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2009/02/22 [Sun] 17:00:33 » E d i t
「良医はどこに? 専門医の腕は信用していいのか?~日本と異なり、米国では専門機関が研修の質を評価(朝日新聞平成21年2月15日付「安心社会へ 選択のとき」より)」(2009/02/15(日) 17:55:14)に関連する問題について、再び触れてみたいと思います。


1.「良医はどこに? 専門医の腕は信用していいのか?~日本と異なり、米国では専門機関が研修の質を評価(朝日新聞平成21年2月15日付「安心社会へ 選択のとき」より)」(2009/02/15(日) 17:55:14)で触れたコメント主(医師と思われる方)は、「日本の医療の質、どの点が大きな問題だと思われますか?」と私に問い掛け、一方的に「問題点を冷静にご指摘頂ければ」と言い放つのですから、要するに、「日本の医師の質はほとんど問題はない」との自信を示したコメント内容となっています。

おそらくすべての職業において、社会状況が加速度的に進んでいる現在、より適切な結果を得るためには、常に新しい知識の習得を必要とします。資格試験を必要とするような専門職では、他者の身体・財産に影響を与える以上、その職を誠実に全うするため、ほとんど義務といえるほど新しい知識の習得が必要です。例えば、法律分野でいえば、主要な法律であっても常に改正されるため、改正法の内容・問題点、実務的な対応方法の習得は必至であり、対応できない者は(義務を全うできないのですから)自ずと「失職(事実上の失職も含む)」に追い込まれます。

特に、医療の場合は、患者の命や(生涯にわたる)後遺症にかかわるという重大問題ですから、専門職である医師は現役でいる限り、常に新しい知識の吸収が必要であることは、論を待たないといえるでしょう。

では、現在、「開業医の質」を担保できる制度があるのでしょうか? 多くの開業医が参加する日本医師会は、開業医の質を担保するため「生涯教育制度」を設けています。その「生涯教育制度」について、朝日新聞は平成21年2月22日付「医を創(つく)る」で記事にしていましたので、紹介したいと思います。



2.朝日新聞平成21年2月22日付朝刊27面「医を創(つく)る」

医師教育 拡充探る

 医師は現役でいる限り、常に新しい知識の吸収が必要だ。だが、多くの開業医が加入する日本医師会(日医)の生涯教育制度は、学習時間や内容を個人の自主性に任せ、第三者が到達度を評価する仕組みもない。開業医が幅広い診療能力を身につけられる制度への改革は始まったが、実現できるかは不明だ。 (編集委員・出河雅彦)

■日医の制度「不十分」

 日医が毎月会員に送る「日本医師会雑誌」には年5回、同会生涯教育課あてのはがきが同封される。生涯教育制度の一環だ。その中身は――。

 印象に残った記事を選んで3段階評価でチェック。これで1単位取れる。医師会主催の講演会に1回出席すれば5単位。 「修了証」をもらうのに必要なのは年10単位なので、はがき5枚と講演会1回で終えられる。

 「勉強しない医者でも単位が取れる。いいかげんな制度だ」と熊本県内で30年以上開業している内科の男性医師(67)は憤る。はがきを送るような安易な方法で単位を取ったことはなく、自ら勉強する。

 主なものは、熊本市内の大病院が毎月開く脳や心臓、呼吸器などの病気に関する勉強会。年約50回出席する。発症から治療までの経過を具体的に説明しながら病気の解説をしてくれるので、自分の診療所に来る患者の診断にも役立つ、という。さらに、日本内科学会など内科系の3学会にも毎年出席する。

 男性医師の診療所には1日約80人が来院する。高齢者が多く、6割は高血圧など循環器系の病気。患者の血圧と体重の変化に目を配り、食事など生活指導や薬の処方をして、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞など別の重い病気が起こらないよう注意している。

 それでも、心筋梗塞は年に1~3人、脳梗塞は月に1人が起こす。発症時の症状はわかりやすい典型例ばかりではない。めまいや手足のしびれは、いろんな病気にかかわり判断が難しいが、患者の命や後遺症にかかわる大事な問題。日進月歩の医療技術を取り入れながら、自分で適切に診療し、適時に専門医がいる大病院に紹介する力が試されている、と肝に銘じている。

