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2008/08/25 [Mon] 23:59:34 » E d i t
中国で初開催された第29回夏季オリンピック北京大会は8月24日夜、当地の国家体育場(愛称・鳥の巣)で閉会式が行われ、閉幕を迎えました。五輪史上最多の204カ国・地域が参加し、「一つの世界 一つの夢」をスローガンに掲げたスポーツの祭典でした。

開幕直前に新疆ウイグル自治区で起きた警察官襲撃事件の影響など、事前に懸念された大会運営の大きな混乱や、テロなどの妨害行為が北京で起きることもなく、また、大会前に不安視された大気汚染は大きな問題とはならずに、17日間の会期を平和裏に終えました。ただし、人権問題や報道統制などに対する批判は収まらないままでの閉幕となりました。



1.報道記事などを幾つか。

(1) 東京新聞平成20年8月25日付朝刊1面

北京閉幕 夢はロンドンへ 歩む「一つの世界」
2008年8月25日 朝刊

 【北京五輪本社取材団】「一つの世界 一つの夢」をスローガンに掲げた第二十九回オリンピック北京大会は二十四日、北京市北部の国家体育場(愛称・鳥の巣)で閉会式を行った。史上最大の二十八競技、三百二種目で熱戦を展開。陸上男子では、三種目制覇を世界新記録で達成したウサイン・ボルト(ジャマイカ)、一大会個人史上最多の八個の金メダルを獲得した競泳男子のマイケル・フェルプス(米国)など新たなヒーローを生み出し、十七日間の会期を終えた。

 大会には二百四カ国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)が参加。合計で百三十三の五輪記録が生まれ、そのうち四十三が世界記録だった。

 会期中の九日、北京市内では米バレーボールチームのコーチの義父が殺害される事件も起きたが、国家体育場など主要競技場は徹底した警備体制が敷かれ、表だった大きなトラブルはなかった。

 閉会式は午後八時(日本時間同九時)に、開会式と同様のきらびやかな花火の打ち上げで開始。中国各地の民俗芸能に用いられるさまざまな鳴り物が打ち鳴らされ、激闘を演じた各国の選手をねぎらった。

 満席となった九万一千人収容のスタンドから拍手が送られる中、二百四カ国・地域の旗を掲げた選手らは、笑顔で手を振りながら入場。

 日本選手団は、競泳平泳ぎで二大会連続二冠を遂げた北島康介(日本コカ・コーラ)、ジャマイカ選手団はボルトが国旗を持ち声援に応えた。

 中国選手団の旗手は、バドミントン女子シングルスで金メダルを獲得、連覇を達成した張寧が務めた。

 ロゲ会長が、閉会を宣言すると、二〇一二年、第三十回オリンピックのロンドン開催に向け英国旗が会場に掲げられ、五輪旗がロンドン市長に引き継がれた。

 五輪旗引き渡しセレモニーでは英国サッカー界のスター、デービッド・ベッカム氏が現れ、次期大会に向けサッカーボールを“キックオフ”。セレモニーを盛り上げた。」



(2) 東京新聞平成20年8月25日付朝刊1面

「再び訪れたい国」願う

 北島康介の2種目連覇にマイケル・フェルプスの8冠。ウサイン・ボルトの世界新。選手たちには思い出の地になった。素晴らしい競技施設、手厚いもてなし。五輪への直接のテロはなく、大気汚染や食の心配も封じ込められた。

 だが、夢舞台の床板を一枚はがすと、別世界があった。私は、新疆(しんきょう)から戻ってきた同僚の、引きつった顔を生涯忘れない。

 カメラマンの彼は開幕直前、テロの一報を受けて現場に飛び、何もしていないのに武装警察に連行された。殴られ、顔を踏まれた。

 1人が拳銃を抜いて、目の前で実弾を込めた。撃たれるかもしれない。その恐怖はいかばかりか。イラクでなく、平和の祭典を開く国で、だ。

 北京でデモを取材中に拘束されたイギリス人記者の連行シーンは世界に流れた。けれど、中国五輪組織委員会や公安当局の答えはのらりくらり。「記者だと分からなかった」「拘束は短時間」―。

