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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2009/05/10 [Sun] 23:32:40 » E d i t
厚生労働省は平成21年5月9日、成田空港の検疫で、米デトロイト発の便で帰国した大阪府内の日本人男性3人が、新型の豚インフルエンザに感染していることを確認したと発表しました。国立感染症研究所でウイルスの遺伝子検査をした結果、新型インフルの陽性反応が出たものであり、国内で感染者が確認されたのは初めてとなります(朝日新聞平成21年5月9日付夕刊1面)。

 「厚労省や府教委によると、感染が確認されたのは大阪府寝屋川市の府立高校の教員(46)と生徒2人(いずれも16)の計3人。市内の府立高3校の教員と生徒合わせて36人で、4月24日~5月7日に語学研修のためカナダのオークビルに滞在し、米デトロイトを経由して、ノースウエスト航空25便で8日午後4時半過ぎに成田に到着した。

 同便の乗客・乗員は約410人。3人のうち教員1人と生徒1人は、成田で検疫官が乗り込んだ機内で症状が確認された。厚労省は、生徒らの近くに座って「濃厚接触」の可能性がある乗客(最大52人)や、同行者らのうち、合わせて乗客47人、乗員2人の計49人に空港周辺の施設などにとどまってもらっている。検疫法にもとづき到着から10日間空港近くの宿泊施設で過ごしてもらう。濃厚接触の52人のうち13人は国外に出たという。

 3人のうち1人は機内検疫の際には検疫官に体調不良を訴えず、サーモグラフィーでも発熱が見つからなかった。大阪方面への乗り継ぎのために機外に出てから体調不良を訴えた。

 この1人が機内で座っていた席の周囲には、濃厚接触した可能性がある乗客らが最大11人いた。本来は空港近くの宿泊施設などにとどまってもらう対象だが、すでに入国したり、乗り継いで日本を出てしまったりした可能性がある。舛添厚労相は「感染する危険性がある」と話し、厚労省は全乗客に連絡を試みる。連絡がつけば地元の都道府県知事が自宅待機を求める。

 教員は発熱やせき、関節痛などの症状があった。生徒2人は鼻水とせきがあり、うち1人は熱があった。3人は8日夜から千葉県成田市内の病院に入院。9日朝の時点で教員は熱があるが、生徒2人に熱はない。

 政府は9日午前、新型インフルエンザ対策本部の幹事会を首相官邸で開き、当面はメキシコなどから到着した便を対象とした現行の検疫態勢を維持することを確認した。空港での検疫段階で見つけたことから政府は「国内発生」に当たらないと判断。「ただちに国内の感染拡大につながる可能性は低い」として、渡航制限などの新たな段階の対策にすぐには移行しない。世界保健機関(WHO)に感染者3人の確認を届け出る。」 (朝日新聞平成21年5月9日付夕刊1面




1.今回の事実について、朝日新聞は次のような解説をつけています。

早期発見・治療が重要

 新型インフルエンザで国内初の患者が確認された。今回は幸い検疫で見つかったが、100%見つかるわけではない。検疫は国内流行を遅らせる対策の1つだ。いずれ流行が始まる事態に備えて医療態勢などの準備に本格的に取りかかる必要がある。

 米国などの患者は多くの場合、症状は軽く、回復している。過剰に恐れる必要はない。大流行になったとしても、季節性インフルエンザより重めのアジア風邪(57~58年)、香港風邪(68~70年)と同程度の重症度(致死率0.2%以下)とみる専門家が多い。それでもインフルによる肺炎などを含め国内で各数万人程度が死亡したとみられる。私たちは、新型ウイルスに免疫を持っていないため、数千万人が感染する可能性がある。病院などに多くの患者が来ても十分に治療できるよう準備するなど、やるべきことは多い。

 当面、国内流行を遅らせるには、検疫のほか、流行地域から帰国して発病したら、電話ですぐ相談するよう国民の理解を得ることも欠かせない。タミフルなどの抗インフル薬は、症状が出てから48時間以内に使えば効果がある。早期に相談すれば治療につながるし、感染拡大防止に役立つ。そのためにはプライバシーを守る配慮も必要だ。

 インフルエンザは感染しても症状が出ない潜伏期間がある。世界保健機関(WHO)などによると潜伏期間は1~7日程度。検疫では発熱などの症状がある人を検査するため、潜伏期間中に検疫を通過すれば見逃しがある。発症後でも、検疫時に発熱やせきなどの症状が見つからなければ、見落とされる。今回の男子生徒1人もこれに当たる。

 世界で確認された患者は3千人を超える。実際の患者数はわからないが、メキシコでは3月から流行が始まっており、既に感染者は何万人もいるとみる専門家もいる。

 日本国内でも今後、患者確認が相次ぐ可能性がある。検疫を過ぎた後で見つかることもあるだろう。だがそれは、患者を早く見つける仕組みが働いている証しと受け止めたい。早く見つかり治療を受けることが安心につながる。感染が知らぬ間に広がっていく方が困った事態だ。 (編集委員・浅井文和)」(朝日新聞平成21年5月9日付夕刊1面「解説」



