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「世界的な経済危機の影響で雇用情勢が悪化し、「貧困」が深刻化する中、政治に目覚め、共産党に入党する人が増えている。なぜ、共産党なんですか?」(朝日新聞平成21年1月11日付朝刊1面)
1.いまなぜ、共産党に入党する人が増えているのでしょうか?
(1) 世論調査では、自民党や民主党の支持率に注目が集まり、特に共産党に注目されることは少ないのが現実です。例えば、つい最近発表された「東京新聞平成21年1月12日付朝刊1面」掲載の世論調査でも、共産党支持率についての記述はごくわずかです。
「麻生内閣70%不支持 全国電話世論調査 支持19%に下落
2009年1月12日 朝刊
共同通信社が十、十一両日に行った全国電話世論調査で、麻生内閣の支持率は昨年十二月の前回調査から6・3ポイント下落し19・2%となった。不支持率は8・9ポイント増の70・2%と森内閣以来約八年ぶりに70%を超えた。定額給付金については「評価しない」が70・5%と、昨年十一月の同様の調査から12・4ポイント増加。「評価する」は23・7%(7・7ポイント減)だった。
麻生太郎首相と民主党の小沢一郎代表の「どちらが首相にふさわしいか」への回答は、小沢氏が46・4%(11・9ポイント増)で麻生氏の22・1%(11・4ポイント減)の二倍以上になった。国民の「麻生離れ」は危機的水準に達し、首相はより厳しい政権運営を強いられ、衆院解散・総選挙に踏み切る時期の判断でも一層困難を迫られることになった。
内閣不支持理由は「経済政策に期待が持てない」28・8%、「首相に指導力がない」22・6%、「首相が信頼できない」18・2%だった。首相適格で小沢氏を選んだ理由は「政策に期待できるから」36・9%が最多だったのに対し、麻生氏の場合は「自民党だから」42・4%が最も多かった。
望ましい政権の枠組みは「民主党中心」が51・4%と過半数になり「自民党中心」30・5%に20・9ポイント差をつけた。次期衆院選比例代表での投票先も、民主党が39・7%で自民党26・3%を13・4ポイント上回った。
政党支持率も民主党が2・4ポイント増の31・1%、自民党は1・4ポイント減の27・5%と、麻生内閣では初めて民主党が上回った。
「二兆円の財源を優先的に使うべき政策」の回答では、定額給付金は3・3%と最少。「年金・医療など社会保障」42・0%が最多で、次いで雇用対策26・3%、減税11・2%、少子化対策10・7%、公共事業4・5%の順だった。
望ましい衆院解散・総選挙の時期は「今すぐに」33・7%、「二〇〇九年度予算案成立後の四月ごろ」32・7%を合わせ大半が早期実施を求めた。「通常国会が終わる六月ごろ」12・5%、「解散しないで九月の任期満了」は15・1%だった。
自民、民主両党以外の政党支持率は、公明2・2%、共産3・6%、社民2・4%、国民新0・4%、新党日本0・2%、支持政党なし30・8%だった。
▽調査の方法=全国の有権者を対象に10、11両日、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に有権者がいる世帯にかかったのは1477件、うち1025人から回答を得た。」
(2) もはや、真っ当な国民は麻生政権を見捨てており、もちろん自民党・公明党にも期待していないはずです。自民党や公明党に期待しないとしても、民主党でなく、なぜ共産党に入党するのかについての理由を知ることは、意義があることだと思い、朝日新聞平成21年1月11日付朝刊1面の記事を紹介したいと思います。
(平成21年5月3日追記:この朝日新聞の記事につき、訂正及び「お詫び」記事がありましたので、最後に引用しておきます。)
(朝日新聞のHPでは、「派遣切り、限界集落……そこに『共産党』」という見出しですが、13版の紙面の見出しに変更しています。紙面にある記述も追加し、1・2面に分かれている紙面に合わせています。)
(1) 朝日新聞平成21年1月11日付朝刊1面(13版)
「失業…そこに共産党
2009年1月11日8時38分
「派遣切りは許せません」
1月5日午前8時。三菱電機名古屋製作所(名古屋市東区)前で出勤してくる従業員にビラを配る人の中に、佐藤剛さん(仮名)がいた。
キャバクラ嬢のスカウトや客引きの経験があるというだけあって、声がよく通る。両手をポケットに突っ込んだまま完全無視を決め込む人には少しカチンとくるが、よく考えたら自分も1カ月前まではああだったな、と思う。
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昨年12月5日夕。仕事を終え家路を急いでいると、「ハケンギリ」という言葉が耳をかすめた。出所を探し、辺りを見回す。ビラを配っている人たちがいることに気づき、引き返して、もらった。
