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2010/08/28 [Sat] 15:26:25 » E d i t
小沢一郎・民主党前幹事長は平成22年8月26日、民主党代表選への立候補を表明しました。


1.報道記事を幾つか。

(1) 時事通信(2010/08/26-13:29)

小沢氏、代表選出馬を表明=「挙党態勢」拒否に反発、鳩山氏は支持-民主

 民主党の小沢一郎前幹事長は26日午前、都内で鳩山由紀夫前首相と会談し、9月1日告示、14日投開票の代表選に出馬する意向を伝えた。この後、記者団に「代表選に出馬する決意をした」と表明した。これにより、代表選は、再選を目指す菅直人首相と小沢氏との一騎打ちの構図が事実上固まり、党を二分しての激しい戦いとなるのは必至だ。
 会談で鳩山氏は、小沢氏の人事面での処遇などで不調に終わった25日夜の首相との会談内容を説明した。これに対し、小沢氏は「民主党と旧自由党合併の時からの同志の協力が得られるなら出馬したい」との決意を伝え、鳩山氏は「支援する」と応じた。
 鳩山氏は会談後、記者団に「わたしの一存で、小沢先生に民主党に入ってもらった経緯から、応援するのが大義だ」と小沢氏支持を表明。これまで首相の再選を支持していたことに関しては「行動している首相を一議員として応援するのは当然という意味で申し上げた」と説明した。小沢氏は、鳩山氏との会談に続き、都内の事務所で三井辨雄国対委員長代理と会い、出馬の理由として「挙党態勢が首相に受け入れられなかったので決めた」と語った。党内では、小沢氏が「政治とカネ」の問題を抱え、支持も広がっていなかったことから、不出馬との見方もあった。小沢氏としては、自身に批判的な実力者を首相が内閣や党の要職に据える「脱小沢」路線を継続すると判断、出馬を決断した。
 小沢氏は、党内最大の自身のグループを固めるとともに、「挙党態勢」を掲げて、鳩山グループなど党内に幅広く支持を訴えていく考えだ。小沢氏は26日昼に衆院議員会館に羽田孜元首相を訪ね、支援を要請した。これに関連し、山田正彦農林水産相は都内で記者団に「決断を評価したい」と支持を強く示唆した。 
 一方、首相は30日にも正式に立候補を表明する見通しで、前原誠司国土交通相、野田佳彦財務相の両グループや岡田克也外相が支持を表明済みだ。(2010/08/26-13:29)」


(2) 時事通信(2010/08/26-22:28)

「脱小沢」継続に反発=党分裂、再編も視野-小沢氏

 小沢一郎前幹事長が民主党代表選への出馬を決断したのは、菅直人首相が「脱小沢」路線を継続する姿勢を変えず、これに強く反発したためだ。鳩山由紀夫前首相を仲介役に、小沢氏は人事で要職を求め復権を狙ったが、首相は拒否。代表選で首相に対抗できる有力候補が「反菅」勢力に見当たらない中、小沢氏は党内の主導権を奪回するためには、勝利に確信は持てなくとも自らが出馬せざるを得ないと判断したようだ。
 「挙党態勢を鳩山さんが申し入れたが、首相が受け入れなかったので決めた」。小沢氏は出馬表明後、三井辨雄国対委員長代理ら「親小沢」系議員と会うたび、出馬の理由をこう説明した。(以下、省略)(2010/08/26-22:28)」



 イ:小沢氏は鳩山氏との会談後、鈴木克昌、松木謙公の両衆院議員ら小沢氏直系の議員グループ「一新会」の幹部を都内の個人事務所に集め、「挙党態勢ということで菅さん側に話をしてきたが、全く受け入れられなかった。国の危機を打開するためにも、立候補することにした」と語っています((朝日新聞平成22年8月26日付)。

菅直人氏側は、消費税引き上げなどと公然と公約違反を述べ、小沢氏による選挙対策を歪めた結果、参院選で民主党敗北をもたらしたのですが、誰も責任をとりませんでした。「小沢排除」は問題があり、一人では何もできないのに、感情的に反発する「お子様な」前原氏、仙谷氏、岡田氏、野田氏に影響を受けた菅氏は、ここに至っても「小沢排除」路線を継続しているのです。

