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2008/08/10 [Sun] 21:54:11 » E d i t
第29回夏季オリンピック北京大会は8月8日午後8時(日本時間同9時)、北京市北部の国家体育場で開会式を開催、17日間にわたるトップアスリートによる競技への幕を開きました(東京新聞平成20年8月9日付朝刊1面「北京五輪 『百年の夢』開幕 厳戒下 平和の願い」)。暴動やテロへの警戒から厳重な警備が敷かれる中、史上最多の204ヶ国、地域から選手、役員合わせて約1万6000人が参加し、「一つの世界 一つの夢」をスローガンに掲げた世界最大のスポーツ祭典が幕を開けたのです。

アジアでの夏季五輪開催は、東京(1964年)、ソウル(88年)に次いで3回目、20年ぶりとなります。中国は1908年に五輪招致を初めて提唱してから百年を経ての悲願達成となったのです。日本選手団は史上最多の576人となっています。


 
1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成20年8月9日付朝刊1面

北京五輪が開幕 史上最多の204カ国・地域が参加
2008年8月8日20時57分

 【北京=阿久津篤史】第29回オリンピック競技会北京大会は8日午後8時(日本時間午後9時)、主会場の国家体育場(愛称・鳥の巣)で開会式が行われ、24日の閉会式まで17日間のスポーツの祭典が幕を開けた。中国での五輪開催は初めて。史上最多の204カ国・地域から選手、役員約1万6千人が集い、28競技302種目で競う。

 入場行進は五輪発祥国ギリシャを先頭に、中国語で表記した国名の1文字目の漢字画数が少ない順に続き、日本は23番目に登場した。卓球女子の福原愛(ANA)を旗手に約190人が行進した。日本はハンドボール、バスケットボールを除く26競技に、選手339人、役員を含めると史上最多の576人の選手団を編成した。2けたの金メダル獲得を目標にする。ブルネイの不参加がこの日決まり、国際オリンピック委員会(IOC)加盟国、地域すべての参加はならなかった。

 開会式は中国の歴史や改革開放後の姿を絵巻物風に見せる演出だった。急速な経済成長で、国際社会での中国の存在感は高まっている。チベット問題などで一時は欧州の首脳らに開会式欠席の動きも出たが、5月の四川大地震で中国が国際社会と協調する姿勢を見せ、ダライ・ラマ14世側との対話が進むなど状況が好転。日本の福田首相をはじめ出席した各国の王室、国家元首、首脳は五輪史上最多とみられる80人以上になった。

 中国は民族問題を抱え、五輪に乗じたテロの不安がある。中国の人権問題を批判する活動も当局の懸念材料で、開会式の観衆9万1千人には入場券購入の際に身元を確認し、この日も厳戒態勢が敷かれた。

 アジアでの夏季五輪開催は64年東京、88年ソウルに続き3度目。」



(2) 読売新聞平成20年8月9日付朝刊18面

「朋あり遠方より来たる」 開幕“宣言”

 2008人の人民解放軍兵士が手で打ち鳴らす中国最古の打楽器「缶(ふ)」の大音響。打ち鳴らしながら詠唱する孔子の言葉「朋(とも)あり遠方より来たる、また楽しからずや」で、北京五輪開会式の幕が開いた。

 天安門広場、紫禁城を通ってまっすぐ北に位置する五輪会場まで、龍にたとえる北京の中枢軸に沿って順次打ち上げられた花火が、「過去の五輪」を象徴する巨人の、一歩一歩踏みしめる足跡を表現する。鳥の巣上空で、五輪の流れは星くずの光となってスタジアムに流れ込み、会場に巨大な5つの輪を作った。

 中国文明をテーマにしたハイライトでは、聖火トーチのデザインにも使われた巻紙が、会場の床いっぱいに展開し、その上に古代から脈々と続く文明の絵巻物が展開した。造紙技術のほか、古代中国4大発明の火薬を象徴する花火、活版印刷のパフォーマンスに浮かぶ「和」の文字、羅針盤を象徴する大航海のマスゲーム、シルクロード……。文化の豊かさと、それが培った中国の繁栄が示され、最後に未来を示すマスゲームで人々がピラミッドとなって「鳥の巣」を形作り、伝統と未来の共存を象徴した。

