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2009/09/16 [Wed] 23:59:25 » E d i t
民主党の鳩山由紀夫代表(62)は平成21年9月16日午後、16日召集された第172特別国会(会期は19日までの4日間)で衆参両院本会議で首相指名投票を経て第93代、60人目(現憲法下で29人目)の首相に指名されました。同日夜に首相親任式(憲法6条1項)と閣僚認証式(憲法7条5号)が皇居で同日夜行われ、民主、社民、国民新3党の鳩山連立内閣が発足しました。

政権交代は非自民の細川連立政権が発足した1993年以来、16年ぶりで、衆議院選挙で野党第1党が単独過半数を制したことにより政権が代わるのは、戦後初めてとなります。


1.鳩山氏は内閣の顔触れを正式決定し、官房長官に起用された平野博文役員室長(60)が閣僚名簿を発表しています。

 「国家ビジョンと予算の骨格を策定する新設の「国家戦略局」担当相には菅直人代表代行(62)を充て、副総理兼務とした。年金制度の抜本改革に取り組む厚生労働相には長妻昭政調会長代理(49)、外相に岡田克也前幹事長(56)を起用した。

 税金の無駄遣い根絶のため新設する「行政刷新会議」担当相に仙谷由人元政調会長(63)、予算編成の実務を担う財務相に元蔵相の藤井裕久最高顧問(77)を登用。沖縄北方・防災担当相兼務の国土交通相に前原誠司副代表(47)、経済産業相に直嶋正行政調会長(63)を指名した。

 国民新党の亀井静香代表(72)は金融・郵政改革担当相に、社民党の福島瑞穂党首(53)は消費者行政・少子化・食品安全・男女共同参画担当相に充てた。

 総務相に原口一博氏(50)、農相に赤松広隆氏(61)、環境相に小沢鋭仁氏(55)、防衛相に北沢俊美氏(71)、文部科学相に川端達夫氏(64)、法相に千葉景子氏(61)、国家公安委員長・拉致問題担当相に中井洽氏(67)を決めた。」「第93代首相に鳩山氏 民社国連立内閣」(2009/09/16 21:41 【共同通信】)


このように、新内閣には菅直人副総理兼国家戦略担当相、仙谷由人行政刷新担当相、長妻昭厚生労働相など名の知れた“論客”をそろえた一方、中井洽国家公安委員長らベテランも処遇しバランスを取ったものになっています(2009/09/16 21:49 【共同通信】)。

首相は夜の初閣議で、予算編成の骨格を策定する国家戦略局の前身となる「国家戦略室」設置を指示しました。事務次官会議、事務次官会見の廃止と府省の方針や見解の公式発表は閣僚、副大臣、政務官による「政務三役」に限る原則も確認して「脱官僚」をアピールしています(2009/09/16 21:49 【共同通信】)。




2.新内閣発足の報道記事と鳩山首相の就任会見を紹介しておきます。

(1) asahi.com:2009年9月16日22時4分

首相「脱官僚依存」の決意強調 鳩山内閣が正式発足
2009年9月16日22時4分

 民主党の鳩山由紀夫代表が、16日召集された特別国会の首相指名選挙で第93代首相に選ばれ、同日夜、民主、社民、国民新の3党による鳩山連立内閣が正式に発足した。総選挙で野党が単独過半数を得て、政権交代が実現するのは戦後初めて。鳩山首相は就任会見で、新政権のキャッチフレーズとして「脱官僚依存」を掲げ、子ども手当の創設やガソリン税などの暫定税率の廃止など、総選挙のマニフェスト(政権公約)を実現する考えを強調した。

 鳩山首相は16日夕、首相官邸で記者会見し、「日本の歴史が変わるという身震いするような感激と、一方で大変重い責任を負った。この国を本当の意味での国民主権の世の中に変えていかなければならない」と政権交代の意義を強調。「脱官僚依存の政治を今こそ世の中に問うて、実践していく」と決意を語った。

 首相は優先政策として「子ども手当」(月額2万6千円。来年度は半額)の創設と暫定税率の廃止を挙げ、「国民の家計を刺激する政策を真っ先に行い、国民に『少しは懐具合が良くなりそうだ』と思ってもらえるようにしたい」と語った。

 09年度補正予算を徹底的に見直し、執行の一部停止を求める考えを明言する一方、「地域の活性化に役立つという判断なら、続けて執行していただきたい」と述べ、地方の実情に柔軟に対応する考えも示した。民主党の目玉政策の実現に必要な財源については、徹底した無駄遣いの見直しなどで「初年度分の7兆円余は十分めどが立つと確信している」と強調。シーリング(概算要求基準)は見直しつつ、来年度予算の年内編成をめざすとした。

