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2009/07/06 [Mon] 23:59:18 » E d i t
医療法人「徳洲会」は、臨床研究として修復腎(病気腎)移植を開始する方針を明らかにしました。移植は、早ければ7月中にも、万波誠医師が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)か、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)で移植を実施する方針を明らかにしています。



1.報道記事などを幾つか。

(1) 共同通信(2009/06/30 12:28)

7月にも病気腎移植の臨床研究 徳洲会が手順書策定

 医療法人徳洲会は30日、病気の患者から摘出した腎臓を用いる病気腎移植の臨床研究の手順を定め、早ければ7月中にも、万波誠医師が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)か、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)で移植を実施する方針を明らかにした。

 医学的な問題点について提供者や移植を受ける患者に十分に説明し、同意を得るとしている。

 徳洲会によると、外部の医療専門家などからなる「徳洲会グループ共同倫理委員会」が6月、親族間の病気腎移植の臨床研究の手順書を承認。7月中旬の同委員会では、親族以外の提供についての手順書も審査し、承認される見通し。

 厚生労働省は1月、病気腎移植の臨床研究について「対象疾患に制限を設けない」と都道府県などに通知。徳洲会は実施方針を示していた。

2009/06/30 12:28 【共同通信】」



(2) 徳洲新聞2009年(平成21年)7/6 月曜日 NO.679

修復(病腎)移植の臨床研究を開始~東京西徳洲会病院~

6月17日、東京で開催された徳洲会グループ共同倫理委員会(三井利夫委員長)で、東京西徳洲会病院(昭島市・板垣徹也院長)が「生体腎移植に関する臨床研究・修復腎(病腎)を用いた親族間生体腎移植」のプロトコール(定められた治療法)を提出。審査の結果、条件つきで承認された。

今年1月の厚生労働省からの通達により、疾患を特定せず臨床研究での修復腎移植が可能となった。それを受けて、東京西徳洲会病院が実施するもの。今後、宇和島徳洲会病院(愛媛県・貞島博通院長)も実施施設として追加される。

この共同倫理委員会の承認により、徳洲会グループの幹部会でも修復腎移植の臨床研究の開始を認めるとともに、同研究にかかる費用は全額グループで負担することを決定した。今後、これを足がかりとして、親族以外の第三者をドナー(臓器提供者)とする修復腎移植の臨床研究が共同倫理委員会で審査されることになる。」



(3) MSN産経ニュース(2009.6.30 21:23)

病腎移植臨床研究、少なくとも5件実施 徳洲会グループが方針
2009.6.30 21:23

 医療法人「徳洲会」が臨床研究として病腎(修復腎)移植の再開を明らかにしたこと受け、徳洲会グループ(東京都千代田区)の能宗克行事務総長は30日、今年7月中旬から5年以内に少なくとも5件の病腎移植を宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)などで実施する方針を明らかにした。研究成果が得られ次第、厚生労働省に対し病腎移植の保険適用を求めるという。

 徳洲会グループによると、7月15日に外部の専門家を交えた徳洲会グループ共同倫理委員会で承認されるとみられる臨床研究計画書に、第三者間における病腎移植の手術手順などを明記。そのうえで「腎がん患者をドナーとする移植を5年以内に少なくとも5件実施する」(能宗事務総長)との計画を盛り込むという。

 臨床研究の結果、病腎移植が腎臓移植の新しい技術としての成果が得られれば、厚労省に対し患者の入院費用などが医療保険で支払われるよう求める。」



 イ:厚生労働省は2007年7月、臓器移植法の運用指針を改正し、臨床研究以外の修復(病気)腎移植を禁止し、日本移植学会によって、事実上、修復腎移植が禁止されていました。ところが、今年1月27日付で「臨床研究の実施に際し、対象疾患については特段制限していない」という通知を都道府県などを通じて医療機関に流したのです。

この通知により、臨床研究さえも禁じられていた修復腎移植が、臨床研究での修復腎移植は可能であることが明確になったのです(「厚労省が平成21年1月27日、修復腎移植の臨床研究を正式容認~容認する「通知」受け、修復腎移植を今年中に再開へ」(2009/02/11 [Wed] 23:59:38)参照)。

そこで、徳洲会は、徳洲会グループ共同倫理委員会を開催し、その委員会が「生体腎移植に関する臨床研究・修復腎(病腎)を用いた親族間生体腎移植」のプロトコール(定められた治療法)を承認するなど、厚労省の通知に従う形で臨床研究開始の準備を進めたわけです。