その3日前、まさに切られた。5月から三菱で派遣社員として働き、2月末までの雇用契約を更新したわずか3日後、1月9日付での解雇と寮からの退去を通告された。
北海道出身の33歳。地元の高校を卒業後、職を転々とし、3年半前に愛知県へ。三菱では1日約8時間、製品検査などの流れ作業をこなした。手取りは月約10万円。
寮の自室でビラを開いた。「派遣・期間工・契約社員でも期間途中の一方的解雇は違法」に衝撃を受けた。
正社員でないから「雇用の調整弁」扱いされることは覚悟していた。解雇を通告された時、真っ先に去来したのは「予想より早かったな」というあきらめだった。何の補償もなく職も家も奪われて放り出されても、派遣だから仕方ないかと思っていたが、そうか。だまされてたんだ――。
「やり方が汚い」。このまま泣き寝入りしたくない。携帯電話を取り出し、ビラに載っている番号を押した。そこには「相談はどんなことでも日本共産党へ(無料)」とあった。
翌日、共産党の名古屋北西地区委員会で、専従職員の石田進さん(36)に相談に乗ってもらった。1人でも誰でも入れる労働組合をつくり、三菱や派遣会社と闘っていくことを決めた。1週間後、石田さんに入党を誘われた。選挙には一度も行ったことがない。ただ、派遣労働を原則自由化する99年の法改正に唯一反対したと聞き、「入れて下さい」と即答した。
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「年末より人が減ってませんか」。5日、三菱の前での新年初のビラ配りの合間に佐藤さんが耳打ちすると、石田さんは「派遣の人が相当切られてる感じだね」。それでも1時間で500部のビラがはけた。1年前は20部がやっと。昨秋以降、空気が劇的に変わったという。
昨年12月下旬、佐藤さんらは「名古屋北部青年ユニオン」を立ち上げ、三菱に団体交渉を申し入れた。同じように派遣切りにあった人から連日、「声をあげてくれてうれしい」「私も闘いたい」というメールがユニオンに舞い込む。自身は寮にとどまって次の職を探している。先行きは明るくない。
こんなゆがんだ社会はいつか根底から変わらざるを得なくなるぞと夢想してきた。しかし、傍観者としてその時を待つより、自ら動いた方がはるかに楽しい。
「社会を変えたい。オバマじゃないけど、『チェンジ』ですよ」
◇
世界的な経済危機の影響で雇用情勢が悪化し、「貧困」が深刻化する中、政治に目覚め、共産党に入党する人が増えている。なぜ、共産党なんですか?」
(2) 朝日新聞平成21年1月11日付朝刊2面「ルポにっぽん(Reportage NIPPON)」
「誰かに聞いて欲しかった
昨年12月、名古屋市のうどん屋で、共産党員になったばかりの増山雅一さん(43)と向き合った。「いっぱい食べて下さい」。定食をすすめると、「ギリギリの生活で、すっかり胃が小さくなっちゃって」とおなかをさすった。
5年前から派遣社員として全国を回ったが、昨年9月、次の職場が見つからずホームレス状態に。何とか以前いた会社に戻ったものの、人減らしで仕事量が倍増していた。腱鞘(けんしょう)炎や胃痛になっても、国民健康保険料を滞納していて病院に行けない。夜勤中、製品を持ったまま失神すると、正社員は「気をつけてよ。高いんだから」。そこも10月で切られた。
昨年11月24日、金策のため故郷・栃木へ向かった。途中、弟から携帯に電話が入り、静岡県・浜名湖畔の駅で下車。口論になってホームで泣き叫んで……そこから記憶がない。気づいたら駅の事務室にいて、駅員から「線路を渡って新幹線に飛び込もうとしていたので取り押さえた」と教えられた。
生きるしかない、でもそのすべがわからない。ふと「困ったことがあったら共産党に行け」という叔父の言葉を思い出し、地区委員会を訪ねた。
東京の有名私大を卒業してカード会社に就職したんですが、8年で辞めました。父親が借金苦で自殺したのに債権回収の仕事に回され、心と身体が壊れちゃって。でもあの時、栃木に戻らず東京で次の職を探していればこんなことには――。話し出したら止まらなかった。誰かに聞いて欲しかったんだ、と気づいた。
入党を勧められた時、わが身すら支えられない劣等感もあって二の足を踏んだ。でも「同じ境遇の人に『一人で悩まないで』と呼びかけて」と言われ、「自分も何かの力になれるかな」と決意した。現在、家を失った人の自立支援施設からパートに出ている。
