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今回の参考人招致は、妙な形式になっています。
「11日の質疑は、田母神氏1人に各党が質問する通常の参考人招致ではなく、新テロ対策特別措置法改正案の審議に同氏が出席、質問者から指名された場合に限って答弁する形式で実施される。同氏に持論を展開されることを警戒する自民党の要求を民主党が受け入れた。テレビ中継も行われない。」(時事通信:2008/11/10-21:00)
(<11月16日追記>:読売新聞平成20年11月15日付夕刊2面「とれんど」欄でも、田母神氏の論文について、歴史的事実に関して批判を行っていたので、紹介しました。)
1.asahi.com(2008年11月11日17時1分)
「「言論の自由」「ネットで支持も」田母神氏、強気に持論
2008年11月11日17時1分
先の戦争を正当化する論文を書いて更迭された田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長が11日午前、参院外交防衛委員会の参考人招致に立った。自ら希望していた答弁。自衛隊のかつての実力者は、歴史認識や自衛隊のあり方を問われ、強気に持論を披露した。(中略)
冒頭、北沢俊美委員長(民主党)から「制服組トップが内閣総理大臣の方針に反したことを公表するという驚愕(きょうがく)の事案。昭和の時代に文民統制が機能しなかった結果、三百数十万人の尊い人命が失われたことを忘れてはならない」と指摘された。
しかし、田母神氏は、落ち着いた様子で次から次へと持論を述べた。
「(日本の植民地支配と侵略への反省や謝罪を表明して政府見解となった)村山談話と私の論文は別」と語り、「我々にも憲法19条(思想及び良心の自由)、21条(表現の自由)は……」と権利を主張しようとして、委員長から遮られる場面もあった。
質疑が進むにつれ、言葉はなめらかになる。「私の書いたものは、いささかも間違っているとは思っていない」「自衛隊が動けなくなる。言論統制を徹底した軍にすべきではない」と述べた。」
こうして、村山談話と反しているにも関わらず、「村山談話と私の論文は別」と開き直り、相変わらず論文内容はまったく間違っていないと述べています。田母神俊雄・前航空幕僚長(60)は11月3日、都内で記者会見し、「解任は断腸の思い」としながらも、「誤っているとは思わない。政府見解は検証されてしかるべきだ」と主張していたのですが(朝日新聞)、その姿勢は一向に変えていないことが分かります。
2.この田母神俊雄前航空幕僚長の“日本の侵略行為正当化”論文については、その歴史認識については正しいと考える人がネット上では、多々いるようです。そこで論文に含まれる歴史認識に関する問題点について、近現代史の専門家(秦郁彦氏、保阪正康氏)が検証した記事がありましたので、紹介したいと思います。
(1) まずは、田母神氏の論文の要旨を引用しておきます。
「田母神論文 要旨
日本は19世紀の後半以降、朝鮮半島や中国大陸に軍を進めることになるが相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない=<1>。我が国は日清戦争、日露戦争などによって国際法上合法的に中国大陸に権益を得て、これを守るために条約等に基づいて軍を配置したのである。
この日本軍に対し蒋介石国民党は頻繁にテロ行為を繰り返す。実は蒋介石はコミンテルンに動かされていた=<2>。毛沢東共産党のゲリラが国民党内に多数入り込んでいた。コミンテルンの目的は日本軍と国民党を戦わせ、両者を疲弊させ、最終的に毛沢東共産党に中国大陸を支配させることであった。我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者なのである=同。
1928年の張作霖列車爆破事件も関東軍の仕業だと言われてきたが、最近ではコミンテルンの仕業という説が極めて有力になってきている。1937年の盧溝橋事件も、今では「仕掛け人は中国共産党」という証言が明らかになっている。
日米戦争も、日本を戦争に引きずり込むために米国によって慎重に仕掛けられた罠だったことが判明している。実は米国もコミンテルンに動かされていた。ルーズベルト政権内のコミンテルンのスパイが大統領を動かし、我が国を日米戦争に追い込んでいく。日本はルーズベルトの仕掛けた罠にはまり真珠湾攻撃を決行することになる=<3>。
大東亜戦争の後、多くのアジア、アフリカ諸国が白人国家の支配から解放されることになった。それは日露戦争、大東亜戦争を戦った日本の力によるものである。
東京裁判は戦争責任をすべて日本に押しつけようとしたものだ。そのマインドコントロールは今なおも日本人を惑わせている。
