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2009/02/08 [Sun] 23:01:36 » E d i t
お笑いタレント、スマイリーキクチ(37)さんのブログに、本人が過去の殺人事件の犯人であるかのような中傷や脅迫文が数百件書き込まれる事件があり、警視庁中野署は平成21年2月5日までに、17~45歳の男女計18人を名誉棄損の疑いで書類送検する方針を決めました。

同署によると、書類送検されるのは、大阪府高槻市の国立大職員の男性(45)や千葉県松戸市の男性会社員(35)、札幌市の女子高校生(17)ら。容疑では、18人は昨年1月から同10月にかけ、パソコンや携帯電話から男性タレントのブログに「人殺しが何で芸人やるんだ」「死ね、犯人のくせに」などと書き込んだ、とされています(東京新聞平成21年2月5日付夕刊9面)。

これに先立ち、同署は2月4日、同じブログに昨年12月、「殺してやる」と書き込んだとして、脅迫の疑いで、川崎市の女性会社員(29)を書類送検しました。

キクチさんによると、中傷は約10年間続いたといい、「事実無根」と完全否定しています。ネット上で相次ぐ、こうした「炎上」と呼ばれる集団書き込みに対する一斉摘発は、全国初とみられています。
 


1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年2月5日付夕刊(3版)1面

男性タレントに「人殺し」書き込み ブログ集団中傷立件へ 警視庁18人名誉毀損容疑
2009年2月5日11時6分

 お笑いタレントのスマイリーキクチさん(37)のブログに事実無根の中傷を書き込んだとして、警視庁は17~45歳の男女18人を近く名誉棄損容疑で書類送検する方針を固めた。5日、中野署への取材でわかった。また、同署は、キクチさんを「殺す」などと殺害を予告する内容を書き込んだとして、川崎市の女(29)を脅迫の疑いで4日に書類送検した。

 ブログなどへの集団書き込みに対する一斉摘発は極めて異例で、同署は「同じようなネット上の中傷はたくさんあり、こういうことをすれば警察に摘発されるんだと警告する目的もある」としている。

 同署によると、18人は札幌市の女子高校生(17)や、千葉県松戸市の会社員の男(35)、大阪府高槻市の国立大職員の男(45)ら。昨年1~10月、キクチさんが開いたブログ上で、少年4人が殺人罪などで実刑判決を受けた東京都足立区の女子高生コンクリート詰め殺人事件(89年)にキクチさんが関与したと決めつけ、「人殺し」「犯人のくせに」などと事実無根の悪質な中傷を書き込み、キクチさんの名誉を棄損した疑いがある。18人の住所は北海道から大分県に及んでおり、お互いに面識はないとみられる。

 昨年1月のブログ開設直後から中傷が始まり、同4月以降は書き込みを一部制限した。所属事務所の太田プロダクションのホームページには以前から同様の書き込みがあり、「事件とは無関係」などと告知していたが、攻撃は続いていた。キクチさんが同8月、「芸能活動に支障が生じた」として被害を届け出た。

 川崎市の女は、ブログへの書き込み制限が解除された後の昨年12月下旬、キクチさんのブログに「殺す」と書き込んだ疑いがある。女は「ほかの人の書き込みを信用した。内容を信じたことを反省している」と話しているという。

 キクチさんは実名を明かした上で、事務所を通じて「全くの事実無根です。今後、このような事件がおきないことを心より願っております」とのコメントを出した。」



やまぬ被害 抑止効果狙う

 インターネット上の掲示板や日記風サイト「ブログ」などでの中傷被害は近年、深刻さを増している。警察庁によると、07年中の相談件数は8871件と前年より1割増え、03年の3倍になった。08年上半期は5482件と過去最悪ペースとなっている。

 相談増加に伴い、検挙も年々増えている。08年上半期はネット上での脅迫が52件、名誉毀損が38件だった。

 さらに、芸能人やスポーツ選手らが書いたブログの内容に批判が殺到し、一時的なサイト閉鎖などに追い込まれる例も後を絶たない。

 一方で、有名人のブログを中心にブログ運営会社が監視を強める動きも徐々に広がっている。約150のブログ・掲示板を監視しているピットクルー(東京都)は、運営会社の依頼に応じて中傷や事実と異なる書き込みを確認すると、削除している。

 監視業務にかかわる同社営業部の桃沢隼人さん(29)は「悪質な書き込みの当事者を数多く立件することで、相当の抑止効果があるのではないか」と話す。

 ウェブコンサルタントの伊地知晋一さん(40)は「ブログへの誹謗(ひぼう)中傷と反対意見は線引きが難しく、言論の自由にもふれる問題で、警察も立件は慎重に判断したと思う。今回の事件は、複数の人間が長期間にわたって中傷を続ける非常に珍しいケースだ。個人がブログで中傷された場合、警察や弁護士、ネット事業者に相談できるが、労力や時間がかかるうえ、その間に問題が収まってしまうことも多い」と話す。」



(2) YOMIURI ONLNE(2009年2月5日)

