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以前の報道では、未定の部分が多々あったのですが、「移植への理解を求める会」(向田代表)は松山市で、本日、10月4日(土)午後2時から記者会見を行い、「移植への理解を求める会」が今後NPO法人化をする準備をしていること、また、透析患者等の患者団体が、早ければ10月下旬頃にも、国(厚労省)や日本移植学会幹部を相手に訴訟を起こす準備を行っていることを、明らかにしました。記者会見のの様子などは、「修復腎移植推進・万波誠医師を支援します」さんの「患者はもう待てない−厚労省に対し提訴準備−」(2008/10/04 18:05)をご覧下さい。
1.報道記事を。
(1) 東京新聞平成20年10月4日付朝刊1面(11版S)
「病気腎移植求め提訴へ 患者ら「国、治療の権利侵害」
2008年10月4日 朝刊
厚生労働省が病気腎移植を「原則禁止」にしたことにより、患者が適切な治療を受ける権利を侵害したとして、腎不全で透析中などの患者ら約10人が今月下旬にも、国などを相手取り、移植を受ける権利の確認と国会賠償を求め松山地裁に提訴する。
厚労省は昨年7月、日本移植学会などが示した「(病気腎移植は)現時点で医学的妥当性がない」との見解を踏まえて原則禁止にした。患者らは「事実と違う発言をして病気腎移植の道を閉ざした」として、同学会の幹部も相手取り、損害賠償を求める。
提訴するのは、香川県丸亀市の長谷川博さん(48)をはじめ、愛媛や岐阜、広島各県などの透析患者や病気腎移植を受けた患者約10人。国への賠償請求は、一人当たり1千万−数百万円。患者らは、治療を選ぶ患者の自己決定権や生存権を中心に争う考え。
患者らは「病気腎移植は海外でも実績があり、深刻な臓器不足の中で必要な手段」と主張。治療を選択する権利については、生命や自由を追求する権利を定めた憲法13条に基づき「合理的な理由がない限り国が禁止することは許されない」としている。
病気腎移植については、厚労省は日本移植学会などの見解を踏まえ昨年7月、臨床研究以外は病気腎移植を原則禁止することを盛り込んで改正した臓器移植法の運用指針を都道府県などに通知した。」
(2) 東京新聞平成20年10月4日付朝刊26面「解説」(11版S)
「病気腎移植 患者ら提訴 国の無策打開狙う
腎不全などで苦しむ患者たちが、国を相手に、病気腎移植を受ける権利を求め提訴に踏み切る決意をした背景には、一向に有効な施策を打ち出さない国に「これでは命がもたない」としびれを切らしたことがある。
病気腎移植は、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師を中心に始まったが、日本移植学会などは昨年3月、否定的な統一見解をまとめた。これを受け、厚生労働省は同7月、原則禁止とする改正した臓器移植法の運用指針を都道府県などに通知した。
海外では、小さながんを除去した病気腎移植がオーストラリアで60例近くある。
しかし、移植学会は「小さい腎がんは部分切除が主流で、(提供者となる)患者の治療を優先すれば病気腎移植はあり得ない」と否定。万波医師らは「多くの腎臓が捨てられている。小さいがんでも不安なので(すべて)摘出してほしいという患者がいる」と反論、対立は深まっている。
こうした中、今年5月、超党派議連の「修復(病気)腎移植を考える超党派の会」が要件を満たせば病気腎移植を容認する見解をまとめた。だが、その後、国に特段の動きはない。患者たちは法廷で生きる権利を訴え、状況を変えたいと願っている。 (特別報道部 片山夏子)」
それでもあえて「病気腎移植を受ける権利を求め提訴に踏み切る決意をした背景には、一向に有効な施策を打ち出さない国に『これでは命がもたない』としびれを切らしたこと」(東京新聞)にあります。
「しびれを切らした」原因は幾つもあります。
(1) 臓器移植法の改正は、国会審議さえ一向に進まない状態ですし、仮に臓器移植法を改正したとしても、今のままでは、臓器提供者が増える見込みはほとんどありません(「臓器移植法施行から10年〜法改正の審議も必要だが、提供意思を生かせる態勢は?」(2007/10/20 [Sat] 16:54:52)参照)。
ところで、毎年10月は「臓器移植普及推進月間」です。皆さんご存知だったでしょうか。
「臓器移植普及推進月間
10月は臓器移植普及推進月間です。臓器移植は、臓器の機能障害に対する根治治療として、各種の臓器不全に苦しむ患者さんにとっての大きな希望となっています。臓器移植を行うためには、臓器を提供するドナーの理解と協力が不可欠であり、脳死での臓器提供には、本人の書面による生前の意思表示と家族の承諾が必要です。厚生労働省と(社)日本臓器移植ネットワークでは、広く国民に対して臓器移植への理解と協力を呼びかけるとともに、臓器移植に対する意思表示を行うための「臓器提供意思表示カード」と「臓器提供意思表示シール」の普及を行っています。」(政府広報オンラインより)
