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2009/02/11 [Wed] 23:59:38 » E d i t
厚生労働省は07年7月、臓器移植法の運用指針を改正し、臨床研究以外の病気(修復)腎移植を禁止し、日本移植学会など関連学会は、がんを含め病気(修復)腎移植について否定的な見解を示していたため、現在まで、臨床研究での病気(修復)腎移植さえも、事実上、全面禁止されていました。

ところが、平成21年1月27日付の通知(健臓発第0127001号)では、「いわゆる病腎移植の臨床研究の実施に際し、対象疾患についてはガイドラインにおいて特段制限していないこと」と明記して、厚労省は、臨床研究での病気腎移植が実施できることを正式に認め、事実上、禁止されていた病気腎移植が解禁されることになりました。臓器移植法の運用指針自体を再改正してはいないのですが、「通知」と言う形で実質的に改正したことになります。

元々は、平成20年12月11日、超党派議連「修復腎移植を考える超党派の会」の会合において、厚労省は病気腎移植の実施を容認する見解を表明しており(「厚労省、がん腎移植も臨床研究容認の見解公表~「修復腎移植を考える超党派の会」の会合において」(2008/12/12 [Fri] 23:59:29)参照)、この見解どおりの「通知」を発表したというのが事の経緯です。

 「この日、東京・永田町の参院議員会館で開かれた超党派議連「修復腎移植を考える超党派の会」の会合は熱を帯びた。(中略)
 厚労省の担当審議官は「当初、われわれの説明が不十分な点があって混乱を招いた。われわれとしてはがんの修復腎も臨床研究の対象となるという見解」と明確に答えた。(中略)
 担当課長は「この問題が起きた2年前の時点に比べ、今の医学界の常識は変わってきたように思う。2年前は医学的には認められなかったが、日本以外の国でも(病気腎移植を)しているし、がんは転移するのではないかということも言われていたが、新しい知見も出てきた」と発言。」(東京新聞平成20年12月12日付朝刊24面「こちら特報部」)




1.まず、 今年1月27日付の通知(健臓発第0127001号)を引用しておきます((参考)として掲載している「ガイドライン」は除く)。なお、この情報は、「修復腎移植推進・万波誠医師を支援します」さんの「厚労省 腎がん等の修復腎移植・臨床研究を正式に認める」 (2009/02/10 20:06)「motosuke.net」さんの「2009年02月07日 修復腎移植(病腎移植)再開近し」、及び福岡市のHPでの「最近の通知・通達等(医療施設関係)」で知ることができました。お二方と、「通知」のPDFをいち早く掲載した福岡市に感謝します。
                                                                                                


                                          健臓発第0127001号
                                          平成21年1月27日


各[都道府県・指定都市・中核市]衛生主管部(局)長 殿

                        厚生労働省健康局疾病対策課
                                  臓器移植対策室長

     「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)
    の取扱いについて


 臓器移植の推進については平素から御高配を賜り、厚くお礼申し上げる。
 さて、平成9年10月8日付け健医発第1329号保険医療局長通知「『臓器の移植に関する法律』の運用に関する指針(ガイドライン)」(以下「ガイドライン」という。)については、平成19年7月12日に改正され、「第12 生体からの臓器移植の取扱いに関する事項」を追加したところである。
 今般、「臨床研究に関する倫理指針」(平成20年厚生労働省告示415号)が本年4月より施行されること等を踏まえ、ガイドラインの正確な理解を進めるとともに、適正な臓器移植の実施を図るため、改めてその趣旨等を下記のとおり示すので、貴職におかれては内容を十分御了知の上、貴管下の医療機関等に対する周知方につきよろしく御配慮願いたい。

                      記

1 いわゆる病腎移植の臨床研究の実施に際し、対象疾患についてはガイドラインにおいて特段制限していないこと。

2 個別の臨床研究の実施に際しては、臨床研究を行う者等が、「臨床研究に関する倫理指針」に規定する事項を遵守し、実施するものであること。



1月27日付通知(健臓発第0127001号)の意味を分かりやすく説明すれば、次の2点になります。すなわち、

<1>臓器移植法の運用指針では、臨床研究での病気腎移植を禁止していないのに、日本移植学会等関連学会は、事実上、臨床研究での病気腎移植を全面禁止にしていたのですから、いわば「ガイドライン」を歪めていたわけです。