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「今月末で自主退職して下さい」。愛知県に本社を置く住宅会社の営業マン、藤川修さん(43、仮名)は昨年11月末、人事担当者にこう言い渡された。会社は前年比130%の増収で、社長を含め社員は4日前にグアム慰安旅行から帰ってきたばかりだった。
上司や同僚は見て見ぬふりを決め込んだ。当事者もバラバラで、「連帯して会社と闘うなんて、とてもできなかった」。これまで仕事だけちゃんとやっていればいいんだと思って生きてきた。だが、自分と社会の両方を考えなければダメだ、と思い知った。
共産党に投票したことは一度もない。05年総選挙は「自分の言葉を持っている小泉さんのファンだった」から自民党に入れた。昨年9月、インターネットで志位委員長の演説を聴き、「いいこと言ってるな」と、しんぶん赤旗の見本紙を注文していた。会社が退職金に給与1カ月分上乗せなどの条件をのんだので退職し、入党した。
■悲鳴拾えぬ二大政党
「共産党をよく思っていなかった人も、『助けてくれるのはもうここしかない』と勇気を振り絞って接触してくるようになった」。ある地区委員会の幹部は言う。
自民党に電話したら「一般市民の相談には応じない」と言われたという失業中の40代の女性。派遣切りで役所に相談に行ったら「そういうことなら共産党に」と勧められたという32歳の男性。「退職を強要されたが、役所も労組も閉まっていて、土日も相談に乗ってくれるのは共産党だけだった」という25歳の男性……。まるで現代の「駆け込み寺」だ。
小選挙区制導入後、自民、民主の二大政党制が進んだ。しかし、「働く貧困層」のような新たな課題、地域固有の切実な問題に、政治はこたえきれていない。生活がそれなりに回っている時、不当に扱われて不満があっても、多くの人は抗議の声をあげなかった。だが、がけっぷちに立たされ、声を上げるしかない状況に追い込まれた時の足がかりとして、全国に約2万2千の支部を置く共産党やNPOのドアがノックされている。
「仕事の悩み、一緒に解決しましょう」。共産党も2年ほど前から、街頭でまくビラを雇用問題に焦点を当てたものにするなど工夫をこらしている。実際、インターネットの検索エンジンに、「雇用」「派遣切り」「リストラ」といったキーワードを入れると、共産党のページが上位に並ぶ。それを読んで電話してくる人も多い。
「でも、彼らの政治的な受け皿が共産党しかない、みたいな今の状況は……」。私が言葉を継ぐのをためらうと、先の幹部は「それは、悲劇ですよ」と引き取った。
党員増を喜んでばかりもいられない。彼らと手を携え、実際に政治を動かしていけるのか。
「共産党もまた、試されているのです」
■山村の高齢者も続々
奈良県橿原市からレンタカーに乗って約1時間半。国道169号を左に折れ、車1台通るのがやっとの山道に入る。ヘッドライトの光は夜の闇にのみ込まれて頼りなく、一向に視界は開けないのに、カーナビはここが目的地周辺だと告げて勝手に案内を終了してしまった。恐怖心を抑え、10分と少し進む。ようやく、人家の明かりが見えた。
奈良県川上村井光(いかり)。住民95人のうち67人が65歳以上という「限界集落」だ。昨年3月以降、60〜85歳の計10人が新たに共産党員になった。
夫婦で入党した前北均さん(79)の自宅に昨年11月末、同じように入党した女性3人が集まった。みんな元山林労働者で、労組の関係から旧社会党を支持していたという。入党したのは、井光に住む村唯一の共産党村議、塩谷章次さん(63)に頼まれたから。塩谷さんに誘われ、マイクロバスで党幹部の講演を聴きに行き、親近感も抱いていた。
「こないだの志位さんの話は、思わず身を乗り出すほどええ話やったねえ」
「ほんまやな。ま、家に帰ってきたら全部忘れてしもとったけどな(笑)」
別に共産党でなければならないわけではない。ただ、自分たちの不満や不安に耳を傾け、つながりを持とうとしているのは共産党しかない、と感じている。
時折、塩谷さんが共産党の政策やビジョンを語るが、すぐにまた話は、いかに生活が大変かに戻る。後期高齢者医療制度の保険料負担が重い。民営化で郵便配達員にお金を預けられなくなった。自家用車がないと、病院に行くにも年金を引き出しに行くにもタクシー代がかかる……。
村には高校がない。子どもは15歳で村を離れ、それきり戻って来ない。かつては吉野杉の産地として知られたが、安い外材に押され低迷。65年に7200人いた人口は、2千人を切った。今春、中学生が卒業すると、井光には子どもがいなくなる。「10年後、ここは消滅してるかもな」。掘りごたつを囲んでいた陽気な笑い声が沈黙に変わった。
川上村の衆院奈良4区は、次の総選挙で自民と民主の一騎打ちとなる見込みだ。水面下で「選挙区は民主、比例は共産」という「選挙協力」が進む。主導しているのは、村の元森林組合長(85)。50年来の自民党員だが、郵政民営化を契機に民主党支持に変わった。「民営化は必ず、地方や弱者の切り捨てにつながる」。共産党に投票することに抵抗感はないという。
