとなると、誰でも裏があると推測できそうです。

かねてからの移植医の希望は、臓器移植法の改正です。死の淵にある患者の家族にとっては、「ドナー不足の連呼は、『早く死んでくれ』と言われているようだ」との不安感があります。だから、腎臓、すい臓、眼球は心臓死のドナーが提供でき、全移植手術の8割以上は腎臓なのですから(東京新聞平成18年12月22日「こちら特報部:SOS臓器移植 臓器移植法改正案なぜ『店ざらし』?」<デスクメモ>)、まずは、腎臓と角膜移植に関して、臓器移植法と切り離す改正が望ましいのです。

しかし、移植学会の医師らは、病気腎移植という道をわざわざ切断して、現状打開の道を採用しないのですから、面倒な脳死判定基準はできるだけ緩和して、死体を増やしたいと望んでいるとしか思えません。これでは、日本の移植学会の医師らの方が、ただの「移植マニア集団」に成り下がっているように感じられます。



3.医学的妥当性について1つ検証しておきます。

 「万波医師らが、薬物療法など内科的治療が一般的なネフローゼ症候群などの病気の腎臓を摘出して移植に使っていたことも明らかになっている。」

とありますが、これは本当でしょうか?


(1) 徳洲新聞 2006年(平成18年)12月4日 月曜日 No.547 1,3面の「シリーズ・検証 腎不全と移植医療1 病気腎移植は医学的に議論されるべきだ」より、一部引用。

 「データ収集が必要なネフローゼ腎

 最後にネフローゼ症候群である。ネフローゼ症候群は尿を作る過程で、尿中に体に必要な蛋白(特にアルブミン)が漏れ出ていく病態と考えられる。コントロールのできない蛋白尿のあるネフローゼ症候群の患者さんなどは、片側あるいは両側の腎臓を摘出することがある。もちろん、このような処置が最善ではなく、代替手段があれば当然そちらを行う。また、移植に用いる腎臓を得るための摘出であれば倫理上許されることではない。透析療法が発達した現在では、症例数は少ないものの、最後の手段として行われてきている治療法なのである。

 ネフローゼの原因は多岐にわたるが、中には「体液性因子」といって血液中の何らかの因子が発症に関与していると考えられているものがある。そして、そのような患者さんがネフローゼから腎不全に至り、腎移植を受けても移植後に原病が再発し、ネフローゼ症候群になってしまうケースが存在する。したがって、このような患者さんについては腎臓に本当の原因があるわけではなく、血液や骨髄のほうに原因があるためにこうしたことが起きているのではないかとも言われている。たとえば、血液もしくは骨髄に原因が隠れているネフローゼの患者さんが、蛋白尿のコントロールが無理で、浮腫がひどく体液管理ができずに腎摘を受けたとして、その摘出された腎臓を腎臓自体に問題があって腎不全に至ってしまった他の患者さんに移植するとどうなるか? この問題は今後多くのデータを集め検証されるべきだが、ネフローゼの腎臓は、ドナーにとって蛋白尿を引き起こす大敵だったが、レシピエントではまったくの正常腎となる可能性がある。」



(2) この記述のうち、「コントロールのできない蛋白尿のあるネフローゼ症候群の患者さんなどは、片側あるいは両側の腎臓を摘出することがある」ということだそうですから、ネフローゼ症候群において腎臓を摘出しないわけではないとの反論もあるわけです。

そうすると、「万波医師らが、薬物療法など内科的治療が一般的なネフローゼ症候群などの病気の腎臓を摘出して移植に使っていた」という記事は、ネフローゼ症候群に対しては一般論としては内科的治療によるといっているだけで、万波医師たちが、例外的な場合としての腎摘出を行って適切な医療行為をであったかどうかしたかどうかをといっている万波医師たちに対する批判となりえない可能性があるのです。

最後の段落部分は、紙面では掲載せずネット上のみで掲載しているのですが、きちんと検証した上で掲載して欲しいと思います。

テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

コメント
この記事へのコメント
ネフローゼ腎その他
春霞さま。こんにちは。

ネフローゼ腎については、やはり瀬戸内グループ支援サイトにアップされ、先日ご紹介した匿名医師からの投稿に

「一部報道では“ネフローゼで両方の腎臓を取ることなどあり得ない”という医師のコメントも出された。確かにネフローゼで両方の腎臓をとることはまれだが、いかなる治療もコントロールできない大量の蛋白尿がある場合、両腎摘(両方の腎臓をとる手術)は選択肢の一つであり、最近の教科書にも書いてある。」
http://www.setouchi-ishoku.info/article.php/20061219162718213

とあります。おそらくこの問題となっている症例の患者さんは、「病気腎移植のドナー、レシピエントの本音」と題して徳洲新聞 2006年(平成18年)12月18日及びそのサイト

http://www.tokushukai.jp/rt.html

に体験談を掲載されている阿部政信さん(仮名、50代)の方のケースではないかと思うのですが(年齢など、いくつかのディテールが一致するので)、

「免疫性の腎臓疾患を発症したのは20代の時。[中略]それから半年後に退院、普通の生活に戻ることができたが、10年ほどで病気が再発してしまう。」その後万波医師に受診し、「数十年、入退院を繰り返した阿部さんは、万波医師に訴えたそうだ。
「『先生、体がだるくてつらいから、腎臓を取ってほしい』って自分から頼んだ。けど、先生からは『あわてんで、もう少し様子見よう』と言われて。だから、マスコミが他の治療もせず急いで腎臓を取ったなんて書いているのは、ウソや。よう調べもせんで。当の本人がそう言うんやから」」