 首相はまた、今月下旬の訪米時に予定されるオバマ大統領との会談に関連し、連立与党合意に盛り込まれた日米地位協定改定の「提起」を行うかどうかについては、「まずオバマ大統領と信頼関係を築くことが第一歩だ」と強調。「日米間の様々な懸案に関しては、包括的なレビューを少し時間をかけて行うことが重要。時間をかけた中で議論を進めることが大事だ」として、ただちには提起しない考えを示した。

 幹事長時代に西松建設の違法献金事件を「国策捜査だ」と批判したことについては「1度使った言葉だが、2度は使わなかった。ある種の反省の思いを含めて、この言葉を遠慮している」と発言を事実上撤回。自らの虚偽献金問題については「なかなか国民に理解いただいていないのは事実。もっと説明を尽くす努力をしたい」と語った。」


(2) asahi.com:2009年9月16日20時28分

〈鳩山首相、就任会見の全文〉
2009年9月16日20時28分

 【冒頭発言】

 このたび、衆議院、参議院両院におきまして、総理に選出をいただきましたその瞬間に、日本の歴史が変わるという身震いするような感激と、さらに一方では、大変重い責任を負ったという、この国を本当の意味での国民主権の世の中に変えていかなければならない、そのための先頭を切って仕事をさせていただく、その強い責任も併せて感じたところでございます。

 社民党さん、国民新党さんとともに、民主党、中心的な役割を果たしながら、連立政権の中で、国民の皆さま方の期待に応える仕事を何としてもしていかなければならない。強い使命感を持って仕事にあたりたいと感じているところでございます。

 言うまでもありません。この選挙、民主党、あるいは友党は大きな戦いに勝利しました。しかし、この勝利は民主党の勝利ではありません。国民の皆様方が期待感をもって民主党などに対して1票を投じていただいた結果であります。

 まだ歴史は本当の意味では変わっていません。本当の意味で変わるのは、これからの私たちの仕事いかんだと、そのように感じております。私たちは、今回の選挙、国民の皆さまの様々なお怒り、ご不満、悲しみ、全国各地でこのようなものをたくさんちょうだいしてきました。何でこんな日本にしてしまったんだ、こんなふるさとにしてしまったんだ、その思いを私たちはしっかりと受け止めていかなければなりません。そして、そこに答えをしっかりと出さなければならない。大きな役割を私たちは担わなければなりません。

 すなわち、今回の選挙の勝利者は国民の皆さん方でございまして、その国民の皆さまの勝利というものを本物にさせていただくためには、とことん、国民の皆さまのための政治というものを作り出していく。そのためには、いわゆる脱官僚依存の政治というものを今こそ世の中に問うて、実践していかなければいけません。

 私たちはさまざまな仕組みの中で脱官僚依存、すなわち官僚の皆さんに頼らないで、政治家が主導権を握りながら、官僚の皆さんの優秀な頭脳を使わせていただく、そういう政治を送り出していきたい。その先には、言うまでもありません、国民の皆さんと心を接しているのは政治家である。その気概を持って、国民の皆さん方の様々の思い、政治を変える、何のために変えてもらいたいのか、その思いを受け止めて、私たちが大きな船出をしっかりとしていきたい。そのように感じているところでございます。

 そのためには、今までのように、国民の皆さんもただ1票を投じればいいんだという発想ではなく、ぜひ政権に様々ものを言っていただきたい。政権の中に参画していただきたい。私たちが皆様方のお気持ちを、いかにしっかりと政策の中に打ち出していけるか否かは、国民の皆さまの参加次第にかかっているとも申し上げていいと思います。

 私たちはそんな中で、今までマニフェストというものを作り上げてまいりました。子ども手当の問題にしろ、ぼろぼろになった年金を何とか正していくというテーマにしても、そのための財源をどうするのか、その思いの中で無駄遣いを一掃しなきゃならん、まずは無駄遣いを一掃するべきだ、その発想の中で行政刷新会議を作り上げてまいりました。そして、国家戦略室というものも作り上げていきたい。

 そこによって国民の皆様方に必ず国家的な大きな役割、指針を見いだしながら、国民の期待に応えてまいりたい。そのように感じているところでございます。多分、いろんな試行錯誤の中で失敗することもあろうかと思います。ぜひ国民の皆さんにも、ご寛容を願いたいと思っております。