「自分の考えを持って行動しないと、村も政治もよくならないと思うようになった。それがなかったら、惰性で死ぬまで自民党支持だったかもしれない」(高橋純子) 」
「■党員も「赤旗」購読者も増加傾向
共産党広報部によると、党員数は90年の約50万人をピークに減少。94年以降は40万人前後で推移していたが、07年9月から昨年12月末までの間に約1万4千人が新たに入党した。低迷を続けた機関紙「しんぶん赤旗」の購読者数も昨年5月以降、8カ月連続で増え、新規購読者は約2万人に上る。」
3.幾つかの点に触れていきます。
(1) 1点目。
「寮の自室でビラを開いた。「派遣・期間工・契約社員でも期間途中の一方的解雇は違法」に衝撃を受けた。
正社員でないから「雇用の調整弁」扱いされることは覚悟していた。解雇を通告された時、真っ先に去来したのは「予想より早かったな」というあきらめだった。何の補償もなく職も家も奪われて放り出されても、派遣だから仕方ないかと思っていたが、そうか。だまされてたんだ――。
「やり方が汚い」。このまま泣き寝入りしたくない。携帯電話を取り出し、ビラに載っている番号を押した。そこには「相談はどんなことでも日本共産党へ(無料)」とあった。
翌日、共産党の名古屋北西地区委員会で、専従職員の石田進さん(36)に相談に乗ってもらった。1人でも誰でも入れる労働組合をつくり、三菱や派遣会社と闘っていくことを決めた。」
イ:共産党に入党する理由の1つは、共産党だけが正しい情報を積極的に提供してくれたということです。この記事に出ている「ビラ」の内容は、おそらく次のようなものです。
「派遣でも、正社員でも、新卒でも“権利”があります
「契約期間が残っているのに…」
――中途解雇は原則禁止です
“契約期間が残っている派遣労働者を全員解雇”こんなむちゃくちゃは法律で禁止されています。期間・派遣労働者など有期雇用労働者の中途解雇については、倒産の危機など「やむを得ない事由」がなければできません。正社員の解雇よりも、企業側に厳しい条件が課せられているのです。
●労働契約法17条
「会社が大変だからやめてといわれ…」
――企業の勝手な都合による解雇は無効です
正社員でも派遣でも、経営上の都合による解雇は「整理解雇の4要件※」を満たさない限り無効です。法律にも、合理的な理由のない解雇、社会通念として正当と認められない解雇は「無効」と明記されています。
●整理解雇の4要件
●労働契約法16条
「内定を取り消しだって…」
―― 一方的な取り消しは違法です
いま働いている労働者だけでなく卒業後の採用が内定していた学生も、内定の段階で、労働契約を結んだものと扱われます。一方的な「取り消し」は違法行為です。」「キーワード・派遣切り」(赤旗)
ロ:もっと詳しい説明としては、「自由法曹団」の『「派遣切り」などの大量首切りに反対し、労働者の雇用と生活を守ることを要求する声明』(2008年11月25日)があります(一部引用)。
「4 一方的な労働者派遣契約の打ち切りは許されない
(1)整理解雇4要件は労働関係における公序
多くの裁判例で、経営上の必要性を理由とする整理解雇については、/涌削減の必要性、解雇回避の努力、人選の合理性、は働者との説明協議義務の4要件を満たさない解雇は無効と判断されている。裁判例の積み重ねにより、整理解雇にあたっては、整理解雇4要件を満たすことが、労働関係における公序になっている。
労働者派遣契約は、もっぱら労働者の労務供給を目的とする契約である。その契約の帰趨は、生身の労働者の生活に直結している。したがって、派遣契約の解除の可否を考える上では、整理解雇4要件を考慮に入れることが必要である。
(2)整理解雇4要件に違反する労働者派遣契約の中途解除は無効
労働者派遣法第27条は、使用者に課せられている解雇制限事項を実質的に担保するため、派遣先が行う「派遣労働者の国籍、信条、性別、社会的身分、派遣労働者が労働組合の正当な行為をしたこと等を理由」とする公序良俗違反の派遣契約の解除は無効であると定めている。したがって、労働関係における公序である整理解雇4要件を満たさない労働者派遣契約の解除は、派遣法27条に違反し無効である。
今回の派遣契約の解除については、派遣先の大企業が巨額の利益を見込んでいることからして、人員削減の必要性がないことは明白である。また、派遣先の大企業は、解雇回避の努力も、労働者との説明協議もまったく行っていない。これらの点からして、派遣先大企業の派遣契約の中途解除が無効であることは明白である。
(3)整理解雇4要件に違反する労働者派遣契約の更新拒否は無効