 中国色を貫いたパフォーマンスは、続いて太極拳で表す万物の根源「太極(たいじ)」と、人と自然との共存を重んじる精神文化を披露。最後に地下から地球が誕生すると、1年かけて世界中で集めたという子供たちの笑顔がフロアと、スタジアム上辺のスクリーンに展開し、選手入場を迎え入れた。

 オリンピックを、世界により中国を知ってもらい、中国が世界をより知る機会に――。人権問題批判が抗議活動が、五輪開幕直前まで続く中、それは文化が培った人々の心を、理解してほしいというメッセージにも思えた。(結城和香子)」



(3) 【共同通信】(2008/08/09 00:46)

中国の夢が実現 ロゲ会長スピーチ要旨

 北京五輪開会式でのロゲ国際オリンピック委員会(IOC)会長のスピーチ要旨は次の通り。

 中国は五輪を開いて北京に世界の選手を招くことを長く夢見てきた。今夜、その夢が実現した。大会テーマの「一つの世界 一つの夢」はわたしたちを表している。「一つの世界」として世界は四川大地震に胸を痛め、中国の人々が見せた勇気と連帯に感動した。「一つの夢」として五輪が喜びと希望、誇りをもたらすことを願う。選手は大会がパフォーマンスだけでなく、人種、性別、宗教、政治体制を超えた平和の集まりであることを忘れないでほしい。わたしたちが誇らしく思うような行いをしてください。(共同)

2008/08/09 00:46 【共同通信】」




「天安門広場、紫禁城を通ってまっすぐ北に位置する五輪会場まで、龍にたとえる北京の中枢軸に沿って順次打ち上げられた花火」など、 国家体育場(愛称・鳥の巣)だけでなく、付近一帯で打ち上げられた花火があり、また、「2008人の人民解放軍兵士が手で打ち鳴らす中国最古の打楽器「缶(ふ)」の大音響」といった多数人を動員した開会式は、目を見張るものでした。

しかし、「開会式で展開された北朝鮮を思わせるマスゲームは権威主義的な政治体制も想起させた」(東京新聞平成20年8月9日付「社説」)ともいえますし、街中で打ち上げられた厖大な花火は、街中の住人に大きく制約を課したはずですし、街中の住人は花火の燃えカスの後始末に追われる状態になっているはずです。開会式のパフォーマンスは、色々な意味で「中国ならではのものだった」という思いがしました。



2.北京五輪開催に当たっての社説と解説記事を幾つか紹介しておきます。

(1) 東京新聞平成20年8月9日付【社説】

北京五輪開幕 中国が変わる機会に
2008年8月9日

 北京の空に五輪旗が翻った。中国の復興を象徴する大会だ。国内には極端な格差や人権問題など多くの難題を抱えている。五輪を成功させ国際社会と調和する大国として発展することを切に望む。

 開会式はフィールドに演舞で中国の歴史を再現し、京劇や武術など伝統文化を生かした演出で「中華文明」の復興を象徴した。

 中国はアヘン戦争(一八四〇年)以来、列強の侵犯で半植民地の状態に置かれた。中華人民共和国(一九四九年)建国後も政治運動が続き立ち遅れた。しかし、改革・開放の開始(七八年)以降、急速に成長し、経済規模ではドイツに匹敵する世界第四位の大国に発展した。

 東京五輪(六四年)は日本の戦後復興、ソウル五輪(八八年)は韓国民主化を告げた。アジア三回目の夏季五輪は中国が不死鳥のように立ち上がったことを示す。

 開会式で展開された北朝鮮を思わせるマスゲームは権威主義的な政治体制も想起させた。七年前、五輪の北京開催を決めたとき、世界は一つの夢を見ていた。

 同年に実現した世界貿易機関(WTO)加盟で中国が市場経済のルールを受け入れたように、五輪開催は人権や自由など普遍的な価値観を中国が共有することにつながるのではないか。この夢は残念ながら幻想かもしれない。

 中国の民衆はいまだに自らの意見を投票や言論、あるいは集会やデモで表現する十全な自由を得ていない。抑圧された民意はときに騒乱や暴動などの極端な形で噴き出し、日本やフランスへの攻撃といった排外の様相も帯びる。