私たちは多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価していることを認識しておく必要がある=<4>。我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である=<5>。私たちは輝かしい日本の歴史を取り戻さなければならない。」(朝日新聞平成20年11月11日付朝刊2面)
「検証 田母神前空幕長論文
波紋を広げる防衛省の田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長の論文。日本の侵略を否定する考えは、自衛隊内でどう受け止められているのか。幹部の歴史教育はどうしているのか。11日の参院への参考人招致を前に取材し、論文の問題点を、近現代史が専門の秦郁彦、保阪正康両氏に聞いた。 (聞き手=編集委員・藤森研、川端俊一)
満州事変は一方的
<1>日本の進軍
<日本は相手国の了承を得ず軍を進めたことはない>
秦 論文の冒頭近くにある記述だが、これは思いちがいだろう。「満州事変はどうだったのか」と反問するだけで崩れてしまう論だ。満州事変は、日本の関東軍が謀略で鉄道を爆破し一方的に始めた戦争だ。謀議者から実行部隊の兵士まで、すでに関係者の多くの証言がある。当時の軍首脳も政府も追認し、予算も支出している。日中戦争も大東亜戦争も相手国の了承なしに始めた戦争だ。
保阪 史実を押さえれば、田母神論文のような解釈はできない。「国際法上合法的に中国大陸に権益を得て……」とあるが、西欧列強もアジアでの支配を合法化した。だから正しい、と言うのは歴史の見方ではない。帝国主義の支配者は被支配者より何倍も狡猾(こうかつ)だ。「多少の圧力を伴わない条約など存在したことがない」とも記述しているが、子どもの言い訳に等しい。
謀略説 実証性乏しい
<2>コミンテルン
<我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた>
秦 国民党内にコミンテルンのスパイがいたから、蒋介石はコミンテルンに動かされていたなどと言うのは、「風が吹けばおけ屋がもうかる」式の強弁だ。張作霖爆殺事件についても、コミンテルンの仕業という説が「極めて有力になってきている」などと田母神論文は書くが、歴史学の世界では、問題にされていない説だ。
張作霖爆殺事件が関東軍の仕業であることは、首謀者の河本大作はじめ関係者が犯行を認めた。このため田中義一内閣が倒れ、「昭和天皇独白録」でも、「事件の首謀者は河本大作大佐である」と断定されている。他にもコミンテルン謀略説が論文のあちこちに出てくるが、いずれも根拠となる確かな裏付け資料があいまいで、実証性に乏しい俗論に過ぎない。
保阪 当時の国民党の指導者に取材したことがある。共産党側の人間が国民党に入っていたのは事実だが、コミンテルンが国民党を動かしていたというのは間違いだ。日本の軍部がソ連や共産主義への危機感をあおっていた見方だ。「陰謀史観」で歴史を見るようになると、何でもそれに結びつける。「盧溝橋事件でだれが撃ったか」は本質的な問題ではない。中国で日本軍が軍事演習を行っていた背景を見なければならない。
外交の失策こそ問題
<3>米大統領の罠
<日本はルーズベルトの罠(わな)にはまり真珠湾攻撃を決行>
秦 バージョンを変えて繰り出してくる「ルーズベルト陰謀説」の一種だ。ルーズベルト大統領は日本側の第一撃を誘うため真珠湾攻撃を事前に察知していたのに現地軍へ知らせなかった、という筋書きのものが多い。ミステリー小説のたぐいで、学問的には全く相手にされていない。
保阪 米国が日本に先手を打たせたかったというのは事実だろう。だが、日本外交の失策に目をつぶって共産主義者が悪いというのはおかしい。41年4月に日米交渉が始まり、7月に日本は南部仏印に進駐。それに対し、米国は日本の在米資産凍結、石油禁輸措置を決める。政府や大本営が米国を見誤った「甘さ」の方が問題だ。日本が正しくてはめられた、などという論は無責任だ。
都合の良い話だけ
<4>アジア諸国の評価
<多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価>
秦 果たしてそうだろうか。田母神論文はこれに続けて「タイで、ビルマで、インドで、シンガポールで、インドネシアで、大東亜戦争を戦った日本の評価は高い」と国名を列挙するが、日本軍が華僑虐殺をしたシンガポールでは、最近まで反日的な空気が強かったと承知している。独立国だったタイも日本軍の駐屯で被害を受けているので、感謝しているとは思えない。何より、列挙には、一番損害が大きかった中国が入っていない。満州事変に触れなかったのと同様、重要な史実からは逃げ、都合の良い話だけをつないだように見える。