今回の新型インフルエンザは、毒性や感染力が通常の季節性インフルエンザとほとんど変わらないことが、これまでの症例や遺伝子解析で明らか」(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)になっています。また、「60歳以上の高齢者の感染者がほとんどいないのも特徴」(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)です。

それゆえ、世界保健機関(WHO)のシルビ・ブリアン・インフルエンザ対策部長代理は8日、各国の感染防止策について、「軽症者がほとんどという実態に、対策も合わせるべきだ」と述べ、弾力的な運用を求めています(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)。具体的に言えば、WHOは、国民生活や経済活動を過度に制約する対策を勧めていませんし、「渡航制限や国境閉鎖は引き続き行わないよう各国に要請する方針」(読売新聞平成21年5月10日付朝刊2面)ということです。

このように、新型インフルエンザは、通常の季節性インフルエンザとほとんど変わらず、メキシコ以外ではほとんど死者が出ておらず、軽症者がほとんどというのが実態ですから、季節性インフルエンザ程度の予防策をとっていれば足りることになります。

しかも、国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長が述べるように「これからウイルスが不活発になる夏に向かう」のです(東京新聞平成21年5月10日付朝刊1面)。同様のことは元世界保健機関鳥インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員会委員、けいゆう病院小児科・菅谷憲夫部長も述べており、「これから日本は夏になり、大きな流行にはならないだろう」と述べています(毎日新聞平成21年5月10日付朝刊3面)。

このように、「過剰に恐れる必要はない」(朝日新聞5月9日付夕刊)のに、どういうわけか(国内感染者がいない段階において)一部の病院で発熱を訴える人が診察を断られる事態が起きています。そういった事態が続くと、この先、熱の出た人が拒否を恐れ、海外渡航歴を伏せ、その結果、新型インフルエンザ感染が拡大する、といった悪循環を引き起こしねません(日経新聞平成21年5月10日付「春秋」参照)。そうした馬鹿げた悪循環を引き起こさないよう、行政は医療機関に指導するなど対応して欲しいと思います。



2.今回の事態に対して、専門家は次のような見解を述べています。各新聞社掲載の見解を引用しておきます。

(1) 読売新聞平成21年5月9日付夕刊14面(4版)

水際作戦が奏功 ■ 発熱外来の整備急務 ■ 油断は禁物

 新型インフルエンザの患者が国内で始めて確認されたことについて、識者の意見を聞いた。

 国の専門家諮問委員会委員長の尾身茂・自治医科大教授の話 「今回は水際対策で感染者を発見できたが、どんなに頑張っても潜伏期間の人や、軽症の人などが検疫の網をすり抜ける可能性はある。ほかにも海外で感染した人がいる可能性は十分にあり、いつ国内で感染が広がってもおかしくない。今後は、現在の検疫体制を続けることで国内での発生を遅らせるとともに、その間に国内での発生、流行に備えた発熱外来などの整備を急ぐ必要がある」

 押谷仁・東北大教授(ウイルス学)の話 「第1例が見つかったことで新型インフルエンザ対策の意識が高まったと思う。今後は、国内で感染者が見つかった場合に慌てずすぐに対応できるような準備をしておくことが大切だ。症状が軽いという報告もあるが、(先進国の)米国やカナダでも重症化して死亡した例もあり、油断してはならない」

 工藤宏一郎・国立国際医療センター国際疾病センター長の話 「水際作戦が功を奏した。国内の感染の拡大を防ぐため、現在の検疫体制はしばらく続けた方がいいだろう。今回の新型インフルエンザは症状が軽く、早期の診断と治療が有効。予防には、通常のインフルエンザと同様に手洗いなどが大切だ」

 外岡立人(とのおか・たつひと)・元小樽市保険所長の話 「水際対策は完全ではない。 『感染を食い止めた』 『日本は安全だ』と過信すべきではない。空港到着時に症状がなく、検疫をすり抜けた後から発症するケースもある。ただ、国民がパニックになる必要はない。季節性インフルエンザと比べても毒性は強くなく、国内で多少流行しても国民が恐れるほどのものではない」



(2) 朝日新聞平成21年5月9日付夕刊10面(4版)

情報に注意して

 政府の新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会の委員長に就いた尾身茂・元世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長の話 一般の人たちに心がけてもらいたいのは、インフルエンザの情報に注意して、手洗い、うがいをよくすること。企業なども、集団感染を避けるため、体調が悪い人は休ませるという考えが大切だ。

 みんなが病院へ行くと、病院が感染の温床となる恐れがある。電車などで病院へ行くのは、ウイルスをまき散らすようなもの。患者と距離を置くことが、感染防止になる。感染が拡大したときは、普通のかぜのときのように家にいることを考えてほしい。」



(3) 毎日新聞平成21年5月9日付夕刊(4版)

新型インフルエンザ:国内初感染 冷静な対応、専門家呼びかけ

 国内初の新型インフルエンザの感染者が機内検疫などで見つかった。3人のうちの1人は機外に出た後に発症が確認されたため、2次感染のおそれがある周囲の乗客は留め置かれず帰宅しているが、専門家は冷静な対応を呼びかけている。

