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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2008/06/15 [Sun] 10:54:50 » E d i t
現在、「『叫びたし 寒満月の割れるほど』2008~福岡事件の再審開始を求めて~」という、キャンペーンが行われています。キャンペーン日程は、5月20日(福岡)から始まり、日本各地を回って6月23日までとなっています。



1.このキャンペーンためのチラシがあるので、その表面の説明を引用しておきます。

「叫びたし 寒満月の割れるほど」2008
~福岡事件の再審開始を求めて~


 この句は、28年もの間「無罪」を訴えながら、1975年6月17日、刑場の露と消えた西武雄さんの魂の叫びです。

 西さんは1947年に起こった「福岡事件」で、強盗殺人事件の主犯として死刑判決を受けました。しかし彼は逮捕されてから一貫して「冤罪」を主張、何度も裁判のやり直しを求めましたが、すべて棄却、その挙句に突然処刑されてしまったのです。

 彼は獄中で、約3000巻の写経と仏画を描き続けました。それは自らの罪を償うためではなく、「誰にも聞いてもらえないこの胸のうちを仏様に訴えるために、描き続けているのだ」と生前語っていました。

 2005年春、西さんの遺族らは、死刑執行後では史上初となる再審請求を福岡高裁に提出しました。それから3年が経ち、関係者が次々にいなくなる中、一刻も早い再審の開始を求めて、私たちは全国でキャンペーンを開催することにしました。今も起こる冤罪事件、その原点ともいえるこの事件の真実を明らかにするために、どうぞ皆様のお力をお貸しください。ご参加をお待ちしております。


キャンペーン日程
5月20日 福岡
  22日~25日 岡山
  30日~31日 静岡
6月1日~6日 京都・神戸
  10日~12日 横浜
  13日~14日 東京
  17日~23日 福岡
  23日 署名提出


主催:生命山シュバイツァー寺・福岡事件再審運動を支援する学生の会・福岡事件再審請求活動を支える会」







2.東京会場での日程は次のようなものでした。2つ引用しておきます。

(1) 「生命山シュバイツァー寺」の「キャンペーン日程」より。

「6月13日(金)~14日(土)
東京 パネル展、遺品展ほか  
 YMCAアジア青少年センター(水道橋)(千代田区猿楽町2-5-5)
(※13日は2階会議室で12時から午後9時まで展示、14日は地下1階スペースYにて午後1時から午後5時まで展示)
◎14日「福岡事件の真実を明らかに!~61年間の無実の訴え」
 午後1時開場、1時半開演~午後4時半終了予定。

プログラム(予定): 
基調講演(八尋光秀弁護士)、ビデオ上映、シンポジウム(土井たか子さん、森達也さん、落合恵子さんほか)
献曲コンサート(ウォン・ウィン・ツァンさん、鯉沼廣行さん、金子由美子さん)学生の会挨拶ほか
入場料大人2500円(前売り2000円)、大学生以下1000円(前売り共)」



(2) 東京新聞平成20年6月13日付朝刊25面「こちら特報部」

冤罪訴えたまま死刑「福岡事件」  再審で真実に光を

 戦後間もなく福岡市で起きた「福岡事件」の再審請求運動を伝えるパネル展が13、14の両日、東京都千代田区猿楽町のYMCAアジア青少年センターで開かれる。同事件で主犯とされた元死刑囚は、冤罪(えんざい)を叫びつつ死刑執行された。会場では、解説パネルのほか、元死刑囚が獄中で描いた絵や写経などが展示される。

 福岡事件は、1947年、福岡市で軍服の取引をしていた中国人と日本人の男性2人が射殺された事件。西武雄=当時(32)=と石井健治郎=当時(30)=の両元死刑囚ら7人が逮捕された。

 56年、最高裁で2人の死刑が確定したが、75年、射殺を認めた石井元死刑囚は恩赦で無期懲役に減刑。西元死刑囚は28年の獄中生活の末に死刑執行された。

 だが、西元死刑囚は逮捕から一貫して無実を訴え続けてきた。89年に仮釈放された石井元死刑囚も「西君は無実」と話し、2005年、西元死刑囚の遺族らは、福岡高裁に約40年ぶり6回目の再審を請求した。

 熊本県玉名市の生命山シュバイツァー寺は、教戒師として西元死刑囚らの訴えを聞いた先代住職の古川泰龍さんが、再審を支援する運動を展開。現住職の古川龍樹さんが引き継ぎ、今回のパネル展も企画した。

 「石井さんは入退院を繰り返し、早く裁判をしないと真実が闇に葬り去られてしまう。一刻も早い再審を」と龍樹さん。10―12日には横浜でパネル展を実施。学生らが訪れ、「戦後からこれまでの刑事司法に疑問を持った」「冤罪に関する活動に取り組みたい」などと感想を話した。