 何せまだ、ある意味で未知との遭遇、経験のない世界に飛び込んでまいります。政治主導、国民主権、真の意味での地域主権のために、様々な試行実験を行っていかなくてはなりません。したがって、国民の皆様方も、辛抱強く新しい政権をお育て願えたら、大変幸いに思っております。そのような思いの中で、連立政権を樹立をする決意を固めた次第でございます。

 あくまでも国民の皆様のご期待に応えるような新しい政治を作りたい。その思い一つで連立政権を樹立いたした、その思いをみんなでかみしめながらスタートしたいと思っておりますので、国民の皆さんにもご辛抱の中で、ご支援ご指導をいただきたいことを祈念いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

正直にお伝え申し上げて、ご理解を深めていただきたい、そのように努力をいたしたいと思っています。」/p>



(3) asahi.com:2009年9月16日20時28分

〈鳩山首相、就任会見の全文〉
2009年9月16日20時28分

 【質疑応答】

 ――鳩山政権で当面最重要視する政策課題は? 子ども手当では依然、財源の問題が言われる。予算の執行停止などで、景気の腰折れが懸念されているがどう折り合いをつけるか?

 重視する政策課題ですが、言うまでもありませんが、マニフェスト、連立政権ですから、その中で合意した中身を実現していくということです。民主党としては、その中でも、特に子ども手当、暫定税率の撤廃とか、国民の家計を刺激する施策をまず真っ先に行いながら、まだまだ景気の先行きが見えてこない中で、国民の皆様に「ああ少しは懐具合が良くなっていきそうだな」「この政権に期待ができるな」と思って頂ける施策を実現していくに尽きると思っております。

 そうすると財源の問題が出てきますが、事業仕分けをしっかりと行っていく行政刷新会議を稼働しながら、各省庁に徹底的に無駄をなくす方向で努力を願いたいと考えております。それなりのめどは立ちつつあるのではないかと考えておりまして、財源も少なくとも初年度分、7兆円あまりは十分にめどがたつのだと確信しています。

 それから、景気対策、補正予算というものを私たちは徹底的に見直さなければいけないと考えております。従いまして予算の執行停止を求める部分も、これから出てくると思います。それはしかしながら、もうすでに執行している地方の活性化のために使われているものに対しては、基本的に地域の活性化に役立つという判断であるならば、続けて執行していただきたいと思っておりますが、必ずしもそうでないもの、まだ執行が始まっていないものに対しては大胆な見直しが必要ではないかと考えております。

 私たちが申し上げたいのは、すでに地方で仕事がなされているものに対して、それを止めれば、相当大きな影響が出てきかねないと思っておりますので、そこに対する配慮は行っていきながら、我々が考えていく中で、無駄だとか、もっと有効な使い道があるのではないかと思われるものについては見直して、もっと有効な手だてというものを構築したいと考えている。

 ――総理は脱官僚政治の実現への強い意欲を改めて示されたが、これには官僚の強い抵抗が予想されます。国家戦略局の位置づけも含めて、具体的にどのように、この脱官僚政治を実現させていくおつもりかお聞かせください。

 まず、私どもは大臣、副大臣、政務官の、いわゆる政務三役の方々に、それぞれの役所において政治主導の立場から、政策の意思決定を行っていただきたい。言うまでもありません、優秀な官僚の皆さんの、国民のために頑張っていただくものに対して、それをけしからんという術は私たちは持ち合わせてはおりません。

 しかし、必ずしもそうでないものに対して、基本的に政治家が主導して、役所の事業の意思決定を行っていくというシステムを作り上げていく。閣僚委員会というものを作り、特にこれは、いくつかの役所にまたがるようなプロジェクトに対して意思決定をほぼ行い、最終的に閣議で最終決定をする。事務次官会議は廃止をしておりますから、必ずしも官僚の皆様方の抵抗によって大きく曲げられるということにはならない。そのように考えております。

 国家戦略局、あるいは行政刷新会議のあり方も、その中で政治主導で参ることは言うまでもありませんし、特に予算の骨格を議論する国家戦略室の菅大臣の大変強いリーダーシップに大いに期待を申し上げたい。また、行政刷新会議は仙谷大臣のリーダーシップを大いに発揮していただきたいと思いますし、各省の副大臣クラスの方々にも行政刷新会議の中での役割を任じていただきたい。

