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2009/04/08 [Wed] 23:59:17 » E d i t
北朝鮮が2009年4月5日、同国東海岸にある舞水端里(ムスダンリ)の基地から、長距離弾道ミサイル「テポドン2」の改良型とみられる機体を発射しました。日本政府が4月5日午前11時32分、「北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された模様だ」と発表しています。なお、北朝鮮は4~8日の午前11時~午後4時に試験通信衛星を運ぶロケットを打ち上げると、国際海事機関(IMO)などに事前通告していました。

もっとも、 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)と米北方軍司令部は4月5日、北朝鮮が発射したミサイルについて「第1段階は日本海に落下し、残りの部分は先端部も含めて太平洋に落ちた」と発表し、人工衛星打ち上げは失敗だったと明らかにしています(朝日新聞)。

北朝鮮による人工衛星打ち上げの問題については、「マスコミも政府も騒ぎすぎ。騒げば北朝鮮はいい気になるだけ」といった市民の声もあるように(朝日新聞)、単なる人口衛星打ち上げなのですから、もっと冷静に反応するべきだったとの声が上がっています。そこで、東京新聞「こちら特報部」だけは、「ミサイル発射報道」を検証する記事を掲載していましたので、紹介することとします。



1.東京新聞平成21年4月8日付22面「こちら特報部」

「ミサイル」過剰報道? 
メディアは「慌てず」「騒がず」のはずが…

 北朝鮮の「ミサイル発射」一色となった、このところの新聞・テレビ。政治とカネ、年金、雇用、教育と、国民を苦しめる問題が山積なのに、メディアは「ミサイル、ミサイル」の大合唱だった。でも、あれで、にんまりしたのは誰?  「大満足」とのたまったかという将軍様ではないか。「ミサイル発射報道」を検証する。

■専門家ら苦言
■MD宣伝/外交の視点欠如/北の誇示手助け

 「核搭載想定の実験?」「米に突きつける脅威 『成功』なら本土も射程に」 「北の技術 脅威増す」 「『長射程』進歩の跡」 「(金正日総書記)後継態勢構築へ『祝砲』」。発射予告期間前から新聞に躍った刺激的見出し。専門家らは過剰報道だと苦言を呈する。

 「騒ぎましたな。見出し自体が一種の評論になっていた」とは軍事ジャーナリストの前田哲男氏。発射を「ミサイル」と表現した点に触れ、「日本政府も『飛翔(ひしょう)体』と言っている段階で『ミサイル』と報道したのでは、それ自体が1つの立場を選択したことになる」。日本の情報衛星がどんな情報を集めたのか不明だと指摘、 「情報衛星は4機打ち上げられており、一日一回は北朝鮮上空を通過するとされる。1998年のテポドン発射で数百億円もかけて整備した情報衛星なのに、メディアが伝えようとしないのも不思議だ」。

 先制攻撃論の台頭も危惧(きぐ)。「ミサイル防衛(MD)システムの前倒しや敵基地攻撃に利用したい勢力の声が大きくなるだろうが、メディアは悪乗りせず、歯止めをかけなければ」といさめた。

 北朝鮮内部情報誌「リムジンガン」(アジアプレス出版部)の編集人・石丸次郎氏は「ミサイル騒動の本質は対北朝鮮外交だったはず。結果的に日本の外交は発射を止められなかった。安倍、福田、麻生と政権の混迷が続いて北朝鮮にどう向き合っていくかという外交ビジョンが欠落していたことが理由の1つだと思う。この5年ほどの場当たり的な対北外交について、メディアはもっと検証すべきだった」と指摘する。

 石丸氏は金正日政権の宣伝にもなったとみる。 「北朝鮮は経済的、軍事的に弱体化が進んでおり、その実態を覆い隠して大きな虚像を示したい。日本のメディアは北朝鮮の『全面対決』 『戦争も辞さず』といった激しい言葉に安易に反応してミサイルの恐怖感を増幅させ、結果的に北朝鮮の虚像づくりに手を貸してしまった。金正日のミサイルパフォーマンスを手伝ってしまったといえる」