 ◇予防的に薬投与を

 松本慶蔵・長崎大名誉教授(呼吸器感染症学)は「感染が確認された3人については抗ウイルス薬が効くので治療できる。周囲の乗客など経過観察中の人も心配はない。一方、帰宅した人は、自分が感染者の周囲に座っていたと報道などで気づいた時点で受診してほしい。こうした場合、医師はウイルス検査の結果を待たず、抗ウイルス薬を予防的に投与すべきだ」と話す。

 ◇十分な情報伝達を

 インフルエンザに詳しい外岡立人・元小樽市保健所長は「今回のウイルスは病原性が低く、季節性インフルエンザと同程度。ウイルスに関する正確な情報を末端の医療機関まで十分に伝え、冷静に対応するよう求めることが必要だ」と指摘する。外務省は、カナダなど感染が確認されている国への渡航者に対し、注意するよう呼び掛けているが、渡航禁止の対策はとっていない。外岡元所長は「検疫で完全に侵入を防げるわけではなく、国内にウイルスが広がる可能性は十分ある」と話している。【奥野敦史、河内敏康】

毎日新聞 2009年5月9日 東京夕刊」



(4) 毎日新聞2009年5月10日東京朝刊3面

◇外出禁止策など必要なし--元世界保健機関鳥インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員会委員、けいゆう病院小児科・菅谷憲夫部長

 今回の国内初の感染確認例については、政府の水際対策が一応成功したと言っていい。ただ、世界でここまで感染が広がってくると、水際対策には限度がある。今後、検査をすればするほど感染者は増えると思うが、これから日本は夏になり、大きな流行にはならないだろう。

 入国後に感染が確認されると、政府の行動計画は第2段階になる。計画は強毒性の新型インフルエンザを前提に作られている。今回の新型インフルエンザは感染者の大半が症状も軽く、外出禁止などの社会的対策はほとんど必要ないだろう。食料の2週間分の備蓄や企業活動の禁止などは行き過ぎだ。やるとすれば休校だが、米国は予防効果がないとして、休校対策をやめた。日本の場合は市民感情も考慮し、1例目は患者が出た学校を休校にしなければならないだろう。都道府県や地域全体で休校にする必要はない。

毎日新聞 2009年5月10日 東京朝刊」



(5) 日経新聞平成21年5月10日付朝刊3面

専門家の見方

■侵入遅くできた意味は大きい

 防衛医科大学校の川名明彦教授 今後は国内でも患者がさらに出てくるだろう。検疫などの水際対策は時間稼ぎでしかないが、米国やメキシコより10日以上ウイルスの侵入を遅らせることができた。この間に医療機関や地方衛生研究所での準備も進み、今回のウイルスの病原性があまり強くないという情報も分かってきたことの意味は大きい。しばらくは(国内医療体制の)若干の混乱が避けられないだろうが、冷静に対応しないといけない。

■医療体制充実へ 重点転換も一案

 国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長 呼吸器感染症では現在の強化した検疫体制を保ち続けて水も漏らさぬようにするのは難しい。現在は機内検疫がうまくいっているが、アジアからの航空機にまで対象が広がれば無理が生じる。どこかの段階で(国内の感染拡大を見越した)医療体制の充実へとスイッチを切り替える必要がある。」



 イ:これらの確かな専門家の見解を見ると、日本において水際対策を実施したことは、「米国やメキシコより10日以上ウイルスの侵入を遅らせることができた」ことなどから、諸外国と異なり、功を奏していると評価されています。

水際対策は、最初から完全に阻止することはできないことは予定していたはずですし、水際対策を強化する方向にはならないと思われますが、功を奏している以上、日本政府としては、今後も水際対策は実施していくものと考えられます。


 ロ:多くの専門家は、新型インフルエンザは症状が軽いことを前提とし、それを理解したうえでの対応を求めています。例えば、「今回の新型インフルエンザは症状が軽く、早期の診断と治療が有効。予防には、通常のインフルエンザと同様に手洗いなどが大切だ」(工藤宏一郎・国立国際医療センター国際疾病センター長の話)といった感じです。

ですから、「外出禁止などの社会的対策はほとんど必要ないだろう」と述べる専門家もいるように、今後の政府の対応しても、市民に対して行動を制限するような対応をすることはないと思われます。




3.今回の新型インフルエンザについては、一部の医療機関が診療拒否したことでも分かるように、不可解な騒動が生じています。また、インターネット上では、新型インフルエンザを巡り、いつものように戯言をまき散らしている方がいたりします。

何事についても戯言をまき散らす方がいるものですが、今回もそうした戯言をすっかり信じてしまう方もいるようです。本来は、戯言をまき散らさないように注意して止めさせるべきでしょうが、インターネット上での戯言はあまりにも数が多く、どうしようもありません(もちろん、そうした戯言が、政府の新型インフルエンザ対策に影響を与えるようだと、業務妨害罪での摘発も考えられますが。)。

しかし、新型インフルエンザを巡る馬鹿げた戯言などを信用することなく、真っ当な専門家の見解や新聞社のHPで掲載している対策をよく読んで理解し、冷静な対応をしていくようお願いします。


テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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