 そして事業仕分けを始めとして、いわゆる無駄と思われているような事業を徹底的に排除するように、政治主導で行っていきたい。そのような様々なやり方を駆使しながら、いわゆる脱官僚依存の政治を行ってまいりたい。

 ――来年のマニフェストについては、7.1兆円のめどが立ったというようなご発言がありましたが、来年度予算の編成が喫緊の課題になると思いますが、まず、シーリングについてゼロベースで見直しをされるのか。それと年内編成を行うのか、そして年度内成立を目指すのか、そのへんのスケジュールについてはどのようなお考えでしょうか。

 これは財務大臣、さらには国家戦略室の菅大臣を中心に、これから早急に議論を詰めていくというのが、基本的なスタンスであります。私からあえて申し上げれば、当然のことながら、今までの手法というものはゼロベースで考え直していくということでありますので、シーリングのやり方なども基本的に考え直していきたいと考えております。そうは言っても、このようなある意味で遅れてスタートはいたしますが、年内で編成ができるようなスケジュール感で臨んで参りたい。現在はそのように考えております。

 ――国連総会に対しまして、訪米をされて日米首脳会談に臨まれることになるんだろうと思いますけれども、日米関係を深めていくために具体的などのような方針で臨むおつもりなのか。連立与党の合意でも日米地位協定の改定の提起と言うことを盛り込まれていますけれども、それについてはテーブルに載せるおつもりはあるのかどうなのか。具体的にお聞かせ願いたいと思います。

 日米首脳会談の日程がセットされることを期待をいたしておりますが、どのような時間をいただけるか、まだ必ずしもわかっていない状況であります。その上で仮定の中で申し上げるとすれば、わたくしはまずオバマ大統領と信頼関係を構築をするということが第一歩であって、今回の訪米はこういった意味で、お互いに率直な意見交換をすること、そのことによって信頼感というものを高めることが一番重要なことではないか。そのように思っております。

 いわゆる日米の地位協定などの問題に関して、わたくしども今、考えておりますのは、当然、基本的な方針は変えるつもりはありません。この連立のなかでの合意のところでも、改定に向けて努力をすることがうたわれているのも事実でございます。ただし、今回は信頼関係を醸成していくということが主眼でございますし、いわゆる日米間の様々な懸案問題、安全保障関係の問題に関しては、包括的なレビューというものを少し時間かけて行うことが重要ではないか、そのように思っておりますので、このような時間かけたなかで議論を進めていくことが大事であると。

 一番私たちがカギに思っておりますのがやはり、信頼関係の構築だとご理解をいただきたい。そのためには、くどいようですけれども、お互いにですね、相手に対して遠慮しないでものをいう立場というものを築き合うことだ、このように考えております。日本がややもすると受け身的な日米関係に今までなりつつあったわけでありますが、そうではなくて、能動的な立場でですね、われわれとしてもこう考えているんだということ、率直に話し合えるような関係をつくりあげていきたい。そのなかでの結論というものを導いていくように努力をしたい。そのように考えております。

 ――政府の拉致問題に対する姿勢をお伺いいたします。今度の鳩山内閣には北朝鮮の拉致実行犯、横田めぐみさん拉致実行犯であるシン・ガンス元死刑囚の釈放嘆願書に署名した菅さんと千葉さんというふたりの閣僚がいます。これから北朝鮮に拉致問題の解決を迫るときに誤ったメッセージを送りかねないという気もするのですが、どうお考えでしょうか。またこのお二人に拉致被害者や被害者家族に対する反省なり謝罪なりを求めるお考えはありませんか。

 私は、過去の経緯というものは事実としてあろうかと思います。ただ一番大事なことは、北朝鮮に対しては拉致問題を現実的に解決に向けて進めていくということが肝要であります。そのためにも今回、国家公安委員長になりました中井洽さん、中井大臣に拉致問題担当大臣というものを命じているところでございます。彼が今日まで拉致問題に対して大変積極的に行動して参ったということに、私は重きをおかしていただきながら、拉致問題をうまく展開させていくために努力を惜しまない、このように考えておりまして、過去のことに関して、私はいま2人の大臣に問うことは考えておりません。

 ――先ほどの予算編成の絡みで1点確認と、もう一つ内閣について1点あるんですが、予算編成が当面、喫緊の課題となるわけですが、その司令塔が国家戦略局が司令塔なのか、財務省が担うのか、ということ。今後、どっちが司令塔なのかというのと、もう一つは、総理が幹事長時代に西松建設の違法献金事件を巡って、「国策捜査だ」ということをおっしゃいました。今回政権をとられて、その考えが変わらないのかという点と、法務大臣のポストを選ばれる時に、国策捜査ということのご認識に立たれるのであれば、考慮された点があるのかどうか、という点についてお願いします。