ブログ炎上 矛先が一般人にも

 警視庁が異例の一斉摘発に乗り出した男性タレント(37)のブログ炎上事件。ささいな発言などがきっかけとなって批判の集中砲火を浴びる炎上は、インターネット人口の増加に伴い目立ってきた。悪意の矛先は話題になりやすい著名人ばかりではなく、一般の人にも向けられつつある。

矛先、一般人にも

 「犯人扱いされ、そのせいでいろんなことがあった」

 被害者となった男性タレントは昨年8月、自分のブログでこう心情を吐露した。

 このタレントは長年、東京・足立区で起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件に関与したという事実無根の中傷を受け続け、昨年4月からは自らのブログの書き込みを制限。悪質な書き込みは、タレントに好意的な投稿者のブログにまで「飛び火」し、そこでもタレントの中傷が続けられたという。

 不特定多数から批判コメントなどが殺到するこうした現象がネット上で目立つようになったのは2003年頃。いったん批判に火がつくと手に負えなくなるほど広がり、ブログの閉鎖などに追い込まれる状況を火事などに見立て、「炎上」という言葉が生まれた。「祭り」と呼ばれることもある。

 著名人のブログが攻撃を受けるケースは少なくない。

 評論家の池内ひろ美さん(47)の場合、ブログでの発言を不愉快に感じた人たちからの中傷や脅迫が殺到。ネット掲示板に「(池内さんの講演会が)血の海になる」などと書き込み、講演会を中止させた無職の男が07年2月に脅迫などの容疑で逮捕された。その後も、掲示板に「暴力団組長の娘だ」などという事実無根の中傷が続いているといい、池内さんは「家族への中傷もあり、強いショックを受けた」と話す。

 プロゴルファーの上田桃子さん(22)も、07年10月にテレビ番組でバスケットボールやバレーボールについて、先が見えないスポーツであるかのような発言をした後、批判がブログに集中し、一時閉鎖に追い込まれた。

 攻撃の対象は一般の人にも広がっている。最近では、自分のブログで山口県光市の母子殺害事件の被害を矮小化するような書き込みをした大学准教授や、交流サイトに「有害物質メラミンの入ったピザを食べたとうそをつき、ファミリーレストランからカネをとった」と書き込んだ高校生などが、それぞれネット上で批判を浴びた。

 ウェブコンサルタントの伊地知晋一さん(40)の元には昨年以降、企業や一般の人から炎上対策についての相談が増加しているといい、「炎上はネットの中だけで完結する次元の話ではなく、個人の生活や企業イメージを左右する危機管理の問題になった」と指摘する。

 メディアジャーナリストの藤代裕之さん(36)は「掲示板の情報を簡単に信じ込み、自分も安易に書き込みに応じてしまうような傾向がみられ、ネット上のマナーを学べる環境整備が必要」としている。

ネットの悪弊、歯止め必要

 警視庁の狙いは事実無根の書き込みが拡散し、新たな中傷を生むネット社会の悪弊に歯止めをかけることだ。

 ネット先進国の韓国では昨年、ネット上の中傷を苦にした人気女優(当時39歳)の自殺を契機に、「サイバー名誉棄損罪」を新設する動きが出ている。日本でも「炎上」の被害は深刻化しており、多くのブログや掲示板には他人を中傷する文言が並ぶ。

 ネット犯罪に詳しい甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は「匿名のネット社会とはいえ、一方的に中傷された側の社会的、精神的ダメージは計り知れず、摘発の意義は大きい」と話す。ホームページ上の記載を巡り都内の男性が名誉棄損罪に問われていた事件の控訴審判決で、東京高裁は先月30日、「ネット上でも名誉棄損成立の条件は同じ」などとして、無罪とした1審・東京地裁判決を破棄し、有罪とした。

 今回の事件では、警視庁の事情聴取に対し、多くは「気軽に書き込んでしまった。こんなことになるとは思わなかった」などと供述しているという。書き込みする人は今後、炎上に安易な気持ちで加わるだけで捜査対象になることを肝に銘じるべきだ。(安井良典)

(2009年2月5日 読売新聞)」




(3) 朝日新聞平成21年2月6日付朝刊2面(13版)「時時刻刻」

匿名ネット中傷に警告 18人集団摘発へ

 お笑いタレントのブログ(日記風ウェブサイト)に中傷を繰り返したとして、警視庁が18人を一斉摘発する見通しになった。間違った書き込みをきっかけに「人殺し」などと書き連ねていた。悪質な書き込みをめぐる集団摘発は異例。サイトに様々な意見が殺到する「炎上」対策に追われるブログの運営側も、頭を悩ませる。

■デマ信じ「炎上」加担  「身勝手な正義感」 犯罪意識なし

 「こんにちは殺人犯さん」 「コンクリート殺人事件の共犯だろ」 「犯罪者死ね」

 お笑いタレントのスマイリーキクチさん(37)の公式ブログでは昨年1月に開設してから、悪質な書き込みが数百件に上っていたという。

 キクチさんが「犯人」と誹謗(ひぼう)中傷されたのは、東京都足立区で数人の少年が女子高生を監禁して暴行を繰り返し、遺体をコンクリート詰めして遺棄した事件(89年)。キクチさんは93年からタレントとして活動。所属事務所の太田プロダクションによると、約10年前からネット上の様々な掲示板で「犯人」 「事件をお笑いのネタにした」などと事実無根の中傷を受けていた。