 「メディアは有事さながらに『お国の一大事だ、頑張らなきゃ』と、異を唱えるどころか先導した。特にテレビは過剰報道。どこかの国のアナウンサーとダブってみえるアナもいた」とは上智大学の田島泰彦教授(憲法、メディア法)。「その陰で、県知事の政治献金問題などが埋もれた」



在京6紙の見解は

 批判をもとに各社に質問したところ、以下のような回答だった。

 後藤康浩・日本経済新聞アジア部長 北朝鮮の『ミサイル』発射は日本にとって重要な問題と考えており、読者に必要な情報を提供するとともに、客観的な報道を心がけてきました。過剰報道や騒ぎすぎとのご指摘は当たらないと考えております。

 小菅洋人・毎日新聞政治部長 北朝鮮のミサイル発射に関しては、ご質問にあるような指摘を考慮したうえで、読者に必要な情報を吟味し、適切に報道したと考えております。

 読売新聞東京本社広報部 読者が求めている情報や新聞が読者に伝えるべき情報について、適切な裏付け取材をした上で、公正、冷静な記事を掲載しました。

 朝日新聞広報部 北朝鮮のミサイル発射は、国民の安全にかかわると同時に読者の関心が極めて高いニュースであり、正確かつ迅速な報道に努めました。ご質問の中にあるような「指摘」は当たらないと考えています。

 鶴田東洋彦・産経新聞編集長 今回、北朝鮮が「衛星」名目でミサイル発射を強行したことは日本のみならず、世界の平和、安全への挑戦と考えている。とりわけ日本にとっては列島の上空を通過したわけで、断じて許されない行為だ。北朝鮮はテポドンとは別に、日本を射程に収めた中距離弾道ミサイル「ノドン」を実戦配備している。国民の恐怖感を考慮すると、北朝鮮の現状分析、安保理の動きなど詳細な報道は当然と考える。

 水野和伸・東京新聞(中日新聞東京本社)編集局長 本紙の基本は「冷静な対応」。 北朝鮮の姿勢を批判しながらも大げさな脅威論や臨戦下の報道にならないよう抑制した対応ができた。特に国民に説明されないまま迎撃ミサイルが市街地に配置される問題を指摘、独自の紙面を作りました。」




2.東京新聞も「ミサイル発射」という見出しであったのですが、東京新聞の特報部は、東京新聞の編集局長に質問を送付しています。自らの新聞社さえも批判するという点で、特報部の面目躍如というべきでしょう。自らの新聞社でさえも、いち早く俎上にのせたのですから。


(1) 東京新聞編集局長は、「特に国民に説明されないまま迎撃ミサイルが市街地に配置される問題を指摘、独自の紙面を作りました。」と述べています。この点は、他紙と異なり、高く評価するべき点です。その部分について引用しておくことにします。

 「都心にPAC3 迎撃の危険 説明なく

 北朝鮮が「人工衛星」として打ち上げた長距離弾道ミサイルは、日本上空を通過し、自衛隊の迎撃ミサイルは発射されなかった。日本の対応は適切だったのか。

 「破壊措置命令」を受けて、PAC3が運び込まれた東京都新宿区の防衛省。周囲の建物との距離は100メートルもなく、発射装置の先には高層マンションも。練馬区の朝霞駐屯地には発射装置のほか、レーダー装置も置かれた。

 PAC3が発射された場合、周囲はどうなるのか。迎撃で破片が飛び散る範囲は、失敗の確率は、レーダー波の影響は―。都民への説明は、どこからもなかった。

 「区に対しては説明した」(防衛省)、 「国が決めたこと。周知は考えていない」(新宿区、練馬区)と互いに放り出した。東京へのPAC3配備は政経中枢を防御する狙いと推測できるが、説明があったわけではない。