 まず、予算編成に関してでありますが、私は国家戦略室にいわゆる骨格というもの、予算の骨格というものを議論していただく。いわゆる詳細に対する設計というものではなくて、骨格の設計を国家戦略室にお願いを申し上げたい。そのように思いながら、国家戦略室を作った次第であります。

 従いまして、その骨格に対して、しっかりとした骨組みから、精緻(せいち)な内容に仕立てあげていくのが財務大臣、あるいは財務省中心とする役割だと、そのように認識しております。

 ただ、双方がですね、またある意味での、行政刷新会議も含めて、どのくらい無駄遣いというものを削減することができるかというものも絡んでおるものですから、その三者が、ある意味で一体的に議論を進めながら、役割分担というものをおこなっていくべきだと、そのように考えております。

 それから、西松建設に対して「国策捜査」という言葉を一度使った次第でございますが、私は二度は使わなかったつもりでございます。すなわち、一度使ったことに対するある種の反省の思いを含めて、その言葉を遠慮しているところでございますので、そのような立場だとご理解を願いたい。

 ――総理が提唱されている東アジア共同体なんですが、それは今後の外交日程の中で、どういった形で国際社会に提起していくお考えなのか? 共同体がですね、アジア共通施策というか、考えがですね、アメリカでは、アメリカ離れとか、ドル離れを指向しているのではないかという見方もされているようですが、こういったことに対して、どのように答えられるか?

 ご案内の通り、ある意味での友愛という精神というものがスタートラインでありまして、それが欧州連合(EU)においては共通のユーロという通貨まで展開をしていったということでございまして、私はある意味で、かなり体制も違う国々もあるわけではありますけれども、アジアにおいて、特に東アジアにおける共同体というものを中長期的にみて構想することは、私は正しい道のりだと、そのように考えております。

 その発想は決してドルというものを、あるいはアメリカというものを除外するつもりではありません。むしろ、その構想の先に、私はアジア太平洋共同体というものを構想するべきだと、そのように思っておりまして、アメリカ抜きで必ずしもすべてできると思ってもおりません。

 このような構想はできるだけ早い時期に、すべて、どこまで詳細にお話しするかということは別にいたしまして、何らかの形で今度、国連でも演説をする予定でもございます。そのような中で、頭出しぐらいはしてみようかな、そんな風に考えているところでありますが、まだ、そこのところは詰めている状況ではありません。

 ――故人献金問題についてお伺いします。故人献金問題について、鳩山総理は説明責任を十分果たしたという立場を一貫してとられていますが、臨時国会等でですね、野党の厳しい追及を受けるのは必至だと思います。この故人献金問題を抱えたままでの政権運営への影響についてと、今後の新たな説明のお考えはあるかどうか、についてお願いします。

 はい。この問題に対して、国民の皆様方に色々とご心配をおかけしたこと、おわびを申し上げながら、私なりに修正、あるいは訂正をいたしたところでございます。なかなか国民の皆様方にはご理解いただいていないことは事実だと思っておりますので、それはもっと説明をつくす努力はして参りたいと思っておりまして、今後の展開というものも様々考えながらですね、私なりの思いを国民の皆様方に、できるだけ正確に、正直にお伝え申し上げて、ご理解を深めていただきたい、そのように努力をいたしたいと思っています。」




3.鳩山内閣は、今までの内閣とは違うことがよく分かります。

(1) 例えば、自民党政権下では、派閥順送り人事で担当省庁の政策に精通していない閣僚が選ばれ、会見で官僚の用意したペーパーをそのまま読む光景もしばしば見られました。

しかし、鳩山内閣の新閣僚に対しては、官僚が接触することは禁じられ、官僚が記者会見用のペーパーを用意していません。ですから、新閣僚は、党が会見用に用意した資料を参考にしつつも、官僚に頼ることなく、自分で苦労して、自らの言葉で説明しているのです。例えば、千葉法相は、(弁護士出身のせいでもあるせいか)マニフェストに従うとして、取調べの可視化の法案化を明言しています。

他方で、質問をしている記者の方が、稚拙な質問ばかり(=巧みにかわされる質問ばかり)なのが、気になります。新聞記者の方は、いまだ政権交代に対応できず、戸惑ったまま歩みを止めているようです。



