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2009/09/23 [Wed] 23:35:29 » E d i t
猫や犬を飼っている方は、その猫犬を家族と同様に思っている方も多いと思います。では、その一緒に時と場所を過ごしている猫や犬が食べる物について、どれくらい気にかけていますか?

ペットフードの安全性の確保を図るため、「ペットフード安全法」(「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」)が平成21年6月1日(平成20年6月11日の参議院本会議で最終的に成立)、施行されました。(なお、この法律の対象となっているのは、動物すべてのペットフードではなく、犬及び猫用のペットフードのみです。)

9月20日から26日は「動物愛護管理法」により定められた「動物愛護週間」であることから、「ペットフード安全法」について、触れてみたいと思います。 


1.報道記事とペットフード安全法の概要を紹介しておきます。

(1) 毎日新聞 2009年5月20日 東京朝刊

どうぶつナビ:安全なペットフードを与えたい。

愛するペットには安心できる食べ物を与えたい ◆安全なペットフードを与えたい。

 ◇新法で表示義務化 6月施行、違反で製造禁止も
 ◇農薬、添加物に上限 「毎日同じ」避けて


 東京都千代田区の皇居周辺。13歳と14歳のパグ「ノビオ」と「チャラ」を連れて散歩していた鳥山あゆみさん(43)は「2匹が高齢ということもあって、ペットフード選びにとても気を使うんです」という。「何が入っているのか分からないので怖い。動物は与えられたものしか食べられない。企業にしっかり責任を持たせてほしいですね」

 ペットフードの安全性に不安が広がっている。07年に農林水産省と環境省が実施したインターネットによるアンケート(対象者3000人)では約4割の人が「十分な安全が確保されていないと思う」と答えた。

 背景には、この年北米で中国産の原料を使ったペットフードが問題化したことがある。製造過程で、たんぱく質を多く見せるために工業用の化学物質メラミンが混入されていたことが発覚。米国では計4150匹の犬猫が死んだとの報告もある。流通するペットフードの半分以上が輸入品の日本でも、メラミンが混入した商品が見つかり、自主回収された。

 国民生活センターによると、08年度に全国の消費生活センターなどに寄せられた犬猫用ペットフードに関する相談件数は195件。メラミン問題の影響で2年前の3倍以上に増えた。「飼い猫3匹が食べた直後に具合が悪くなり、1匹死んだ」など、32件で犬猫計62匹が死んだ。針金やビニール片が混入していたといった苦情も多い。

 人間の食べ物には「食品衛生法」、家畜には「飼料安全法」があり、一定の安全が守られている。ペットフードにはこれまで業界の自主基準しかなかったが、6月1日から「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」が施行され、農薬や添加物の上限、表示の義務化が始まる。違反した商品は製造や販売を禁止する措置がとられる。また、商品には原材料のすべてが表示されるようになる。

 現状よりは前進だが、まだ課題は残る。獣医師の資格を持ちオーダーメードのペットフードを製造している「ほりんふ」(神奈川県平塚市)の代表、浦元進さんも「新法には原材料の質や産地については表示義務がない」と指摘する。

 では飼い主はどんなことに気をつければいいのか。浦元さんは「企業の姿勢、価格の妥当性、食べたときの動物たちの反応などを総合的に判断して、自分とペットに合ったものを探す努力を」とアドバイスする。保存料など添加物の表示にも注意を払いたい。

 ペットフード以外のものを与える際には、タマネギやブドウなど動物には有害になるものがあるため、注意が必要だ。最近では、それぞれの食性を学んで手作り食を与える飼い主も増えている。

 飼料・ペットフードコンサルタントの本澤清治さんは「ペットフードは毎日同じものを食べがちなので、有害なものが混ざっていると、体内に日々蓄積されていく。飼い主が確かな知識を持ち、他のフードや手作り食と混ぜたりして、いろいろなものを食べさせた方が安心でしょう」と話す。【田後真里】

毎日新聞 2009年5月20日 東京朝刊」



(2) ペットフード安全法の概要(「環境省」の「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)より引用

