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2009/05/06 [Wed] 18:02:54 » E d i t
新型インフルエンザについては、諸外国と比較すると、どうやら日本のみがやたらと騒ぎになっており、過剰反応していることが分かってきましたが、東京都内の病院では、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次ぎ、92件にも及んでいることが判明しました。

それも、「92件の半数以上は、『最近海外に渡航していないのに診察を拒まれた』という内容だった」(朝日新聞)ですから、新型インフルエンザに感染している可能性が低いにもかかわらず、発熱などを訴えた人の診察を拒否しているのです。新型インフルエンザに対する過剰反応どころか、「ノミの心臓」ぶりも極まったといえます。



1.報道記事を幾つか。

(1) 毎日新聞平成21年5月5日付東京朝刊1面

新型インフルエンザ:感染国に渡航歴ないのに…発熱患者の診察拒否 東京で63件

 ◇「成田勤務」「友人に外国人」

 新型インフルエンザへの警戒が強まる中、東京都内の病院で、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次いでいることが分かった。都によると、2日朝~4日朝だけで計63件に上る。新型への感染を恐れたためとみられるが、感染者が出た国への渡航歴などがない患者ばかりで、診察拒否は医師法違反の可能性がある。大学病院が拒否したケースもあり、過剰反応する医療機関の姿勢が問われそうだ。

 患者から都に寄せられた相談・苦情によると、診察拒否のパターンは(1)患者が発熱しているというだけで診察しない(2)感染者が出ていない国から帰国して発熱したのに診察しない(3)自治体の発熱相談センターに「新型インフルエンザではないから一般病院へ」と言われたのに診察しない--の三つという。

 拒否の理由について都は「万一、新型インフルエンザだった場合を恐れているのでは」と推測する。

 拒否されたため、都が区などと調整して診療できる病院を紹介した例も複数あった。「保健所の診断結果を持参して」と患者に求めた病院や、成田空港に勤務しているとの理由で、拒否した例もあった。友人に外国人がいるというだけで拒否された患者もいたという。

 国や自治体は、熱があって、最近メキシコや米国など感染が広がっている国への渡航歴があるといった、新型インフルエンザが疑われる患者には、まず自治体の発熱相談センターに連絡するよう求めている。一般の病院を受診して感染を拡大させることを防ぐためだ。だが、単に熱があるだけなどの患者は、その対象ではない。

 都感染症対策課の大井洋課長は「診察を拒否する病院が増えれば、『症状を正直に申告しないほうがいい』といった風潮が広まるおそれがある」と懸念している。【江畑佳明】

毎日新聞 2009年5月5日 東京朝刊」



(2) 朝日新聞平成21年5月6日付朝刊

発熱診察拒否92件 都に相談「渡航歴ないのに…」
2009年5月5日22時16分

 新型の豚インフルエンザをめぐって東京都に寄せられた相談のうち、発熱などの症状がある患者が医療機関から診療を拒まれたという事例が、2日から5日昼までに92件あったことが分かった。都は医療機関に冷静な対応を呼びかけている。

 診療拒否の相談は、都が新型インフルエンザ感染を心配する患者らを対象に設置した電話相談窓口「発熱相談センター」に寄せられた。92件の半数以上は、「最近海外に渡航していないのに診察を拒まれた」という内容だったという。

 また、自治体の発熱相談センターから新型インフルエンザ感染の恐れはないと判定された患者が一般の医療機関から拒まれた事例や、成田空港に勤務しているという理由で拒まれたケースもあった。

 発熱などの症状があっても、国が発生国として指定しているメキシコ、米国、カナダからの帰国者でなければ、診察を拒まないで欲しいと、都は病院に呼びかけている。都健康安全部の加藤みほ副参事は「新型インフルエンザへの警戒心が強すぎるためだと思うが、診療拒否が増えると医療現場が混乱し、都民の不安も増す。適切に対応してほしい」と話す。

 同様の苦情は厚生労働省のコールセンターにも寄せられている。江浪武志・結核感染症課課長補佐は5日の会見で「相談件数や現場の実態などを確認し、(診断基準となる)症例定義が誤って伝わっているなら、正したい」と述べた。」



(3) 東京新聞平成21年5月6日付朝刊1面

都内の病院 発熱診察拒否92件
2009年5月6日 朝刊

 新型インフルエンザ発生国への渡航歴がないなど感染の恐れが少ないにもかかわらず、発熱などの症状で病院を訪れた人が診察を断られるケースが相次ぎ、厚生労働省は五日「単なる診察拒否なら重大な問題だ」として、全国の実態把握に乗り出すことを決めた。

 東京都はこれまでに九十二件を確認。厚労省は、悪質なケースで医療機関名が把握できれば、都道府県を通じた個別指導などを検討する方針。

 厚労省結核感染症課は「『感染の疑いがあれば発熱外来に誘導する』という国内発生後の対応を前倒ししているのか確認が必要」とする一方「現段階でのこうした対応は常識的に考えられない」と不快感を示している。