 この事件の犯人は未成年だったため、報道は当時匿名とされていた。キクチさんが東京・下町の出身だったことなどから何らかの理由で、中傷が始まったとみられる。

 警視庁中野署によると、名誉毀損容疑で書類送検されるのは、札幌市の女子高校生(17)や神奈川県の会社員の男(41)、滋賀県の会社員の男(35)ら男女18人。全国各地に住み、職業もばらばら、互いに面識もなかった。

 中傷を書き込んだのはほかにもいたとみられるが、18人は自宅や職場のパソコン、携帯電話を使って書き込み、特定された。 「(殺人に関係したとする)書き込みを事実だと信じていた」 「事件に関与した人がタレント活動しているのは許せなかった」などと話しているという。

 数百件の書き込みのなかにはおもしろ半分で書いたものもあるとみられる。だが、今回事情を聴かれた全員はブログを「炎上」させる目的だったと語ってはおらず、犯罪になるという意識も全くなかったようだという。中野署は「身勝手な正義感だ」と印象を話す。

 名誉毀損事件は被害者の告訴がないと最終的に起訴できず、警察が中傷などを独自に探し出して捜査することはない。中野署も昨年8月、キクチさんからの届けを受けて捜査に乗り出した。集団摘発に踏み切ることについて「ネットの匿名性に乗じ、責任を取らないでいいと考える人への警告になれば」とする。

 キクチさんは実名を明かした上で、事務所を通じて「今後、このような事件がおきないことを心より願っております」とのコメントを出した。」



書き込み端末 特定可能

 なぜ書き込み主が特定できるのか。ネット上で書き込みなどをすると、それがどの接続事業者(プロバイダー)を通じて行われたのか、という履歴が残る。名誉毀損などを受けた被害者は、これを手がかりにプロバイダーを特定、書き込み主の開示を求める。携帯電話を使ったネット接続でも、特有の番号が割り振られているため、特定が可能だ。

 今回、中野署はキクチさんから被害の訴えを受け、裁判所から差し押さえ令状を取りプロバイダーや携帯電話各社に接続履歴を開示させた。

 捜査手続きによらず、被害者が情報開示を求めることもできる。根拠となるのが02年5月施行のプロバイダー責任制限法だ。請求に基づき、プロバイダーは書き込み主に開示していいか意見を聞く。拒まれても、プロバイダーが判例などに基づき、明らかな権利侵害があると判断すれば、開示できる。

 一方で通信事業者には「通信の秘密」の保持が定められており、開示の妥当性が裁判で争われるケースも多い。事業者団体でつくるガイドライン等検討協議会の事務局担当者は「裁判で妥当と判断される見通しがないと、事業者は慎重になりがちだ」という。

 直近の統計はないが、マルチメディア振興センターの調査では、同法施行直後から3年半に、プロバイダー各社が受けた開示請求は188件、開示は31件だった。

 今回のケースでは、ネットカフェや漫画喫茶にあるパソコンからの書き込みがあったと見られている。その場合、「端末が特定できても、実際に書き込みをした人物の特定は難しいのが現状。不特定多数が利用する場でも、きちんと特定できる仕組みが必要だろう」と中野署幹部はいう。

 警察庁によると、07年のネット上の名誉毀損や中傷に関する相談は8871件と03年の3倍。検挙も増え、名誉毀損は79件(05年47件)、脅迫は59件(同39件)となっている。」



■ネット上の中傷などが問題になった例

・06年8月:スキーモーグル・上村愛子選手――プロボクサーの亀田興毅選手の試合を観戦してブログに「感動した」などと書くと、2日分の日記に計4千件を超えるコメントが殺到
・06年10月:評論家・池内ひろ美さん――ブログの記述に対し、ネット掲示板に中傷が相次ぐ。「血の海になります」などと書き込んで講座を中止に追い込んだとして、07年12月、脅迫などの罪で会社員が有罪判決を受けた
・07年6、10月:プロゴルファー・上田桃子選手――試合後の態度への批判がブログに殺到。テレビ番組で他のスポーツに言及した内容が反発を受け、ブログが閉鎖
・08年8月:柔道・鈴木桂治選手――北京五輪で敗退した直後、ブログに「練習していないで遊んでいるから」など中傷する書き込みが相次ぎ、管理者が削除に追われた」



中傷か意見か 線引きが課題

 ネット検索大手ヤフーは5日、同社が運営する「ヤフー・ニュース」を刷新した。狙いのひとつは、 「炎上」現象への対策だ。

 同サイトでは07年10月から、利用者がニュース記事を読んで意見を投稿、公開できる仕組みを設けている。だが話題によっては一部の利用者の投稿が殺到、 「炎上」状態になることもあった。ある記事に集中した18万件の投稿を調べたところ、実際の投稿者は約3千人だった例もある。

 同社は「公序良俗に反する」など不適切な投稿の指針を作り、常に監視することにしていた。だが、投稿が名誉毀損や中傷なのか、批判意見なのか判断するのは難しく、簡単には削除できなかった。そこで今回、投稿者がヤフーに登録したIDの一部とともに、過去にどんな投稿を何件したかわかるよう公開される仕組みにした。同社広報は「心理的な抑制効果があるのでは」と話す。