超党派の国会議員らが宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師による病気腎移植を容認する見解を出したことについて、日本移植学会の寺岡慧理事長は平成20年5月19日、「医学的に(誤解が)かなりある」として、反対する考えを明らかにしていました(asahi.com:2008年5月19日18時54分)。 この見解表明も、「ガイドライン」を歪めることを堂々と公言していたことになります。

ですから、平成21年1月27日付の「通知」では、「ガイドラインの正確な理解を進める」ことを強調し、「病腎移植の臨床研究の実施に際し、対象疾患についてはガイドラインにおいて特段制限していない」旨を明記して、臨床研究での病気腎移植の実施は許されているのだとして、学会の行動を批判したのです。

すなわち、「臓器移植法の運用指針では、臨床研究での病気腎移植を禁止していないのに、事実上、臨床研究での病気腎移植を全面禁止にしていた、日本移植学会等関連学会の対応は不当な制限であり、事実上であっても、臨床研究での病気腎移植の実施を阻害することは許されない」ことを示したのです。


<2>平成21年1月27日付の「通知」における「適正な臓器移植の実施を図るため」という点は、「2 個別の臨床研究の実施に際しては、臨床研究を行う者等が、「臨床研究に関する倫理指針」に規定する事項を遵守し、実施するものであること」に対応しています。

この点は、病気腎移植への批判というよりも、万波誠医師たちが実施した病気腎移植への批判を行っている日本移植学会側に配慮したものといえます。もっとも、臨床研究に関する倫理的指針に従うことには、誰も異存がないのですから、病気腎移植を肯定する側にとっても何の問題もないのです。

むしろ、「臨床研究に関する倫理指針」のみを遵守しさえすれば、病気腎移植を実施できるのですから、日本移植学会側が日本移植学会が承認した医療機関のみが実施できるといった、不当な制約を拒絶することができるのです。


要するに、厚労省は、(臨床研究に限るとはいえ、)いかなる疾患であっても病気腎移植をすることは可能であるとして、病気腎移植の医学的妥当性を認めて、病気腎移植の実施を肯定したのであり、医学的根拠が不十分なままで病気腎移植を禁じていてた日本移植学会等関連4学会を批判し、臨床研究の自由(学問研究の自由)という本来の医療のあり方の遵守を求めたのです。



2.厚労省による平成21年1月27日付の「通知」自体が非常に重要なものですが、(現在及び将来における)腎不全の患者にとっては、次に引用する報道記事が重要です。

(1) 2009/02/10 21:41 【共同通信】

徳洲会が病気腎臨床研究へ 厚労省通知受け、今年にも

 医療法人徳洲会は10日、がん患者などから摘出した腎臓を用いる病気腎移植の臨床研究を、今年中にも万波誠医師(68)が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)と、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)の2カ所で始める方針を明らかにした。

 徳洲会によると、厚生労働省が1月27日付で都道府県などに出した通知がきっかけ。通知は病気腎移植の臨床研究について「対象疾患に制限を設けない。臨床研究指針を順守し実施する」よう求めている。

 2006年に万波医師らの病気腎移植が問題化した後、宇和島徳洲会病院での実施はストップしている。厚労省臓器移植対策室は「患者への説明や同意、倫理委員会の審査など、適正な形で実施してもらいたい」とコメントしている。

 厚労省や国内の学会は、転移の恐れがあるがん患者からの臓器移植は通常の医療としては認められないとの立場。ただ治療の可能性を探る臨床研究としての道は認めている。

2009/02/10 21:41 【共同通信】」



(2) asahi.com(2009年2月11日14時57分)