 東京都では、発熱相談センターに相談の電話が寄せられたことで判明。同様の例は今月二日から五日正午までで九十二件に上り大学病院が診察を断ったケースもあった。

 診察を拒否されたりセンターに相談するよう言われたりした人が大半だが、「成田空港に勤務」「友人が外国人」と話した途端、診察を拒まれた人も。センターの電話相談で一般病院に行くよう勧められたのに、実際に行くと、そこで拒否された例もあった。

 都は「新型インフルの発生やほかの患者への感染を恐れているのかもしれないが、病院は冷静に対応してほしい」と呼び掛けている。」



(4) 毎日新聞 2009年5月6日 東京朝刊

新型インフルエンザ:診察拒否、全国調査へ 都への苦情、92件に

 新型インフルエンザへの過剰な反応から、東京都内の病院で発熱しただけの患者の診察拒否が相次いでいる問題で、厚生労働省は5日、実態把握のため各都道府県に聞き取り調査することを明らかにした。

 厚労省のコールセンターにも同様の相談が寄せられているという。診察拒否をしている医療機関が確認されれば、都道府県に指導を要請する方針。

 一方、東京都の発熱相談センターには4日朝~5日正午の間に、同様の相談や苦情が29件寄せられた。4日朝までの分と合わせると計92件に達し、都感染症対策課は「診察拒否の多い悪質な病院には指導も考えたい」と話す。「父親が新型インフルエンザ発症国以外から帰国したが、診てもらえない」などの声が寄せられているという。【奥山智己、江畑佳明】

毎日新聞 2009年5月6日 東京朝刊」




2.これらの記事によると、新型インフルエンザをめぐって「東京都に寄せられた相談のうち、発熱などの症状がある患者が医療機関から診療を拒まれたという事例が、5月2日から5日昼までに92件あったことが分かった」(朝日新聞)ということです。「同様の苦情は厚生労働省のコールセンターにも寄せられている」(朝日新聞)とのことですから、かなり問題性が広がっているといえます。

(1) 問題なのは、診療拒否の理由であって、「92件の半数以上は、『最近海外に渡航していないのに診察を拒まれた』という内容だった」のですから、誰しも新型インフルエンザに感染している可能性が低いと理解できることは明らかです。なんとも呆れた医療機関といえますが、診療拒否された具体的なケースは次の場合です。

・診察拒否のパターンは(1)患者が発熱しているというだけで診察しない(2)感染者が出ていない国から帰国して発熱したのに診察しない(3)自治体の発熱相談センターに「新型インフルエンザではないから一般病院へ」と言われたのに診察しない--の三つという。(毎日新聞)

・「保健所の診断結果を持参して」と患者に求めた病院や、成田空港に勤務しているとの理由で、拒否した例もあった。友人に外国人がいるというだけで拒否された患者もいたという。(毎日新聞)

・自治体の発熱相談センターから新型インフルエンザ感染の恐れはないと判定された患者が一般の医療機関から拒まれた事例や、成田空港に勤務しているという理由で拒まれたケースもあった(朝日新聞)。

・「成田空港に勤務」「友人が外国人」と話した途端、診察を拒まれた人も。センターの電話相談で一般病院に行くよう勧められたのに、実際に行くと、そこで拒否された例もあった。 (東京新聞)


 イ:どれも呆れた診療拒否理由といえます。例えば、「患者が発熱しているというだけで診察しない」となると、単なる風邪による発熱であっても診療拒否されていることになりますが、風邪の患者をすべて拒否すれば家族全員に風邪を蔓延させる結果を予想できないのでしょうか。また、「自治体の発熱相談センターに『新型インフルエンザではないから一般病院へ』と言われたのに診察しない」というケースを肯定してしまえば、自治体の発熱相談センターの存在意義がなくなってしまいます。

診療拒否された患者は、一体どこへ行けばいいのでしょうか。診療拒否が広がれば、診療を受けられない患者数が膨大に増えて死者が続発する結果になりかねませんし、仮に診療できる医療機関があればそこに殺到することになって、そこでの診療が困難になりかねません。本当に感染した患者が診療できる医療機関がどこか探し回るなど感染が広がる可能性もでてきますし、医療機関では真実を告げないこともでてきてしまいます。これでは、市民の間に、新型インフルエンザ以上の不安が広がってしまうのです。

都健康安全部の加藤みほ副参事は「新型インフルエンザへの警戒心が強すぎるためだと思うが、診療拒否が増えると医療現場が混乱し、都民の不安も増す。適切に対応してほしい」と話しています(朝日新聞)。 まさにそのとおりなのですが、一部の医療機関は、こうした「ごくごく当たり前の適切な対応」が理解できないのです。


 ロ:特に問題にすべきなのは、「友人が外国人」と話した途端、診察を拒まれた事例であり、この事例なんて、冗談も大概にして欲しいところです。ただし、この事実からすると、外国人の場合は「外国人である」ということだけで診療拒否されている可能性が高いといえます。

そうなると、外国人に対しては新型インフルエンザの治療が遅れるばかりでなく、その外国人は、他の疾患であっても診療を受けることなく日々を過ごしていることになってしまいます。となると、その外国人だけでなくそのご家族にも病気が感染しかねないのですし、病気によっては多数人に蔓延する可能性があります。診療を拒否した一部の医療機関は、診療拒否することの深刻さをもっと理解するべきです。