 今回の一斉摘発の舞台となったブログが開設されていたのは、サイバーエージェントが運営する「アメーバブログ」。著名人のブログの「炎上」対策として同社の監視員が見て問題がないコメントのみ公開している。

 「エキサイトブログ」を運営するエキサイトは1月22日、ブログの開設者が了承した投稿だけをコメント欄に表示できる機能を追加した。

 ただ、ウェブ上で殺到する書き込みのすべてが名誉毀損や中傷というわけではない。

 先月、テレビ朝日の情報バラエティー番組で紹介したブログが、実はスタッフが撮影用に自作したものだったことが明らかになった。この問題では、放送直後からネット掲示板で、ブログの不自然さに対する投稿が相次いでいた。

 「ウェブ炎上」の著書がある評論家、荻上チキさん(27)は、「どんなテーマを巡る議論なのかが重要だ」と指摘する。 「政治家の不正疑惑を暴くとか、ボランティアの輪をどう広げるか、といった議論が白熱することもある」

 ネットに詳しいジャーナリストの森健さん(41)は、 「中傷と意見の違いをどう判断するか。言論の自由との兼ね合いもあり難しい。ただ、ネットでも行き過ぎた行動は問題を招く。そのことを理解するきっかけになるのではないか」と話している。」




2.今回の事件は、「言葉による犯罪」が摘発された事例です。「言葉による犯罪」としては、刑法上、次のようなものがあります。

(脅迫)
第二百二十二条
 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2  親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

(強要)
第二百二十三条
 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2  親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3  前二項の罪の未遂は、罰する。

(名誉毀損)
第二百三十条
 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2  死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

(公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二
 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2  前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3  前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

(侮辱)
第二百三十一条
 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

(親告罪)
第二百三十二条
 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2  告訴をすることができる者が天皇、皇后、太皇太后、皇太后又は皇嗣であるときは内閣総理大臣が、外国の君主又は大統領であるときはその国の代表者がそれぞれ代わって告訴を行う。
 
(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条
 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(威力業務妨害)
第二百三十四条
 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。」


今回の事件では、名誉毀損罪で書類送検したのが大阪府高槻市の国立大職員の男性(45)や千葉県松戸市の男性会社員(35)、札幌市の女子高校生(17)らであり、他方、脅迫の疑いで書類送検したのが川崎市の女性会社員(29)です。このように、それぞれ、名誉毀損罪のみ、脅迫罪のみを適用した処理を行っています。

しかし、タレントのブログに対して、「犯罪者死ね」などという誹謗中傷の言葉を書き込み、「芸能活動に支障が生じた」ことは、脅迫罪、名誉毀損罪、侮辱罪、信用毀損罪又は威力業務妨害罪のすべてを適用することも可能ですから、警察庁はずいぶんと恩情をかけたように思います。それは、「警視庁の狙いは事実無根の書き込みが拡散し、新たな中傷を生むネット社会の悪弊に歯止めをかけること」(読売新聞)にあるため、恩情をかけても「歯止め効果」はあるということなのでしょう。


(1) 朝日新聞の記事の見出しに「中傷か意見か 線引きが課題」とあるように、ネットでのコメントが名誉毀損罪や侮辱罪(=中傷)に当たる犯罪なのか、それとも批判意見にすぎないのか(=適法行為)、の区別を判断するのが難しいことがあることも、事例によってはあることは確かです。

しかし、ネットでの誹謗中傷事例について、犯罪(名誉毀損か侮辱)か否かの判断につき、多くの事例はさほど難しいとは思えません。

 イ:名誉毀損罪は、不特定多数人が認識しうる状態で、具体的に人の社会的評価を低下させる事実を告げることで成立するのであり、例外的に、人の名誉を毀損する行為が、公共の利害に関する事実にかかり、その目的が専ら公益を図るに出たものと認めるときには、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しないとするものです。

ところが、ネットでの誹謗中傷の事例では、スマイリーキクチさんへの誹謗中傷の事例のように、そもそも事実の公共性や目的の公益性が乏しく、しかも調査をした上での批判ではないので、例外要件を満たすものがほとんどなのです。今回の事件では、警察庁の事情聴取に対して、(ネット上の掲示板の情報を読んで)「殺人犯だと思い込んでしまった」などと供述している者もいます。このように、自分でよく調べることなく、ネット上の掲示板の情報を簡単に信じ込んでしまった挙句に、誹謗中傷をしているのが典型といえるのです。


 ロ:また、侮辱罪にいう「侮辱」とは、他人の人格に対する単なる軽蔑の価値判断の表示を意味しています(大塚仁「刑法概説(改訂版)」(有斐閣、昭和62年)145頁)。「馬鹿野郎」「税金泥棒」「売国奴」といった被害者の社会的地位、状態に対する、抽象的な事実で一定の軽蔑的言辞を表示することが、典型例です。