このように、小沢一郎前幹事長が民主党代表選への出馬を決断したのは、無責任な菅直人首相が気がふれたように「小沢外し」路線を強行する姿勢を変えないため、これに強く反発したためです。


 ロ:小沢氏側が反発することについて、どうやら菅首相の側近らには「誤算」だったようです。

 「小沢氏との全面対決は、首相を支える側近らには誤算だった。再選戦略の裏方役を務める仙谷由人官房長官は最近まで、「政治とカネの問題を抱える小沢さんは代表選に出られない」と周囲に繰り返していた。小沢氏の「傀儡(かいらい)」候補なら首相は勝つ。無投票再選すらある。代表選後も引き続き菅―仙谷ラインで実権を握れる、と踏んでいた。
 それだけに、小沢氏本人の立候補は驚きだった。中でも「想定外」(仙谷氏周辺)だったのが、鳩山氏が早々に小沢氏支持を表明したことだ。26日夜に開かれた仙谷氏が所属する「非小沢」系議員グループの会合では、鳩山氏への不満が噴出した。」(朝日新聞平成22年8月28日付朝刊1面)


再選戦略の裏方役を務める仙谷由人官房長官は最近まで、「政治とカネの問題を抱える小沢さんは代表選に出られない」と周囲に繰り返していたわけですが、その予測はみごとに外れました。「小沢氏との全面対決は、首相を支える側近らには誤算」だったようですが、無罪推定の原則があり、政治家の誰もが「政治とカネの問題」を抱えているのですから、法律論的には、小沢氏が代表選に出ないと予測すること自体が的外れなのです。

仙谷氏、枝野氏は、郵政民営化選挙の選挙対策に関する責任者でしたが、その戦略はみごとに失敗し、郵政民営化選挙で大敗し、それに懲りることなく、参院選でもまた責任者となり、またしても敗北しました。そして、民主党代表選に関しても、予想通りというべきか、またしても判断を失敗したのです。要するに、仙谷氏と枝野氏は、先読みが下手で選挙下手なのです。

こうした失敗を繰り返すのですから、仙谷由人氏は、有権者を含め、他人を気持ちを推し量ることが苦手ということなのでしょう。小沢氏側の心情を推し量ることができないから、また失敗したのです。誰でも――特に力ある者であれば――「排除の論理」を受け続けば、法的手段に訴えるなど、当然反発するものですから、そうした心情を理解できない仙谷由人氏に対して、人間的に不信感を抱きます


 ハ:民主党という政党を離れ一般的な社会と同じレベルで考えるならば、同じ民主党の仲間でありながら、「小沢外し」の状態は単なる理不尽なイジメにすぎません小沢氏側に民主党の選挙を頼り切って政権交代が実現できたのに、「小沢外し」路線というイジメを強行する姿勢を続けられると、妄想を抱いてたこと自体が、おかしいのです。小沢氏がいなければ、選挙で毎回敗北しているくせに、小沢氏を排除しようというのだから、頭がどうかしている連中としか言いようがありません。イジメを行っている者には、ときどき、どうしようもなく頭がおかしい輩がいることは、誰もが経験則上、知っています。非小沢氏側はそういう輩のようです。

憲法論的には、「小沢外し」といったイジメは個人の尊重の原理(憲法13条)に反しますし、「政治とカネの問題を抱える小沢さんは……」といった思い込みは、無罪推定の原則(憲法31条)がある以上、行動の自由を不当に制約し有罪視するような思い込みであって、妥当ではありません仙谷由人氏は、弁護士資格を有しながら憲法論を含めた法律論に疎かったことに、「小沢氏側の反発」「誤算」の根本原因があるようです。



2.菅直人氏は、首相としての役目を果たすことなく、党当選1回生議員との懇談会に奔走し、円高対策に何もしないという無知無能で無為無策という人物です(「菅直人氏は、首相として何をしたいのか?~新人議員集会に汲々としてないで「首相」としての役目を果たせ!!!」(2010/08/25))。ですから、菅直人氏か小沢一郎氏かのどちらを支持するかは、単純に言えば、無知無能で無為無策の菅直人氏に日本を委ね、国民もろとも破滅の道へ突き進むのか否かの問題である、ことになります。