反復更新されてきた労働者派遣契約は、客観的に合理的な理由があって社会通念上相当と認められる場合、即ち、労働関係における公序である整理解雇4要件を満たす場合でなければ、その更新拒否は許されない。整理解雇4要件を満たさない、反復更新されてきた派遣契約の更新拒否は無効である。したがって、人員削減の必要性もなく、解雇回避の努力も、労働者との説明協議もまったく行われていない、今回の派遣契約の更新拒否は無効である。
5 派遣元による派遣労働者の解雇は許されない
−派遣元は毅然として派遣先に対して労働者派遣契約打ち切りの無効を主張すべき
以上に述べたとおり、今回の大企業による労働者派遣契約の打ち切りは無効であるので、派遣元は、この派遣契約の打ち切りを理由に派遣労働者を解雇することはできない。
派遣元は、派遣先の大企業に対して、毅然として派遣契約の打ち切りの無効を主張し、派遣労働者を就労させるように主張すべきである。派遣先の大企業がどうしても派遣労働者を就労させることに応じない場合は、派遣先の大企業に対して損害賠償を請求すべきである。
いずれにしても、派遣先の大企業の派遣契約の打ち切りは無効であり、派遣元は、その犠牲を派遣労働者に負わせることはできない。
6 期間労働者の一方的な雇い止めは許されない
今回、首切り(雇い止め)されようとしている期間労働者は、偽装請負や労働者派遣を経て、長期間にわたって同じ使用者のもとで働いてきた労働者が多く含まれている。これらの労働者は、長年にわたって正規社員と同じ基幹業務に従事してきている。このような期間労働者の雇い止めについては、雇い止め禁止法理や整理解雇法理の厳格な適用がなされるべきである。
今回の期間労働者の雇い止めは、巨額の利益を見込む中での雇い止めであり、無効であることは明白である。」
このような説明は、現行法の解釈に沿ったものであって合理性があるので、違法な「派遣切り」となるケースはかなりあるように思われます。「派遣切りは、違法ではない」などとデマを振りまいているサイトもあるようですが、多くの政党が正しい情報を提供することが求められるように思われます。
(2) 2点目。
「「共産党をよく思っていなかった人も、『助けてくれるのはもうここしかない』と勇気を振り絞って接触してくるようになった」。ある地区委員会の幹部は言う。
自民党に電話したら「一般市民の相談には応じない」と言われたという失業中の40代の女性。派遣切りで役所に相談に行ったら「そういうことなら共産党に」と勧められたという32歳の男性。「退職を強要されたが、役所も労組も閉まっていて、土日も相談に乗ってくれるのは共産党だけだった」という25歳の男性……。まるで現代の「駆け込み寺」だ。
小選挙区制導入後、自民、民主の二大政党制が進んだ。しかし、「働く貧困層」のような新たな課題、地域固有の切実な問題に、政治はこたえきれていない。生活がそれなりに回っている時、不当に扱われて不満があっても、多くの人は抗議の声をあげなかった。だが、がけっぷちに立たされ、声を上げるしかない状況に追い込まれた時の足がかりとして、全国に約2万2千の支部を置く共産党やNPOのドアがノックされている。
「仕事の悩み、一緒に解決しましょう」。共産党も2年ほど前から、街頭でまくビラを雇用問題に焦点を当てたものにするなど工夫をこらしている。実際、インターネットの検索エンジンに、「雇用」「派遣切り」「リストラ」といったキーワードを入れると、共産党のページが上位に並ぶ。それを読んで電話してくる人も多い。
「でも、彼らの政治的な受け皿が共産党しかない、みたいな今の状況は……」。私が言葉を継ぐのをためらうと、先の幹部は「それは、悲劇ですよ」と引き取った。」
共産党に入党する理由の1つとして、「失業などで貧困に陥っている人を助けてくれるのは共産党だけ」という点です。
失業中の40代の女性は、自民党に電話したら「一般市民の相談には応じない」と言われたそうです。要するに、自民党からすれば、「相談したかったら入党するか、多額の献金をしろ」ということなのであって、カネがある者だけを救済するというわけです。自民党の体質をよく表しているエピソードです。
派遣切りで役所に相談に行ったら「そういうことなら共産党に」と勧められたとか、「退職を強要されたが、役所も労組も閉まっていて、土日も相談に乗ってくれるのは共産党だけだった」という話を聞くと、いかに行政が頼りにならないことが分かります。
(3) 3点目。
「別に共産党でなければならないわけではない。ただ、自分たちの不満や不安に耳を傾け、つながりを持とうとしているのは共産党しかない、と感じている。