1 経緯

○平成19年3月、米国において、有害物質(メラミン)が混入した愛がん動物用飼料(ペットフード)が原因となって、多数の犬及び猫が死亡。6月には、メラミンが混入したペットフードが、我が国で輸入販売されていたことが判明。

○同年8月、農林水産省及び環境省が合同で有識者による「ペットフードの安全確保に関する研究会」を設置。11 月には研究会の中間とりまとめとして、動物愛護の観点からペットフードの安全確保に緊急に取り組むべきであり、法規制の導入が必要であるとの方向性が示された。

○平成20年3月、第169回国会に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」案を提出。6月11日成立、18日公布。

2 趣旨

愛がん動物用飼料の安全性の確保を図り、もって愛がん動物の健康を保護し、動物の愛護に寄与するため、愛がん動物用飼料の基準又は規格を設定するとともに、当該基準又は規格に合わない愛がん動物用飼料の製造等を禁止する等の措置を講ずる。

3 法律の内容

(1)基準又は規格の設定及び製造等の禁止
農林水産大臣及び環境大臣は、愛がん動物用飼料の基準又は規格を定めることができることとし、当該基準又は規格に合わない愛がん動物用飼料の製造、輸入又は販売を禁止する。

(2)有害な物質を含む愛がん動物用飼料の製造等の禁止
農林水産大臣及び環境大臣は、有害な物質を含む愛がん動物用飼料等の製造、輸入又は販売を禁止することができる。

(3)愛がん動物用飼料の廃棄等の命令
農林水産大臣及び環境大臣は、製造業者、輸入業者又は販売業者に対し、廃棄、回収等必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(4)製造業者等の届出
製造業者又は輸入業者は、農林水産大臣及び環境大臣に、氏名、事業場の名称等を届け出なければならない。

(5)帳簿の備付け
製造業者、輸入業者又は販売業者(小売の場合は除く。)は、販売等をした愛がん動物用飼料の名称、数量等を帳簿に記載しなければならない。

(6)報告徴収、立入検査等
農林水産大臣又は環境大臣による愛がん動物用飼料の製造業者等からの報告徴収、製造業者等への立入検査等について定める。」


 イ:ペットフードの被害事例としては、中国産原料を使ったペットフードを巡って2007年3月、米国で半生状態の製品を食べた犬や猫が腎不全で数千匹も死亡しました。ペットフードに含まれる小麦グルテンを中国企業が米国などに輸出する際、品質をよく見せるためにプラスチック原料のメラミン(有害物質)を添加していたことが原因でした。

すなわち、死因としては、「米国獣医師会(AVMA)は、リコール対象となったペットフードを食べたイヌやネコの病理解剖所見から、メラミンとシアヌル酸の化学反応によって結晶が生じ、これにより腎臓の機能が阻害された可能性があることを発表」(「愛知県衛生研究所」の「メラミン添加によるペットフード原材料の擬装」(2007年6月7日))しています。
 
このように米国で中国産の原料で作られたペットフードを食べた犬や猫が相次いで死んだ問題を受けて、農林水産省と環境省は、ペットフードの安全性を確保するため新たな法規制を行い、安全に関する基準や規格を定め、立法化・施行に至ったわけです。


 ロ:ペットフード安全法のポイントは、ペットフードの製造・輸入・販売のすべての段階において、<1>有害な製品が市場に出回ることの防止、<2>仮に有害な製品が出回ってしまった場合の対応、を確実にするために、法規制をしたことにあります(ペットフード安全法研究会「ペットフード安全法の解説」(2009年、大成出版社)6頁参照)。

日本では、ペットフードは、公正取引委員会に認定された「ペットフードの表示に関する公正競争規約」によって規制され、表示および使用原料についての規準がありました。また、「飼料安全法」「食品衛生法」「毒物劇薬法」「薬事法」「と畜場法」などによる法規制も一応、制約になっていたようです(「ペットフード協会」の「ペットフード工業会からのお知らせ」(平成14年9月2日)参照)。