徳洲会、病気腎移植を再開へ 臨床研究で年内にも
2009年2月11日14時57分

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)ががん患者らから摘出した腎臓を別の患者に移植する「病気腎移植」を手がけていた問題で、医療法人「徳洲会」(東京)は、臨床研究として病気腎移植を年内にも再開する方針を明らかにした。移植は、グループ傘下の宇和島徳洲会病院と東京西徳洲会病院(東京都昭島市)で実施することを軸に検討している。

 万波誠医師(68)らのグループが91年~06年、がんや尿道狭窄(きょうさく)などを理由に摘出された腎臓に処置を施し、別の患者に42件の移植手術を行っていたことが06年末~07年初めに判明。問題発覚以降、宇和島徳洲会病院は病気腎移植を自粛してきた。

 厚生労働省は07年7月、臓器移植法の運用指針を改正し、臨床研究以外の病気腎移植を禁止したが、今年1月27日付で「臨床研究の実施に際し、対象疾患については特段制限していない」という通知を都道府県などを通じて医療機関に流した。

 徳洲会はこの通知を「疾患の内容を問わず、臨床研究ができることが明確になった」と受け止め、今後、グループの共同倫理委員会を開催するなど、移植の実施に向けた準備を進めることにした。」



(3) MSN産経ニュース(2009.2.10 23:47)

宇和島徳洲会病院が病腎移植再開へ 
2009.2.10 23:47

 治療のために摘出し、修復した腎臓を別の患者へ移植する「病腎(修復腎)移植」を医療法人徳洲会が今春にも、万波誠医師(68)が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で臨床研究として始める方針であることが10日、分かった。厚生労働省は平成19年7月に臨床研究以外の病腎移植の禁止を通知。実施されれば、この通知以降初めての病腎移植となる。

 徳洲会によると、厚労省は1月27日付で都道府県などに通知を出した。通知は病腎移植の臨床研究について「対象疾患に制限を設けない。臨床研究指針を順守し実施する」よう求めている。

 18年に万波医師らの病腎移植が問題化した後、宇和島徳洲会病院での実施はストップしている。厚労省臓器移植対策室は「患者への説明や同意、倫理委員会の審査など、適正な形で実施してもらいたい」とコメントしている。

 厚労省や国内の学会は、転移の恐れがあるがん患者からの臓器移植は通常の医療としては認められないとの立場。ただ治療の可能性を探る臨床研究としての道は認めている。

 万波医師は「患者さんのために一刻も早く手術を再開したい」と話している。」



 イ:この記事にでているように、今年中に、病気(修復)腎移植を実施する医療機関があるのですから、患者にとって心が躍るほどの大変な朗報といえます。

「医療法人徳洲会は10日、がん患者などから摘出した腎臓を用いる病気腎移植の臨床研究を、今年中にも万波誠医師(68)が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)と、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)の2カ所で始める方針を明らかにした。
 徳洲会によると、厚生労働省が1月27日付で都道府県などに出した通知がきっかけ。」(共同通信)

 「宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)ががん患者らから摘出した腎臓を別の患者に移植する「病気腎移植」を手がけていた問題で、医療法人「徳洲会」(東京)は、臨床研究として病気腎移植を年内にも再開する方針を明らかにした。移植は、グループ傘下の宇和島徳洲会病院と東京西徳洲会病院(東京都昭島市)で実施することを軸に検討している。」(asahi.com)


修復腎移植を実施したことのある医療機関は、全国各地にあります。ですが、今回、日本において最も多く修復腎移植を手掛け、日本において最も多数の腎移植を行っている万波誠医師が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)と、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)が実施につき、名乗りを上げています。

万波誠医師自体が実績も技量も十分にあり、日本の医療機関としては、徳洲会病院のみが国外での修復腎移植を手掛けている医療者と深く交流があり、より深く研究を行っているのですから、修復腎移植を実施した際、最も生存率・生着率が高い結果が見込まれ、適切といえます。


 ロ:問題は、臨床研究として修復腎移植を受ける際、保険適用を認めるかどうか、です。この点は、平成21年1月27日付通知では触れていないので、はっきりしません。もし、保険適用を認めないとすれば、これまた事実上、修復腎移植が困難なままとなります。

