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2006/11/11 [Sat] 23:56:21 » E d i t
政府の教育改革に関するタウンミーティングで発覚した「やらせ質問」問題について、質問者を用意し、政府側の意に沿った質問をさせるやり方が明らかになりました。これは、姑息な「情報操作」といえるものですが、そればかりか、「関係者」が参加者の半数以上を占めていたことが明らかになりました。この点についてコメントしたいと思います。


1.新聞報道から。

(1) 「朝日新聞平成18年11月11日付朝刊1面」(asahi.com(2006年11月10日23時42分))

 「聴衆の半数は関係者 県職員が質問 教育ミーティング
2006年11月10日23時42分

 政府主催の教育改革タウンミーティング(TM)で「やらせ質問」があった問題で、大分県教委は10日、政府の質問案に沿って発言したのは県教委の職員4人だったと発表した。また、青森県八戸市では県や市教委が集めた教員ら「関係者」が参加者の半数以上を占めていたことが明らかになった。質問の自作だけでなく、教育関係者が自ら演じ、聴衆まで身内で固めようとした実態が浮かび上がってきた。

 大分県教委によると、別府市で04年11月にあったTMの5日ほど前に、内閣府の担当者から「文科省とすり合わせて質問案を作った。発言してくれる人を調整して欲しい」と依頼され、PTA役員らをいったん推薦した。しかし、「外部の人に依頼するのは行き過ぎた行為だ」と判断し、義務教育課の男性職員4人に発言を依頼した。質問の際は「公務員」と名乗り、質問案に沿って発言していた。

 職員が発言することは内閣府に伝えていたといい、政府側も「サクラ」による質問を承知していたことになる。

 県教委の小野嘉久企画調整室長は「内閣府の要請は受けざるをえず、かといって外部の人にも頼めないと考えた末の判断だったが、結果的に参加者に誤解を与えることをし、申し訳ない」と話した。

 今年9月に開催された八戸市のTMでは、当日参加者のうち、半数以上が、教員やPTA関係者などの「関係者」だった。

 10日の衆院教育基本法特別委員会で、内閣府の山本信一郎官房長は青森県や八戸市、周辺市町村の教委職員や教員ら167人と、地元PTA関係者112人の計279人が、県や市の取りまとめで参加を申し込んだと説明。一方、インターネットやはがきで申し込んだ一般の参加者は200人の定員に対し、186人だったと述べた。

 山本氏は一般参加者について「応募者全員に参加証を送付し、抽選は実施していない」としたが、質問した保坂展人氏(社民)は「友人は5人はがきで申し込んで、4人はだめだった。279人関係者を集めたら、一般国民が入れない」と反論。塩崎官房長官は再調査する、と述べた。

 内閣府によると、当日の参加者は401人。内訳は不明だが、半数以上は「関係者」だった計算になる。

 さらに八戸市での「やらせ質問」は、文科省の広報室の担当者が書き、広報室長が了承していたことが分かった。この室長は現在、首相官邸で教育再生会議の担当参事官をしている。

 同特別委で文科省の田中壮一郎・生涯学習政策局長は「広報室の担当者が質問項目を作り、広報室長に見せて内閣府に提出した」と説明。笠井亮氏(共産)が「上司の広報室長は『まずい』と指摘しなかったのか」とたたみかけると、田中氏は「上司も『議論活性化に役立てば』と承認した」と答えた。」



(2) 「毎日新聞平成18年11月11日付朝刊1面『余禄』」

 「やらせ質問

 暴君として名高いローマ皇帝のネロは自分を歌の名手だと思っていた。「隠れた音楽は何の役にも立たぬ」と言って自ら舞台に立ったが、その声量は乏しく、しわがれ声だった(スエトニウス著「ローマ皇帝伝」岩波文庫)▲だが彼の歌はいつもみごとな調子の拍手喝采(かっさい)に包まれた。なぜならネロは騎士と平民の屈強な若者を各地から5000人以上も選び抜き、さまざまな組に分けて声援を送らせていたからだ。ローマ皇帝ともなればサクラ(偽客)の仕掛けもすごい▲一般の客もネロが歌っている間は劇場から出ることは許されず、おかげで客席で出産した婦人もいたという。そんな有り様でもネロに「神の声を聞きたい」と追従をいう者がいたそうだ。それがサクラだったかどうかはスエトニウスは書いていない▲さて政治権力が奏でる歌は、まず厳しい批判の耳目にさらされるのが民主主義である。そのためにも政府と国民が直接対話しようという場で、役所の用意したサクラが活躍していたという。あからさまな声援というより、さりげない質問で政府の歌を美しく際立たせるのが役割だった▲やらせ質問は小泉内閣時代の教育改革タウンミーティング8回のうち5回で発覚している。たとえば教育基本法改正をめぐって「家庭教育の規定に期待」「時代にふさわしい改正が必要」などという文部科学省作成の発言案がそのまま「町の声」に化け、改正の機運を盛り上げていた▲「あくまで自分の意見を言っているかたちで」との注意に従い役人の書いた文章を読み上げたサクラは各地の教育委員会が選び抜いた人々だ。真理と正義を希求し、豊かな創造性を備えた人間育成は教育基本法改正案が掲げるところだが、どこかで基本がずれていないか。