 政府は迎撃による破片落下などの被害について、弾頭に核兵器や化学兵器が搭載された場合を前提に「相対的に被害を小さくできる」と説明してきた。今回、落下の可能性があったのは飛翔(ひしょう)体やその一部だが、破壊措置命令を出したのは、自衛隊法で定めた破壊対象に「弾道ミサイル等」と「等」があるからだ。

 手続きに問題がなければ、発令していいとは限らない。PAC3を開発した米軍でさえ、市街地に展開して活用した例はない。性能も米国のデータを信用するしかなく、迎撃による被害も想定できない武器が何の説明もなく市街地に置かれた。

 今後も北朝鮮が「人工衛星」発射を予告するたび、破壊措置命令発令の事態が予想される。東北出身の自民党議員はPAC3の東北への常備を訴え、増田好平防衛事務次官は追加配備に意欲を示した。過剰反応が北朝鮮の思うつぼであることだけは確かだ。

 (編集委員・半田滋)」(東京新聞平成21年4月6日付朝刊1面「解説」(12版))




(2) 東京新聞はこうした「解説記事」を掲載し、「ミサイル報道」を検証している点で、まだ救いがあるのですが、他の在京の新聞社は、「適切」に対応したとそ知らぬふりです。あれほど日々、脅威を煽るような報道を繰り広げ、「ミサイル発射」という見出しを大きく掲載していたにもかかわらず。

東京新聞は、今回の「ミサイル発射報道」は、「MD宣伝/外交の視点欠如/北の誇示手助け」という問題点があると指摘していますが、これに対して、在京の新聞は反論できような紙面にしていたとは思えないのです。そして、テレビ報道は、新聞紙よりももっと危機感を煽り立てており、過剰報道でした。

何か問題が起きるとその点だけに集中的に報道が殺到しているのが現状です。問題点を報道するなというわけではなく、ある程度集中して報道することも(問題点を深める意味で)悪いことではありません。しかし、我を忘れたかのように集中して報道するとしても、その後はそれっきりで終わるか、何か触れたとしても事件報道に対する検証はお寒い状況であるというのが現実です。

今回、「ミサイル」過剰報道について、検証している記事を掲載していますが、裁判報道でもよくあることです。例えば、光市事件裁判に対して、感情論に満ちた報道が続いていたことが典型例です。今の報道機関は、被害者等の感情や社会への影響を増幅して伝えることに熱心であるとさえいえるのです。

報道機関が何時までも冷静さを欠いた報道をし続けているのに、それを「適切」に報道したとうそぶく以上、一般市民の側自らが冷静に判断するしかないように思えるのです。

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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コメント
この記事へのコメント
ある軍事専門家が、「テポドンはさそたり脅威ではなく(日本がターゲットではない。 今回のように発射をかなりの事前に察知し得るetc.)、ノドンこそが既に今そこにある危機*であるのに、(政府、自衛隊、メディア、国民いずれも)これに異様に無頓着なのはどういうことか」と述べていました。
日本のみがターゲットであれば、アメリカがどこまで本気で防衛、報復するのかが、極めて不確定であり、一次的にはいかに使わせないかの外交努力、万一使うとなった場合の、先制攻撃能力の樹立等々、を喫緊に冷静に現実的に議論、実行すべき状況なのですが.....。

*小型なのでどこに隠されているか分らない。 燃料注入に数時間しか掛らない(一時間で可、との可能性も有り。 固形燃料化が為されているとも)→即時攻撃可。 
(弾頭搭載の為の)核の小型化は既に為されている可能性大。 
核ミサイル一発に、囮を十発程度同時に発射されたら、外から核弾頭を識別することは不可能で、全部打ち落とさねばならないが、MDにそのような精度は無い→確実に着弾する。 それが核なら終わり。
2009/04/11 Sat 23:33:19
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
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