(2) 毎日新聞5月5日付朝刊は、「新型への感染を恐れたためとみられるが、感染者が出た国への渡航歴などがない患者ばかりで、診察拒否は医師法違反の可能性がある」と指摘しているように、医師法違反、すなわち医師法19条1項に違反する可能性が高いといえます。

 イ:日本の医師には、患者に対する責務として「応招義務(応召義務)」(医師法19条1項)が課されています。

医師法第19条

1 診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
2 診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。」



応招義務

 現行医師法では「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」とし、いわゆる「応招義務」を定めている。
 「診療に従事する医師」とは「自宅開業の医師、病院勤務の医師等公衆又は特定多数人に対して診療に従事することを明示している医師」をいうとされており、「応招義務」は、診療場所とは密接に関係するが、医師身分に付随する義務ではない。
 医師は診療可能な場合、特に緊急性のある場合には、できるだけ診療を引き受けることが必要である。しかし、「正当な事由」があれば拒むことも出来る。これには、専門外診療、時間外診療、過去の診療報酬不払いなどが考えられるが、その状況はそれぞれ異なるので、医師は良識に基づき適宜判断しなければならない。

(解説)
 診療拒否の「正当な事由」に当たるか否かが問題になる事例として、「専門外診療」、「時間外診療」、「過去の診療報酬不払い」などがある。前二者はしばしば同時に発生する。ある医療施設(医師)が、診療時間中であればもちろんのこと、診療時間外でも診療可能な場合には、できるだけ診療を引き受けることが相当である。これに対して専門医が不在で緊急性のない場合には、専門医のいる施設の受診を勧めるべきである。
 しかし、患者の状態が緊急性がある場合には、出来る限り診療に応じ、専門医不在の折りでも求められれば、専門医不在である旨を十分告げた上で、救急処置をするべきである。
 「過去の診療報酬不払い」については、一般論としては拒否すべきではないと解されている。しかしながら、支払い能力があるにもかかわらず、常習的に不払いを重ねる患者については、緊急性がないかぎり診療拒否が許される場合もあり得る。
 現在の医師法の規定は明治7年の「医制」中に萌芽があり、明治13年制定の旧刑法第427条9号、昭和17年の国民医療法第9条を経て今日に至っている。応招義務に関しては旧刑法以来、拘留、科料などの罰則規定がおかれていた。しかるに昭和23年の医師法制定の際には、このような義務を法定すべきではないとの意見があったが、医師職務の公共性より見て応招義務は残しておくべきとする意見が大勢を占めて、今のような形で残された。しかし罰則規定は削除されて、医師の良心に委ねられることになったといわれる。」(「日本医師会」の「2. 患者に対する責務」より引用)


簡潔に言えば、医師は、極めて限定された「正当事由」を除き、診療を拒否できないのです。今回問題視された診療拒否ケースは、いずれもおよそ新型インフルエンザに感染した可能性が低い理由での診療拒否ですから、「正当事由」に該当しません。ですから、応招義務・応召義務(医師法19条1項)違反になる可能性が高いといえるのです。


 ロ:厚生労働省は、5月5日「単なる診察拒否なら重大な問題だ」として、全国の実態把握に乗り出すことを決めており、悪質なケースで医療機関名が把握できれば、都道府県を通じた個別指導などを検討する方針です(東京新聞)。 応招義務・応召義務(医師法19条1項)に違反するケースで、一般市民の間の不安を増幅させてしまうのですから、厚生労働省の態度は、極めて当然といえる対応です。

日本政府は、厚労省が個別指導を行うだけでなく、根拠の乏しい理由で診療拒否をする医療機関をただちに公表し、改善しなければ、保険医療機関の指定を取り消しするなどの厳しい対応をするべきでしょう。




3.新聞紙面やテレビ報道では、連日、新型インフルエンザに対する対応について、大きく報道しています。では、諸外国では、実際上、一体、どういう対応をしているのでしょうか? 

(1) 東京新聞平成21年4月30日付朝刊【千葉】

『メキシコ以上の騒ぎ』 防護服の検疫官 大勢の報道陣 物々しさ 驚く到着客
2009年4月30日

 世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒水準(フェーズ)を「4」に引き上げ、メキシコから二便が到着した二十九日、成田空港は厳しい検疫体制が敷かれ物々しい雰囲気に包まれた。ゴーグルとマスクを着用した防護服姿の検疫官から検査を受け、大勢の報道陣に囲まれた到着客は「日本で発生したみたい」と驚いていた。 (宮本隆康、平松功嗣)

 同日午前六時半ごろにはアエロメヒコ航空の直行便、午後五時ごろには日本航空のカナダ経由便が、メキシコ市から到着した。

 機内検疫のため、防護服で完全防備した検疫官らが到着ゲートを慌ただしく往来。航空会社の地上職員や警察官、報道陣らも医療用のマスク姿が目立っていた。

 直行便で帰国したメキシコ市在住の女性(40)は、現地で体温測定機サーモグラフィーを使う日本のニュース映像を見て、メキシコ人から「すごいね」と言われたという。

 メキシコ内の経由地ティフアナの出国審査では、係官がマスクさえしていなかった。「出国する私たちに感染したらどうするの」と尋ねると、「心配ないです、大丈夫です」と答え、意に介していなかったという。