厚労省の通知に従って進めた臨床研究なのですから、事前の手続としては何の問題もないということになります。


 ロ:残る問題としては、まず、<1>実際に実施する際の手続を適正に行うこと(=インフォームド・コンセントなど)です。この点は、臨床研究計画書に従うこととなりますが、「医学的な問題点について提供者や移植を受ける患者に十分に説明し、同意を得るとしている」(共同通信)としています。

もう1つの問題は、<2>医療費の問題です。臨床研究となれば、患者が高額な医療費を負担する可能性もあるので、事実上、実施不可能になりかねないからです。この点は、「同研究にかかる費用は全額グループで負担することを決定した」(徳洲新聞)とのことで問題はないようです。また、「研究成果が得られ次第、厚生労働省に対し病腎移植の保険適用を求める」(産経新聞)ようであり、いずれは、他の腎移植と同様に保険適用されることが予定されています。


 ハ:産経新聞によると、「腎がん患者をドナーとする移植を5年以内に少なくとも5件実施する」(徳洲会グループの能宗事務総長)ようです。そうすると、5年以内には、5人の患者が確実に救済されるということになります。



2.読売・朝日・毎日新聞やテレビ報道のうち、関東地方で報道されている記事としては、この2つだけです。

(1) 毎日新聞 2009年6月30日 東京夕刊 8面

病気腎移植:徳洲会グループ、再開へ 「臨床研究」に限定

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(68)らが、がん治療などのため摘出した腎臓を別の患者に移植していた病気腎移植問題で、徳洲会グループが早ければ7月にも病気腎移植を臨床研究として再開することが30日、分かった。

 同グループによると、内外部の医療専門家らで構成する「徳洲会グループ共同倫理委員会」が7月中旬に開かれ、病気腎移植手術の臨床研究の計画書が承認される見通し。病気腎の提供を呼び掛けている内外の病院でドナーが出た場合、同グループの判定委員会でインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)などが適切になされているかなどを審査した後、臨床研究として病気腎移植が実施される。

 移植手術は、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)、宇和島徳洲会病院のどちらかで行われる予定で、万波医師が手術を担当するケースもありうるという。

 厚生労働省は07年7月、臨床研究を除いて病気腎移植を禁止したが、臨床研究としては病気腎移植を制限しないことを今年1月に通知している。【柳楽未来】

毎日新聞 2009年6月30日 東京夕刊」



(2) TBS Newsi(2009年6月30日(火))

病気腎移植、臨床研究として再開へ

 がん患者などから摘出した腎臓を別の患者に移植する「病気腎移植」について、医療法人の徳州会は、早ければ来月にも臨床研究として再開する方針を明らかにしました。

 宇和島徳州会病院の万波誠医師らによる病気腎移植は、91年から合わせて42件行われましたが、関係学会は「閉鎖的な医療」だと批判。厚生労働省も、臨床研究を除いて、原則禁止としましたが、今年に入り都道府県などに「臨床研究の対象疾患に制限を設けない」と通知しました。

 これを受け、徳州会では、来月15日に開かれる倫理委員会で、手術の手続きなどを定めた計画書について審査した上、ドナーなどの選定が順調に進めば、来月にも臨床研究として、病気腎移植を再開する見通しです。

 「(Q.再開されたら?)普段通り、やるだけです。別に何にも高ぶることもないし、かたくなる事はない」(宇和島徳州会病院・万波誠医師)
(30日19:10) 」


この情報については、関東では、毎日新聞では比較的大きな見出しにしてはいるものの、読売新聞、朝日新聞は報道していません。こうしたことからすると、修復腎移植問題は、一地方の問題ではないのに、報道機関としては、一地方の問題の扱いにして、関東(東京版)では報道価値が下がったと評価しているようです。

特に、腎移植について積極的に報道していた東京新聞は、この情報につき、まったく報道していません。片山夏子記者が「特別報道部」を離れてしまったら、もはや修復腎移植につき、報道価値を見いだす記者はいなくなったのかもしれません。東京新聞の対応は、大変残念です。

「日本臓器移植ネットワーク」の「移植に関するデータ」を見ると分かるように、現登録者数のうち最も多いのが腎臓です(心臓139名、肺121名、肝臓255名、腎臓11,438名、膵臓165名、小腸3名。平成21年6月30日現在)。報道機関側が、移植希望者が飛びぬけて多い腎臓移植さえ、関心が乏しくなり目を逸らしているようでは、現在改正内容が問題となっている「臓器移植法」や臓器移植全般について、市民が、どれほど切実感を持って接することができるというのでしょうか。

臓器移植全般に消極的な姿勢を示す毎日新聞はともかく、臓器移植は必要な医療であり、より臓器移植が可能になるようにするという意識があるのであれば、そうした意識を市民に伝えるような報道をすることを切に希望します。


テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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