保阪 インドネシア独立義勇軍に加わった何人もの元日本兵に取材した。独立のため戦死した日本兵も多い。本当に東南アジアの解放のために戦ったのはそういう人だが、国は「逃亡兵」とした。そういう事実を見もしないで、都合のいいことを語っている。
否定するなら論拠を
<5>侵略国家
<我が国が侵略国家だったというのは正に濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)>
秦 田母神論文は前の方で、「よその国がやったから日本もやっていいということにはならないが、日本だけが侵略国家だといわれる筋合いもない」と書いている。そこはその通りだと思う。しかし、日本も他の国も侵略国家だったとすると、論理が合わなくなるのではないか。
保阪 「侵略国家」とは、どういう意味か。戦後、一つ一つの史実を検証したうえで「これは侵略だ」と認定してきた。中国を侵略したことは政府でさえ認めたことだ。否定するならば論拠を示すべきだ。
論文に書かれている事実はいずれも核心ではない。一部を取り出して恣意(しい)的につなぎ合わせるだけでは一面的だ。戦後、史実を実証的に積み重ね、一連の戦争を検証してきた。論文は「60年」という時間を侮辱している。
全体を通じて
秦 論文というより感想文に近いが、全体として稚拙と評せざるをえない。結論はさておき、その根拠となる事実関係が誤認だらけで、論理性もない。
保阪 かつて兵士たちが生還して色々なことを知ったとき、「日本もむちゃをやった」と素朴な感慨を持った。われわれはそこからスタートしている。昔の日本に批判的なことを「自虐史観」というが、「自省史観」が必要なのだ。「輝かしい」などの形容詞で歴史を語ってはいけない。ナショナリズムを鼓吹した時、それは偏狭な運動になる。歴史を誇るのであれば、事実に謙虚でなければ。
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秦郁彦氏 はた・いくひこ 元日本大学教授、現代史家。当事者からの聞き取りや一次資料の確認など実証的な軍事史の研究で知られる。75歳。
保阪正康氏 ほさか・まさやす ノンフィクション作家。日本近代史、とりわけ昭和史に詳しく、戦争や軍部研究で多くの著作がある。68歳。
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<キーワード>
【コミンテルン】 1919年に創立された共産主義政党の国際組織で、43年に解散。
【盧溝橋事件】 1937年7月7日、北京郊外の盧溝橋付近で日本軍と中国軍が衝突。日中戦争の発端となった。
-----------------------------------------------------------------------」
3.この記事を読めば、どれほど田母神氏の歴史認識が間違っており、根拠の乏しい俗論ばかりを積み重ねているか、よく分かると思います。
(1) 歴史認識の誤認はもちろんですが、田母神氏が、論理(学)の基本がまるでできていない点に根本問題があるように思います。
「(秦)他にもコミンテルン謀略説が論文のあちこちに出てくるが、いずれも根拠となる確かな裏付け資料があいまいで、実証性に乏しい俗論に過ぎない。……(保阪)否定するならば論拠を示すべきだ。……(保阪)一部を取り出して恣意(しい)的につなぎ合わせるだけでは一面的だ。……(秦)論文というより感想文に近いが、全体として稚拙と評せざるをえない。結論はさておき、その根拠となる事実関係が誤認だらけで、論理性もない。」
このあたりの両氏の発言が、田母神氏の論文の問題点を端的に指摘しています。
秦郁彦さんは、この記事において次のように述べています。すなわち、「張作霖爆殺事件が関東軍の仕業であることは、首謀者の河本大作はじめ関係者が犯行を認めた。このため田中義一内閣が倒れ、「昭和天皇独白録」でも、「事件の首謀者は河本大作大佐である」と断定されている。」と。
このように、ある結論(=歴史的事実の存在)を導くには、十分な根拠・裏付けが必要なのです。そうした根拠・裏付けがあって初めてその「結論(=歴史的事実)」が妥当性をもつのです。それなのに、田母神氏の論文では、「いずれも根拠となる確かな裏付け資料があいまいで、実証性に乏しい俗論」なのです。
(2) 論理学では、次のような説明をしています。