 「それなのに、日本に着いたら検疫官たちが防護服を着ている。まるで、日本で新型インフルエンザの騒動が起こっているような感じです」と語った。

 メキシコ市在住の別の日本人女性(38)も「現地ではマスクをしている人が多いといっても、三分の一くらい。落ち着いていて、日本ほどの騒ぎにはなっていない」と報道陣に強調していた。」



(2) 東京新聞平成21年5月6日付朝刊25面

GWヤマ場 背水 新型インフル検疫

■意外にスムーズ・マスク、日本人だけ・説明ほしかった
2009年5月6日 朝刊

 新型インフルエンザの世界的な流行が続く中、各地の空港は五日、大型連休を海外で過ごした人たちの帰国ラッシュを迎えた。乗客らは、慣れない機内検疫にも「思ったほど時間がかからなかった」などとおおむね冷静。ただ、感染が疑われる人と同じ便に乗り合わせ、機内で長時間待たされた乗客からは「状況を教えてほしかった」と不満の声も上がった。 

 ■成 田

 成田空港では、検疫人員を通常の三倍程度に増やしたことで、懸念されていた大きな混乱は見られなかった。

 機内検疫の開始当初は、到着から検疫官が来るまで一時間以上かかる便が相次いだが、検疫所の職員は、増員の効果に加え「だいぶ作業に慣れてきた」と指摘する。国内航空会社によると「逆に検疫官が到着機を待ったり乗客を早めに出してもらったり、全体的にスムーズだった」という。

 米ロサンゼルス旅行から帰った熊本市の男性会社員(24)は、約五十分間の機内検疫を終え、「少し驚いたけど、思ったほど時間がかからなかった。これぐらいなら仕方ない」と淡々と話していた。

 ■中 部

 中部国際空港でも多くの観光客が次々に帰国した。夕刻に着いた米国便では、機内検疫で感染の疑いがある乗客一人が見つかり、同便の他の乗客から、情報の少なさに対するいら立ちや不安の声が聞かれた。

 ケンタッキー州在住の男性会社員(53)は「十三時間のフライトの後に一時間半も説明もなく、ひたすら座って待たされた。自分の身にかかわるので状況を教えてほしかった」と不満を述べた。

 一方、ほかの感染国などからの帰国便の乗客らは口々に「現地では警戒心が思ったより薄かった」と指摘。韓国を友人と旅行した愛知県の女性会社員(30)は「ホテルでうがいと手洗いはしたけど外では誰もマスクなんかしてなかったから、すぐに外しちゃった」と拍子抜けした様子だった。

 ■関 空

 関西空港では、午後三時すぎに米サンフランシスコ発のユナイテッド航空などの共同運航便には防護服を着た検疫官が入り、約一時間かけて機内検疫を実施。京都市の十歳未満の女児が簡易検査の結果、A型ウイルス陽性に。関西空港検疫所には職員があわただしく出入りし、情報収集や国との連絡に追われた。

 同便で帰国した神戸市東灘区の会社員福井英夫さん(46)は「到着後、防護服姿の検疫官が十人ぐらい入ってきてびっくり。もう少し説明があればよかったのに」と疲れた様子。

 姉と帰国した京都市南区の会社員段敦子さん(35)は「日本では新型インフルエンザが騒ぎになっているけど、米国ではマスクをしているのは日本人ぐらい。特に心配してない」と冷静に話した。」



(3) これらの紙面には、諸外国の実状がよく出ています。

 「「メキシコ内の経由地ティフアナの出国審査では、係官がマスクさえしていなかった。「出国する私たちに感染したらどうするの」と尋ねると、「心配ないです、大丈夫です」と答え、意に介していなかったという。
 「それなのに、日本に着いたら検疫官たちが防護服を着ている。まるで、日本で新型インフルエンザの騒動が起こっているような感じです」と語った。
 メキシコ市在住の別の日本人女性(38)も「現地ではマスクをしている人が多いといっても、三分の一くらい。落ち着いていて、日本ほどの騒ぎにはなっていない」と報道陣に強調していた。」

 「ほかの感染国などからの帰国便の乗客らは口々に「現地では警戒心が思ったより薄かった」と指摘。韓国を友人と旅行した愛知県の女性会社員(30)は「ホテルでうがいと手洗いはしたけど外では誰もマスクなんかしてなかったから、すぐに外しちゃった」と拍子抜けした様子だった。(中略)
 姉と帰国した京都市南区の会社員段敦子さん(35)は「日本では新型インフルエンザが騒ぎになっているけど、米国ではマスクをしているのは日本人ぐらい。特に心配してない」と冷静に話した。」


諸外国に友人又は親戚がいる方であれば、紙面で知るまでもなく、諸外国の実状は分かると思います。諸外国の道行く市民は誰もマスクをしていないのが通常であって、感染国であっても「落ち着いていて、日本ほどの騒ぎにはなっていない」のです。「海外に行ってもマスクをしていたら、かえって変な目で見られてしまい、マスクを外していた」との帰国者の声があがっているのも、当然のことです。