しかし、米国・EUなど諸外国においては、既にペットフード用飼料の法規制がなされていたのに対して(ペットフード安全法研究会「ペットフード安全法の解説」(2009年、大成出版社)6頁)、日本では、ペットフードをも念頭に置いた添加物規制はなかったのです。

もっとも、法的規制ではないのですが、日本でも、ペットフード業界で定めた「添加物使用に関する自主規準」(米国のAAFCO(全米飼料検査官協会)やEUのFEDIAF(ヨーロッパペットフード産業同盟)など欧米で法的に規制され使用可能な添加物、および日本における食品添加物、飼料添加物に限定した内容)に従っていました。

このように「ペットフードにはこれまで業界の自主基準しかなかった」(毎日新聞)という指摘は間違いであり(ある馬鹿な弁護士もラジオで法規制がないと述べていた)、全く法規制がないわけではなく、無制限にペットフードを製造販売していたわけではありません。ですが、ペットフード用の成分に関する法規制はなかったため、<1>有害な製品が市場に出回ることの防止、<2>仮に有害な製品が出回ってしまった場合の対応、を確実することは困難であったため、このたび法規制の運びとなったわけです。

なお、「ZAITEN・2007/11/01発売号 (12月号)」では、「ペットビジネス『知られざる現実』」という特集が組まれています。「飼い主は知らない『ペットフードの真実』」(獣医&作家 堺英一郎)、「日本のペットフードは大丈夫ですか 農水省畜水産安全管理課境課長に直撃!」(聞き手・本誌 北原伸一)といった記事があります。ペットフード安全法制定前の状況を知るには良い内容ですので、機会があればぜひご覧下さい。



2.ペットフード工業会の平成20年度全国犬猫飼育率調査によると、犬が1,310万1千頭、猫は1,373万8千頭で、犬猫合計では2,683万9千頭となり、昨年度の犬猫飼育頭数合計2,552万6千頭に比べ約130万頭の増加となっています。15歳以下子供総数が1,744万人であって、子供よりもペットの方が多い状態なのですから、ペットが生きていくために不可欠なペットフードについての法規制が充実させることは不可欠です。

また、ペットフードの輸入量が全体の53%をも占めており、米国で被害事例が多発しているのですから、輸入をも含めて、ペットフードの製造・輸入・販売に関する規制について、法律によって広く規制が行われるようになったこと自体は高く評価できます。

ただし、ペットフードは、人間の食べ物並みに安全性が確保されたわけではありません。問題点を幾つか挙げておきます。


(1) 1点目。成分基準・規格について、人間が食べる食品よりも、かなり緩い規制になっている点です。

 イ:例えば、一例として、2005年12月に実際に被害事例があった、カビ毒(マイコトキシン)の一種である「アフラトキシンB1」について触れておきます。2005年12月、米国のペットフードメーカーがアフラトキシンに汚染されたとうもろこしを用いた製品により、犬が23頭死亡し、18頭が健康被害を受けた事故が発生しています。ですから、アフラトキシン含有規制は不可欠です。

ペットフード安全法では、「アフラトキシン」は、0.02ppm(20ppb)を超えてペットフードに含まれてはならないと、規定しています。しかし、人間が食べる食品についてはすべて、食品衛生法6条2項により、0.01ppm以下でなくてはなりません。なぜ、人間よりも規制を緩くしたのでしょうか? 動物、特に犬や猫は人間よりもずっと体が小さいため、人間以上に毒性の影響を受けやすいのですから、人間よりも規制が緩いのは論理的におかしいはずです。


 ロ:ですから、「ペットの健康と幸せを考えるブログ」さんは、「【2009年6月から施行】ペットフード安全法は本当に意味があるのか?」(2009-06-17 11:08:07)というエントリーにおいて、次のように批判を行っています。

