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2008/08/05 [Tue] 05:53:33 » E d i t
民主党が、就任したばかりの自民党の麻生幹事長に対し、「民主党をナチスになぞらえた発言をした」として反発、発言の撤回を求めています。


1.報道記事を幾つか。

(1) NHKニュース(8月4日 23時27分)

麻生氏のナチス発言 撤回要求

 民主党の鳩山幹事長は、記者団に対し、自民党の麻生幹事長が、民主党が政権交代を目指していることに関連して、「1回、やらせてみればいいということで、やってみた例は世界じゅうにあるが、かつてのナチスもそうだった」と述べたことについて、「許し難い暴言だ」として、撤回を求める考えを示しました。

 自民党の麻生幹事長は、就任のあいさつのため、江田参議院議長を訪ねた際、「今、民主党に政権を担当させてみればいいのではないかという声もあるが、そんなに簡単な話ではない。1回、やらせてみればいいということで、やってみた例は世界じゅうにあるが、かつてのナチスもそうだった」と述べました。

 これについて民主党の鳩山幹事長は、4日夜、記者団に対し、「許し難い暴言だ。民主党というより、政権交代を望んでいる国民に対して失礼だ。民主党が政権をとれば、ナチスのような政治を行うかのような印象を与えかねない発言で、撤回を求める」と述べました。

 これに対し麻生氏は、記者団に対し、「参議院できちんと審議しないのは、問題なのではないかという話をした。審議をしなければどうなるかという例で、ワイマール共和国の時代に、ナチスにやらせてみたらいいのではないかとなったのが歴史だ。審議をするのが大事だというのが趣旨で、民主党をナチスに例えたわけではない」と述べました。」



(2) 共同通信(2008/08/04 21:21)

民主めぐりナチスに言及 麻生氏発言に反発

 自民党の麻生太郎幹事長は4日、江田五月参院議長と国会内で会い、就任あいさつをした。複数の同席者によると、麻生氏は、民主党が参院第1党としての自覚を持つべきだと指摘した上で「かつてドイツはナチスに1回(政権を)やらせようとなって、ああいうことになった」と述べた。

 民主党は同党をナチス・ドイツに例えたと受け取れるとして「許しがたい暴言だ。撤回を求める」(鳩山由紀夫幹事長)と反発している。

 麻生氏は党本部で記者団に対し、審議を軽視するとナチスのような勢力が台頭しかねないとの懸念から「きちんと参院で審議することが大事だという話をしただけだ」と説明。民主党とナチスを重ね合わせる意図はなかったと強調した。

 同席者によると、麻生氏は「民主党は昨年の参院選で大勝したが、政権を取るつもりがあるの? それなら、もっとしっかりしてもらわなければ」とけん制し「国民は(政治状況を)一番見ている」と指摘。これに対し、民主党出身の江田氏が「国民はきちんと見ている」と応じたところ、ナチスに言及し「ナチスを国民が選んだ」と述べたという。

2008/08/04 21:21 【共同通信】」



(3) 読売新聞平成20年8月5日付朝刊2面

自民・麻生幹事長の「ナチス」発言、民主党が強く反発

 自民党の麻生幹事長は4日、就任のあいさつ回りで江田参院議長と会談した際、ナチスドイツを引き合いに民主党をけん制した。

 同党は強く反発している。

 国会内で江田氏と会談した麻生氏は「民主党も政権を取るつもりがあるのか。しっかりしてもらわないと(いけない)」と同党を批判した上で、「ナチスドイツも『1回(政権運営を)やらせろ』と言ってああなったこともある」と述べた。

 これに対し、民主党出身の江田氏は「言葉を返すが、民主党ではなく、国民が(自民党、民主党の)どっちを見ているかだ」と反論した。鳩山民主党幹事長も4日夜、都内で記者団に、「民主党が暴虐極まりない政治を行うかのような印象を与えかねない発言だ。例えとしても許される話ではない。撤回を求める」と不快感をあらわにした。

 麻生氏は4日夜、記者団に「(野党が多数の)参院で審議をしないとどうなるか。(ドイツが)昔、『(政権運営をナチスに)やらせてみたらどうか』といった結果どうなったか、という歴史があるので審議をするのが大事だという話をした」と釈明した。

(2008年8月4日23時32分 読売新聞)」

(*8月6日付追記:紙面の見出しでは、「ナチスに例え民主批判  麻生幹事長 早速失言」となっています。)




2.何度も問題発言を繰り広げてきた麻生幹事長ですが、民主党をナチス扱いし、「懸念された『舌禍』が始動初日に早くも飛び出した格好」(毎日新聞2008年8月5日東京朝刊)となりました。

(1) 麻生氏は、次のように発言していても、「民主党をナチスに例えたわけではない」と述べています。

 「自民党の麻生幹事長は、就任のあいさつのため、江田参議院議長を訪ねた際、「今、民主党に政権を担当させてみればいいのではないかという声もあるが、そんなに簡単な話ではない。1回、やらせてみればいいということで、やってみた例は世界じゅうにあるが、かつてのナチスもそうだった」と述べました。」(NHKニュース)