新聞紙面に「臓器提供の意思表示にご協力ください」という広告が出ていたので、知っている方もいるとは思います。9月28日に毎日新聞、9月29日に読売新聞、9月30日に北海道新聞、東京・中日新聞、西日本新聞、10月1日に産経新聞で掲載しています(なぜか、朝日新聞での掲載なし。)。
しかし、どれほどの方がこうした広告に目に留め、「臓器移植普及推進月間」であることを理解しているのでしょうか。「臓器移植普及推進月間」について言及するブログはほとんどないのです。
このように、いまの臓器移植法では、すべての臓器移植が増える見込みがなく、「臓器移植普及推進月間」があったとしても、多く方に周知もされていないというのが現状なのです。献腎臓移植を含めた臓器移植の増加をするためには、現実的で実効的な臓器移植を講じる必要に迫られているのです。
(2) 超党派議連の「修復(病気)腎移植を考える超党派の会」が要件を満たせば病気腎移植を容認する見解をまとめています。しかし、「その後、国に特段の動きはない」(東京新聞)のです。
「(記者)
病気腎移植について議員連盟が病気腎移植を認めても良いのではないかという内容と万波医師の処分について処分する理由が認められないというような報告書をまとめて厚生労働省に提出したと思うのですが。
(大臣)
これは私もお会いしてお話を聞いています。ただ、お医者さんの専門家は、例えば、病気の腎を移植することはけしからんという方々もおられます。ですから、何が本当に正しいのか、それはやはり政治的に動かせる問題と医学の専門領域の問題がありますから、これはもう少しよく議論をしてと思っておりますので、万波医師の件もこれまで取り扱われた症例がどうであるかということを検討し、医学界の専門家の方、こういう方とも議論しながら、そしてまた片一方で議員連盟の方々の意見もあるということで少し時間をかけてどういう形で結論が出せるか検討していきたいと思います。」(厚生労働省の「閣議後記者会見概要」(H20.05.16(金)09:15〜09:26 ぶら下がり)から、抜粋)
この「閣議後記者会見」以降、厚生労働大臣による発言がないので、いまだ厚生労働省は、病気腎移植の是非について検討中ということになります。
このように検討したままで、何もしないでいるのが国(行政)なのです。しかし、今腎臓移植を必要としている患者にとっては、命に係る問題であるのに、このまま事実上放置されていては困るのです。
(3) 問題なのは、病気腎移植を永久に禁止するような行動にまで出ている団体・人物がいる点です。すなわち、大島伸一・日本移植学会前副理事長は、日本移植学会を利用した「修復腎移植禁止の見解」に飽き足らず、今度は日本学術会議を藁人形として、修復腎移植の全面永久禁止をもくろんでいるのです(「日本学術会議提言、病気腎移植(+政治家排除)と代理出産禁止を目的とした新組織設置を〜日本学術会議(大島伸一氏)は、「国民の代表者である国会議員を排除すること」が妥当だと思ってるのか?」(2008/08/11 [Mon] 23:59:46)参照)。
大島氏は、「特に病気腎移植は異様。学会が見解を出した後、政治家まで出てきた。倫理や社会にかかわる問題は別として、医学的には専門家として譲れない」として、移植医療に関しては専門家たる医師の専権であるとして、政治家の排除を公然と主張するのです。
しかし、国民から選ばれていない医師が、なぜ、国民から選ばれた政治家(国家議員)を排除できるのでしょうか?
専門家たる医師の意見は参考に値するとしても、医師には、立法権限のある国会、その議院に属する国会議員を排除する権限は皆無です。ましてや、政治家の排除を公然と主張し、生きる手段である病気腎移植を否定することは、国民主権原理、自己決定権(憲法13条)、生存権(憲法25条)に反する言動とさえいえます。
このように、日本移植学会側が病気腎移植(+政治家排除)と代理出産禁止を目的とした新組織設置をもくろんでいることは、修復腎移植の超党派議連を含むすべての国会議員へ喧嘩を売っているに等しい言動です。ここまで日本移植学会側が、修復腎移植を全面禁止するようなもくろみを図っている以上、修復腎移植容認側も何らかのアクションを起こすしかなくなった、といえるのです。
なお、全面禁止の措置は、学問研究としての臨床研究をも阻害するものであって、学問の自由(憲法23条)をも制約することになります。しかし、日本学術会議という学術団体が、学問研究活動を禁止する行動にでるのであれば、それはまさしく自己否定です。日本学術会議のメンバーは不思議に思わないのでしょうか?
3.まだ提訴してはいませんが、この「修復(病気)腎移植訴訟」が原告側勝訴で終結し、病気腎移植容認の立法化などで、「臓器移植法の運用指針」のうち、病気腎移植を原則禁止とした部分が無効化することを期待しています。
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