国民にとって最も大切な個別政策の違いとしては、小沢一郎氏と菅直人氏とは、(1)「国民の生活が第一」への回帰・公約維持か(小沢)、公約を踏みにじり、財政健全化に名を借りた「大増税時代の到来」か(菅)、(2)対等な同盟志向か(小沢)、米国従属の維持か(菅)という違いがあります。その点について、触れた記事を紹介しておきます。

(1) 朝日新聞平成22年8月27日付朝刊2面「時時刻刻」(14版)

窮地の小沢氏 決起 「菅総理はどうしようもない」

 9月の民主党代表選は菅直人氏と小沢一郎前幹事長が正面から激突することになった。首相に挙党態勢を迫ってきた鳩山由紀夫前首相も一転して小沢氏支持を表明。昨年、政権交代を果たした「トロイカ体制」は崩壊した。6月に表舞台を去った小沢、鳩山両氏は、なぜ世論の批判覚悟で再び動き出したのか。

◆手打ち不発、代役も不在

 小沢氏が対立候補に踏み切った最大の理由は、菅首相が「脱小沢」路線の修正を拒否したことにあった。

 「鳩山さんに挙党態勢をつくるよう託していたが、残念ながら菅総理は、木で鼻をくくったような言い方で、もうどうしようもないと。だから腹を固めた。よろしく頼む」

 26日朝、東京都内にある小沢氏の個人事務所。小沢氏は三井辨雄、鈴木克昌両氏ら側近議員にこう説明した。

 7月の参院選敗北後、菅首相と人事での妥当を探る綱引きが水面下で続いていた。6月の代表選で、小沢系議員が擁立した樽床伸二国会対策委員長は7月23日、枝野幸男幹事長の更迭を首相に迫った。

 ところが、首相は拒否。6日後の両院議員総会で9月までの執行部続投を表明した。

 小沢氏はこれ以降、首相との対立を覚悟し、周囲に自らの出馬をにおわせるようになる。「正々堂々と変えるには9月しかない」。側近議員たちは出馬に向け環境整備に動き出した。

 その核が、昨年の衆院選マニフェストを修正した点を批判の軸に据えることだった。

 「約束は実行しなきゃ駄目だ。政権取ったら、カネないからできません、そんな馬鹿なことがあるか」

 小沢氏が選挙期間中にこう指摘したことが、参院選敗北で一気に不満として噴き出した。8月6日、山岡賢次副代表が主宰した衆院選マニフェストへの回帰を目指す勉強会には150人の国会議員が終結した。

 沖縄県の米軍普天間飛行場の同県内への移設方針にも異論がくすぶった。6月中旬、国外への移設を主張する川内博史衆院議員を前に、小沢氏はこう語った。「今の政権のやり方は、沖縄の気持ちを理解しようとしないで、日米で決めたことを押しつける。これでは自民党政権と同じ。9月には大きな争点になる」

 小沢氏に立候補を求めてきた川内氏らは26日、沖縄県を訪問。「小沢一郎さんが総理大臣になられれば、問題解決にあたられると期待している」と記者団に語った。

 ただ、小沢氏が首相との対決姿勢を強めざるを得なかった背景には、土地取引事件をめぐる検察審査会の結果次第で、強制起訴もありうる自らの危うい立場もある。

 仙谷由人官房長官や枝野幹事長ら「脱小沢」の執行部が続けば、離党勧告をされ、政治生命を失いかねない。小沢氏周辺からは「仙谷氏が裏で野党と組んで、過半数割れした参院で小沢氏の証人喚問もしかねない」といった声まで出始めていた。

 原口一博総務相や海江田万里衆院議員ら独自候補を擁立して戦う手法は6月に失敗。小沢氏に近い議員からも「もはや操り人形はダメだ」との声が上がっていた。菅首相との妥協の道が閉ざされるなら、自ら打って出るしかない――。小沢氏には、世論の厳しい批判を覚悟で自ら立候補するしか選択肢は残されていなかった。小沢氏に近い議員は「ある意味、追い込まれた出馬だ」と漏らした。