 「同席者によると、麻生氏は「民主党は昨年の参院選で大勝したが、政権を取るつもりがあるの? それなら、もっとしっかりしてもらわなければ」とけん制し「国民は(政治状況を)一番見ている」と指摘。これに対し、民主党出身の江田氏が「国民はきちんと見ている」と応じたところ、ナチスに言及し「ナチスを国民が選んだ」と述べたという。」(共同通信)

 「国会内で江田氏と会談した麻生氏は「民主党も政権を取るつもりがあるのか。しっかりしてもらわないと(いけない)」と同党を批判した上で、「ナチスドイツも『1回(政権運営を)やらせろ』と言ってああなったこともある」と述べた。」(読売新聞)


  イ:麻生氏は、「民主党も政権を取るつもりがあるのか。しっかりしてもらわないと(いけない)」と同党を批判したうえで、「民主党に政権を担当させてみれば」どうなるかとして、「ナチスドイツも『1回(政権運営を)やらせろ』と言ってああなったこともある」と述べたのです。

ここまで民主党が政権を担当することに対して問題視したのですから、「民主党をナチスに例えた」と受け取る方が素直です。「民主党をナチスに例えたわけではない」と述べていますが、それは無理な話です。


  ロ:議長は、慣例として党籍を離脱することになっています。

「議長は、「多数党リーダー」として行動するアメリカの連邦議会議長型と、「不偏不党」「公正中立」の英国下院議長型に大別される。日本の国会の議長の理想は後者である。そのため、第一党から議長、第二党から副議長を選ぶことや、正副議長はその任に就くと同時に党籍を離脱することが、昭和五十一年以来の慣例になっている。」(江田五月議員のHPより)



江田五月議員は、2007年8月に開かれた臨時国会において、参議院議長に選出され、党籍離脱の上就任していますから、江田氏に対しては、民主党と無関係に「公平中立」な「議院の長」として接することが要求されるはずなのです。

それなのに、麻生幹事長は、江田氏相手に民主党批判を繰り広げたのですから、三権の長の1人である「議院の議長」と民主党議員の違いが理解できていないという愚かさを露呈してしまっているのです。麻生氏が、江田参院議長に何か非難をするとすれば、それは参院での議長の議事運営といった点になるべきなのですから。


  ハ:民主党出身の江田氏が「国民はきちんと見ている」と応じたところ、麻生氏は、ナチスに言及し「ナチスを国民が選んだ」とまで述べている点も問題です。民主党を支持している国民について、「ナチスを国民が選んだ」と揶揄したのですから。

麻生氏は、後期高齢者医療制度について、ナチスによるユダヤ人隔離に例えられたことをまるで知らないようです(「後期高齢者医療制度問題:大戦前夜のナチスによるユダヤ人隔離を思い出す。(AERA5月5日号「平成雑記帳」(村薫氏)より)」(2008/05/02 [Fri] 05:23:47)参照)。

「後期高齢者」とは何か。大戦前夜のナチスによるユダヤ人隔離を思い出す。

 精神的に荒廃してゆく社会とはこういうことを言うのだろう。75歳以上の後期高齢者を、家族からも社会からも切り離し、専用の医療制度枠で一括する。ただでさえ体力も気力も理解力も低下している高齢者たちが、中身を読んでもさっぱり理解できない通知書を手に、役所や病院の窓口でおろおろする。4月に始まったこの光景を遠巻きに眺めながら、大戦前夜のナチスによるユダヤ人隔離のようだ、と思った。(以下、省略)」(「村薫『平成雑記帳』第37回」・『AERA』08.5.5(20号)94頁)


小泉政権下で「後期高齢者医療制度」が成立したことから、多くの高齢者が小泉政権を支持したことを悔いているのが現状です。「小泉純一郎氏の煽動に騙された、後期高齢者医療制度はまるで高齢者は早く死ねということと同じだ、あの郵政民営化選挙で自民党を大勝させたこそ、『ナチスを国民が選んだ』のと同じだった」と心から後悔しているのです。

後期高齢者医療制度を思い起こせば、麻生氏が「ナチスを国民が選んだ」と揶揄した発言は、気分が悪くなるほど悪い冗談としか思えないのです。「国民を煽動した小泉氏が元凶であって、自民党こそ、ナチスドイツではないか」と。

民主党の鳩山由紀夫幹事長は記者団に「民主党が政権を取ったら、ナチスの暴虐極まりない政治を行うかのような許されない発言だ。民主党を冒涜(ぼうとく)し、ナチスのようなものにひっかかっていいのかと、国民をもバカにしている」と批判しています(北海道新聞:08/05 02:50)。麻生氏の発言からすれば、「国民をもバカにしている」との評価は正しい評価です。