「1988年6月、「獣医学ジャーナル」では、餌に入っていたアフラトキシンB1によるイヌの死亡例が数多く報告されました。アフラトキシンは0.001ppmという低いレベルでも実験動物に肝臓ガンを引き起こすことが明らかになっています。(中略)
……人間の食品については、先ほど述べましたように、0.01ppmです。
人間の基準よりもなぜこれほどまでに高い値を設定しなくてはならないのでしょう?
一つ考えられるのは、アメリカの基準が0.02ppmということです。
現在、ペットフードの輸入量が全体の53%で国産品47%よりも多くなっています。さらに、アメリカ産が輸入量の37%を占めており、ペットフードの輸入量ではトップシェアを誇っております。
つまり、一番のお得意様であるアメリカの基準に合わせてこの基準値が設けられたとしか考えられません。
果たしてこれが本当に新しいペットのための法律なんでしょうか??
これでは「本当に安心してペットに与えることが出来る」とは言えないと思います。」


「H21.03.31 ペットフード小委員会(第3回)・農業資材審議会飼料分科会及び同安全性部会 合同会合(第3回) 議事録」での事務局(環境省の荒牧氏)の説明よると、「動物の生命及び健康の保護のための措置をとる場合は、科学的な原則に基づくことが国際的なルール」であり、特に「指導基準を設定する場合は、特に米国、EUにおいて既に運用がされているものを参考にした」と述べています。ですから、確かに、「一番のお得意様であるアメリカの基準に合わせてこの基準値が設けられた」ともいえます。


 ハ:ただ、正確に言えば、アメリカの基準だけに合わせたわけではありません。

「アフラトキシンについてペットフードの中で実際の最大値を見ていきますと、17ppbでございます。諸外国の基準を見ますと、アメリカが20ppb、EUが10ppbでございます。日本の飼料安全法は一般的な家畜用としては20ppbを設定しています。それで、いずれもこれまで基準値を超えない範囲で被害が出たというような報告はありません。従いまして、今回ペットフードについては、B1について20ppbという基準を提案したいと思います。」(「H20.12.24 ペットフード小委員会(第2回)・農業資材審議会飼料分科会及び同安全性部会 合同会合(第2回) 議事録」での事務局の発言)


端的に言えば、日本の家畜用の規制基準で0.02ppmにしているので同じにした――わけです。家畜飼料を対象とする「飼料安全法」等を参考にしてペットフード安全法の規制の構成・仕組みを作り上げたのですから、当然のことかもしれません。体格が大きく食用の家畜(特に、牛の場合は、アフラトキシンは他の哺乳類より分解される可能性が高い)と、体格が小さく食用にしない猫犬を同列に扱うのは疑問ですが。

もっと本音を曝け出すと、<1>アフラトキシンの含有基準については、日本の家畜用の基準で0.02ppmにしているので同じ基準にしておけば、ペットフード製造業者・(米国からの)輸入業者から文句はでないはずだし、また、<2>アフラトキシンの基準値内での摂取により死んだと立証された被害事例がないので、今後も飼い主がアフラトキシン被害を立証することが困難と推測できる以上、役所側は責任回避ができる、ということで、0.02ppmにしたわけです。


 ニ:こうした事務局側が述べる「正当性」に対しては、専門家からも批判がなされています。

農業資材審議会飼料分科会安全性部会委員の小西良子・国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部長は、同じくペットフード小委員会(第3回)において、アフラトキシンの場合について、「今回は素早く設定をすることが最重要なことだと思っておりますので、今回の設定値に関してはこれで結構だと思いますが、犬や猫のペットフードの場合は、種の違いや感受性の違い、及び慢性毒性も考慮し、今後さらに検討していただければと思います」「動物でも、牛の場合ですと反すう動物ですから、アフラトキシンは第一胃で、ほかの哺乳類に比べると分解される可能性が高いですね。アフラトキシンの場合は、本当に動物種によってその感受性が違っておりますので、猫と犬を牛、豚と同列に扱っていいのかというところがちょっと心配です」と述べ、いささか疑問を呈しているのです。