 小沢氏は26日、党分裂を懸念するベテラン議員との電話で、米大統領選の指名争いを例に、笑いとばした。

 「オバマとクリントンだって仲良くやってるんだから」

◆鳩山氏変心 分裂を懸念

 「排除の論理ではなく、党が一つにまとまるよう努力したいが、菅さんに受け入れられなかった。小沢さんと一緒にやります」。鳩山氏は26日、旧知の参院議員に電話でこう報告した。(中略)

 25日夕、首相官邸で鳩山氏と会談した首相は「小沢氏にどう協力を求めるかはなかなか難しい」と通告。鳩山氏が狙った融和路線は頓挫した。「このまま小沢氏が代表選で敗れれば、党を出るかもしれない」。鳩山氏はこんな不安を募らせた。

 そこで鳩山氏が切ったのは小沢氏支持のカードだった。

 「私の一存で小沢先生に民主党に入ってもらった。応援するのが大義だ」。26日朝、小沢氏との会談を終えた鳩山氏はこう語った。

 02年に「小沢さんにすべてをお任せする」として09年の民主・自由党合併のきっかけをつくった鳩山氏。小沢氏が選挙戦術や国会運営を通じ、政権交代を実現する「良薬」であると同時に、離党・解党を繰り返す副作用も持った「劇薬」と知っていた。

 鳩山氏には、小沢氏という「薬」を処方した立場として、小沢氏の暴発を避けなければとの思いが強い。小沢氏が一定の票を獲得すれば、首相に敗れても代表選後に小沢氏の影響力が残り、首相に「脱小沢」路線の修正を迫る材料になるというわけだ。

 だが、党分裂が回避されるか、鳩山氏も自信がない。ロシアへ出発する26日午前、成田空港で記者団に、党分裂の可能性について聞かれた鳩山氏は珍しく声を荒らげた。

 「あなた方の報道で分裂させちゃだめだよ」」



(2) 朝日新聞平成22年8月27日朝刊3面(14版)「激突 菅VS.小沢(上)」

政策 異なる軸足

 民主党が政権党になって初めての代表選を戦うことになった菅直人首相と小沢一郎前幹事長。マニフェストと財政再建の優先順位や、外交・安全保障政策をめぐる立場の違いがくっきりしており、選挙戦の争点になりそうだ。

◆財政 健全化を前面に(菅首相) 無駄を省くのが先(小沢氏)

 消費増税を含む財政健全化重視か、それともマニフェスト政策の追求か――。菅・小沢両氏の政策上の最大の争点になるとみられるのが、財政をめぐる議論だ。

 6月に首相に就任した菅氏は、参院選マニフェストを発表する記者会見で財政健全化を目指す考えを前面に打ち出した。自民党の公約を引き合いに消費税率10%という数字を明言。消費増税案の年度内とりまとめで表明した。

 1月の財務相就任当初は消費増税について「逆立ちしても鼻血が出ないほど無駄をなくしてから」と慎重だった。2月には消費増税に向けた議論開始を宣言。ギリシャの財政危機が世界経済に深刻な影響を与えている様を目の当たりにしたことも影響した。

 手始めに財政再建の道筋を法律で義務づける財政健全化法案の提出を模索するが、マニフェストへの影響を懸念する小沢氏の理解を得られず頓挫する。

 それでも菅氏は、「増税と経済成長の両立」論を唱え、デフレ対策としても増税の有効性を強調。歳出圧力が強い2009年の総選挙のマニフェストのままでは11年度の予算編成もできないと、マニフェストの修正にも着手。参院選マニフェストに、財政健全化の項目を加えさせた。

 個別政策でも、09年マニフェストで2万6千円を支給するとしていた子ども手当を「すでに支給している1万3千円から上積み」に修正。農業の個別所得補償も段階的実施に後退させた。11年度予算でも09年マニフェスト政策の多くを棚上げする方向だ。

 参院選の敗北で「消費税について唐突だった」と自省し、発言をトーンダウンさせた。だが、来年度予算の概算要求基準では各省一律に前年度1割減を要求。財政規律重視の姿勢は変えていない。代表選でも健全化路線を強く打ち出すとみられる。