(2) 麻生氏は、次のように述べて、民主党が審議拒否していることを問題視しただけだと述べています。

「麻生氏は、記者団に対し、「参議院できちんと審議しないのは、問題なのではないかという話をした。審議をしなければどうなるかという例で、ワイマール共和国の時代に、ナチスにやらせてみたらいいのではないかとなったのが歴史だ。審議をするのが大事だというのが趣旨で、民主党をナチスに例えたわけではない」と述べました。」(NHKニュース)


民主党をはじめとする野党が審議拒否した事実があることは確かです。

しかし、自民党自身が審議拒否をしているのですから、麻生氏は「審議拒否」の点で民主党を非難できないはずなのです。

「【参院外防委】宮ミライズ社前社長証人喚問 自民・公明審議拒否」(2008/05/22)

「与党が審議拒否 長妻議員抗議 衆院決算行政監視委員会流会」(2007/07/04)


他にも、野党4党が参院に共同提案した後期高齢者医療廃止法案に対して、与党側が反発して審議拒否をしたことがあります。

後期高齢者医療制度 廃止法案可決へ 参院厚労委、与党は退席

 参院厚生労働委員会は五日午後、野党四党が提出した後期高齢者医療制度廃止法案を野党の賛成多数で可決する。与党側は同日午前、五日採決を三日に職権で決めた岩本司委員長(民主党)に対し、「強権的だ」として不信任動議案を提出したが与党の賛成少数で否決され、与党は退席した。野党は単独で審議を再開した。」(北海道新聞)


麻生氏の発言からすれば、自民党自身は一度も審議拒否をしたことがないかのようですが、そうした虚偽の事実を述べて他党を非難することは、自民党に対する不信感を増幅させるだけです。審議拒否に関して民主党を非難するのであれば、まず自民党こそ、審議拒否を止めるべきです。「槐より始めよ」ではないでしょうか。




3.最後に。

(1) 衆議院では与党優位、参議院では野党優位という「ねじれ国会」においては、どんな政策を実行するにも、与野党で協議して法案を修正して通すなど、与野党の協力関係が不可欠です。

それなのに、麻生幹事長は、福田改造内閣の当初から民主党をナチスに例えてしまい、反発を受けるような発言をしていて、しかも、自民党の審議拒否について頬かむりしておきながら、民主党が審議拒否をするのが悪いと言っただけと言い訳するのです。謝罪もなく、勘違いした民主党の方が悪いといわんばかりなのです。

民主党を「ナチスドイツ」に例えた発言をしておいて、今後、どうやって民主党と協力関係を築いていけるというのでしょうか。麻生氏は、首相候補として人気が高い政治家ですが、意外と政治的センスに乏しく、首相の資質に欠けた政治家であったようです。



(2) 「福田改造内閣が発足~小泉路線にピリオドをうったが、代わり映えがしない閣僚ばかり……。」(2008/08/03 [Sun] 17:55:03)で触れたように、有権者は選挙を意識して、福田首相が述べたように「国民生活重視、国民目線の政治」を行うのかどうか、福田改造内閣の動向を見つめています。

 「有権者も近づく総選挙に向けて、選択の準備に入ろう。どんな政策、政権を望むのか。これからの永田町の論戦に目をこらしたい。」(朝日新聞平成20年8月2日付「社説:福田新体制―船出した解散準備内閣」)」


「ねじれ国会」においては、民主党との協力関係なくして「国民生活重視、国民目線の政治」の実現は困難です。それなのに、麻生氏の発言を聞く限り、民主党との協力関係は望めず、「国民生活重視、国民目線の政治」の実現を最初から放棄しているように感じます。

こうなると、福田改造内閣、自民党には、ますます期待できなくなりました。来るべき衆院選においては、麻生氏の発言をよく心にとどめて、投票を行いたいと思います。


テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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コメント
この記事へのコメント
保守派がみな麻生支持だと思わないで下さいね。
漫画通が本物である事に疑いの余地は有りませんが、彼のフリーターの若者達へのシンパシーは偽物だと思いますよ。
売りである筈の経済についても、日和見ですし。 
“君子豹変、小人革面”
彼は「豹変する君子ではなく、面を革めるだけの小人」である、との見立てには、結構自信有ります。
2008/08/06 Wed 18:02:59
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
>rice_showerさん:2008/08/06 Wed 18:02:59
コメントありがとうございます。お返事が遅くなってすみません。


>保守派がみな麻生支持だと思わないで下さいね。

麻生氏は、安倍晋三氏が没落した現在、「保守の星」かと思ってましたが、違うのですね。


>彼のフリーターの若者達へのシンパシーは偽物だと思いますよ
>売りである筈の経済についても、日和見ですし

あらら。そうだったんですか。経済問題については、次々と発言していますよね。それが「日和見」だとすると、すっかり騙されている人が多いんでしょうね。
2008/08/10 Sun 00:44:02
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
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