「H20.12.24 ペットフード小委員会(第2回)・農業資材審議会飼料分科会及び同安全性部会 合同会合(第2回) 議事録」で呈示された、「資料2 基準・規格案に関する参考資料(平成20年12月24日・環境省 農林水産省作成)」によると、全般的に、米国よりもEUは厳しい基準を設けています。こうした経緯からすれば、米国製よりもEU製のペットフードの方がより安全であるといえます。

日本製ペットフードについては、食べ物に厳しい目を向ける日本の消費者を意識してか、先に述べたように、厳しいEUの基準をも取り入れた自主規制で運用していたようです。ペットフード安全法により、日本でも米国並みに緩やかな基準で足りることになったため、今までより劣化した製品を堂々と販売できるようになりました。今まで安心して日本製ペットフードを購入してきた飼い主は、今後は一層、ペットフードの安全性に注意を向ける必要になってきたようです。



(2) 2点目。猫・犬が口にする可能性がある物すべてを規制するものではないという点です。その点について、「農林水産省」の「ペットフード安全法に関するQ&A」(平成21年7月15日現在)にでているので、一部引用しておきます。

Q1.1 法律の対象となる「愛がん動物用飼料」とは、どのようなものですか。

A1.1 愛がん動物用飼料とは、「愛がん動物(犬・猫)の栄養に供することを目的として使用される物をいう」と定義されています(法第2条第2項)。このような目的として使用されるミネラルウォーター、生肉、スナック、ガム、サプリメント等も、法律の対象となる愛がん用動物飼料に含まれます。
一方、愛がん動物が口にする可能性のあるものであっても、おもちゃ、愛がん動物用飼料の容器等は、栄養に供するものではないことから、対象となりません。
また、動物用医薬品は、薬事法によって規制されており、ペットフード安全法の対象になりません。


Q1.2 猫に与える「またたび」は、法律の対象になりますか。

A1.2 香付けや遊具として使用することを目的としたまたたび製品は、本法の対象にはなりません。
ただし、ビタミン・ミネラルなどの微量栄養成分を配合し、これらの微量成分を摂取することを目的としたまたたび製品については、サプリメント同様、法律の対象となります。


Q1.3 「猫草(種も含む)」は法律の対象となりますか。

A1.3 猫草は、猫が毛づくろいをしたときに、飲み込んでしまった毛と一緒に吐き出させることを目的としているものであり、栄養に供するものではないため、法律の対象にはなりません。」


「またたび」は香付けであっても、猫は「またたび」を舐めて胃の中に入れてしまいます。「猫草」は食べた後すぐに吐き出す猫もいますが、吐き出さずに胃の中に入ってしまう猫もいます。それなのに、栄養に供するものではないことから、対象外になっているのです。

猫草は園芸店で売っていたりしますが、もし農薬が混入されていても、ペットフード安全法による規制を受けないわけです。猫草には、育成キットが販売され、長期間の保存が可能になっているものもありますが、「なぜ長期間の保存が可能なのか」と疑問に思っていても、ペットフード安全法の規制外なのです。

本当に、ペットフードの安全性を確保するのであれば――対象が猫・犬に限るとしても――、犬・猫用食べ物すべてに規制を及ぼすべきであったように思うのです。



(3) 3点目。ペットフード安全法は、「ペットフードの安全性」を一定程度確保してはいるが、「ペットフードの品質」を保証するものではないという点です。その点について、「農林水産省」の「ペットフード安全法に関するQ&A」(平成21年7月15日現在)にでているので、一部引用しておきます。

Q6.3 (飼養者からの質問)いつも購入しているペットフードを与えようとしたところ、いつもと色や臭いが違うようです。そのまま与えずに検査に出した方がよいでしょうか。

A6.3 ペットフード安全法は、ペットフードの安全性の確保を目的とした法律です。ここでいう安全性とは、「基準・規格に適合した製品であること」、「その他有害な物質を含んでいないこと」を指します。
ペットフードの安全性の問題と品質の問題を、完全に区別して考えることは難しいかもしれませんが、色や臭いの違いというのは原料の変更等による品質上の問題もあり、必ずしも安全上の問題があるとは限らないので、まずはメーカーに確認をすることをお勧めします。」」