とありますから、少なくとも20年程度に渡って「一般的な内科治療」をし尽くした後の最後の処置として両腎摘出を行ったのは疑いようがないでしょう。

ただ、統一見解を1月公表予定とのことですが、今回移植学会の御用新聞的報道を続ける毎日新聞が、昨日の臓器売買事件判決のコメントで、移植する腎臓の不足を大々的に訴えてましたから、「病気腎移植もやりたい、けれど、やるなら学会主導だ」という腹でネガティヴ情報のリークを行っている可能性もあるような気がします。その場合は「一部の例外的なケース」を拡大して見解を作成、ということになるのでしょう。

一部容認という路線をいくとして、問題は先日のコメントでも触れましたように、既存の移植ネットワークとの兼ね合いでしょう。おそらく第3者ネットワークには臓器を流せないでしょうし、そうなると醜い既得権争いもありそうです。

ついでですが、朝日の記事に「5学会」云々とありますけれど、日本臨床腎移植学会なんてのは、日本医学会にも加盟していませんし、その意味では政府御用達の協議に参加する資格すら怪しいものですが。(上部団体・下部団体ともになし」とうたっておきながら、機関誌として日本移植学会の雑誌を上げている、

http://center.umin.ac.jp/gakkai/gakkai/2006/A01097.htm

というところが思いきり変です。ここ数年の学会のプログラムなどを見る限りでは、話題の大島センセーの御用団体なんじゃないですかね。)
2006/12/27 Wed 15:28:58
URL | 語学教師 #va74bd7o[ 編集 ]
>語学教師さん
コメントありがとうございます。

>少なくとも20年程度に渡って「一般的な内科治療」をし尽くした後の
>最後の処置として両腎摘出を行ったのは疑いようがないでしょう

情報ありがとうございます。
万波医師が不正・不当なことを行っているなら、批判報道をする意義がありますが、ネフローゼ腎に関する報道も、調べたら批判できるような事実ではなかったのですね。よくこんなデタラメを吹き込む医師がいて、よくそのデラタメをそのまま報道するもんだと、呆れてしまいます。

心配なのは、一般人がこういったデタラメな報道を信じてしまうことです。「病気腎移植推進・瀬戸内グループ支援ネット」や語学教師さんのコメントを読んで、ぜひ真相は何なのか知って欲しいものです。


>「病気腎移植もやりたい、けれど、やるなら学会主導だ」という腹で
>ネガティヴ情報のリークを行っている可能性もあるような気がします。

ああ! そうなのかもしれませんね。ともかく、地方医師にやらせずに、学会主導でヤリタイと。患者そっちのけですね。


>朝日の記事に「5学会」云々とありますけれど、日本臨床腎移植学会
>なんてのは、日本医学会にも加盟していません
>ここ数年の学会のプログラムなどを見る限りでは、話題の
>大島センセーの御用団体なんじゃないですかね

情報ありがとうございます。ずいぶん怪しげな団体のようですね。仰るとおり、「大島センセーの御用団体」の可能性が高いような……(汗)。しかし、どんな怪しげな団体でも、「政府御用達の協議」に参加しようが文句を言わないのですから、「学会」と名称が付けばなんでもいいようですね(苦笑) 
2006/12/28 Thu 23:59:19
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
ネフローゼの腎摘
三流雑誌に神の手と揶揄されたマンナミ医師が、<すごい外科医>と尊敬する京大出身の日本人医師が、フロリダに居ます。 彼から聞いたのですが、 内科的治療を十分に施しても、反応が悪く、パンパンに腫れて、患者が耐えられないようであれば、成人のネフローゼの腎摘は有りうると言っていました。 11人の調査委員のなかで、ネフローゼの腎摘を問題視しているのは腎臓病学会の諸角先生です。これからどうなるか。
2006/12/29 Fri 23:53:27
URL | えいじ #-[ 編集 ]
>えいじさん
はじめまして、コメントありがとうございます。

>マンナミ医師が、<すごい外科医>と尊敬する京大出身の日本人医師が、
>フロリダに居ます。 
>彼から聞いたのですが……患者が耐えられないようであれば、
>成人のネフローゼの腎摘は有りうると言っていました。

いろんな方が成人のネフローゼの腎摘は有りうると言っているわけですね。「あり得ない」と言っている医師の根拠が知りたいですね。


>ネローゼの腎摘を問題視しているのは腎臓病学会の諸角先生です

情報ありがとうございます。
↓の方で、琉球大学医学部助教授のようですね。
http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~uro/staff.htm
http://www.saitama-med.ac.jp/kawagoe/kensyui/hinyoukika/index.pdf

よく覚えておきます。
2006/12/30 Sat 22:47:10
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
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