 1年間に書く紹介状は約500枚。紹介先は病院ごとに決め、電話1本で頼める。その関係づくりも、勉強会参加の目的だ。

 一方、地域医師会主催の勉強会では、参加する会員は3割ほど。いつも同じ顔ぶれだ。 「参加しない医師はいったいどうやって勉強しているのだろう」と疑問が募る。

 日医によると、この生涯教育制度にもとづき、単位の申告をした会員は07年度で12万1627人と会員の約7割。このうち、10単位以上を履修し「修了証」を取得した会員は9万2918人いた。

 取得は義務でもなく、学習内容は自主性任せ。学習の到達度を第三者が客観的に評価する仕組みもない。日医の飯沼雅朗・常任理事も「質を担保するものになっていない」と制度の欠陥を認めている。
 
■新認定制に反発も

 改革のため、日医は昨年8月、「地域医療、保健、福祉を担う幅広い能力を有する医師」(名称の候補は「総合診療医」など12種類)を認定する、という新たな制度案をまとめた。

 医師の経験年数別に、研修や講義・実技講習などに必要な時間数を定め、それを受けた医師を日本医師会内に置く認定機構が認定する、というのが概要だ。

 必要とされる研修や講義の受講時間は、 「2年間の卒後臨床研修を修了した医師」が3年間以上、 「臨床経験7年以上15年未満の医師」が50時間、 「臨床経験15年以上45年未満の医師」が20時間。認定試験は実施しない。5年ごとの更新制とするが、再認定に必要な単位数などは今後検討する。

 研修や講義・実技講習は、日本医師会が今年1月、日本プライマリ・ケア学会(会員数4685人)、日本家庭医療学会(同1701人)、日本総合診療医学会(同985人)の3学会とともに作ったカリキュラムに基づき行う。

 このカリキュラムは、腹痛や胸痛、発熱など57の症状別に必要な診療能力の基準を示し、自ら診断・治療できなければいけない病気や、専門治療ができる医療機関に紹介すべき病気を明示している。

 この案に対し47都道府県医師会の意見を聞いたところ、賛成20▽反対14▽他の学会にまかせるべき1▽賛否不明12――などと割れた。昨年10月の代議員会では「拙速に進めるべきではない」といった意見も出た。唐沢祥人会長ら日医の現執行部は、来年4月からの新制度実施を目指すが、反対論や慎重論もあり、始められるかは不透明だ。

 日医が認定機構を設立できない場合、来年4月統合予定の3学会による、若手医師らを対象にした「総合的な診療能力を備えた専門医」の認定制度が先に始まる可能性がある。そうなれば、すでに開業している医師の質の向上は置き去りにされる恐れがある。」



幅広い診療能力が必要

 日本医の会員約16万5千人のうち、8万5千人は開業医で占める(08年12月現在)。開業医は、さまざまな病気の可能性がある患者を最初に診るのが一般的。適切に診療したり、専門医療機関に紹介したりする能力が必要だ。だが現在の日本の制度では、特定の専門分野だけの診療を長くしていた医師でも、特別なトレーニングなしに別の科を名乗って開業できる。

 こうした状況への批判を背景に、厚生省(現厚生労働省)は80年代半ばから、総合的な診療能力を備えた「家庭医」を専門医として制度化することを検討した。だが、日医の反発で断念。これらの経過を経て87年に生涯教育制度を始めた日医は当時、「生涯教育制度などにより家庭医機能を充実させる」との見解を示していた。」



日本医師会に所属する医師の生涯教育制度

<講演会・講習会などへの参加>
 ・医師会主催の講演会参加(5単位)
 ・各医学会主催の学会・講演会参加(3単位)

<体験学習>
 ・病理解剖や手術の見学、症例検討会への参加など(5単位)

<各種業績>
 ・学会発表や医学学術論文執筆(5単位)
 ・臨床実習・臨床研修で指導医として指導(10単位)

<自宅学習>
 ・「日本医師会雑誌」読後のハガキ回答(1単位)

●上記の中から1年間に計10単位以上取れば「修了証」
     ↓
●3年連続「修了証」「認定証」



ハガキの設問内容

設問1 平成20年9月号特集「貧血患者へのアプローチ」に掲載した記事(座談会・論文等)を読んで、もっとも印象に残った1編を選び、記事(座談会・論文等)タイトル、著書名をお書きください。

設問2 設問1で選んだ記事(座談会・論文等)について、3段階(はい・どちらともいえない・いいえ)で評価してください。

回答の□に「チェック」してください。

<教育的価値>
 イ.新しい知識が得られた
 ロ.診療に役立つ内容である

<論文評価>
 ハ.執筆者の論旨の展開がすぐれている
 ニ.表現方法(文章・図表)が分かりやすい」




(1) 日本医師会が実施している「生涯教育制度」のお粗末さには、誰もが呆れるのではないでしょうか?