時折、塩谷さんが共産党の政策やビジョンを語るが、すぐにまた話は、いかに生活が大変かに戻る。後期高齢者医療制度の保険料負担が重い。民営化で郵便配達員にお金を預けられなくなった。自家用車がないと、病院に行くにも年金を引き出しに行くにもタクシー代がかかる……。
村には高校がない。子どもは15歳で村を離れ、それきり戻って来ない。かつては吉野杉の産地として知られたが、安い外材に押され低迷。65年に7200人いた人口は、2千人を切った。今春、中学生が卒業すると、井光には子どもがいなくなる。「10年後、ここは消滅してるかもな」。掘りごたつを囲んでいた陽気な笑い声が沈黙に変わった。
川上村の衆院奈良4区は、次の総選挙で自民と民主の一騎打ちとなる見込みだ。水面下で「選挙区は民主、比例は共産」という「選挙協力」が進む。主導しているのは、村の元森林組合長(85)。50年来の自民党員だが、郵政民営化を契機に民主党支持に変わった。「民営化は必ず、地方や弱者の切り捨てにつながる」。共産党に投票することに抵抗感はないという。」
ここにも共産党に入党する理由が出ています。「過疎化している地域の不満や不安に耳を傾けてくれるのは共産党だけ」という点です。
「後期高齢者医療制度の保険料負担が重い」とか、「民営化で郵便配達員にお金を預けられなくなった」という点は、すべて自民党・小泉政権下でなした悪行の結果です。地方では、特に郵便局に福祉的機能があったのですが、それを「郵政民営化」によって壊してしまいました。すぐに代替手段を講じていればよかったのですが、財源が豊富でない自治体では代替手段がなく、結局は個人が負担するだけであって、「自家用車がないと、病院に行くにも年金を引き出しに行くにもタクシー代がかかる」という状態なのです。
村の元森林組合長(85)は、「50年来の自民党員だが、郵政民営化を契機に民主党支持に変わった」そうです。自民党は、自ら支持者の声を聞く耳を持たず、多数の長年の支持者から見放されてしまったのです。
4.自民党議員や民主党議員は、この記事を読んでどう思ったでしょうか?
小泉改革の呪縛から逃れられず、国民の声を聞く気がない自民党・自民党の国会議員は、この記事を読んでも何とも思わないのでしょう。
しかし、民主党・民主党の国会議員は自らのあり方を反省するべきではないでしょうか。共産党だけが頼りになり、声を聞く状況は極めて不健全です。市民の声、特に理不尽な理由で困難な事態に陥っている人々の声を聞くことこそが、生存権(憲法25条)を保障する憲法下での「全国民の代表者」(憲法43条)としての役割であるというべきだからです。
<平成21年5月3日付追記>
朝日新聞平成21年4月25日付朝刊37面を引用しておきます。
「記事の一部に問題、朝日新聞社に対応求める PRC
2009年4月25日8時1分
共産党員の増加を取り上げた記事「ルポにっぽん 解雇…そこには共産党」(1月11日朝刊1、2面、筆者・高橋純子記者)をめぐり、記事に取り上げられた奈良県川上村の元森林組合長(85)から人権救済の申し立てがあり、朝日新聞社の「報道と人権委員会」(PRC)は24日、記述の一部は「事実として認めることができなかった」などとする見解を出した。人権委は、朝日新聞社に見解で示した判断を踏まえた対応を求めた。これを受け、朝日新聞社は本日付の2面に「おわび」を掲載した。
問題になったのは、記事の末尾で紹介された川上村の選挙情勢に関する部分。元森林組合長(以下、元組合長)は、「記事に書かれているようなことは言っていない。共産党を支持しているかのような誤解を受けた」と、元組合長に関する記述について事実や思想信条に反すると主張していた。
一方、筆者が所属する朝日新聞政治グループは、元組合長と、元組合長を紹介した共産党村議が同席する場で、双方の了解の下に取材した結果に基づく記事だと主張していた。
人権委は、当事者からのヒアリングに加え、関係者や村民から現地で聞き取り調査した。
主な争点になったのは、元組合長が次期総選挙で、「選挙区は民主、比例は共産」という「選挙協力」を主導しているとする記述。衆院奈良4区では民主党から川上村出身者が立候補を予定している。見解はまず、この候補者を支持している元組合長が昨年9月ごろ、懇意にしている共産党村議との間で「選挙区は民主、比例は共産」などという話をした事実はあるが、この際の話は「個人的な票のやりとりのことであり、組織的な協力の話ではなかった」と認定した。
さらに、「取材の場で選挙協力について話が及んだ可能性がある」としながらも、その場で協力の具体的な内容が詰められていないこと、取材後も裏付け取材が行われていないことを指摘した。
そのうえで見解は、記事で「選挙協力」と表現した点について、元組合長が奈良4区で組織的な票のやり取りを主導しているように読め、誤解を与える可能性があるとした。