毎日新聞 2006年11月11日 0時07分」




2.政府に有利なやらせ質問ばかりか、「青森県八戸市では県や市教委が集めた教員ら「関係者」が参加者の半数以上を占めていたことが明らかになった」のですから、「タウンミーティングは自作自演のPRショー」(毎日新聞)といわざるをません。

毎日新聞の「余禄」によると、ローマ帝国の時代では、国の支配者はサクラを仕込んで声援をさせていたわけですから、政府与党はローマ帝国の伝統に従って「役所の用意したサクラ」を活躍させたわけです。

サクラの活躍ばかりか、

 「10日の衆院教育基本法特別委員会で、内閣府の山本信一郎官房長は青森県や八戸市、周辺市町村の教委職員や教員ら167人と、地元PTA関係者112人の計279人が、県や市の取りまとめで参加を申し込んだと説明。一方、インターネットやはがきで申し込んだ一般の参加者は200人の定員に対し、186人だったと述べた。

 山本氏は一般参加者について「応募者全員に参加証を送付し、抽選は実施していない」としたが、質問した保坂展人氏(社民)は「友人は5人はがきで申し込んで、4人はだめだった。279人関係者を集めたら、一般国民が入れない」と反論。」

というように、内閣府は、保坂氏の友人(教育基本法改正案反対の教育組合関係者)5人は、定員割れなのに参加証を送付しないという行動にさえ出ているのです。こんな徹底した仕込みも、ローマ帝国の伝統に沿ったものなのでしょうか?




3.タウンミーティングは、「皆様から直接意見を聞き、皆様に直接語りかけることで、様々な政策に対する国民の皆様の理解を深め、国民の皆様が政策形成に参加する機運を盛り上げる」(内閣府)ことを目的としています。

しかし、実際に政府が行ったことは、政府の方針を述べる一般傍聴者を仕込んで、情報操作をし、「国民に開かれた政策形成をしているというポーズをしただけ」(石澤靖治・学習院女子大学教授「読売新聞平成18年11月11日付朝刊15面)なのです。政府は、タウンミーティングの目的に反した行動をしたのです。


「真理と正義を希求し、豊かな創造性を備えた人間育成は教育基本法改正案が掲げるところだが、どこかで基本がずれていないか。」


真理と正義を掲げる法律案に関するタウンミーティングにおいて、やらせ質問を行い、サクラが活躍するのです。やらせ質問は、真理と正義を希求することになるのでしょうか? 関係者が参加者の半数以上も占めるというサクラを仕込むことは、真理と正義を希求することになるのでしょうか? 反対する立場の者を参加させることさえも排除するのは真理と正義を希求することになるのでしょうか? 

自ら掲げた「教育基本法改正案」と明らかに反する行動に出ておきながら、「教育基本法改正案」を成立させようとするなんて、矛盾極まりないです。政府は、自ら掲げた「教育基本法改正案」さえ理解していないのではないかと思えるのです。自ら掲げた「教育基本法改正案」さえ理解していないのに、「教育基本法改正案」を成立させようとするのは、愚かなことです。

テーマ:教育基本法 - ジャンル:政治・経済

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コメント
この記事へのコメント
TBありがとうございます
【真理と正義を掲げる法律案に関するタウンミーティングにおいて、やらせ質問を行い、サクラが活躍するのです。やらせ質問は、真理と正義を希求することになるのでしょうか? 関係者が参加者の半数以上も占めるというサクラを仕込むことは、真理と正義を希求することになるのでしょうか? 反対する立場の者を参加させることさえも排除するのは真理と正義を希求することになるのでしょうか?】

この問題意識は同感です。

最近はヨーロッパでも右傾化が問題になっていますが、小泉政権→安倍政権に引き継がれた「露骨なヤラセの手法」は、かつてのヒトラーに通じるファシストの遣り方ソックリです。

しかし、今のヨーロッパの場合は、単なる右傾化ではなく“多様化の中でのバランス回復”が機能していると思います。

これに比べて、一部の利害関係者だけが、相も変わらず、“ゲンナマ爆弾(買収行為)あるいは仕事絡みの恫喝”を受けて“熱心”(?)に“与党を支えるための投票に行かされる”一方で、過半の選挙民は「正しい政治のあり方」に無関心という、今の「日本の民主主義」はあまりにも異常です。』
2006/11/28 Tue 09:31:57
URL | toxandoria #Pmk7tf7w[ 編集 ]
> toxandoriaさん
はじめまして、コメントありがとうございます。お返事が遅れてすみません。

>ヨーロッパの場合は、単なる右傾化
>ではなく“多様化の中でのバランス回復”が機能していると思います。

>これに比べて
>過半の選挙民は「正しい政治のあり方」に無関心という、今の「日本の
>民主主義」はあまりにも異常です。

そうですね。
米国の中間選挙の例もあるように、欧米では選挙などで方向転換を図るのに、日本は「正しい政治のあり方」に無関心だったり、右翼的言動への歯止めをかけようという意識が希薄のように感じられます。
与党政治家の憲法理解も著しく欠けていますし、日本の民主主義は不思議です。
2006/11/30 Thu 01:34:53
URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集 ]
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