(2) 鳩山首相の会見は、自民党政権下と異なり、官僚の用意した無味乾燥なものではなく、鳩山氏らしさのあふれた、国民に向けたメッセージとなっています。

今回の選挙の勝利者は国民の皆さん方でございまして、その国民の皆さまの勝利というものを本物にさせていただくためには、とことん、国民の皆さまのための政治というものを作り出していく。そのためには、いわゆる脱官僚依存の政治というものを今こそ世の中に問うて、実践していかなければいけません。

 私たちはさまざまな仕組みの中で脱官僚依存、すなわち官僚の皆さんに頼らないで、政治家が主導権を握りながら、官僚の皆さんの優秀な頭脳を使わせていただく、そういう政治を送り出していきたい。その先には、言うまでもありません、国民の皆さんと心を接しているのは政治家である。その気概を持って、国民の皆さん方の様々の思い、政治を変える、何のために変えてもらいたいのか、その思いを受け止めて、私たちが大きな船出をしっかりとしていきたい。そのように感じているところでございます。

 そのためには、今までのように、国民の皆さんもただ1票を投じればいいんだという発想ではなく、ぜひ政権に様々ものを言っていただきたい。政権の中に参画していただきたい。私たちが皆様方のお気持ちを、いかにしっかりと政策の中に打ち出していけるか否かは、国民の皆さまの参加次第にかかっているとも申し上げていいと思います。」


 イ:今度の政権では、国民のための政治を行うことを明言し、国民のためになる政策を実現することをまず訴えています。そして、大事なことは、国民の側は、鳩山政権下の政策をただ受身的に受け入れるのではなく、国民も「政権の中に参画」してほしいと述べていることです。

今までの自民党政権下では、選挙公約は単なるスローガンであって、選挙後は全く守るつもりがなく、白紙委任状を受け取ったかのように、勝手に政策を実現していました。そうした政権では、国民は受身的にならざるを得なかったことは確かです。


 ロ:しかし、政権交代したのです。長年続いた自民党政権下での悪弊は一層される契機となりました。

民主党への政権交代を間近に控え、各省庁の幹部やOBによる関連法人への「駆け込み」とみられる天下りが相次ぎました(「事故米」問題で昨年9月に引責辞任した農水省の白須敏朗・前次官(58)が、今月2日に、同省所管の社団法人「大日本水産会」の会長再就職。文科省の元文部科学審議官(62)が、同省所管の独立行政法人「日本学生支援機構」の理事から、8月1日付で同省所管の「公立学校共済組合」の理事長に就任するという「渡り」をしていた、など)。天下り、渡りを繰り返すたびに高額の報酬を得、高額の退職金を得、所管団体には、ほとんど丸投げしてしまうのにも関わらず、多額の補助金を交付するといった、無駄な公金を使い込んできたのです。自民党政権下では、こうした異常な事柄さえも、止めることができなかったのですが、鳩山政権下では、天下りやわたりが禁止され、無駄な補助金が廃止されることが示されています。

また、行政官である官僚が、政治的中立性をもっているべき公務員が、政治に直接関与するかのような会見(各省事務次官の記者会見)を行っていても問題視されていませんでした。下級公務員は厳しく政治的中立性が求められるのに、官僚は政治家のように行動していたのです。官僚の「ポチ犬」と化している一部の記者にとっては、官僚から情報を垂れ流しすることを喜んでやっていたのですから、問題視するはずがありません。しかし、鳩山政権においては、事務次官会議がなくなることに伴って、各省事務次官の記者会見は廃止されました。


 ハ:このように、鳩山政権下では、官僚の懐を肥やすためだけの行動は規制され、官僚の政治的な意図で身勝手に政策を実現していくことは、止めることにしました。また、鳩山政権下では、(新閣僚記者会見を見ていてわかるように)誰が首相になろうが、誰が大臣になろうが、マニフェストに従って政策を実現するのであって、派閥の意向に左右されたり、大臣の力関係で決着をつけたり、(労働者がどんなに貧困に陥ろうとも)財界の意向に従って決着する、といったことは止めることになりました。

官僚にも政治的中立的であることが徹底され、国民の一票に従った民意が反映した政策が実現し、国民が政治に参画することで意義が生じるということは、民主主義国家ではごくごく当たり前のことです。今回の衆議院選挙により、民主主義国家では当たり前のことである政権交代が実現し、民主主義として当たり前の政治が、やっと実現することになったといえそうです。

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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