ですから、諸外国の友人又は親戚に対して、「新型インフルエンザ発生国への渡航歴がないなど感染の恐れが少ないにもかかわらず、発熱などの症状で病院を訪れた人が診察を断られるケース」が相次いでいるなんてことを知らせたら、実に馬鹿げていると呆れ果てることは間違いないでしょう。




4.新型インフルエンザの正体は、どういったものなのでしょうか? その点についての記事を紹介しておきます。

(1) 朝日新聞平成21年5月5日付朝刊2面「時時刻刻」

新型インフル ここまで判明

 世界保健機関(WHO)が警戒度を、世界的大流行の一歩手前の「フェーズ5」とした新型の豚インフルエンザ。その正体が徐々にわかってきた。重症度は当初恐れられたほど高くなさそうだが、感染力は強く、油断できない。秋以降に向けた警戒も必要だ。

●症状 発熱や頭痛、せきなど季節性インフルと同様の症状。下痢や吐き気などを起こす患者が多いのが特徴
●リスクが高い患者 季節性インフルと同じく5歳未満の小児や高齢者、妊婦らとみられる
●潜伏期間 不明だがおそらく1~4日。1~7日もありうる
●感染経路 季節性インフルと同じとみられる
●治療薬 抗インフル薬タミフル・リレンザは効果がある
●ワクチン 季節性インフルのワクチンは効かず、新型ワクチン開発が必要
 (米CDCなどによる)



■重症度は 軽症多いが油断禁物

 新型インフルはどれくらいの健康被害を及ぼすのか。

 当初、メキシコで患者約1千人で死亡約60人などと報道された。高い致死率は世界に衝撃を与えた。その後、新型インフルを確認する検査が進み、4日のWHO発表では、確認患者が590人で死者は25人。致死率は4%と低くないが、受診せず治った軽症者まで十分調べられておらず、感染者数がもっと広がり致死率は下がる可能性がある。米疾病対策センター(CDC)のリチャード・ベッサー所長代行は「発生当初は、入院する死亡率の高い感染者の報告ばかりだった。重症例の発生率は米国とそれほど変わらないかもしれない」との見方を示している。

 メキシコ人の幼児1人が米国の病院で亡くなった例を除けば、メキシコ以外で死亡例はない。CDCの3日のまとめでは米国内の入院患者は30人。若者の入院が多いが、全体では軽症が多く、順調に快復している人がほとんどだ。

 今度、世界的大流行(パンデミック)になるのか、どの程度重い病気を引き起こすか、予測は難しい。菅谷憲夫・けいゆう病院(横浜市)小児科部長は「アジア風邪や香港風邪のレベル」とみる。WHO緊急委員会委員を務める田代真人・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長も「アジア風邪程度」との見方だ。

 WHO資料では、1957年から大流行したアジア風邪や、68年からの香港風邪の推定致死率は0.2%以下。季節性インフルは通常0.1%以下のため、それより重い被害を想定。18年から約4千万人が死亡したというスペイン風邪(推定致死率2~3%)に比べれば低いという。

 季節性インフルでも死亡者は一定数いる。国立感染症研究所の推計では、インフルが引き金の肺炎を含め、国内では04~05年冬季に約1万5千人、98~99年に約3万3千人が死亡したとされる。菅谷さんは、今秋以降、新型の第2波が来れば感染者が増え、数万人規模が死亡する事態も起きうるとみて「今から医療態勢の準備が大切」と訴える。

■感染力は 季節性と同じ程度か

 感染力はどうか。

 新型ウイルスが、人と人の間で感染する強さについて、CDCは「季節性インフルエンザウイルスとほとんど変わらない」とみている。

 今回、ニューヨーク市で感染が確認された60人余のうち、ほぼ95%がクイーンズ地区にある高校の関係者。市の調査では約2700人の生徒のうち、3人に1人の割合で発熱やせきといったインフル症状が出た。ところが、このうち最近メキシコを訪れていたのは、教員を含めても7人のみ。大半は、感染した生徒との接触で感染したと考えられている。

 欧州でも感染が広がっている。中でもスペインは確認患者が4月30日の4人から4日は40人にと急増した。田代さんらによると、メキシコとの接点がない人も2次感染したとみられる。

 ウイルスは基本的に、せきやくしゃみで飛ぶしぶきを通じて広まる。患者のしぶきが付着した手すりやドアノブなどを持ち、その手で自分の口や鼻に触れることで感染する可能性もある。ドイツで患者を手当てした看護師や、感染者と同じ飛行機に乗っていた韓国の女性が感染を疑われた例が報道されている。

 WHOの警戒レベルは基本的に、ウイルスの感染力の強さで決まり、米大陸以外での流行が認められれば最高度の「フェーズ6」となる。感染研の田代さんは感染の広がりからみて「6になる可能性はある」と話している。

■ピークは 第2波への警戒必要

 流行のピークは過ぎたのか。

 メキシコのコルドバ保健相は3日、同国内での感染について「下降の段階に入った」と述べた。4月23日~28日が感染のピークだったとし、疑いを含む死亡数が、1日の176人から2日は101人に減ったことなどを理由に挙げた。

 だが、WHOの確認例では患者が1日の156人から4日には590人、死者は1日の9人から4日は25人へと、依然として増加している。同国の検査能力が上がった影響もあるとみられるが、本当に沈静化に向かっているのか不透明な点も多い。