 「日医が毎月会員に送る「日本医師会雑誌」には年5回、同会生涯教育課あてのはがきが同封される。生涯教育制度の一環だ。その中身は――。
 印象に残った記事を選んで3段階評価でチェック。これで1単位取れる。医師会主催の講演会に1回出席すれば5単位。 「修了証」をもらうのに必要なのは年10単位なので、はがき5枚と講演会1回で終えられる。
 「勉強しない医者でも単位が取れる。いいかげんな制度だ」と熊本県内で30年以上開業している内科の男性医師(67)は憤る。はがきを送るような安易な方法で単位を取ったことはなく、自ら勉強する。」


ハガキの設問内容

設問1 平成20年9月号特集「貧血患者へのアプローチ」に掲載した記事(座談会・論文等)を読んで、もっとも印象に残った1編を選び、記事(座談会・論文等)タイトル、著書名をお書きください。
設問2 設問1で選んだ記事(座談会・論文等)について、3段階(はい・どちらともいえない・いいえ)で評価してください。
回答の□に「チェック」してください。

<教育的価値>
 イ.新しい知識が得られた
 ロ.診療に役立つ内容である
<論文評価>
 ハ.執筆者の論旨の展開がすぐれている
 ニ.表現方法(文章・図表)が分かりやすい」


一般雑誌以下といえる読者アンケート程度のはがき5枚の送付と、講演会1回を聞くだけだけで「修了証」を得ることができるのですから、「生涯教育制度」のお粗末さには誰もが呆れ果て、むしろ笑ってしまうはずです。「よくぞここまで手抜きの制度を、堂々と『生涯教育制度』だといえるものだ」と。

記事中に出ているように、日本医師会の飯沼雅朗・常任理事も、「生涯教育制度」は(開業医の)「質を担保するものになっていない」と制度の欠陥を認めているのですから、「生涯教育制度」のお粗末さは、自他とも認めるものといえます。

日本医師会さえも認める「お粗末さ」であるのに、「良医はどこに? 専門医の腕は信用していいのか?~日本と異なり、米国では専門機関が研修の質を評価(朝日新聞平成21年2月15日付「安心社会へ 選択のとき」より)」(2009/02/15(日) 17:55:14)で触れたコメント主(医師と思われる方)は、「日本の医師の質はほとんど問題はない」との自信を示したコメント内容を示しています。

しかし、その「自信」を客観的に担保する制度は、現在、どこにあるのでしょうか? 自らの属する業界の現状を認識することなく、根拠なく、ただ他者の批判に反発したコメントを発したところで、それは自らの恥をさらしただけではないでしょうか?



(2) 日本医師会の飯沼雅朗・常任理事さえも、「生涯教育制度」は(開業医の)「質を担保するものになっていない」と制度の欠陥を認めているのですから、日本医師会(の幹部?)自体は、改革をしようとしてはいるのです。

 「■新認定制に反発も

 改革のため、日医は昨年8月、「地域医療、保健、福祉を担う幅広い能力を有する医師」(名称の候補は「総合診療医」など12種類)を認定する、という新たな制度案をまとめた。

 医師の経験年数別に、研修や講義・実技講習などに必要な時間数を定め、それを受けた医師を日本医師会内に置く認定機構が認定する、というのが概要だ。

 必要とされる研修や講義の受講時間は、 「2年間の卒後臨床研修を修了した医師」が3年間以上、 「臨床経験7年以上15年未満の医師」が50時間、 「臨床経験15年以上45年未満の医師」が20時間。認定試験は実施しない。5年ごとの更新制とするが、再認定に必要な単位数などは今後検討する。

 研修や講義・実技講習は、日本医師会が今年1月、日本プライマリ・ケア学会(会員数4685人)、日本家庭医療学会(同1701人)、日本総合診療医学会(同985人)の3学会とともに作ったカリキュラムに基づき行う。

 このカリキュラムは、腹痛や胸痛、発熱など57の症状別に必要な診療能力の基準を示し、自ら診断・治療できなければいけない病気や、専門治療ができる医療機関に紹介すべき病気を明示している。