「論証を評価するうえで最初に確かめるべきは、評価対象となる論証が実際に存在するかどうかです。つまり、論証の基本要素である前提と結論が、そもそも存在するかどうかです。表面的には論証に見える論述の中で、論点がさまざまな方法で強く主張されているものの、それを根拠づける情報がまったく伴っていない場合がよくあります。根拠づけのある命題だけが、「結論」という名に値します。」(D.Q.マキナニー(水谷 淳 訳)『論理ノート』(ダイヤモンド社、2005年)105頁)
コミンテルン謀略説などの俗論は、単なる歴史ごっこといった遊びとして楽しむだけであれば、思想良心の自由(憲法19条)が保障されている以上、自由です。「日本政府は火星人の支配下にあるのだ」などと同じように、自由にそうした俗論を楽しめばよいでしょう。
しかし、根拠づけのない「結論」(歴史的事実)は、「結論」という名に値しないのです。それが、田母神氏には理解できていないのです。田母神氏が、論理的な思考力が欠けた人物であるがゆえに、コミンテルン謀略説などいった、歴史学上まったく論外である陰謀史観を筆頭に、間違った歴史を本当だと信じ込んでしまったように思うのです。
(3) 田母神氏は、参考人質疑においても、「インターネット上の意識調査でも論文問題が半数以上に支持されていると言及」し、多数の支持があることを持って正当化しています。しかし、これも論理学上、間違っています。
「民主主義を真理の大義にしない
ある社会で人々の大多数がある問題に関して同じ特定の意見を持っているというのは、社会学的には確かに興味深い情報ですが、その問題の真偽に対して必然的なつながりはありません。多数の人間が間違っていることもありえます。あるいは正しいこともありえます。民主主義的誤謬とは、大多数が命題Xは真だと信じているという事実だけから、命題Xが真だと十分に結論できると決めつけることです。
もし社会のほとんどの人が、黒が白で白が黒だという意見を持っていたら、どうなるでしょうか。白か黒かは、主観的意見ではなく客観的事実です。とはいえ、民主主義的誤謬が感情的に非情に説得力を持っていることは、認めざるをえません。歴史上多くの偉人たちが悟ったように、群衆が白を黒で黒を白だと言っているときに、それに異議を唱えるのは簡単ではないのです。」(D.Q.マキナニー(水谷 淳 訳)『論理ノート』(ダイヤモンド社、2005年)133頁)
新聞社によるものでもない、かなり信頼性に欠けた媒体(Yahoo!アンケート)での「インターネット上の意識調査」を軽信してしまうほど警戒感がなく、「国民=Yahoo!アンケート」と思ってしまう非論理的な考え、こうした多数の支持で正当化できると考えてしまうほどの論理性のなさ。参考人質疑での田母神氏の発言も、田母神氏が論理的な思考力が欠けた人物であることを、よく示したものであったのです。
田母神氏は、航空幕僚長という自衛隊組織のトップにいる地位にありながら、政府見解(村山談話、集団的自衛権)に公然と異議を唱えたのです。いくら日本の安全保障について一家言あったとしても、「現職の空幕長が活字で公刊してしまっては、それこそ、軍事力に対するシビリアン・コントロール(政治の優先)に反する」(小林節・慶大教授)ことになってしまいます(「驚かされた空幕長の歴史論文」(H20/11/04) 。
立場上、発言できる内容は限定されるはずなのに、そうした論理も分からないため、約2時間半の答弁を終えた後、報道陣にも「言論の自由があり、村山談話といえども制約することはできない」と、平気で語ってしまうのです。およそ論理的思考力の欠ける人物ですから、言動について何の歯止めもないのです。
こうした何の歯止めもなく語ってしまうほど、論理的思考力の欠ける人物が、航空幕僚長という自衛隊組織のトップにいたことは、あまりにも危うさを感じます。
<11月16日追記>
読売新聞平成20年11月15日付夕刊2面「とれんど」欄でも、田母神氏の論文について批判を行っていたので、紹介しておきます。
「張作霖爆殺事件の真実――論説委員・天日隆彦
1928年の張作霖爆殺事件は、コミンテルンの仕業という説が極めて有力になってきている――。
田母神俊雄・前航空幕僚長が発表した懸賞論文には、そんなくだりがある。「近年ではソ連情報機関の資料が発掘され、少なくとも日本軍がやったとは断定できなくなった」という。
根拠として、中国出身の作家ユン・チアンが3年前に刊行した著書の記述などを挙げた。
ロシアでも近年、ソ連犯行説が一部で主張された。
しかし、新説を裏付ける原資料は、確認されていない。日本の歴史家の大半は、ソ連犯行説に否定的だ。
事件に関連して、86年に山形放送が制作し、日本民間放送連盟賞を受賞したドキュメンタリー「セピア色の証言」のことを思い起こした。
山形県在住の元関東軍特務機関員が、事件前後の模様を撮影した61枚の写真を密(ひそ)かに持っていた。日中戦争の最中、先輩から預かった謎の写真だった。