 こうした菅氏の財政健全化路線を、財務省主導だと批判するのが小沢氏だ。参院選の期間中も「無駄な経費を何兆円も省ける。だから財源はある」などと語り、昨年の総選挙マニフェストの重要政策の実現をあくまで目指すべきだと主張してきた。

 もともと小沢氏は、消費税の創設にかかわるなど消費税には理解がある。1994年、国民の批判を浴びて頓挫した細川政権の「国民福祉税」構想も主導した。財務省幹部は「国際貢献のための財源を求める小沢氏にも配慮した構想だった」と振り返る。

 03年、自由党時代にまとめた政策体系の「日本一新11基本法案」でも「全額、基礎的社会保障経費の財源に充てる」として消費税の増税を想定している。社会保障費の増大に伴い、遠くない将来に消費税の増税は避けられないという見方は菅氏と違わない。

 その小沢氏が強く菅氏を批判するのは「(国民の)皆さんに約束してきたことを実行しないと駄目だ」という原則論からだ。

 小沢氏は財政再建を理由に09年マニフェストを修正しようとする菅氏に反発。財政健全化を必ずしも来年度から行う必要はないと主張するが、「09年マニフェストは野党時代の財源の裏打ちを欠く。政権を獲得して実情を把握した以上、現実に沿って修正すべきだ」との批判もある。(北沢卓也、磯貝秀俊)

◆外交・安保 米国重視に傾く(菅首相) 対等な同盟志向(小沢氏)

 外交・安全保障政策では、自民党政権以来の米国重視路線に傾く菅首相と、対等な日米関係という持論の小沢前幹事長の違いが鮮明だ。

 菅氏は6月の所信表明演説で、「世界平和という理想を求めつつ、現実主義を基調とした外交を推進すべきだ」と表明した。「現実主義」の背景には、鳩山由紀夫前首相が、米軍普天間基地の移設問題で従来の日米合意に反する「県外移設」を掲げ、混乱の末に断念して退陣した経緯があった。

 菅氏の「現実主義」は、野党時代からだ。安全保障に関する重要法案では与党との協議で成案を探る動きが目立った。2003年の有事法制関連3法案では、民主党代表として党内の異論を封じて与野党合意にこぎつけた。

 ただ、柔軟な対応には「定見がない」との批判がつきまとう。06年の代表代行当時の講演では「沖縄の(米)海兵隊は日本にとっての抑止力とはあまり関係がない」と主張していたのに、今月の国会では「首相就任にあたり、沖縄の海兵隊は日本の安全、アジアの安定に必要だとの認識で対応していくと申し上げた」と前言を翻した。

 安保政策への理解の甘さも垣間見える。19日には自衛隊の制服組首脳との意見交換会で「改めて法律を調べたら、総理大臣は自衛隊の最高の指揮監督権を有する、と規定されていた」と発言。首相としての自覚が疑われかねず、野党からは「冗談にもほどがある」(自民党の石破茂政調会長)と批判された。

 普天間移設では米国と8月末までの県内での代替施設案決定を目指したが、沖縄県の反発を危ぶみ先送りに。米国との連携を意識し、首相官邸にアフガニスタン復興の支援策を設ける方針を打ち出すなど腐心する。

 一方、小沢氏は、外交・安保政策で持論にこだわる。約20年前の自民党当時に市場開放や国際貢献をめぐる対米交渉を仕切った自負があり、民主党代表に就任した06年には「政権政策の基本方針」で「対等な真の日米同盟」を打ち出した。

 その考えは93年に著書「日本改造計画」で示した「普通の国」論の延長線上にある。在日米軍を段階的に削減し、安全保障面で米国への依存を減らしていく。一方で、国連の要請があれば海外での武力行使も合憲とし、「国際社会で米国と役割を分担しながら責任を積極的に果たす」(政権政策の基本方針)。

 首相の座に就いた場合、こうした安全保障政策の大胆な変更をどう進めるのか。小沢氏は自民党との連携を視野に入れると見られる。07年の代表当時に行った自民党の福田康夫首相との大連立協議でこの点がテーマとなった。