 ただ、米国で大きな流行となったニューヨーク市の高校でも、学校関係者の家族ら以外に感染拡大はみられず、全員が快復に向かいつつある。米国で4日の確認患者は226人と前日より66人増えたが、CDCのアン・シュキャット博士は「検査結果が出るのが遅れているため」とし、米国内で患者が急増しているとの見方を否定した。

 欧州での感染拡大を受けてフェーズ6となる可能性もあるが「今回はそれが健康面で深刻とは意味しない」とシュキャット博士。むしろ、心配なのは秋ごろに予想される新型の「第2波」だという。

 スペイン風邪では、6月ごろに小規模な第1波があり、いったん終息したあと、11月ごろに大規模な流行があり、多数の死者が出た。菅谷さんによると、アジア風邪は流行の波が2回。合わせて国内で国民の半分が感染したとみられる。秋になれば、季節性インフルの流行も始まる。CDCは、新型と季節性の両方が同時に広まれば、ウイルスが人の体内で「合体」し、新たなウイルスが生まれる可能性もあると懸念する。」


「4分の1まで来院者減った」 メキシコの国立病院部長に聞く

 メキシコ国立呼吸器系疾患研究所付属病院のアンハラ・イゲラ感染症部長(42)が、この間の経緯を語った。(聞き手・平山亜理=サンパウロ)

 今からみれば新型インフルエンザにかかった最初の患者がきたのは3月24日だった。腎臓など複数の臓器がやられて手遅れの状態だった。発症してから、治療しないまま15日間を過ぎた人の96%が死亡している。

 いずれも持病のある人たちではなかったので、ただの風邪だと放っていたのだろう。貧しい生活をしているから病院に行かず働き続けた人が多く、それで病状が悪化したと考えられる。

 発症後、7日以内にタミフルなどで治療すれば99%の人が治っている。インフルエンザが悪化し、併発した肺炎も初期の段階なら、炎症を抑えるステロイド剤を使うなどして治療可能だ。

 皆が警戒してわずかな症状でも来院するようになったので、発症初期からこうして治療ができるようになり、死者は減った。多い時で来院者は1日約300人だったが、今は1日約70人まで減った。もう感染はコントロールされていると思う。」



(2) この記事で、新型インフルエンザの正体がだいたい分かったかと思います。

重症度は、「アジア風邪程度」(WHO資料では、1957年から大流行したアジア風邪や、68年からの香港風邪の推定致死率は0.2%以下。季節性インフルは通常0.1%以下のため、それより重い被害)であって、感染力も、「季節性インフルエンザウイルスとほとんど変わらない」のです。

新型インフルエンザは、季節性インフルエンザ並みなのですから、「季節性インフルエンザ」並みの対応をすれば足りるのですから、過剰反応することはないのです。さほど騒ぐことのではないのに、一部の医療機関は、「友人が外国人」であることを理由に診療を拒否するのですから、馬鹿げているとしか言いようがありません。

物事は、よく情報を集め、冷静に対応するするべき――。という、ごくごく当たり前の姿勢で臨みたいものです。くだらない理由で診療を拒否した医療機関は、猛省していただきたいと思います。



<追記>

asahi.com(2009年5月6日16時47分)が、今回の問題について厚労相の発言を記事にしていたので、紹介しておきます。

発熱患者への診察拒否「医師法違反」と舛添厚労相
2009年5月6日16時47分

 新型の豚インフルエンザを巡り、発熱などの症状がある患者が医療機関から診療を拒まれた事例が相次いでいるのを受け、舛添厚生労働相は6日、同省幹部の会議で、「(診察拒否について)医師法違反になる」との見方を示し、適切な対応を取るよう指示した。

 東京都によると、都の発熱相談センターに寄せられた診察拒否の事例は2~5日昼の間に92件。最近海外に渡航していないのに、診察を拒まれた例が半数を超えているという。

 この日の会議で、舛添厚労相は「海外渡航もしていない方々まで拒否するのは行き過ぎで医師法違反になる。医師の社会的責任できちんと対応して頂きたい」と話し、同様の事例への指導を指示した。」


ここで舛添厚労相は、厚労省の会議で、「海外渡航もしていない方々まで拒否するのは行き過ぎで医師法違反になる」との見方を示していますが、もちろん、すでに述べている医師法19条1項(応召義務・応招義務)に違反するという意味です。すでに説明したことから分かるように、極めて妥当な判断です。