厚労省の担当課長は、平成20年12月11日の会合において、「この問題が起きた2年前の時点に比べ、今の医学界の常識は変わってきたように思う。2年前は医学的には認められなかったが、日本以外の国でも(病気腎移植を)しているし、がんは転移するのではないかということも言われていたが、新しい知見も出てきた」と発言しています。要するに、「現在の医療水準では認められる移植医療となっている」という意味ですが、それならば、「臨床研究として移植を受ける際、保険適用を認める」という結論を導くことが可能です。

海外での移植が不可能になりつつある現在、深刻なドナー不足の日本では、実効的な手段として、腎移植の可能性を広げるための実効的で現実的な手段が必要です。保険適用を肯定して、修復腎移植の実施を容易にする必要性が迫られているのです。

厚労省は、臨床研究での修復腎移植について、保険適用することの「通知」を行うべきです。


テーマ:法律全般 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
春霞様
トラックバックありがとうございました。
今回の厚労省通達は腎臓がんも含めて修復腎移植を行ってもよいということを、文書で正式に認めたことで大変意義あることだと思います。

2/12日付の産経新聞ワイド版で、前日に引き続き「病腎移植再開へ」 宇和島徳洲会病院 国の方針が後押し と続報が大きく報道されています。

その記事中、・・・厚労省臓器移植対策室峯村芳樹室長は「病気で苦しむ患者さんのためにも臨床研究を早く進めてもらいたい」とコメント・・・ と掲載されています。

昨年暮れと今年、厚労省臓器移植対策室に見解を聴いた関係者の話によると、「困っている患者さんのために是非修復腎移植が実施できるものは実施していただきたい」と患者の立場にたった前向きの話をされたそうです。
厚労省の考え方も患者サイドの立場に立ったものに変わってきていると考えています。

それに引き換え日本移植学会幹部の見解は未だに変更がないようです。学会幹部が四面楚歌になりつつあるのではないかとも感じています。

万波医師も「患者さんのために一刻も早く再開したい」意欲を示されていますので、今後の再開に期待したいと思います。

ありがとうございました。
2009/02/13 Fri 00:32:43
URL | hiroyuki #-[ 編集 ]
>hiroyukiさん:2009/02/13(金) 00:32:43
コメントありがとうございます。


>その記事中、・・・厚労省臓器移植対策室峯村芳樹室長は「病気で苦しむ患者さんのためにも臨床研究を早く進めてもらいたい」とコメント・・・ と掲載されています。
>昨年暮れと今年、厚労省臓器移植対策室に見解を聴いた関係者の話によると、「困っている患者さんのために是非修復腎移植が実施できるものは実施していただきたい」と患者の立場にたった前向きの話をされたそうです。
>厚労省の考え方も患者サイドの立場に立ったものに変わってきていると考えています。

そこまで厚労省は述べているのですね。厚労省も、修復腎移植に否定的な学会の見解と決別する意識を明確にしたといえますね。


>それに引き換え日本移植学会幹部の見解は未だに変更がないようです。学会幹部が四面楚歌になりつつあるのではないかとも感じています。

そうですね。
なぜ、日本移植学会幹部は、見解を変えないのでしょうね。学問的には、修復腎移植を肯定する方が容易いでしょうに。厚労省でさえ、患者の利益を擁護する立場にたったのに、なぜ医師である側が患者の利益を害する立場を維持するのか、不思議でなりません。
2009/02/15 Sun 22:54:56
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/03/03 Tue 01:19:31
| #[ 編集 ]
>非公開コメントの方へ:2009/03/03 Tue 01:19:31
いつもながら貴重な情報をありがとうございます。
お返事が遅れて大変申し訳ありません。

こうした情報を聞くたびに、あの学会の存在意義とは何なのか、あの学会の幹部は、患者そっちのけで、単に気に入らない人物を葬りたいだけという醜い私欲で動いているとしか思えません。
2009/03/10 Tue 00:02:56
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
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