ネット上の誹謗中傷では、「馬鹿野郎」程度の言葉、例えば、「医療テロリスト」「○○カルト」と罵るなどといった、「侮辱」に該当する言葉はさほど珍しくありません。そして、いくら批判的意見であったとしても、侮辱罪に該当する言葉が含まれているのであれば、いわゆる「公正な評論」に当たるといった例外的な事情がない限り、侮辱罪は成立するのです(大塚仁「刑法概説(改訂版)」(有斐閣、昭和62年)146頁)。


 ハ:このように、ネット上の誹謗中傷事例については、いくら批判的意見であったとしても、名誉毀損罪又は侮辱罪として犯罪行為となるか、適法行為か否かの区別はさほど困難であるようには思えないのです。



(2) 今回の事件に限らないとは思いますが、特徴的な点は、「安易な誹謗中傷」と「身勝手な正義感」という点です。

「今回の事件では、警視庁の事情聴取に対し、多くは「気軽に書き込んでしまった。こんなことになるとは思わなかった」などと供述しているという。書き込みする人は今後、炎上に安易な気持ちで加わるだけで捜査対象になることを肝に銘じるべきだ。(2009年2月5日 読売新聞)」


 「警視庁中野署によると、名誉毀損容疑で書類送検されるのは、札幌市の女子高校生(17)や神奈川県の会社員の男(41)、滋賀県の会社員の男(35)ら男女18人。全国各地に住み、職業もばらばら、互いに面識もなかった。
 中傷を書き込んだのはほかにもいたとみられるが、18人は自宅や職場のパソコン、携帯電話を使って書き込み、特定された。 「(殺人に関係したとする)書き込みを事実だと信じていた」 「事件に関与した人がタレント活動しているのは許せなかった」などと話しているという。
 数百件の書き込みのなかにはおもしろ半分で書いたものもあるとみられる。だが、今回事情を聴かれた全員はブログを「炎上」させる目的だったと語ってはおらず、犯罪になるという意識も全くなかったようだという。中野署は「身勝手な正義感だ」と印象を話す。」(朝日新聞)


 イ:「気軽に書き込んでしまった。こんなことになるとは思わなかった」などという供述から分かるように、書いた時点では、名誉毀損罪などといった犯罪行為に当たるとの意識がまるでなかったのです。

合理的な根拠もなく殺人犯だったと軽信して、他人を人殺し扱いしておきながら、名誉毀損罪に該当するおそれを考慮することさえしない安易さと思い込みの激しさ。およそ論理的な思考力が欠けているように思えるのです。

警視庁中野署は平成21年2月5日までに、17~45歳の男女計18人を名誉棄損の疑いで書類送検する方針を決めています。17歳はともかく、大阪府高槻市の国立大職員の男性(45)や千葉県松戸市の男性会社員(35)のように、およそ思慮分別がなくてはならない年齢であっても、「安易な誹謗中傷」に走ってしまっているのです。


 ロ:始末に終えないのが、「身勝手な正義感」に基づいた行動だったという点です。 

「事件に関与した人がタレント活動しているのは許せなかった」などと話しているようですが、「犯罪に関与したことがある人は、出所後も自由な行動をすることができない」なんて、そんな決定権は一個人にはないのに、なぜ、そうした「正義感」を振りかざすのでしょうか。正義感に基づけば、他人を人殺し扱いしても許されるとでも思っているのでしょうか。

いわゆる「ネット医師」らによる、医療被害者に対する誹謗中傷についても、「誹謗中傷は仕方ない」と擁護する医師さえいるのです(鳥集徹『ネットで暴走する医師たち』(WAVE出版、2009年)220頁など参照)。こうした誹謗中傷を擁護する姿勢は、犯罪行為であるという意識を鈍磨させ、または、犯罪行為であるという意識を失わせるものですから、今後とも誹謗中傷を行うことを助長させることにつながります。こうした誹謗中傷の擁護は、「身勝手な正義感」の一例のように思えるのです。

このような身勝手な正義感に基づく行動であって、およそ犯罪行為であるという意識がないとなれば、およそ違法行為であって行ってはいけないという規範的な障害がないのですから、思いとどまるという心理状態になりません。

「警察庁によると、07年のネット上の名誉毀損や中傷に関する相談は8871件と03年の3倍。検挙も増え、名誉毀損は79件(05年47件)、脅迫は59件(同39件)となっている。」(朝日新聞)


ネット上での名誉毀損・侮辱・脅迫事例について、相談件数も検挙数も増えています。「身勝手な正義感に基づく行動であって、およそ犯罪行為であるという意識がないとなれば」、今後もより多数の検挙をするしかないように思われます。




3.最後に。

(1) 読売新聞平成21年2月8日付「社説」

ネット暴力 「表現の自由」には責任が伴う(2月8日付・読売社説)

 全く身に覚えのないことを言いふらされ、非難されたら、どれほど嫌な気分だろう。

 インターネット上で他人を中傷する行為は、「表現の自由」をはき違えた卑劣な犯罪だ。

 警視庁は、男性タレントのブログに事実無根の内容を書き込んだとして、17~45歳の18人を名誉棄損容疑で近く書類送検する。殺害予告を書いた別の1人については、脅迫容疑で書類送検した。

 18人は、東京都足立区で20年前に起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件にこの男性タレントが関与したとするでたらめな話を多数書き込み、名誉を傷つけた疑いが持たれている。

