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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2008/12/23 [Tue] 23:57:00 » E d i t
民主、社民、国民新党提出の雇用対策4法案(採用内定の取り消し規制、派遣労働者等解雇防止緊急措置、住まいと仕事の確保、有期労働契約遵守の4法案)は、平成20年12月19日午前の参院本会議で賛成多数で可決されました。しかし、衆院本会議で12月24日、その雇用対策4法案は否決される見通しになったようです。

雇用法案:野党提出の法案、採決あすに延期--衆院委

 衆院厚生労働委員会は22日、民主、社民、国民新の野党3党が共同提出した雇用対策関連法案の質疑を行った。自民、公明両党は22日中に法案を採決し、否決する構えだったが、方針を転換。自民党の大島理森国対委員長が民主党の山岡賢次国対委員長に電話し、22日の採決を見送り、24日の委員会と衆院本会議で採決する方針を伝えた。関連法案は与党の反対多数で否決される見通し。【高本耕太】

毎日新聞 2008年12月23日 東京朝刊」(毎日新聞平成20年12月23日付東京朝刊2面


自民党の園田博之政調会長代理は、(第2次補正予算が成立していないので、ほとんど年末に役に立たない)政府の対策で「年末までの対応は間に合う」などと主張しているのです。自民党・麻生政権にとっては、大量の労働者が、職も住まいも失って路頭に迷っている現状を解決するつもりがないほど、無責任なのです(「NHK「日曜討論」での小池政策委員長の発言」(2008年12月22日(月)「しんぶん赤旗」)参照)。

数兆円の内部留保(利益剰余金)を抱えながら、極めて低額な賃金で雇用していた非正規労働者を、歯止めなく大量に解雇する大企業(「大企業の大量解雇撤回へ政府が責任をもって乗り出せ テレビ朝日系番組 志位委員長の発言」(2008年12月16日(火)「しんぶん赤旗」)「クビ切り“ギロチン”企業まだこんなに金持ちだ!」(2008年12月21日(日)10時0分配信 日刊ゲンダイ)参照)、野党提出の雇用対策4法案を否決し、「年末までの対応は間に合う」などという無責任な自民党と比べて、自治体は真摯な対応を行っています。


1.東京新聞平成20年12月23日付朝刊22面「こちら特報部」

企業はしらんぷり? 対応は寮退去延長程度

 各地で吹き荒れる「派遣切り」「雇い止め」の嵐に対し、公営住宅を提供したり、臨時雇用したり、自治体や民間団体からの支援がさらに広がっている。税金も投入し、自己保身に走る企業の尻ぬぐいをさせられているともいえるが、当の企業側は“知らんぷり”を決め込むつもりなのか。

◆「派遣切り」自治体支援は続々 臨時で定額給付金業務/資格取得助成

 大分県が16日、職を失うキヤノン関連などの非正規労働者向けに住宅助成制度をスタートさせたのを皮切りに、自治体などが続々と支援を表明した。ざっとリストアップ==しただけでも30を超えた。

 どの自治体もただせさえ財政状況が厳しく、大幅な税収減も見込まれる中での決断。年の瀬の大量失業という緊急事態、これに対応する臨時職員とはいえ、安易な採用とならないよう、苦心しながらの採用計画だ。

 多いのは、自治体の事務負担が増える定額給付金の一部業務を担当してもらうケース。また、通常なら職員が休日出勤して対応するような主催イベントの雑踏整理、年末年始に急増する清掃業務などの補助をしてもらうケースも目立った。

 ユニークなところでは群馬県太田市。富士重工業の減産で100人ほどの市民が職を失うというが、市職員の残業を減らし、時間外手当支給分を20人の臨時採用の財源に。いわゆるワークシェアリング的な発想だ。また、ホームヘルパー2級資格の取得に向けた助成も実施、失業とヘルパー不足の同時解決をねらう。

 大分市や、「こちら特報部」で地名論争を取り上げた新潟県上越市のように、地元の農業団体などと連携して雇用機会のパイを少しでも掘り起こす試みもある。

 では、当の企業はどうか。先を見通せなかった経営陣は責任を感じ、地元自治体に「済まない」との心情はないのか。自動車メーカー9社と、御手洗冨士夫会長が日本経団連会長を務めるキヤノンに聞いた。

 さすがに各社とも、期間従業員の入寮期間を延長する程度のことは始めた。自治体の支援に応じて何か考えていないのか聞くと、一様に「特にない」との回答だった。

 役員報酬カットに踏み込んだのはトヨタ自動車とホンダの2社だけ。日産自動車は「業績の見通しが立っていない段階では何ともいえない」。他の社からは「検討はしているが、まだ決まっていない」「もともと低いのもあって削減は考えていない」といったコメントが返ってきた。

 そしてキヤノン。御手洗氏が8日の会見で、子会社の大分キヤノンの派遣切りには、本社は直接関係なし、との認識を示し批判を呼んだ。そんなこともあってか、「発注元として、いろいろな影響が出ることは把握する立場にあり、社会的責任を感じている。何かできるか検討していきたい」(広報部)。宇都宮工場で労働者600人を削減する予定について、「退職者への配慮の原資」として派遣会社に1億円を支払うことを発表した。