 対米関係については波乱含みだ。小沢代表当時の民主党は<1>日米地位協定<2>在日米軍再編<3>インド洋での給油活動などの抜本見直しを掲げた。

 米軍の知日派有識者は08年末以降、党幹部らに「反米とみなされる」と警告したが、政権交代後にインド洋での給油活動は実際に中止。その他の課題も今後くすぶる。

 一方で中国重視の姿勢が鮮明だ。06年の代表就任後は昨年まで胡錦濤(フー チンタオ)国家主席と毎年会談。日米と日中が同じ距離の「二等辺三角形」が望ましいと語る。「小沢氏は反米、親中」(自民党幹部)との批判も招いており、日米中3ヶ国関係のあり方も議論になりそうだ。(藤田直央)」




3.この民主党代表選問題について考える場合、感情論で左右されないように法律論を考慮しつつ検討していきたいと思います。

(1) まず、1点目は、「国民の生活が第一」への回帰・公約維持か(小沢)、公約を踏みにじり、財政健全化に名を借りた「大増税時代の到来」か(菅)の問題です。

統治機構の基本原理に国民主権があり、国民主権原理を具体化する制度として議会制があります。議会は国民を代表して国政を決定する重要な機関であり、そのため、議会の議員を選出するための選挙制度は民意を議会に反映させ、国民による政治を実現する上で極めて重要なものです(戸波江二「憲法(新版)」(ぎょうせい、平成10年)347頁)。

選挙では、政党は自己独自の政策を掲げ、国民の支持を受けた政党は国家権力を使って政策を実現します。有権者は、政党が掲げた政策(政権公約)を支持して投票し、いままでA政党の見解でしかなかったものが、この段階では国民の同意と支持があるという理由で、国家の政策にまで高まるのです。これを政党政治といい、今日の民主政治は、政党中心の政党政治といえます(植村「現代憲法入門」(一橋出版、2004年)114頁参照)。

今までの自民党政権下では、選挙公約は単なるスローガンであって、選挙後は全く守るつもりがなく、白紙委任状を受け取ったかのように、勝手に政策を実現していました。自民党政権下では、本来の政党政治とはいえなかったのです。

 「消費増税を含む財政健全化重視か、それともマニフェスト政策の追求か――。菅・小沢両氏の政策上の最大の争点になるとみられるのが、財政をめぐる議論だ。(中略)
 6月に首相に就任した菅氏は、参院選マニフェストを発表する記者会見で財政健全化を目指す考えを前面に打ち出した。自民党の公約を引き合いに消費税率10%という数字を明言。消費増税案の年度内とりまとめで表明した。(中略)
 参院選の敗北で「消費税について唐突だった」と自省し、発言をトーンダウンさせた。だが、来年度予算の概算要求基準では各省一律に前年度1割減を要求。財政規律重視の姿勢は変えていない。代表選でも健全化路線を強く打ち出すとみられる。
 こうした菅氏の財政健全化路線を、財務省主導だと批判するのが小沢氏だ。参院選の期間中も「無駄な経費を何兆円も省ける。だから財源はある」などと語り、昨年の総選挙マニフェストの重要政策の実現をあくまで目指すべきだと主張してきた。」


菅直人氏は、4年間は消費税増税をしないとした衆院選での政権公約を、1年ほどで変更することを言い出し、他の公約も大幅な修正を図っているのです。

しかし、こんなことでは有権者としては、「財政再建も大事であることは分かるが、4年間の間に見通しを付けるはずだったのに裏切るのか」という思いに駆られます。要するに、菅直人氏が民主党代表となり首相を続けるのであれば、また政党の政権公約を信用できなくなり、自民党政権下のような白紙委任に逆戻りになってしまうのです。公約を踏みにじった挙句、近い将来待つのは、財政健全化に名を借りた「大増税時代の到来」といえるでしょう。低所得者にとって最も負担が重い消費税増税は、多くの餓死者を発生させることになりかねず、生存権(憲法25条)が脅かされるのです