ペットフードの安全性の問題と品質の問題とは別個の問題であって、要するに、ペットフードの基準を定めて規制してはいるが、実際に目にしたペットフードが安全であることまで保証していないのです。

このように、「ペットフード安全法」「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」と謳ってはいますが、本当に安全を確保するわけではなく、「ペットフード基準法」と名付けた方が正確です。




3.「国民生活センター」の「犬・猫用ペットフードの安全性に関する相談」([2009年5月14日:公表])をみると、「ペットフードを食べてペットの具合が悪くなった」、「腐敗していた」、「異物が混入していた」等、毎年多くの苦情が寄せられていることが分かります。

その「犬・猫用ペットフードの安全性に関する相談」についての報告書を一部引用しておきます。

(1) 相談件数は相当数に上っています。

1. 相談等

(1)犬・猫用ペットフードの相談件数
PIO-NET には、2004 年度から2008 年度の間に犬・猫用ペットフードの安全・衛生及び品質に関する相談が552 件寄せられている。
 ちなみに、犬・猫用以外のものを含めたペットフード全体の相談は947 件、そのうち安全・衛生及び品質に関する相談は613 件である。犬・猫用に関する相談がほぼ9 割を占めることになる(2009 年4 月30 日までの登録)。」



2. 相談事例に見られるペットフードの問題点

① 飼い主はペットフードの品質に関心が高く、人間の食品と同じくらいの安全性を求めている
 ペットの具合が悪くなったというだけでなく、臭いや色、状態などがいつもと違う、食いつき方が違うなどでペットフードの品質に不安を抱くのは、人間の食品の感覚と似ている。また、返品・交換されればよいのではなく、品質調査や原因究明をしてほしいという希望がみられるのも同様である。

② 安全性や品質については法律である程度確保されるが、個人が相談したり調査を依頼できる体制はこれからの課題
 相談の中には、どこに申し出ればよいかや、品質調査や成分分析を第三者機関に行ってほしいというものも見られる。しかし、ペットフード安全法の施行により安全性の確保のために規格・基準や表示、国レベルでの検査体制などは整備されるものの、個人レベルで苦情があった場合に相談できる窓口や、個人が成分等の調査を依頼することのできる公的機関がほとんどないという現状は変わらない。

③ ペットフードがペットの体質に合っていなかったり、与え方が正しくないと体調不良を引き起こす
 ペットの具合が悪くなった原因がペットフードの品質にあると考えての相談が多いが、ペットフードがペットの体質に合っていなかったり、与え方が正しくないと体調不良を起こすことがある。犬や猫の生物的な特徴や個々のペットの体質等を良く把握する必要がある。」


人間なら食べた物で調子がおかしくなったか推測して話すことができます。しかし、ペットは自分で食べ物を購入して選ぶことができず、喋ることができませんので、ペットフードに問題があるのか否か人間が判断しなければなりません。また、「ペットは種類により食事の習慣や体質の特性があり、与えるものや与え方によっても体調を崩すことがあるため、ペットフードの品質とペットの体調不良は必ずしも因果関係が明らかではない」のです。この点でも、ペットフードの安全性を確保することの難しさがあります。



(2) 専門家は、ペットフードに関して次のようなアドバイスしています。

1. ペットの食事について 専門家からのアドバイス
王子動物病院 獣医師 小島 正記(まさのり)先生


(1)ペットフードを上手に利用しよう
 最近のペットフードは比較的よく研究されているものが多い。総合栄養食としてペットフードと水だけで健康が維持できるようにできている。上手に利用すればペットの健康管理には良いし、飼い主の負担もほとんどない。