 集会を申請したり、裁判所に請願をしたりして拘束された人は一体、どれぐらいに上るのだろうか。

 五輪の精神と対極にあるこうした行為は中国国内では報道されない。五輪礼賛記事と金メダルラッシュで「100年の夢の実現」「中国の強さの証明」と多くの国がただ酔いしれた。

 1人の学生と話が通じなくて筆談をした。北京有数の大学に通う彼は、こちらが紙に漢字をしたためると目を丸くした。「日本人なのに、なぜ漢字を書けるのか?」

 情報工学を学び、日本製品にあこがれるが日本人と話したのは初めて。「漢字は中国人が教えてくれた」と伝えると、また驚いた。

 五輪はいや応なく市民と外国人の接点を増やした。ジャック・ロゲIOC会長は閉会の会見で北京五輪が残したものとして「世界が中国を見つめたこと、中国が世界を学んだこと」をあげた。

 今まで知らなかったことを知ると、世の中を変える力になる。いずれ、政府が抑えきれない時はやって来る。

 故宮(こきゅう)に天壇(てんだん)公園。近代化した北京に5千年の歴史が息づく。「再びここを訪れたい」と、同僚と私が思える国になる時は来るのだろうか。「一つの世界 一つの夢」を実現する本当の一歩は、その時に刻まれる。(五輪取材団キャップ・斎田太郎)」





(3) 皆さんは北京五輪を見てどう感じたでしょうか。栄光を受けたメダリストだけでなく、他の全力を尽くした選手も記憶にとどめて置きたいと思います。

  イ:東京新聞の読者としては、北京五輪直前に、中国当局がなした記者への暴行・拘束に言及しておく必要があるかと思います。

「だが、夢舞台の床板を一枚はがすと、別世界があった。私は、新疆(しんきょう)から戻ってきた同僚の、引きつった顔を生涯忘れない。

 カメラマンの彼は開幕直前、テロの一報を受けて現場に飛び、何もしていないのに武装警察に連行された。殴られ、顔を踏まれた。

 1人が拳銃を抜いて、目の前で実弾を込めた。撃たれるかもしれない。その恐怖はいかばかりか。イラクでなく、平和の祭典を開く国で、だ。

 北京でデモを取材中に拘束されたイギリス人記者の連行シーンは世界に流れた。けれど、中国五輪組織委員会や公安当局の答えはのらりくらり。「記者だと分からなかった」「拘束は短時間」―。」(東京新聞)



本紙カメラマンら拘束 新疆テロ取材 武装警官が暴行、機材破壊
2008年8月5日 夕刊

 【カシュガル(中国新疆ウイグル自治区)=池田実】中国新疆ウイグル自治区カシュガルで警官ら十六人が死亡したテロ事件で、現場を取材していた本紙カメラマンらジャーナリスト四人が四日夜、一時武装警察に拘束され、暴行を受けた。

 拘束されたのは東京新聞(中日新聞東京本社)写真部の川北真三記者(38)と、日本テレビ北京駐在の勝田真司記者(37)の邦人二人と、香港の記者二人。川北記者は取材に向かうため事件現場近くの路上を小走りに歩いていたところ、数人の武装警察官に突然取り押さえられ、他の三人の記者とともに同地の辺境部隊の敷地内に連れ去られた。

 四人は同地の敷地内で地面に倒され、頭部を踏み付けられたうえ、脇腹やあごなどに殴るけるの暴行を受けた。

 その後、武装警察官は、川北記者のカメラを奪い取り、撮影内容をチェック。四人は携帯電話などで連絡をとることも許されないまま、約二時間拘束され、五日午前一時前(日本時間午前二時前)解放された。(以下、省略)」(東京新聞平成20年8月5日付夕刊


こうした報道機関への規制は、「中国とはこういう国なのだ」と、日本だけでなく世界に対しても知らしめたのです。


  ロ:中国もまた、世界を知ったのです。

「1人の学生と話が通じなくて筆談をした。北京有数の大学に通う彼は、こちらが紙に漢字をしたためると目を丸くした。「日本人なのに、なぜ漢字を書けるのか?」

 情報工学を学び、日本製品にあこがれるが日本人と話したのは初めて。「漢字は中国人が教えてくれた」と伝えると、また驚いた。

 五輪はいや応なく市民と外国人の接点を増やした。ジャック・ロゲIOC会長は閉会の会見で北京五輪が残したものとして「世界が中国を見つめたこと、中国が世界を学んだこと」をあげた。」