これに対して、小沢氏が参院選挙期間中に「約束は実行しなきゃ駄目だ。政権取ったら、カネないからできません、そんな馬鹿なことがあるか」 「昨年の総選挙マニフェストの重要政策の実現をあくまで目指すべきだ」と主張ています。これは政権公約の掲げて支持を受けるという政党政治のあるべき姿であって、ごく真っ当な主張です。

憲法論における選挙制度の意義、生存権(憲法25条)の保障がないがしろにされないためには、小沢一郎氏の主張が妥当であることは極めて明白といえます。

 

(2) 2点目は、対等な同盟志向か(小沢)、米国従属の維持か(菅)という問題です。

国の防衛政策としては、憲法前文および9条に示されている平和主義が憲法上の基本原理です。近代以降の戦争は、兵器の破壊力・殺傷力が飛躍的に強化され、また、一般市民をも巻き込んだ総力戦の形態がとられるようになったため、戦争犠牲者や戦争被害は膨大なものになっています。2度の世界大戦を経た今日、戦争はもはや国家間の紛争解決の正当な方法とはみなされず、戦争を絶滅し、平和を確立することは、まさに人権と民主主義を支える不可欠の前提になっています(戸波江二「憲法(新版)」(ぎょうせい、平成10年)87頁)。

憲法の平和主義は、諸国との平和協調外交及び国際連合による安全保障を想定しているとはいえ、外交・防衛政策に関する現実のあり方としては種々の方法があるでしょう。米国への従属を維持するのも一つの方法であることは確かです。

しかし、多くの米軍基地が日本に存在し、特に沖縄に米軍基地が集中しており、施設数は37、施設面積は約2万3681平方メートル(沖縄県の約1割)にも及んでおり、しかも米兵による犯罪が多発し、充分な捜査・起訴ができていないなど([特集]米軍の犯罪・事件・事故(琉球新報)沖縄だけをみれば、未だ日本は敗戦より占領されている状態という異常な状態なのです。言い換えれば、沖縄県民の生存権が脅かされているといえるのです。

 「外交・安全保障政策では、自民党政権以来の米国重視路線に傾く菅首相と、対等な日米関係という持論の小沢前幹事長の違いが鮮明だ。
 菅氏は6月の所信表明演説で、「世界平和という理想を求めつつ、現実主義を基調とした外交を推進すべきだ」と表明した。「現実主義」の背景には、鳩山由紀夫前首相が、米軍普天間基地の移設問題で従来の日米合意に反する「県外移設」を掲げ、混乱の末に断念して退陣した経緯があった。(中略)
 ただ、柔軟な対応には「定見がない」との批判がつきまとう。06年の代表代行当時の講演では「沖縄の(米)海兵隊は日本にとっての抑止力とはあまり関係がない」と主張していたのに、今月の国会では「首相就任にあたり、沖縄の海兵隊は日本の安全、アジアの安定に必要だとの認識で対応していくと申し上げた」と前言を翻した
 安保政策への理解の甘さも垣間見える。19日には自衛隊の制服組首脳との意見交換会で「改めて法律を調べたら、総理大臣は自衛隊の最高の指揮監督権を有する、と規定されていた」と発言。首相としての自覚が疑われかねず、野党からは「冗談にもほどがある」(自民党の石破茂政調会長)と批判された。 (中略)
 一方、小沢氏は、外交・安保政策で持論にこだわる。約20年前の自民党当時に市場開放や国際貢献をめぐる対米交渉を仕切った自負があり、民主党代表に就任した06年には「政権政策の基本方針」で「対等な真の日米同盟」を打ち出した。」


菅直人氏は、自民党政権以来の米国重視路線に傾くのですから、結局は、「日本は敗戦より占領されている状態」という異常な状態を維持することを認めているのです。

もっと問題なのは、菅直人氏は、見解を変えることに無節操で、防衛問題について無知である点です。

菅直人氏は、06年の代表代行当時の講演では「沖縄の(米)海兵隊は日本にとっての抑止力とはあまり関係がない」と主張していたのに、今月の国会では「首相就任にあたり、沖縄の海兵隊は日本の安全、アジアの安定に必要だとの認識で対応していく」といった、無節操に思想を変えてしまうのです。