 東京大大学院の神野直彦教授(財政学)は自治体負担、企業の社会的責任も踏まえこう語る。

 「非正規社員は賃金体系が違うばかりか、社会保障にも十分参加できていない。企業は非正規労働者の社会保障負担にも応じるべきだ。解雇されても安心してやっていけるセーフティーネットを政府と企業が張らないといえない」」


◆相次ぐ派遣切りや内定取り消し支援を表明した主な自治体など

<住宅支援>
・都道府県―――栃木県、埼玉県、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、鳥取県、山口県、大分県
・市町村―――小山市(栃木)、大和市(神奈川)、大阪市、米子市(鳥取)、広島市、防府市(山口)、下関市(山口)、北九州市、国東市(大分)
・民間―――中部地方の派遣会社でつくる「中部アウトソーシング協同組合」

<雇用支援>
・都道府県―――京都府、鳥取県、福岡県
・市町村―――奥州市(岩手)、米沢市(山形)、太田市(群馬)、大和市(神奈川)、新潟市、長岡市(新潟)、上越市(新潟)、金沢市、能美市(石川)、豊田市(愛知)、京田辺市(京都)、摂津市(大阪)、姫路市(兵庫)、米子市(鳥取)、下関市(山口)、佐賀市、大分市、杵筑市(大分)
・民間―――JAえちご上越(新潟)、進学塾経営「学究社」(東京)、居酒屋チェーン「モンテローザ」(東京)」




2.労働者を解雇しなければ企業が倒産しかねないのであれば、誰も文句を言う人はいません。しかし、多数の非正規労働者を解雇している大企業の多くは、経常利益の見通しは、落ちているといえ、数兆円という潤沢な資金を抱えたままで、非正規雇用者が路頭に迷っても“知らんぷり”を決め込んでいるのです。これを放置することはできないことは、誰の目にも明らかです。

(1) 朝日新聞平成20年12月20日付「社説」

雇用危機―政治があまりに遠い 

 不況風が吹きすさぶなかで、年末まで残すところ10日あまり。突然の解雇や派遣切りで職と住まいを追われた人々が、街に放り出されている。

 27日の土曜日から年末年始の休みに入れば、役所や企業などが動き出すのは新年5日の月曜日だ。その間、凍える夜をどう明かし、食いつなげばいいのか。目の前が真っ暗になる思いの人たちも少なくないに違いない。

 今回の不況は、働く人の3人に1人が非正規労働者という、新しい雇用環境にある日本社会を直撃した。企業はこうした人々を調整弁と見て、いとも簡単に切る。不景気があっという間に雇用に大きな影響を及ぼす。そのスピードの速さは、これまで経験したことのないものだ。

 政治の機敏な対応が求められている。だが、国会で繰り広げられている与野党のどたばた劇は、そうした切迫感、危機感があまりに乏しい。

 あきれるのは、民主党など野党3党が出し、参院で可決された緊急の雇用対策法案を、衆院で葬ろうとする首相や与党の姿勢である。

 法案の中身は、職と住まいを失った人への公的な住宅の提供や支援金の支給など、政府が発表している案と重なるものが多い。

 与党は「野党のパフォーマンス」と決めつける。年明けの通常国会で雇用対策などを盛った第2次補正予算案を成立させるのだから、それを待てばいいではないか、と言いたいのだろう。

 確かに、2次補正などを先送りした麻生政権の無策ぶりを印象づけようという、戦術的な狙いが野党側にあるのは間違いない。十分な審議をせずに採決を強行した乱暴さもある。

 それでも、大事なのは対策を実行に移すスピードであり、職を失った人々に早く手当てが届くことだ。いくら案はあっても立法や予算措置が必要なら、年末年始には間に合わない。そんな野党の批判は的を射ている。

 民主党の求めた党首会談を首相が拒んだのは解せない。これだけの緊急事態なのだから、2大政党の党首が話し合い、必要なら法案の修正をしてでも対策を急ぐべきではないのか。民主党の小沢代表も、自ら記者会見して党首会談を呼びかけるほどの真剣さをもっと出せなかったか。

 首相はきのう東京・渋谷のハローワークを視察し、求職者に「これをやりたいという目的意識がないと、雇う方もなかなかその気にならない」と語りかけた。励ましのつもりかもしれないが、求職者の心に本当に響く言葉だっただろうか。国民が首相に期待するのは就職相談員の役割ではあるまい。

 国会の会期切れまでまだ6日ある。首相は休日を返上してでも野党に協力を求め、緊急の雇用対策に必要な立法を実現したらどうか。」


雇用法案をめぐる与野党の対立には、「成立するはずのない法案を出した野党はスタンドプレー。一方で何も出さない自民党は無策。どっちもどっちだ」(朝日新聞:マイタウン・青森:2008年12月20日)と思う人もいるようです。与党も「野党のパフォーマンス」と決めつけています。