 「炎上」と呼ばれるブログなどへの集団攻撃が一斉摘発されるのは、今回が初めてになる。

 悪質な行為を取り締まるのは当然だ。ブログなどを閉鎖に追い込むため、あおる者もいる。警察は今後も厳正に対処すべきだ。

 憲法で保障された「表現の自由」は、健全な社会を守るためにある。匿名に身を隠したネット上での言葉の暴力とは、無関係だ。

 ネットへの書き込みをめぐっては、自分のホームページに不確かな情報を掲載し、飲食店経営会社を中傷したとして、名誉棄損罪に問われた男性被告が、東京高裁で先月末、逆転有罪となった。

 ネットの個人利用者に限って名誉棄損の基準を緩めた1審の無罪判決に対し、高裁は「被害者保護の点で相当ではない」と批判した。妥当な判断である。

 ネットでの中傷被害は増えており、昨年も中高校生が自殺している。警察庁によると、警察への相談は、2007年に過去最高の約8900件に上っている。

 韓国では、事実に反する内容を書かれた有名女優が昨年秋に自殺した。これを受け、与党がサイバー名誉棄損罪などを新設する刑法改正案を国会に提出している。

 日本では青少年保護を目的とした有害サイト規制法が昨年6月に成立し、4月から施行される。

 罰則はないが、施行後3年以内に必要なら見直すことになっている。今回のような事件が相次ぐ場合には、罰則を伴う内容への改正や新たな法整備を検討する必要も出てくるだろう。

 誰でも情報を発信できる時代だが、それには責任も伴う。

 ネット利用者は、使い方次第で自らの手足を縛りかねないことを認識しておかねばならない。子どものころから、家庭や学校で安易な利用の危険性を教えていくことも大切だ。

(2009年2月8日01時25分 読売新聞)」



(2) 他の新聞社も、

<1>「ネットの中傷―表現の舞台を汚す卑劣さ」(朝日新聞平成21年2月6日付「社説」)、
<2>「ネットの発言 ルールと責任自覚して」(信濃毎日新聞平成21年2月7日付「社説」)、
<3>「ブログ『炎上』 ネット中傷は許されぬ」(北海道新聞平成21年2月8日付「社説」)、
<4>「ブログ中傷被害 匿名暴力に歯止めかけよ」(琉球新報平成21年2月8日付「社説」)、
<5>「ブログ中傷立件 責任持ったネット社会に」(山陽新聞平成21年2月8日付「社説」)、
<6>「ネット中傷摘発 行き過ぎは犯罪と自覚を」(産経新聞平成21年2月8日付「主張」)

などと、どれもすべてネット上の誹謗中傷を非難する社説を掲載しています。

ネットでの誹謗中傷行為の集団摘発は、ネットの監視、規制強化の1つとして「表現の自由」が侵害されるとの指摘も可能でしょう。表現の自由(憲法21条)が憲法上、保障されていることからすれば、本来的に、表現行為に対して規制をすることは好ましいことでないのです。

しかしながら、今回の事件のように、事実にもとづいて自分の考えを冷静に伝えるのではなく、誰かを根拠もなく罵る行為は真っ当な意見表明ではなく(朝日新聞平成21年2月6日付「社説」)、そうした無責任な誹謗中傷表現は、いくら表現の自由の1つといえども制約(処罰)を受けて当然なのです。今後も無責任な行為が横行するようでは、より厳しい規制をするしかありません。

「悪質な行為を取り締まるのは当然だ。ブログなどを閉鎖に追い込むため、あおる者もいる。警察は今後も厳正に対処すべきだ。」(読売新聞「社説」)


学校や学年の話題を扱う非公式のネット掲示板「学校裏サイト」などでも、個人が集中攻撃されるネットいじめが頻発しています。「ネットでの中傷被害は増えており、昨年も中高校生が自殺している。警察庁によると、警察への相談は、2007年に過去最高の約8900件に上っている」ほど深刻なのです。こうしたネットでの中傷被害は、増大することが予想されるのですから、被害防止の手立ては急務です。

山陽新聞平成21年2月8日付「社説」によると、「今回の事件で書き込んだ十九人全員が『犯罪になるとは思わなかった』と供述した」そうですし、「『殺してやる』と書き込んだ脅迫容疑の女は『正義感のつもりだった』という」のです。もちろん、現実に「殺してやる」というつもりはなく、いわゆる「ネット弁慶」にすぎず、ネット上だけで気が大きくなってしまっているのでしょうが、「犯罪者死ね」などと罵っておきながら犯罪になると思わないほど、論理的な思考力が低下していることにこそ問題があるように思えます。

このようなことからすれば、ネット上の誹謗中傷行為については、警察による厳正な対処はもちろんですが、ネット上のマナーを学べる環境整備、そして何よりも重要なことは、「子供に限らず大人に対しても、法教育を行い、かつ、安易にネット上の情報を信じることを止めさせ、論理的な思考力を身に付けさせることが必要」であると考えます。