 チベットやウイグルなど少数民族の不満は高まり漢民族中心の中央政府に反抗が強まっている。北京五輪は息が詰まるような厳戒で開かれる事態に追い込まれた。

 それでも、五輪がテロや混乱もなく成功を収めることを望むのは五輪の挫折は中国の自信を揺るがし、聖火リレーで見られたように国際社会の批判に身構える可能性が高いからだ。内外とも強硬姿勢を招きかねない。

 五輪の成功と海外の評価は中国が歴史的に内向させた被害者意識を克服し、政権に度量ある内外政策を選択する余裕を与える。四川大地震が六万人以上の犠牲を出しながら、外国のメディアに現場を公開し支援を受け、内外の融和につながったことを想起したい。

 そのためにも、中国には金メダルの獲得数で覇を競う国威発揚の大会にはしてほしくない。」



(2) 日経新聞平成20年8月9日付朝刊30面

「21世紀の五輪」IOCの挑戦  理念 真に浸透なるか

 「中国は世界の他の多くの国にとって神秘の国だが、五輪によってそんな空気が変わる。世界が中国を知り、中国も世界を知る」。開幕前日の記者会見で、国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は北京五輪の意義を説いた。五輪は中国の政治社会の扉を世界に開いたのだと。

 実は北京はロゲ体制が決めた開催地ではない。ロゲ会長は2001年のIOC総会で北京開催が決まった直後に、サマランチ前会長を引き継いでいる。北京五輪はいわば前会長の置き土産であり、そこには人権問題や環境問題など負の要素も詰まっていた。

 そんな北京をロゲ会長はかばい、ほぼ一貫して支持してきた。北京入り後は競技場や選手村などの施設整備を「史上最高」と絶賛している。そこまで評価するのは、IOCにとって北京五輪が必ず成功へと導きたい壮大な実験だからだろう。

 20世紀に熟した商業五輪の最終形の一つとしてシドニーの成功があり、21世紀最初の夏季五輪はアテネで原点回帰、次は21世紀を占うスポーツ新市場の開拓。サッカーをはじめスポーツ界が世界規模での市場争奪戦を繰り広げる中で、3度目のアジアでの五輪開催で市場を切り開く。

 巨額の資金提供を受ける協賛企業「ワールドワイドパートナー」(12社)の威光を背に、IOCはビジネスと自由を基軸とするスポーツの理想実現の両立を目指している。今大会では北京五輪組織委員会(BOCOG)が、IOCが集めた額を上回る総額10億ドルを国内スポンサー51社から調達。五輪ムーブメントは中国マーケットを掘り起こし、スポーツビジネスを浸透させることに成功した。

 今後、注目すべきは本当に中国が「開かれるのか」という点だろう。

 中国は五輪開催に向けて莫大(ばくだい)な資金を投じて五輪公園という豪華なスポーツ空間をつくりだした。政治、宗教、文化の障壁には半ば目を背けたまま、ある意味では本来の中国とは“別の世界”で、金メダル獲得レースのトップに躍り出ようとしている。

 それが成されたとき、中国のスポーツ文化はどう変容するのか。IOCが五輪を通じて訴える「スポーツを通じた自由で平和な社会の創設」を浸透させるには時間がかかるだろう。それでも、スポーツの感動がそうした流れを呼び起こすスイッチになる可能性は信じてもいい。(串田孝義)」



(3) 朝日新聞平成20年8月8日付朝刊3面「あしたを考える」面

巨大五輪 北京で幕 ロゲ体制は脱政治

 北京五輪開催が決まってから、国際オリンピック委員会(IOC)は常に「スポーツと政治」の問題と隣り合わせだった。フアン・アントニオ・サマランチ前会長はIOC側から政治に接近する姿勢を見せたが、引き継いだジャック・ロゲ会長は北京を最後に、五輪の在り方を変えようとしている。 (稲垣康介)