東京新聞(中日新聞)の記者の体験話とは言え、こうした小さな事実もまた、「中国が世界を学んだ」ものといえるわけです。


  ハ:壮麗な開会式は、実は不自然な「演出」があったため、物議を醸す結果になりました。

「もう18年も前になる。天安門事件の翌年に北京でアジア大会があって取材に行った。国際社会の信頼を取り戻すのに、中国が懸命になっていた時期だ。開催そのものが危ぶまれたが、各国から約6千人の選手が参加した▼ピリピリした空気を覚悟していたのに、当局者の対応は意外に緩やかだ。街の雰囲気も明るい。一見の記者が抱いた甘い感想を、しかし、助手に雇った大学生は一蹴(いっしゅう)したものだ。「北京は今、お客さん用の顔をしていますから」▼さて五輪の期間中、中国はどんな顔を見せてくれただろう。やはり開会式の「演出」は後味が良くない。「漢族の子が扮した56民族の代表」「CGの花火映像」、さらに「口パクの歌」。壮麗な出し物ともども、長く記憶されるだろう▼わけても口パクである。ある少女から「容姿」を、別の少女からは「声」を「いいとこ取り」するやり方には、「個の人格」を軽んじる危うさが透けていないか。「国益のため」という説明を聞くにつけ、国家主義の横顔が脳裏から消えやらない▼開閉会式の総監督を務めた張芸謀(チャン・イーモウ)氏は、本紙との会見で「小さなことを意図的に拡大するのはよくない」と批判に異を唱えた。だが大きな真実は往々にして、小さな穴からこそ、のぞき見えるものだ(以下、省略)」(朝日新聞平成20年8月25日付「天声人語」)


閉会式では、「開会式のような『不自然な演出』があった」との話は(まだ!?)出ていませんが、閉会式での歌い手すべて「口パク」ではないかとの意識で見てしまったことは確かです。特に、テノール歌手のプラシド・ドミンゴさんの場合は、(あの姿勢と口のあけ方では、あの程度まで声量は出ないはずと思い)「口パク」だったような感じがするのですが……。


「閉会式は午後八時(日本時間同九時)に、開会式と同様のきらびやかな花火の打ち上げで開始。中国各地の民俗芸能に用いられるさまざまな鳴り物が打ち鳴らされ、激闘を演じた各国の選手をねぎらった。」(東京新聞)


閉会式も華やかなものでしたが、張芸謀(チャン・イーモウ)氏の演出だったせいでしょうか、上空でワイヤーでつるした太鼓にワイヤーでつるした演技者が太鼓を叩き、中央に建てた塔に多数人がワイヤーでつるして演技をし、電飾で飾った者が空中をワイヤーで浮遊するなど、ワイヤーアクションを多用しすぎた感があり、どうかと思わせるものがありました。開会式、閉会式ともども人海戦術といえる演出は、中国らしいものだったのかもしれません。

次回の五輪開催地であるロンドンの文化を紹介するパートでは、2階建てバスを舞台に見立てたロンドンの演出を展開しており、洒落た演出でした。特に、伝説のロックバンド、レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジと、人気女性歌手のレオナ・ルイスが登場して、レッド・ツェッペリンの名曲「Whole Lotta Love(胸いっぱいの愛を)」を披露するなど、少ない人数で十分に惹き付け強く印象付ける演出は、さすがだと感じました。こうしたことが出来るイギリスと出来ない中国の差は、大きいものがあるように思えます。




2.北京五輪は、やはり選手が中心です。その北京五輪について、取材団がうまくまとめていますので、紹介しておきたいと思います。

(1) 東京新聞平成20年5月25日付朝刊12面

【総合】日本、進まぬ世代交代 大会を振り返って…本社取材団座談会
2008年8月25日


 24日に閉幕した北京五輪。日本選手団は金9個、メダル総数では25個と前回のアテネ大会を下回った。ただ、アジアで3度目の夏季大会であり、隣国での開催はあらゆる意味で関心をそそられた。取材に当たった記者たちが大会を振り返った。