 この案に対し47都道府県医師会の意見を聞いたところ、賛成20▽反対14▽他の学会にまかせるべき1▽賛否不明12――などと割れた。昨年10月の代議員会では「拙速に進めるべきではない」といった意見も出た。唐沢祥人会長ら日医の現執行部は、来年4月からの新制度実施を目指すが、反対論や慎重論もあり、始められるかは不透明だ。

 日医が認定機構を設立できない場合、来年4月統合予定の3学会による、若手医師らを対象にした「総合的な診療能力を備えた専門医」の認定制度が先に始まる可能性がある。そうなれば、すでに開業している医師の質の向上は置き去りにされる恐れがある。」


 イ:この記事から分かるように、質の向上とその質の担保を図るため、いくら日本医師会と、日本プライマリ・ケア学会、、日本家庭医療学会、日本総合診療医学会の3学会という、現在、最も妥当なカリキュラムが作成できる団体が作ったカリキュラムであっても、「反対論や慎重論もあり、始められるかは不透明」なのです。しかし、なぜ、反対するのでしょうか? 反対するのであれば、医師の質を担保するための対案を出しているのでしょうか? 

「良医はどこに? 専門医の腕は信用していいのか?~日本と異なり、米国では専門機関が研修の質を評価(朝日新聞平成21年2月15日付「安心社会へ 選択のとき」より)」(2009/02/15(日) 17:55:14)で触れたコメント主(医師と思われる方)は、「日本の医師の質はほとんど問題はない」との自信を示したコメント内容を示しています。

現在、最も妥当なカリキュラムが作成できる団体が作ったカリキュラムであっても、「反対論や慎重論もあり、始められるかは不透明」という理由は、「日本の医師の質はほとんど問題はない」との根拠のない自信があることも、その一因であるように思えるのです。 


 ロ:記事中では、熊本県内で30年以上開業している内科の男性医師(67)は、「勉強しない医者でも単位が取れる。いいかげんな制度だ」と憤り、はがきを送るような安易な方法で単位を取ったことはなく、自ら勉強しているそうです。このように十分に勉強している医師も大勢いることでしょう。

 「勉強しない医者でも単位が取れる。いいかげんな制度だ」と熊本県内で30年以上開業している内科の男性医師(67)は憤る。はがきを送るような安易な方法で単位を取ったことはなく、自ら勉強する。
 主なものは、熊本市内の大病院が毎月開く脳や心臓、呼吸器などの病気に関する勉強会。年約50回出席する。発症から治療までの経過を具体的に説明しながら病気の解説をしてくれるので、自分の診療所に来る患者の診断にも役立つ、という。さらに、日本内科学会など内科系の3学会にも毎年出席する。
 男性医師の診療所には1日約80人が来院する。高齢者が多く、6割は高血圧など循環器系の病気。患者の血圧と体重の変化に目を配り、食事など生活指導や薬の処方をして、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞など別の重い病気が起こらないよう注意している。
 それでも、心筋梗塞は年に1~3人、脳梗塞は月に1人が起こす。発症時の症状はわかりやすい典型例ばかりではない。めまいや手足のしびれは、いろんな病気にかかわり判断が難しいが、患者の命や後遺症にかかわる大事な問題。日進月歩の医療技術を取り入れながら、自分で適切に診療し、適時に専門医がいる大病院に紹介する力が試されている、と肝に銘じている。
 1年間に書く紹介状は約500枚。紹介先は病院ごとに決め、電話1本で頼める。その関係づくりも、勉強会参加の目的だ。
 一方、地域医師会主催の勉強会では、参加する会員は3割ほど。いつも同じ顔ぶれだ。 「参加しない医師はいったいどうやって勉強しているのだろう」と疑問が募る。」


地域差はあるとはいえ、地域医師会の勉強会には3割しか参加者がおらず、それも同じ人ばかりなのですから、開業医の7割は「ロクに勉強してない」との推定が働くのです。このような惨憺たる状況になっているのが、今の医療界なのです。

「良医はどこに? 専門医の腕は信用していいのか?~日本と異なり、米国では専門機関が研修の質を評価(朝日新聞平成21年2月15日付「安心社会へ 選択のとき」より)」(2009/02/15(日) 17:55:14)で触れたコメント主(医師と思われる方)は、「日本の医師の質はほとんど問題はない」との自信を示したコメント内容を示しています。

しかし、その「自信」を客観的に示す現実は、一体、どこにあるのでしょうか? 自らの属する業界の現実を認識することなく、根拠なく、ただ他者の批判に反発したコメントを発したところで、それは自らの恥をさらしただけではないでしょうか?
         

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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