 政治色の濃い北京五輪を後押ししたのは、サマランチIOC前会長だった。

 80年モスクワ、84年ロサンゼルス両五輪は東西冷戦の中で米国、ソ連のボイコット合戦に水を差された。苦い教訓から、サマランチ氏は各国首脳との人脈作りに腐心した。

 88年ソウル大会は韓国が民主国家となるきっかけを作り、92年バルセロナ大会ではアパルトヘイト(人種隔離)政策に対する制裁を解除し、南アフリカの復帰を実現させた。スペインの駐ソ大使だった経歴を生かし、IOC側から政治に関与していった。

 スポンサー制度、巨額のテレビ放映権料など商業主義を導入し、プロ選手を取り込んで大会規模も肥大化させた。

 その集大成が、中国での五輪開催だった。13億人の民を抱える一党支配の国に五輪運動を広め、人種問題の改善さえもめざした。

 「北京五輪までの人権の状況が改善することを望む」。当時のフランソワ・カラードIOC事務総長は開催が決まった直後の記者会見で、あえて政治的な注文を出した。

 北京五輪が決まった01年総会で、サマランチ氏は21年間務めた会長を退き、ロゲ氏が就任した。ヨットの五輪選手だったロゲ会長は整形外科医の理論派。商人出身で名誉欲の強かったサマランチ氏と違い、政治家と親密な関係を築くことに興味はない。

 ロゲ会長が漏らしたことがある。「私にとって選手や選手団長の頃が五輪の黄金期。会長ともなると責任が増える。心地良いことばかりではない」

 新会長は五輪会場のコンパクト化を提唱し、仮設や既存施設の利用を勧めた。12年ロンドン五輪では野球とソフトボールを除外し、スリム化に乗り出す。聖火リレーの国際ルートも取りやめなどの見直しを図ると明言している。

 「北京五輪のような派手な五輪はもうやめるべきだ。サマランチ氏の時代とは違う」

 かつてマーケティングを担当し、商業主義の旗振り役だったディック・パウンド委員も、自戒を込めて言う。

 「華美な会場を次々と新設し、国家の威信を誇示する五輪は、おそらく北京が最後になる。北京は最後の「サマランチ五輪」とも言える。


◆IOC 中国に戸惑い  「文化の違い」最後まで

 「五輪は危機にある。疑問の余地はない」。4月、ロゲ会長は北京での記者会見で苦しい胸中を語った。

 欧米で聖火リレーが妨害行為にあっていた。人類の融和や平和の象徴であるはずの火が、チベット騒乱の武力弾圧を巡る「反中国」の国際世論に吹き消されそうだった。

 リレーを中止すれば、五輪は暴力に屈した印象を与える。ロゲ会長は嵐が過ぎ去るのを待つしかなかった。

 聖火が標的にされたのは、「平和の祭典」の主催者であるIOCが中国の人権弾圧を黙認しているというメッセージを活動家に与えたためもあった。「政治に干渉はしない。政治から介入も受けない」。ロゲ会長がいくら建前を説いても、IOCは北京を開催都市に選んだ責任から逃れることはできなかった。

 「何人の副市長と話せば、問題は解決するんだ?」

 IOCのジルベール・フェリ五輪統括部長は7月7日に北京入りしたあとも、中国側の対応に戸惑った。入れ代わり立ち代わり「担当者」が現れる。

 「欧米と中国の文化の違いを、改めて実感した」

 それでも会議への出席者がIOCの質問に答えられるケースは少なかった。北京五輪組織委員会が中国当局の了承なしに決められることは、極めて限られていた。

 その象徴が情報統制だ。中国当局は五輪を取材するメディアの拠点となるプレスセンターでのインターネット利用を制限した。一部の国際人権団体や英BBC中国版などのサイトが閲覧できず批判が続出した。7月末にIOCが改善を要求して一部は解除されたが、開幕が目前に迫っても中国側との認識の違いは消えることはなかった。


◆「中国に遺産残る意義 大きい」サマランチ前会長に聞く

 サマランチ前会長(現名誉会長)に、開幕を前に話を聞いた。

 ――北京五輪の開幕が近づいてきました。

 「感慨深い。84年の建国35周年式典で北京に招かれ、一糸乱れぬパレードと豪華な晩餐(ばんさん)会に感動した。そのとき中国の友人に五輪招致を勧めたのが懐かしい」

 ――4月の聖火リレーの混乱は心配しましたか?