◆日本のまとめ

 A 競泳はアテネの8個よりメダルの数は減ったが、最低限の目標だった総数5個を確保。独自の派遣標準記録をクリアした選手だけを出場させる方針が3大会連続で成功している。

 B 競泳男子平泳ぎで2冠の北島は今大会の顔。他競技の選手からも「世界新記録で金メダルを取るなんてすごい」という声が上がった。

 C バドミントンは女子ダブルスの末綱、前田組が4位になり、昨年の世界選手権に続き上位進出ペアを出した。国際大会出場とナショナルトレーニングセンター(NTC)での合宿の2本柱で強化する策が成功した。

 D ソフトボールは劇的な展開で悲願の金メダルを獲得。決勝トーナメントの2日間で3試合、413球を投げ抜いた上野はすごかった。

 A フェンシングでは、男子フルーレで太田が日本初のメダルとなる銀に輝いた。日本協会が有力種目のフルーレに強化費を重点投入し、東京を拠点にした500日合宿が実った。

 C 自転車トラックのケイリンで永井が日本発祥の種目で念願のメダル(銅)を獲得したのも印象的。

 D でも、競泳の個人メダリストは全員24歳以上。世代交代が進まずロンドンの展望は開けなかった。

 C 卓球は団体戦で男女ともメダルに王手をかける善戦。ただし、その後のシングルスは燃え尽きたようだ。

 B 男子の団体球技の不振が目立った。サッカー、バレーボールはいずれも1次リーグ全敗で姿を消した。野球もメダルに届かず、ふがいなさが際立った。

 A 想像はできたが、柔道男子100キロ超級の石井が金メダルを獲得するまでは2連覇ばかり。偉業には違いないが、日本選手団を勢いづけるために初陣や若手の頑張りが序盤から欲しかった。

 C 連覇の金メダルが多いのは、世代交代が進まなかった証拠だ。

◆中国の躍進 

 A 中国はメダルランク1位になったが、陸上や競泳といった主要競技はそれほどでもない。種目数が多い射撃、重量挙げ、飛び込みで稼いだ。メダル大国になったが、スポーツ全般での大国かどうかは疑問。

 D それでも、競泳女子200メートルバタフライで中国選手が驚異的な世界新記録で1、2位。底知れぬパワーを感じた。

 C もともと力を入れている採点競技で強さを発揮した。地元開催の声援を重圧でなく、完全に追い風にした。

 D 体操男子は団体総合、個人総合に加え、種目別も跳馬を除く5種目を制覇。8個のうち7個の金メダルを荒稼ぎ。トランポリンも勝った。これまで中国の演技は難度は高いが美しくないと言われてきたが、完成度も備わってきた。順位が固定されがちな新体操団体で中国が欧州の強豪を抑え銀メダルだったのは驚いた。

◆小国の台頭 

 C 柔道100キロ級では、1回戦で鈴木を破ったツブシンバヤルがモンゴルに初の金メダルをもたらした。相撲だけでなく、柔道でも日本を脅かす存在になったのかも。

 A ジャマイカは小国だが、短距離では王国。ボルトが100、200、400メートルリレーをいずれも世界新記録で優勝したのはすごかった。

 B だけどトーゴのカヌー選手はフランスから国籍を変えているし、バーレーンの陸上選手は元はモロッコ国籍だった。小国が五輪でメダルを取るのは簡単じゃない。

◆大会運営 

 D クレー射撃会場に中山の両親が、知人に寄せ書きしてもらった日の丸を持参した。客席では規制に配慮していたが、試合後、会場を出て中山に見せようと待っていたら、中国人の係員が執拗(しつよう)にさえぎろうとした。中山の小学1年の長女は泣きだしてしまった。混乱の起こりようのない場所での規制は行き過ぎではないか。

 D サッカー男子決勝は、正午開始という時間帯ながら、観客はほぼ満員。陸上を含め、メーンスタジアムの観光効果もあるが、中国がらみでなくても、客席が埋まり、開催国としての最低限の威厳を守った。

 A 大会前からテロの危険性が叫ばれたが、武装警官ではなく、ボランティアを前面に出すことで、柔らかいイメージを演出していたね。

 B バレーボールやソフトボール、レスリングなど日本選手が出場する会場には、日本の曲が流されていた。こっけいな選曲もあったが、中国の会場で、日本の曲が大音量で流されるとは思わなかった。