しかし、与党の尻馬に乗って野党を非難したり、与野党すべてを非難したところで、何になるのでしょうか? 「大事なのは対策を実行に移すスピードであり、職を失った人々に早く手当てが届くこと」なのですが、与党・麻生政権が出している政策は、第2次補正予算が成立していないために、ほとんど年末に役に立たないのです。

与党や麻生政権のメンツなんぞ、国民にとっては関係ありません。路頭に迷っている多数の労働者の命を救うために、野党提出の野党提出の雇用対策4法案を成立させるべきです。



(2) 肝心なことは、元凶を断つことです。

 イ:「NHK「日曜討論」での小池政策委員長の発言」(2008年12月22日(月)「しんぶん赤旗」)

財界・大企業に“解雇するな”の指導・監督をやるべきだ

 小池 非正社員の「首切り」というのは仕事だけではなく、住まいまで失うまさに人道問題です。しかも、途中解約とか内定取り消しは現行法に照らしても違反です。

 それをやっている大企業というのは、二〇〇〇年以降でみても、たとえば自動車産業は内部留保を十五兆円から三十兆円近くにしている。蓄えはあるわけですから、(大量解雇の)合理的な理由はない。こんなことを大企業が競い合ったら、雇用不安から景気が悪化してモノが売れなくなるわけですから、大企業にとってもマイナスです。

 一九九九年に労働者派遣法の原則自由化をやり、二〇〇四年に製造業まで拡大した。それでこういうことが広がっているわけですから、私は政治の責任がいま問われていると思います。やっぱり、まずいまの法律でもできる範囲で、(大企業を)厳しく指導・監督せよと。ドイツでは大臣が大企業を呼んで解雇するなといっています。こういうことをきちんとやるかどうかがいま問われているし、この間の労働法制の改悪を元に戻す議論を急いでやらなければいけません。

 これに自民党の園田博之政調会長代理は「経済原則は守らないといけない。それを法律で規制することは自由経済のあり方を否定することになりかねない」などと発言。小池氏は「ヨーロッパでは当たり前のルールでやっていることだ。別に統制経済でもなんでもない」と反論しました。」


<1>途中解約とか内定取り消しといった「現行法に照らしても違反」な行為を止めさせること、<2>十分な内部留保(利益剰余金)がありながら、大量解雇を行うといった社会的責任を放棄したような行為を止めさせること、<3>労働者派遣法を改正すること(仕事があるときだけ雇用契約を結び、企業の雇用調整に応じて労働者を切り捨てる「登録型派遣」の原則禁止、同一作業を行う正社員との「均等待遇」(同一価値労働同一労働条件)の義務付け、派遣会社が取得するマージン率の上限規制など)、です(「労働者派遣法改正に関する意見書(ガテン系連帯)」参照)。


 ロ:東京新聞平成20年12月22日付朝刊21面「本音のコラム」

派遣―――山口二郎(やまぐち・じろう)

 このところ、日本を代表する大企業で非正規労働者の解雇が相次いでいる。テレビも新聞もこれを社会問題として大きく報道している。しかし、今ごろ何を言っているのだという疑問をぬぐえない。そもそも労働の規制緩和は、不景気の時に企業が容易に、合法的に首切りできるようにするために決定された政策である。大企業が遠慮会釈なく首切りをすることこそ「構造改革」の実が挙がっている証拠である。

 水道管にわざと穴をあけておいて、今ごろ水が漏れていると大騒ぎするメディアは、善意かもしれないが、愚かである。例外なき規制緩和の旗を振った経済財政諮問会議や規制改革会議の連中は現状をどう思っているのだろうか。竹中平蔵氏や宮内義彦氏にもし会う機会があれば、構造改革の成果が上がって嬉(うれ)しいでしょうと言ってやりたい。もし政策が失敗したと思うなら、中谷巌氏のように素直に謝るべきである。

 雇用危機も医療崩壊も、政策転換の結果であり、人災である。被害者に対する共感は必要だが、意図的に人災を作り出した連中には怒りが必要である。この7、8年を振り返り、そのような厳しい総括をすることこそ、メディアの役割ではないか。政策を決定した人々の固有名詞を挙げた議論こそ必要である。メディア自身も、規制緩和をどう論じてきたか、きちんと反省してほしい。 (北海道大学教授)」


振り返れば、多数の非正規労働者が大量解雇され、路頭に迷う現状をもたらしたのは、今の労働法規制の緩和のおかげであり、こうした悲惨な事態を招いたのは、小泉・竹中「構造改革」の成果です。竹中平蔵氏や宮内義彦氏といった「構造改革」を決定した人物を名指しして、責任追及を行うべきです。

そして、「構造改革」に旗振りをした多くのメディアもまた、自己批判を行うべきです。「大企業が遠慮会釈なく首切りをすることこそ『構造改革』の実が挙がっている証拠」なのですから、他人事のように「派遣切り」を論じてみせるのは無責任といえるのですから。

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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