また、人権委の現地調査から、元組合長が村民に共産党への投票を働きかけるなどの選挙協力の実態は認められず、視覚障害のある元組合長の日常生活などからみても、選挙協力を主導することはほとんど不可能と判断される、とした。
こうした理由から、選挙協力に関する記述は、事実と認めることができない、と判断した。
他の記述については、そのような内容が取材の席で出た可能性はあるなどとしつつも、元組合長の真意を伝えているか疑問だ、などとしている。
結論として見解は、元組合長が記事掲載後、食欲が減退し、人目を避けて外出を控えるようになったと訴えている事情を考慮し、元組合長の救済、読者への説明責任という観点から、朝日新聞社側に何らかの対応を取ることを求めた。
人権委は、朝日新聞と朝日新聞出版による取材・報道による人権侵害等をめぐる紛争の解決を図るための第三者機関。委員は本林徹・元日弁連会長、長谷部恭男・東大大学院教授、藤田博司・元共同通信論説副委員長の3氏。
◇
■申し立てのあった記事
1月11日の記事は、1面から2面に続く形式のルポで、問題の記述は2面で川上村の情勢を伝えた最後の部分。記事は以下のとおり。
◇
川上村の衆院奈良4区は、次の総選挙で自民と民主の一騎打ちとなる見込みだ。水面下で「選挙区は民主、比例は共産」という「選挙協力」が進む。主導しているのは、村の元森林組合長(85)。50年来の自民党員だが、郵政民営化を契機に民主党支持に変わった。「民営化は必ず、地方や弱者の切り捨てにつながる」。共産党に投票することに抵抗感はないという。
「自分の考えを持って行動しないと、村も政治もよくならないと思うようになった。それがなかったら、惰性で死ぬまで自民党支持だったかもしれない」
◇
■許されぬ記事、反省すべきだ
元森林組合長の話 恣意(しい)的な記事によって、私の信条を誤解され、名誉と信用を傷つけられました。許されることではないと思います。朝日新聞社は反省すべきであり、責任の所在・取り方を明らかにするよう求めます。人権委には、「地方の小さな訴え」に誠実に対応していただき感謝します。
■重く受け止め今後も配慮
根本清樹・朝日新聞政治エディターの話 報道と人権委員会の見解を重く受け止めます。取材や文章表現の上で、関係者の人権に十分配慮し、より正確な記事を目ざして今後も努力を重ねていきます。
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見解の全文は、朝日新聞社のサイト(http://www.asahi.com/shimbun/prc/)に掲載しています。」
見解の全文をも読んだ上で、この見解に関してコメントしておきます。
イ:どこの政党に協力するかということは、政治的表現の自由(憲法21条)の問題であるのですから、報道機関が報道の自由の範囲として表現の裁量があるとしても、慎重に取材し、記事の表現方法も慎重であるべきしょう。その意味で、「報道と人権委員会の見解」は妥当であると思われます。
ロ:ただ、この元森林組合長固有の特質――年齢なのか、地域の特殊性か、性格かは判断しにくいですが――を、記者がよく知らなかったために誤解してしまったように思われ、シビアな感じは否めません。その点を示す「見解」を引用しておきます。
「「共産党に投票することに抵抗感はないという」
(イ) 申立人側の主張
「共産党に抵抗はありますか」と記者から聞かれたとき、はっきり「共産党は嫌いだ」と言っておけばよかった。舌足らずだった。言えなかったのは、そばに共産党村議がいたからだ。抵抗がないと話したのは、この村議を共産党とは思っていないという趣旨だった。これまで、村会議員選挙も含めて共産党に投票したことはないし、他人に投票を働きかけたこともない。
(ロ) 朝日新聞社側の主張
「共産党に投票することに抵抗感はないか」と質問したところ、申立人は「それはない」と答え、「庶民のイメージ」「身近に感じている」とも話した。
(ハ) 委員会の判断
川上村では、申立人が共産党支持を示唆する発言をしたとしても、申立人を知る人のほとんどは、真意とは受け取らないことが、調査結果からうかがわれる。共産党村議は過去の国政選挙で、申立人が近隣住民に共産党への投票を働きかけてくれたと思っているが、近隣住民は申立人からの働きかけを否定している。申立人が「抵抗感はない」という発言をした事実は認めることはできるが、その趣旨は、申立人の主張の通りだった可能性が大きい。」
この部分を読むと、記者の前では、「共産党に抵抗はない、共産党への働きかけをしている」と言ってはいるものの、自他認める共産党嫌いなのに、共産党村議がいたので嘘と受け取れることを言ってしまい、実際上は共産党への投票の働きかけをしていなかったのです。「川上村では、申立人が共産党支持を示唆する発言をしたとしても、申立人を知る人のほとんどは、真意とは受け取らないことが、調査結果からうかがわれる」ということから分かるように、村民は、「申立人が真意と違うことばかり記者に言っている」と分かっていたのですから。