8月19日には自衛隊の制服組首脳との意見交換会では、菅直人氏は、「改めて法律を調べたら、総理大臣は自衛隊の最高の指揮監督権を有する、と規定されていた」と発言しています。総力戦となり、膨大な戦争被害者を生む近代戦争では、国の防衛を決定する首相の地位は極めて重大です。いくら冗談のつもりであっても、言うべき冗談ではなかったのです。首相としての役割に無知であるばかりか、国の防衛問題に関してあまりにも無知と言わざるを得ないのです。「冗談にもほどがある」(自民党の石破茂政調会長)と批判されたのは当然です。

これに対して、小沢一郎氏は、対等な日米関係という持論をもっており、無節操な菅直人氏と異なり、この持論を捨てていないのです。菅直人氏と異なり、自民党政権以来の米国重視路線を変更するのですから、結局は、「日本は敗戦より占領されている状態」という異常な状態から脱却することにつながるのです。

沖縄には、米軍基地があることで多大な被害を与え、いまだに事実上、敗戦による占領が続いていますのですから、ある意味、沖縄県民は日本国政府から見捨てられているのです。菅直人氏が民主党代表となり首相となれば、沖縄県民を見捨てる状態が維持されることになります。沖縄県以外の報道機関は、鳩山首相が辞任した以降は、まるで普天間飛行場の問題に触れようとしませんが、これも一種の「沖縄を見捨てる態度」です。

一国の態度として、いつまでも事実上の占領状態を続けることは異常ですし、沖縄県民の生存権(憲法25条)を回復し、沖縄県民を見捨てる態度を止めるべきと考えるならば、小沢一郎氏の主張が妥当であることは極めて明白といえます。少しでも沖縄県民を思いやる気持ちがある者であれば、菅直人氏と小沢一郎氏のどちらを選ぶべきか、簡単な問い掛けではないでしょうか




4.最後に。

日本国にとっては――何事にも米国の意向を尊重したいという自虐的な者はともかく――、小沢一郎氏の政策の方が妥当であることは明らかですが、一般市民にとっては、民主党代表選は無関係であることを心に留めておく必要があります。

(1) 報道機関の中には、「小沢氏出馬へ あいた口がふさがらない」(朝日新聞平成22年8月27日付「社説」)といったように、自ら投票権があるかのように誤解し、興奮のあまり支離滅裂になっている朝日新聞などの記事があります。

しかし、この政治問題は、あくまで民主党内の代表者を決定する選挙であり、その選挙に関して投票権を有するのは、35万人余の民主党の党員・サポーターであって、それ以外の国民は全くの部外者であり、その党員などに対して圧力をかけるような態度は選挙の公正を害するのです。

ですから、いくら民主党の代表者が首相に直結するとしても、あくまで民主党内という「部分社会」の問題にすぎないのですから、部外者である一般の市民は、有権者であるかのように騒ぎ立てるべきではないのです。ましてや過度に興奮状態の報道機関の態度は、選挙の公正を害すものであって、むしろ非難するべきです。これが一般の市民のとるべき基本的な態度といえます。


(2) 一般市民は部外者なのですから、興奮気味の報道記事を冷ややか目で読むだけにして、冷静・公正な第三者として考えをめぐらすべきなのです。その際、我々は、権力側に対して日本国憲法を遵守させるべきである以上(憲法99条(憲法尊重擁護義務)、菅直人氏と小沢一郎氏のどちらが憲法などの法律論に沿った適切な主張をしているかを視点として考察するべきと考えます。

憲法は13条で個人の尊重を定めることによって、多様な価値観を認め、それに対する寛容さを求めているものといえます。無罪推定の原則を無視し、小沢氏の価値観を否定するかのように「小沢排除」を続ける非小沢側の態度は、憲法の理念からして相容れないのです。

もっとも、憲法などの法律論によらなくても、無知無能で無為無策な菅直人氏を首相としての地位を就かせ続けること事態が危ういのです。憲法上、内閣総理大臣の職務に無知無能な者がその地位に就くことは想定していません。その意味で、菅直人氏が内閣総理大臣の地位に就いていること自体、違憲状態といえるかもしれません。

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2010/08/28(土) 20:01:38 | 日本がアブナイ!
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