 「84年ロサンゼルス大会を最後にボイコットは消えた。開会式不参加を主張する人間はいても、大会をボイコットする声は聞こえてこない。ボイコットは、その国の選手を苦しめる無意味なことだと、政治家たちは学んだ」

 ――64年東京、88年ソウルにつづき、東アジアでの3度目の夏季五輪です。

 「東京五輪の時、スペインの選手団長で来日し、新幹線や高速道路の整備に驚いた。五輪は世界最大のスポーツの祭典であり、都市も変える。東京、ソウル、そして私の故郷バルセロナ(92年五輪開催)もそう。同じ事が今、北京で起きている」

 ――中国は人権弾圧などで批判を浴びています。

 「ソウルが決まったとき、韓国は多くの国と外交関係すらなかった。五輪を開いて民主国家としてスタートを切った。IOCが国際関係の好転に貢献した一例だ。世界で人口が最も多い中国に五輪の遺産が残る意義は大きい」(以下、省略)」





3.北京五輪大会テーマは「一つの世界 一つの夢」です。

(1) 大会テーマの言葉は素晴らしいのですが、北京五輪についての新聞社の社説や解説記事は、どの新聞社もあまり好意的な内容とはいえません。

「中国の民衆はいまだに自らの意見を投票や言論、あるいは集会やデモで表現する十全な自由を得ていない。抑圧された民意はときに騒乱や暴動などの極端な形で噴き出し、日本やフランスへの攻撃といった排外の様相も帯びる。

 チベットやウイグルなど少数民族の不満は高まり漢民族中心の中央政府に反抗が強まっている。北京五輪は息が詰まるような厳戒で開かれる事態に追い込まれた。」(東京新聞平成20年8月9日付「社説」)


どの記事を見てもこうした指摘が必ずなされています。他には、聖火リレーへの妨害と抗議活動、北京での大気汚染、食品の安全への不安、テロの続発といった指摘もなされ、どれ一つとっても、北京五輪に参加する選手を不安にさせる要素です。

開会式のパフォーマンスからしても、北京五輪が「共産党主導の政治ショー」「中国国家の威信を誇示する場」であることが明らかです。こうした点もあって、新聞各紙が北京五輪に厳しい目を向けているのだと思います。


(2) 北京五輪は中国社会が変わるきっかけとなったことは確かです。 

 「オリンピックを、世界により中国を知ってもらい、中国が世界をより知る機会に――。人権問題批判が抗議活動が、五輪開幕直前まで続く中、それは文化が培った人々の心を、理解してほしいというメッセージにも思えた。」(読売新聞)

 「中国は世界の他の多くの国にとって神秘の国だが、五輪によってそんな空気が変わる。世界が中国を知り、中国も世界を知る」。開幕前日の記者会見で、国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は北京五輪の意義を説いた。五輪は中国の政治社会の扉を世界に開いたのだと。」 (日経新聞)


「世界が中国を知り、中国も世界を知る」ことになったことは確かですが、中国の政治社会が変わるのかどうかは、誰にも分かりません。

ロゲ会長は、

「選手は大会がパフォーマンスだけでなく、人種、性別、宗教、政治体制を超えた平和の集まりであることを忘れないでほしい。わたしたちが誇らしく思うような行いをしてください。」

と述べています。これは、選手だけでなく、中国政府、他の国に対しても通用する発言であるように思えます。



(3) 「今大会では北京五輪組織委員会(BOCOG)が、IOCが集めた額を上回る総額10億ドルを国内スポンサー51社から調達。五輪ムーブメントは中国マーケットを掘り起こし、スポーツビジネスを浸透させることに成功した」(日経新聞)そうです。

そうすると、スポーツビジネスに関わる世界各国の企業にとっては、より莫大な利益を生み出す中国マーケットとなったとして、北京五輪の開幕前から、すでに五輪は成功であったといえるのかもしれません。