元森林組合長という地位からすれば、村民以外の者、特に新聞記者に対しては、真意と異なることを言ってはいけなかったのですが、言ってしまうような人物だったのです。報道と人権委員会は、元森林組合長を非難してはいませんので、「そういう人物であることは調査すれば真意が分かることであって、仕方がない」という判断を示したわけです。
ハ:この見解では、次のような結論を示しています。
「5.結論
申立人は、本件記事が掲載されたことを家族や共産党村議から聞いて知ってから、食欲が減退し、夜も眠れなくなったうえ、人目を避けて外出を控えるようになったと訴えている。他方、調査結果では、申立人をよく知る村民たちは、本件記事にも冷静な反応を示し、申立人に対する評価を変えていないことがうかがえる。
委員会としては、申立人の救済および読者への説明責任という観点から、この見解で示した判断を踏まえた対応をとることを朝日新聞社に求める。」
この部分を読むと、この記事がかなりの評判になり、(推測になりますが)村民などから冷やかし半分で共産党に鞍替えしたのかと言われたりしたため、本人だけが気に悩んだ様子が伺えます。言い換えれば、本人自身は悩んだのかもしれませんが、誰(=本人以外の村民)は気にしていないのです。
本人だけが気にしすぎていたわけですから、「おわび」をしないという選択も可能だったのですが、表現方法はまずかったことは確かであり、結果として、朝日新聞は「おわび」という選択をしたわけです。
有意義な示唆をありがとうございます。
>困ったときに共産党がたすけてくれるのならそれも選択肢の一つに考えようと思います
記事に出ているように、生活に困った人にとって、共産党だけは頼りになる相談相手である、ということですね。人生にとって、本当に困ったとき頼りになる相手こそ得がたい存在です。
>有意義な示唆をありがとうございます
日本共産党は、その名称だけで何かと色眼鏡で見られがちですが、共産党だけが頼りになる存在になっている事実を、多くの人が知っておくべきです。朝日新聞は、秀逸な記事を掲載したと思います。
そういえば、「派遣切り」など非正規労働問題については、保守論壇や右翼的立場の方たちは、不当な解雇をされた人たちを救済しようという声を、ほとんど上げていません。戦前の右翼は、困窮した市民を救済しようと声を上げたと聞いているのですけどね。
奈良の山奥の集落で党員になる人が増えている、森林組合のトップのような地域ボスが共産党に入れると言う、これにはものすごい衝撃を受けましたが、よく考えると、地方自治体の議会レベルだと案外と共産党の議員がトップで当選するということはあります。あまり口には出来ないけれど内心頼りにしている人「最後の頼み」と思っている人が多いのでしょうね。
>保守論壇
「皇室」とか「大東亜戦争」とか「昭和天皇(二昔前だと「明治天皇」でしたね)」とかファンタジーの世界の住民なので、戦前の右翼と違ってクーデターとか起こすほどの力もなければ実際的なことにも疎いのではないでしょうか。結局「自己責任」に話を持っていってしまうタイプの人たちです。
>何かあったときには共産党
>あまり口には出来ないけれど内心頼りにしている人「最後の頼み」と思っている人が多いのでしょうね
そうなのでしょうね。
少し前までは、自民党とか公明党は、利益誘導的であったとはいえ、「頼み」になっていたんですけど。いまや、創価学会員は単に「民主党政権では大変なことになるから、自民か公明に投票してくれ」と言うだけです。
>戦前の右翼と違ってクーデターとか起こすほどの力もなければ実際的なことにも疎いのではないでしょうか
戦前のようにクーデーターを起こせとは言いませんが、現実に困っている人がいるのに、その困っている人を非難し、救済するための行動をしている人を非難するのは、単なる卑怯者です。国士や右翼を標榜するのであれば、そう名乗るだけの気概はないのか、と言いたくなります。
>結局「自己責任」に話を持っていってしまうタイプの人たちです
どんなに真面目に仕事をしていても、金融危機で「派遣切り」となったのですから、本来、「自己責任」なんて出てこないのです。それでも、「自己責任」を問うのであれば、「派遣になったのが悪い」→「勉強しなかったのが悪い」→「貧乏な家庭に生まれたのが悪い」と遡ってしまうわけです。もう「自己責任」論は、終わりにしていいように思います。
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