◆日本の課題 

 C 移動や宿泊などで特別待遇だった競技(マラソン、野球など)の不振がひどかった。特に陸上は、同じ個人競技ながら一体感のあった競泳を見習うべきじゃないかな。

 A 出場枠の見直しを検討すべきだ。特に早々と敗退することが多かった陸上は、猛省を促したい。陸上は40人で銅1、競泳は31人で金2、銅3。「なぜあの程度で出られる」と他競技の関係者から不満が聞こえた。

 D このままベテラン頼みだとメダル数は必ず先細りする。例えば、レスリングの日本女子は世界最強軍団の面目を保ったが、中国の若手の台頭などをみるとロンドンでの危機感は高まる。

 B フェンシングのように初めてメダルを取った競技団体には今後、手厚く援助して、他の競技団体の励みにすべきだろうね。

◆今後の展望 

 A 野球廃止の理由として、IOCロゲ会長は米大リーグのトップ選手が出場しないこととドーピングへの理解のなさを挙げていた。

 C テレビ局への配慮は行き過ぎ。選手を無視した競泳や体操の午前決勝はやり過ぎだった。

 B 国籍変更が横行していて、勝負の興味をそいだ。卓球はまるで中国選手権のようだった。国籍を変える事情がある選手は別だが、五輪に出るためだけの変更は歯止めをかけるべきだ。

 D 中国開催で政治的メッセージのアピールを避ける意味があってか、会場での国旗以外の横断幕掲示やはっぴ着用などが当初禁止された。過度の規制は味気ないものにしていく。五輪が人の手から離れている気がしてならない。

 D 忘れられた感もある聖火リレー問題だが、どういう意味を持たせるのか。真剣に検討する時期に来ていると思う。」



(2) この座談会を読むと、色々と思い出したことがあると思います。ロンドン五輪ではもう見られない、ソフトボールは金メダルを獲得して有終の美を飾ったのですが、野球は期待を裏切る結果になってしまいました。こうした結果への反省もあるでしょう。こうした期待を受けていた競技とは別に、フェンシングのように思わぬ成果があり、ロンドン五輪でも期待できそうな競技も出てきています。

世界の選手を見ると、「国籍変更が横行していて、勝負の興味をそいだ」とか、「卓球はまるで中国選手権のようだった」といった批判もあります。そうした気持ちになることも自然なことではあるとは思いますが、選手は国家に帰属しているのではなく、自らの力と技の進歩を発揮するものなのですから、そうした批判は当たらないように思えます。クーベルタンが提唱したオリンピックのあるべき姿(オリンピズム)とは、「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」というものなのですから。

選手だけではありません。中国では、選手強化の目的で、野球・フェンシングには欧米人、ホッケー・ハンドボールには韓国人といった計38人の外国人指導者を招請したそうです(読売新聞平成20年8月25日付朝刊21面)。そして、シンクロナイズド・スイミングの井村雅代氏が、中国のコーチとなり、日本を破り、中国初の表彰台となる銅メダル獲得に貢献しました。これも、オリンピズムからすれば、少しもおかしなことではないのです。



(3) ともあれ、中国が国威発揚のチャンスとして、「史上最大」の豪華さにこだわった五輪は終わりました。

豪華・拡大路線 最後に

 五輪の未来はどうなるのか。ロゲ会長は「今回は中国という世界で最も人口の多い国で開くことに意義があった。12年ロンドン大会は近代スポーツを発明し、ルールやフェアプレーの精神を生んだ英国で開かれる。そうした価値を構築すべきだ」。ハード面の華美さではなく、スポーツが内包する精神面の豊かさに目を向ける。サマランチ前IOC会長が推し進めた肥大化にもくさびを打つ。次回は現行の28競技から野球とソフトボールが消え、参加選手の総数も絞り込む。

 ロンドン組織委のコー会長も呼応する。「我々は豪華さで北京と競うつもりはない。未来を担う子どもたちにスポーツのすばらしさを伝えたい。それを次世代への遺産にしたい」(以下、省略)」(朝日新聞平成20年8月25日付朝刊2面)


今後の五輪、少なくともロンドン五輪は、全く違ったものになりそうです。

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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