テーマ:法律全般 - ジャンル:政治・経済

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コメント
この記事へのコメント
コメントには注意、でもサイバー侮辱罪は勘弁
春霞さん、こんにちは。
今回の件で、思い浮かんだのは、韓国で審議されているサイバー侮辱罪です。名誉毀損、侮辱罪は共に親告罪で、今回も、ご当人の親告に基づいて、捜査がされたと理解しています。韓国のサイバー侮辱罪は、親告罪ではなく、未然に被害を防ぐ観点(?)から、警察が独自にサイバー侮辱罪と判断し逮捕するものと理解しています。もし、この種の法案が通れば、為政者への批判が広範にサイバー侮辱罪とされる危険もありとても懸念しています。ネットでのコメントは、それを書かれる人の気持ちを考えて、注意したいと思います。
2009/02/09 Mon 20:08:21
URL | 散策 #TY.N/4k.[ 編集 ]
なんで通例が通用しないんでしょうかね
ネットなら何をやっても許される、いつの間にかそんな無法が当たり前になっているように思われます。

少なくともそれは、「匿名での行為だから加害者を特定できない」という前提があったからであり、書き込んだ本人が特定できるのなら、当然、通常通りの罪で罰せられるべきなんじゃないかと思いますね。何で甘いんでしょうね。

これは、学校のいじめも同様で、最終的に少年法による免罪はあるにしろ、罪を犯した子供は、きちんと脅迫や殺人教唆で逮捕するべきです。少しはいじめも減るんじゃないかと思いますが、これもなかなか。

法律素人の私には、日本の「法」ってのは、いつも恣意的な感じがします。
2009/02/10 Tue 21:15:16
URL | しど #Gel/0dxs[ 編集 ]
よくネット以外のことを「リアル」と云うネットスラングを見かけますね。被告たちは「リアルの世界でないから治外法権。好きな自分に変化して好きなようにやる」と思っていたのでしょうか。高校生の人はわかりませんが、29歳会社員と45歳大学職員はきっと周りの人からしたら「そういうことをするとは信じられない」と思われていそうですよね。
、最近は「SNSでの友人との方がネット以外でも付き合いが深い」なんて例は沢山ありますから、もう「ネットは非現実」の世界として見做す事は出来ない世の中になっているのではないでしょうか。

しかしなんでキクチさんはこういう目に遭ったんでしょうか、よくあるいい加減な都市伝説の類なんでしょうか。怖い話ですね。
2009/02/11 Wed 16:20:22
URL | Isolar #ubLym0mo[ 編集 ]
>散策さん:2009/02/09 Mon 20:08:21
コメントありがとうございます。


>今回の件で、思い浮かんだのは、韓国で審議されているサイバー侮辱罪です。
>名誉毀損、侮辱罪は共に親告罪で、今回も、ご当人の親告に基づいて、捜査がされたと理解しています。
>韓国のサイバー侮辱罪は、親告罪ではなく、未然に被害を防ぐ観点(?)から、警察が独自にサイバー侮辱罪と判断し逮捕するものと理解しています。

日本の刑法上、名誉毀損罪及び侮辱罪は、親告罪(232条1項)ですが、親告罪としたのは、被害者の意思を無視してまで訴追する必要が認められないことと、訴追することによって被害者の名誉をさらに侵害するおそれがあることを考慮したためです(大塚仁「刑法概説(各論)」147頁)。

しかし、告訴は、訴訟条件(=訴訟が適法に遂行されるための条件)であって捜査の条件ではないので、告訴がなくても親告罪の捜査をすることができると一般に解されています(大判昭和8・9・6刑集12巻1593頁など。なお、告発について、最決昭和35・12・23刑集14巻14号2213頁がある)。

もし、親告罪について告訴がなければ、一切捜査ができないというのでは、告訴期間の徒過する直前に告訴がなされたような場合、捜査を遂げることができなくなってしまいます。また、性犯罪の場合には、刑訴法改正によって告訴期間が撤廃された(235条1項1号)ので、告訴があるまで捜査できないとすると、場合によって証拠の散逸などにより捜査の目的をなしえない事態が生ずるという不合理も生じます(安冨潔教授のHP参照)。

ですから、親告罪で告訴がなされる前であっても、現在の日本の刑事法の下では、警察が侮辱罪と判断し捜査することは可能ですし、場合によっては告訴なしに捜査をする必要性さえもあるのです。そして、韓国の事情はよく知りませんが、逮捕をするにはそれだけの根拠が必要ですから、すぐさま逮捕といった強制処分を行うことはないのが通常です。

ですから、散策さんが、<1>告訴が不要である点で、サイバー侮辱罪への危惧を示すこと、<2>サイバー侮辱罪が創設されると、警察がすぐさま逮捕行為にでるかのように理解されていることは、十分な根拠のある危惧とは思えません。言い換えれば、現行法でも、 捜査機関がさほど濫用していないだけにすぎないので、散策さんは、現行法でも心配すべきではないでしょうか。

ちなみに、スマイリーキクチさんへの中傷被害事件では、親告罪でない、信用毀損罪又は業務妨害罪の成立も十分に可能ですし、脅迫罪も親告罪ではないので、告訴なしに逮捕が可能でした。


>もし、この種の法案が通れば、為政者への批判が広範にサイバー侮辱罪とされる危険もありとても懸念しています。

すでに述べたように日本の刑事法下でも、告訴なしに捜査が可能なのですから、告訴なしに為政者への批判が「広範囲に侮辱罪とされる危険」があります。韓国の市民の間ではサイバー侮辱罪への批判が強いようですが、日本の警察も、サイバー侮辱罪がなくても同様の対応は可能なのです。

なので、「この種の法案が通れば、為政者への批判が広範にサイバー侮辱罪とされる危険」という論理は、今一歩よく分からない感じがします。おそらく、公安警察あたりは、為政者の指示がなくても、名誉毀損・侮辱発言につき、捜査しているのではないでしょうか?