番組は写真の出所を追い、最後には事件に関与したとされる将校にたどり着く。
番組で証言した元特務機関員が故人となった現在、映像は旧日本軍犯行説を補強する重要な記録と言える。今夏、東京で開かれた張作霖爆死80周年記念集会でも改めて公開された。
戦後の報道番組が、“史料”となる時代を迎えている。」
このように、1928年の張作霖爆殺事件については、写真、事件に関与したとされる将校が記録された映像があるわけです。これも裏付けの確かな証拠といえます。こうした証拠の積み重ねがあるからこそ、「結論(=歴史的事実)」がゆるぎない確実なものとなるのです。
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
>これ面白いですよ。 大阪ローカルの番組は果敢です。
情報ありがとうございます。
制服組は随分と不満が溜まっているので、何かガス抜きが必要なんだろうなと感じました。
ただ、出てきた元幕僚幹部まで「田母神論文の内容正しい」とか。すべて正しいと考えているのかまでは分かりませんが、さすがに「米国もコミンテルンに~」という論文なのに正しいというのは、苦笑するしかないです。自衛隊幹部のアタマは揃ってこんな程度とは! 重大な機密漏えいですね、こりゃ(笑)。
田母神氏は核兵器を持つと表明すべきとか言っていましたが、核拡散防止条約により、非核兵器国については、核兵器の製造、取得を禁止されていることが少しも分かっていないのでしょう、きっと。憲法問題もありますが、「核拡散防止条約違反になるから、日本は核兵器を持つことができない」で終わる問題なんですけどね。
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
>9条原理主義も核武装論者も、リアリズムにおけるギリギリの意思決定を強いられることの無い、“安全な”ファンタジーの領域で戯れている.....、そんな印象です。
同感です。憲法9条を根拠にした非武装主義は非現実的です。9条の解釈としては、自衛隊は違憲という結論が素直なのだとしても、さすがに乗れません。他方で、勇ましい核武装論も、憲法論や条約を別としても、日本が現実に核武装を表明した場合どうなるのか、何も考えていないのではないかと、思えるほどです。
自衛官の側は、政治家が自衛隊の現状・能力について理解に欠けているため、不満があるとは思います。政治家の側が「文民統制」をするだけの能力がないことが問題であるにしても、田母神論文によって、自衛隊幹部のアタマの方も相当に問題であることが判明したように思います。
話は変わりますが、今日(12月4日)、「ニュース23」では、沖縄において、27人もの野ざらしにされていた戦没者の遺骨を収集している様子を放映していました。海外に目を向ければ、海外で散った多くの戦没者の遺骨が収集されないままです。米国ではとっくに収集が終わっているとされているのに、日本では63年たってもまだ終わっていないのです。
侵略戦争だったのか否かを含めて、色々異論もあるとは思います。ですが、国のためにと尽くして死んでいった者たちへの礼節を尽くしていないでおいて、好き勝手なことを言うべきではない、と思うのです。
<12月5日追記>
全然違う話ですみません。「新聞に関する調査/ネットリサーチDIMSDRIVEの公開アンケート調査結果【DIMSDRIVE】」が出ていました。
http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2008/081203/
「あなたがよく読んでいる新聞はどれですか。」という問いに対しては、ちょっと驚くべき結果がでていました。例えば、<1>朝日新聞24.5%、読売新聞23.4%と、朝日新聞のほうが多いこと、<2>毎日新聞6.4%であるのに対して、中日新聞5.5%、東京新聞1.2%であって、わずかながらでも中日+東京新聞の方が毎日新聞よりも多く読まれていること、<3>新聞は読んでいない人が20.8%とかなり多いこと、です。
もう1つ気になったのが、全国5紙のなかで「情報の正確さ」については、最も高い【日本経済新聞】48.5%と、最も低い【読売新聞】36.0%の間では12.5ポイントの差があったことです。
朝日よりも読んでいる人が少なく、情報も不正確だと思われている結果は、読売新聞としては衝撃を受けているでしょう。それはともかく、このブログでは朝日と東京新聞を引用することが多く、読売新聞はほとんど引用していないのですが、読売を引用しないでよかったなと思う次第です(笑)。
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