(4) 朝日新聞によれば、北京五輪のような派手な五輪はこれで最後だそうです。

 「ロゲ会長が漏らしたことがある。「私にとって選手や選手団長の頃が五輪の黄金期。会長ともなると責任が増える。心地良いことばかりではない」
 新会長は五輪会場のコンパクト化を提唱し、仮設や既存施設の利用を勧めた。12年ロンドン五輪では野球とソフトボールを除外し、スリム化に乗り出す。聖火リレーの国際ルートも取りやめなどの見直しを図ると明言している。
 「北京五輪のような派手な五輪はもうやめるべきだ。サマランチ氏の時代とは違う」
 かつてマーケティングを担当し、商業主義の旗振り役だったディック・パウンド委員も、自戒を込めて言う。
 「華美な会場を次々と新設し、国家の威信を誇示する五輪は、おそらく北京が最後になる。北京は最後の「サマランチ五輪」とも言える。」(朝日新聞)


五輪会場のコンパクト化、競技種目のスリム化など、派手な五輪が北京五輪で最後であるなら、その派手さを十分に楽しむしかないでしょう。今回で五輪最後の競技種目もあるのです。選手たちが北京五輪に出場するに至るまでの努力・苦労を思いながら、全力を尽くして競い合う姿を応援し、楽しみたいと思います。


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2008/08/10 Sun 22:30:05
| #[ 編集 ]
>非公開コメントの方へ:2008/08/10 Sun 22:30:05
コメントありがとうございます。


>ロゲ氏が本気でオリンピックのあり方を変えたいのなら、とにかく石原都知事の東京を選ばないことです

う、うまい!!! 実に的確で皮肉が利いているので、思わず笑いが。
ロゲ氏は、必ず「本気」になってほしいですね。石原知事は、招待状をもらっている皇室行事にほとんど不参加なのに、なぜかオリンピックに皇室を政治利用しようとする、訳の分からん御仁ですから、オリンピックどころか、直ちに辞めてほしい気持ちでいっぱいですが。
2008/08/14 Thu 00:32:43
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
石原都知事、そんなに嫌わないで下さいな。
例によって、都民、国民の多くは、右スパイラルメディアによる過大評価、左巻きメディアにより過小評価された結果のイメージだけを見てしまっている部分が少なくないので。
私は、二期目までは彼に投票していましたが、明らかに老害が見られるようになったので(オリンピック、カジノなど愚の骨頂。 湾岸の未使用地はNYのセントラルパークみたいに、森にしてしまえば良いのです)、三期目は立候補自体に大反対でした。(身近に少し政治に関わっている、リベラル系の人が居たので、「加藤紘一を担げば勝てるぞ」と勧めたのですが...)

文学者、言論人としての示威は卓越していたが、政治家としては、自慰に耽溺する姿ばかりが記憶に残る結果となってしまった。
結局、プロの政治家にはなりきれなかった、と云うことなのでしょう。

さっさとリタイアして、残り少ない時間を、知事になる前に執筆に着手していたという、耽美主義的文学大作の完成に全精力を投入して欲しいものです。 初期石原作品のファンとしては。
2008/08/14 Thu 10:53:09
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
>rice_showerさん:2008/08/14 Thu 10:53:09
コメントありがとうございます。


>例によって、都民、国民の多くは、右スパイラルメディアによる過大評価、左巻きメディアにより過小評価された結果のイメージだけを見てしまっている部分が少なくないので。

そういう点はありますね。


>私は、二期目までは彼に投票していましたが、明らかに老害が見られるようになったので(オリンピック、カジノなど愚の骨頂。 

私利私欲と思えるようなオリンピック招致、築地市場を移転させ、跡地を2016年東京オリンピックのメディアセンターとする構想、都合のいいときだけの皇室の政治利用とくれば、危うさいっぱいです。正統派右翼ならずとも、都合のいいときだけの皇室利用はむかむかします。


>身近に少し政治に関わっている、リベラル系の人が居たので、「加藤紘一を担げば勝てるぞ」と勧めたのですが

加藤議員であれば真っ当な都政にはなるでしょうね。ただ、国政からいなくなるのはもったいないですが。


>残り少ない時間を、知事になる前に執筆に着手していたという、耽美主義的文学大作の完成に全精力を投入して欲しいものです。 初期石原作品のファンとしては

rice_showerさんは、読書の幅というか、興味の幅が広範囲ですね~。rice_showerさんが慧眼の持ち主であるのは、この辺りにもあるのかも……。といったらちょっと褒めすぎでしょうか。
2008/08/16 Sat 23:42:28
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
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