「適切な対応を取るよう指示」していますが、 あらゆる方法で「適切な対応」を取っていただくことを期待しています。

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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この記事へのコメント
 確かに、熱がある程度で診察拒否するというのは問題かも知れませんが、現在のご時勢ではこれも止むを得ないと考えます。
 まず理解して頂きたいのは、医療従事者は一人の患者さんだけでなく、不特定多数の外来患者さん、病院勤務医なら入院患者さんとも接触するということです。「発熱」というのは確かに非特異的な症状ではありますが、もしその中に新型インフルエンザ患者さんが混じっており、医師に移り、他の外来患者さん、ましてや抵抗力の衰えている入院患者さんに感染でもさせようものならどうなるか想像出来るでしょうか。
「これだけ騒がれているのに新型インフルエンザに対する警戒を怠り、院内感染で患者が死亡」
「治療する十分な設備、人材もないのに患者を受け入れ、死亡させた、病院は損害賠償を・・・」
などの報道がなされるのは目に見えています。実際、治療能力が無いのに患者を受け入れ、救急患者を死亡させたとして病院が提訴され、賠償金支払いを命じられた事件:大淀病院事件 があります。
 現実問題、もし新型インフルエンザ院内感染が生じた場合、病院が責任を取らなくても良いという保障はあるのでしょうか。
 「診療拒否」までは行き過ぎだと私も思いますが、病院にそうせざるを得なくしたのは視聴率目当てに医療従事者バッシングをするマスコミ、それに踊らされた国民の一部、結果責任を問うて医療従事者を訴える一部患者とその家族である ということを忘れてはなりません。
2009/05/06 Wed 20:25:37
URL | 一医学生 #WOmU5h/w[ 編集 ]
一般病院に疑い例の診察は無理
「諸君、担当医は、院長命に背き患者の診察を放棄した。受け入れ態勢がないから医療は出来んと言って患者の診察を勝手に断りよった。これが病院か。病院は受け入れ態勢がなくても受け入れをしなければならないのだ。検査キットがない、やれタミフルがない、リレンザがないなどは診察を放棄する理由にならぬ。

(中略)

担当医には応召義務があるということを忘れちゃいかん。病院は公立である。市長が守って下さる・・・」

以下、訓示は一時間以上も続いたため、当直明け通常勤務後の残業の連続で、抵抗力の落ちている医師がウイルスに罹り、病気で抵抗力の落ちた入院患者および外来患者に伝染する事態となった。

…。
……。
………。

感染者や感染者疑いを受け入れる、院内感染を防ぐための態勢が整ってないのに、「応召義務云々」で無理に患者を受け入れたら、院内感染が起きて「病院自体が感染源」になってしまう危険性があるんですけどね…。

感染者を受け入れるための準備が整っている「発熱外来」ならともかく、検査キットも無い、リレンザが無い、タミフルも無い、院内感染を防ぐための設備も整えられてない一般病院では、患者を受け入れられなくても仕方がないと思いますよ。

一般医療機関の現状はこんな感じです。

●タミフル・リレンザは既に出荷制限がかかっており現在は指定病院にしか入荷されない。各病院におけるそれらのストックも(当然ながら)万全ではない

●インフルエンザ検診キットは消費期限が短く、この時期に一般医療機関におけるストックはまずない。もし追加生産されても、それらは指定病院や検疫機関へ最優先に出荷される為、一般医療機関には入荷されない。

上記のように受け入れ体制が不充分な一般医療機関にてそのような患者を受け入れ、新型インフルエンザによる集団院内感染が発生したら誰が責任を取るんでしょうか?
2009/05/07 Thu 01:01:36
URL | 都筑てんが #D5O/1XSs[ 編集 ]
>都筑てんがさん:2009/05/07 Thu 01:01:36
お久しぶりです。コメントありがとうございます……と言いたいところですが、前半は、単に「2ちゃんねる」か何かのコメントのコピーですよね? 極めて残念に思います。


>上記のように受け入れ体制が不充分な一般医療機関にてそのような患者を受け入れ、新型インフルエンザによる集団院内感染が発生したら誰が責任を取るんでしょうか?

今回の事例は、「92件の半数以上は、『最近海外に渡航していないのに診察を拒まれた』という内容だった」のですから、新型インフルエンザに感染している可能性が低いケースです。友人が外国人だったからと言う理由で診療拒否したケースもあるのですよ? これのどこが新型インフルエンザに感染した可能性があるというのですか? 都筑てんがさんのエントリーとコメントは、今回の事例に関しては明らかに間違っています。

桝添厚労相も認めているように、今回のケースは応召義務違反に当たるような診療拒否であって、法律上、やってはいけないことです。また、発熱を訴える患者を医療機関が診療拒否する事例が頻発していることを受け、厚生労働省は5月6日、各都道府県に対し、医療機関の対応改善を指導するよう通知を出しています。このような行政に対応に対して、都筑てんがさんは、法律違反を奨励し、法律違反を教唆するつもりなのですか? いかなる法的根拠に基づいて、厚労省の通知を無視しろと仰るのですか?

「Open ブログ」さんの「2009年05月05日:◆ パニックの弊害1」というエントリー及びコメント欄をご覧下さい。これを熟読して、よくよく考えてみてください。
http://openblog.meblog.biz/article/1527396.html

都筑てんがさんともあろう方が、どうしたのですか? 具合でも悪いのでしょうか? デタラメで溢れている「2ちゃんねる」を信じてはいけません。医療知識が著しく欠けている一部の医療者か、カネ勘定から診療拒否した(又は診療拒否したい)一部の医療者の言葉を信じてはダメです。エントリー内容を根本から考え直して欲しいと思い、関連するエントリーにTBさせて頂きました。
2009/05/08 Fri 02:51:59
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2009/05/09 Sat 08:51:00
| #[ 編集 ]
>一医学生さん:2009/05/06 Wed 20:25:37
コメントありがとうございます。
お返事が遅れまして、申し訳ありません。

真実かどうか知りませんが、医学生さんとのこと。では、まだ医療者として半人前にもならない方ということになります。そういう方が、医療問題に対して、発言できるだけの能力があるのですか?