(2)ペットフードの選び方のポイント
 ペットフードは種類も豊富で選び方に迷うこともあるが、年齢、し好性、(犬)種が選ぶ目安である。特に、成長に応じて必要とする栄養やカロリーなどが変化するので、与えるペットフードを変えていくことが必要である。迷うようならば年齢に応じた選択をするとよい。
 また、あまり安価すぎるものや見切り品などは品質が低下している場合もある。中国製のフードに対する不安もあるようだが、最近では、飼い主の目が肥えてきており、品質の良いものでなければ売れなくなっているという状況はあるようだ。

(3)7 歳くらいからは高齢化対策を
 犬や猫は7 歳くらいで老年である。獣医師会では、年に1 回は健康診断を行うことを勧めているし、ペットフードもシニア用に変えていく必要がある。特に犬は人間と同じで、年齢が上がるにつれて動物性たんぱくや動物性脂肪を控えめにする必要がある。

(4)専門家のアドバイスも参考に
 ペットフードの選択には専門店のアドバイスも役立つ。サプリメントや機能性食品などの必要性は、かかりつけの獣医師に相談する。また、ペットフードを切り替えるときは少しずつ切り替える。特に猫は、食習慣がつきやすく、口にしたことのないものは食べない場合が多い。とりあえず食べても吐いたり下痢をしたりする。そういう習性を知らないとペットフードが悪いのだと思いがちである。

(5)かかりつけの獣医師を持つ
 ペットの健康と食事の関係は重要である。ペットの食事を変えるだけで健康状態が改善される例もある。病気の時にだけ獣医師にかかるのではなく、普段の健康管理のためにも、ぜひかかりつけの獣医師を持ってほしい。」





4.最後に。

どことなくペットフード業界への配慮がにじむ「ペットフード安全法」ですが、制定されたことを契機として、環境省は、「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」というパンフレットを作成しています。

それを見ると、次のようなことを述べています。

「ペットフード安全法の規制だけで、食べ物によるペットの健康被害を防げるわけではありません。ペットの健康と安全を守るためには、フードを与える飼い主自身が、ペットの生態や必要な栄養素、食べ物などについて理解し、適切な給餌を行うことが大切です。

 飼い主の責任は、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」においても、次のように規定されています。

動物の飼い主の責任(動物愛護管理法第7条)
・動物の種類や習性などに応じて適正に飼い、動物の健康と安全を守るよう努めること。
・動物が人に危害を加えたり迷惑を及ぼすことが無いよう努めること。
・感染症などの病気の知識を持って、予防に注意するよう努めること。
・自分が所有していることを明らかにするために、標識をつけるよう努めること。

 
 このガイドラインは、犬と猫を対象として、ペットフードの選び方や与え方、日頃の健康管理などについて紹介し、飼い主の方々の理解と適切な飼養を支援することを目的として作成しました。」


「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」に書いているようなことは、飼い主としては知っていて当然なものばかりです。ですから、ペットフード安全法を契機として、「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」というパンフレットを作成したことは、役所側としては、「ペットフードに関する相談のうち、飼い主に責任があるのがほとんどであって、飼い主がペットフードの与え方について無知なのではないか?」と暗に仄めかしているとかんぐりをしたくなります。

とはいえ、「タマネギやブドウなど動物には有害になるものがある」ことを分かっている飼い主はどれほどいるのでしょうか? 人間の食事をそのまま与えている飼い主はかなりいるのではないでしょうか。与えるとペットの健康を害してしまう食品がかなりあることを、よく分かっていない飼い主も少なくないように思います。

飼い主の飼い方次第で、ペットの生命・健康を左右してしまいます。また、飼い主は、物言わぬ命あるものである動物と共に時を過ごすのですから、その習性や生理をよく理解し、愛情を持って「終生飼育」する責任があるのです。ですから、ペットフードの安全性について気にかけることも大切ではありますが、まず、飼い主として最低限知っておくべきことを学ぶ必要があります。

ペットフード安全法により、安全でないペットフードの製造・輸入・販売を規制できたとしても、健康を害した結果死亡してしまえば、もはやペットの命は戻ってこないのです。ペットフード安全法制定を契機にして、飼い主としての責任を自覚することがまず求められているように思います。

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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