>ネットでのコメントは、それを書かれる人の気持ちを考えて、注意したいと思います。

そうですね。物事は多くの事情を考慮して判断するべきですから、発言・コメントをする場合も同じといえます。

確かに、ネット上の誹謗中傷には強烈なものが少なくないです。例えば、いわゆる「ネット医師」の一人は、マスコミで発言した医療事故被害者遺族の実名を挙げて、「あほは、死ね!」とまで書いてしまうのです(鳥集徹「ネットで暴走する医師たち」213頁)。常軌を逸しているとしか言いようがありません。今の「ネット医師」たちの発言を見聞きするたび、捜査機関は、名誉毀損罪や侮辱罪での摘発を増やしていくべきではないかと感じます。

日本において「サイバー侮辱罪」法案を検討する動きがない以上、その是非を問題するのは留保しますが、ネット上で繰り広げられる、常軌を逸したような中傷を抑制する手立ては急務であると思います。もちろん、すぐさま刑事罰で対応せよということでなく、ネットマナーくらい学習すればいいのに、と思います。
2009/02/12 Thu 22:53:26
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
春霞さん
トラックバックありがとうございます。解説拝見いたしました。ありがとうございました。
2009/02/13 Fri 07:23:05
URL | 散策 #TY.N/4k.[ 編集 ]
>しどさん:2009/02/10(火) 21:15:16
コメントありがとうございます。


>少なくともそれは、「匿名での行為だから加害者を特定できない」という前提があったからであり、書き込んだ本人が特定できるのなら、当然、通常通りの罪で罰せられるべきなんじゃないかと思いますね。何で甘いんでしょうね。

確かに甘いですね。デマに基づいた名誉毀損・侮辱表現や脅迫表現なんて、表現の自由の尊重を謳うのはおこがましいですし。

朝日新聞の記事によると、「今回、中野署はキクチさんから被害の訴えを受け、裁判所から差し押さえ令状を取りプロバイダーや携帯電話各社に接続履歴を開示させた」形です。警察側としては、こうした手続が面倒であるため、甘い結果になっているのかもしれません。


>これは、学校のいじめも同様で、最終的に少年法による免罪はあるにしろ、罪を犯した子供は、きちんと脅迫や殺人教唆で逮捕するべきです。少しはいじめも減るんじゃないかと思いますが、これもなかなか。

酷いいじめは、当然、脅迫や殺人教唆での逮捕もする必要があると思います。その点では、しどさんと同感です。

ただ、学校でのいじめの場合、今の加害者が、以前はいじめの被害者だったりするなど、立場が入れ替わりやすいのです。いじめに同調しないと、自分がいじめに遭うことも。厳しい処罰ではなかなか対処が難しい感じがします。


>法律素人の私には、日本の「法」ってのは、いつも恣意的な感じがします。

法は公平なのですが、運用・適用の面で恣意的になっているようです。
2009/02/15 Sun 22:28:40
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>Isolarさん:2009/02/11(水) 16:20:22
コメントありがとうございます。


>高校生の人はわかりませんが、29歳会社員と45歳大学職員はきっと周りの人からしたら「そういうことをするとは信じられない」と思われていそうですよね。

そう思います。本人に会ってみると、意外と弱弱しい人物が書いていたかもしれませんね。いわゆる「ネット弁慶」の類のように思います。いい年をして、デマを信じて誹謗中傷を書いていたなんて、少しは恥じ入ってほしいところです。


>最近は「SNSでの友人との方がネット以外でも付き合いが深い」なんて例は沢山ありますから、もう「ネットは非現実」の世界として見做す事は出来ない世の中になっているのではないでしょうか。

なるほど。個人的には、SNSはやっていませんので、ちょっと分かりかねるところがありますが、そこまで「ネットの世界と現実が一致している」のなら、ネットでの誹謗中傷を控えて欲しいですね。


>なんでキクチさんはこういう目に遭ったんでしょうか、よくあるいい加減な都市伝説の類なんでしょうか。怖い話ですね。

色々と妙な噂だけはずっとあったようで、そうした噂やデマをもとにして誹謗中傷を繰り広げたようです。デマや「いい加減な都市伝説」に踊りやすいのが日本人の特性かもしれません。
2009/02/15 Sun 22:31:53
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>散策さん:2009/02/13(金) 07:23:05
コメントありがとうございます。


>トラックバックありがとうございます。解説拝見いたしました。

サイバー侮辱罪に関して、日本の親告罪の捜査につき、解説をしてみました。幾らかでも参考になればと思います。
2009/02/15 Sun 23:02:01
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
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