医師法17条は「医師でなければ、医業をなしてはならない」とし、「第17条の規定に違反した者」は、「3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」可能性があります(医師法31条)。医学生の立場では、立派に医師法17条違反となりますが、貴方が属する医学部では、医師法違反を許しているのですか? まずは、「他人に教える立場にない、半端者である」ことを自覚なさってください。


>まず理解して頂きたいのは、医療従事者は一人の患者さんだけでなく、不特定多数の外来患者さん、病院勤務医なら入院患者さんとも接触するということです。「発熱」というのは確かに非特異的な症状ではありますが、もしその中に新型インフルエンザ患者さんが混じっており、医師に移り、他の外来患者さん、ましてや抵抗力の衰えている入院患者さんに感染でもさせようものならどうなるか想像出来るでしょうか。

新型ウイルスが、人と人の間で感染する強さについて、CDCは「季節性インフルエンザウイルスとほとんど変わらない」とみているのですから、貴方の想像は間違っています。

国立感染症研究所が5月26日、関西大倉中学・高校(茨木市)で実施した疫学調査を中間報告しました。その報告によると、感染は親しい友人や家族(それも殆ど兄弟のみ)などに限られていることから、「それほど高い感染性はないだろう」との見方を示しています。 この結果をみても、貴方の想像は間違っていたことが分かります。新型インフルエンザについて、正しい医療情報を得ることなく、いたずらに不安を煽り立てるような「想像」を流布することは止めるべきです。


>「これだけ騒がれているのに新型インフルエンザに対する警戒を怠り、院内感染で患者が死亡」
「治療する十分な設備、人材もないのに患者を受け入れ、死亡させた、病院は損害賠償を・・・」
などの報道がなされるのは目に見えています。

新型インフルエンザについて、正しい情報を得ていれば、「新型インフルエンザに対する警戒を怠り、院内感染で患者が死亡」ということは稀有の例となりますし、マスコミも新型インフルエンザについて正しい情報を得ていれば、「『治療する十分な設備、人材もないのに患者を受け入れ、死亡させた、病院は損害賠償を・・・』 などの報道がなされる」ことはないでしょう。

どのように報道されるか分からないのに、想像を逞しくし、報道に翻弄されるように医療行為を変えていくつもりなのですか? もし、そんなに医療知識・技量に自信がない医師であるならば、医師を辞めたほうがいいでしょうね。


>現実問題、もし新型インフルエンザ院内感染が生じた場合、病院が責任を取らなくても良いという保障はあるのでしょうか。

今から、「保障」があるのか心配しているのですか(苦笑)。なぜそこまでビクビクするのか不思議ですが、おそらく、「ネット弁慶」化している「ネット医師」のブログではそんなことを書いているかもしれませんね。「ネット医師」の妄言に毒されすぎではないでしょうか。もっと一般社会に出て、多くの社会経験を積むべきです。


>「診療拒否」までは行き過ぎだと私も思いますが、

そうですね。診療拒否は医師法違反です。


>病院にそうせざるを得なくしたのは視聴率目当てに医療従事者バッシングをするマスコミ、それに踊らされた国民の一部、結果責任を問うて医療従事者を訴える一部患者とその家族である ということを忘れてはなりません。

今度は正真正銘、「ネット弁慶」化している「ネット医師」の妄言の受け売りですね。医師法違反の診療拒否をすれば、非難されるのは当然では? 法律違反をしておいて、「病院にそうせざるを得なくしたのは……」だなんて、法律違反を開き直るつもりですか? どうかしています。

特に、「結果責任を問うて医療従事者を訴える一部患者とその家族である」などと本気で思っているのなら、医師になることは止めるべきでしょうね。

医療訴訟にも色々あるでしょうが、医療機関側が患者やその家族に対して、十分な説明を尽くしていないために、争いになるのがほとんどと言ってよいでしょう。医療訴訟の記録だけでなく、自分が患者の立場で医師から説明をうけた経験からしても、医師の説明があまりにも下手すぎます。どうしてもっと分かりやすく説明できないのか、代わって説明したくなることも結構あるくらいです。

なぜもっと分かりやすい説明ができるよう、練習をしないのか、それとも練習をしてもできないのか、わかりませんが、医師側に対して同情したくなります。もっとうまく説明できれば、訴訟になんてならないだろにと。

なお、患者側に対して不用意に「結果責任を問うものだ」などと言うと、クレーマー扱いしているのと変わりません。クレーマー扱いした発言、それ自体で損害賠償責任が生じますから、注意が必要です。

ちなみに、医療訴訟では、過失の立証は被害者側である患者が負っているので、立証できれば、結果責任が認められるのではなく、過失責任が成立します。ですから、「結果責任を問うて医療従事者を訴える一部患者とその家族である」という言葉は、意味不明です。また、説明義務違反を問うている訴訟では、元々、(死亡や深刻な後遺症といった)「結果」の責任を問うものではありません。何か間違って理解されているのではないでしょうか?
2009/05/28 Thu 05:50:15
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
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