 14日午後1時半からは、作家の落合恵子さんや元衆院議長の土井たか子さんらが参加するシンポジウムやピアニストのウォン・ウィンツァンさんらによるコンサートも開かれる。同日のみ入場料が必要で、大人2500円、大学生以下1000円。

 問い合わせは、同寺=電090(6637)6423=へ。」



 
3.福岡事件については、「「死刑――存廃を問う前に」(第2回):「福岡事件」死刑執行後も無実の叫び~冤罪死刑もやむなしなのか?(東京新聞3月31日付「こちら特報部」より)」(2008/04/19 [Sat] 18:10:14)で一度触れているところです。


(1) 事件や裁判の経緯については幾分知っているつもりでしたが、パネル展をみてより深く知ることができ、有意義なものとなりました。数点の遺品も展示していました。手書きされている日記や句集を見て、西武雄さんの人となりの一端を知ることができました。

「彼は獄中で、約3000巻の写経と仏画を描き続けました。それは自らの罪を償うためではなく、「誰にも聞いてもらえないこの胸のうちを仏様に訴えるために、描き続けているのだ」と生前語っていました。」


西武雄さんが描いた仏画は、穏やかな表情をたたえた仏様であるのですが、罪を償うために描く仏や人々に仏教思想を伝えるための仏と、現世では聞いてもらえない無実の訴えを天に訴えかける仏との違いとはこういうものなのだと、理解できたような気がしました。もし、機会があれば、この静かな迫力に満ちた仏を見て頂きたいと思います。


(2) 東京会場でのシンポジウムの内容は、次回に触れたいと思いますが、気がかりに思ったのは、土井たか子さん、森達也さん、落合恵子さんといった話を伺いたいと思える方が参加したシンポジウムであるのに、参加者がそう多いとはいえなかったことです。このシンポジウムについての紹介記事があまりにも少ないこと(東京新聞のみでは?)も原因だとは思いますが。

日本は死刑制度を認めていますが、誤判を回避することはできない以上、死刑制度の存続は「福岡事件」のように冤罪で死刑にすることをも、認めることも意味しています。日本では、8割以上が市民が死刑制度の存続を認めているといいますが、冤罪で死刑にした事件(「福岡事件」)もあることを十分に知った上で、死刑制度の存続を認めるということなのでしょうか。

では、冤罪なのに死刑が執行された「福岡事件」のことを知っている市民はどれほどいるのでしょうか? 日本において死刑制度を存続させている根拠が市民の多数の意思であるのであれば、死刑冤罪である「福岡事件」のことを知り、その責任を背負う義務もまた市民にあると思うのです。


(3) 正直なところ、この事件では、死刑制度の存置の是非の議論は二の次といっていいかもしれません。

死刑制度の妥当性がどうであろうと、水責めなどの拷問による取調べや白紙に署名させて内容を勝手に捏造した調書に基づいて有罪にすることはあまりにも不当ではないでしょうか? 共犯者とされた者たちすべてが西武雄さんは全く無関係と述べているのに、有罪と認定したのは明らかな誤判ではないのでしょうか? この事件は、戦後間もない事件ですが、福岡事件を見直さないと、今でも行われている暴行脅迫による自白の強要、調書の捏造は、今後もなくならないのではないでしょうか? 

再審を開始して、福岡事件の真相を明らかにすること。これこそが最も強く求められていることだと思うのです。


1961(昭和36)年、無実を確信して福岡事件の再審開始を求める活動を開始したのが 「生命山シュバイツァー寺」の古川泰龍さん(2000年、80歳で死去)です。そして、古川泰龍さんと共にその死後も再審活動を続けているのがその古川さんのご家族です。40年以上という途方もない活動をごく一部の方たちが(活動資金や生活に苦しみながら)背負ってきたのですが、死刑制度を認めている以上、市民の側もその死刑冤罪の責任を背負う道義的義務があり、報道機関も報道する道義的義務があるというべきです。

多くの市民が、古川さんのご家族が主として行っている「福岡事件」の再審請求運動を広め、この活動について多くの市民の賛同・協力を求めたいと思います。


テーマ:法律全般 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
私も、京都でのシンポジウムを見学してきました。
死刑制度を肯定する日本人なら、この事件はぜひとも知っておかなければならないものだと思います。

それにしても、旧の刑事訴訟法下における死刑判決とは言え、新憲法は施行されていた時のものですから、当時の規範に当てはめても、拷問による自白を証拠排除すべきだったと思います。
やはり、戦勝国であった中国への配慮でしょうか…。

しかし、なによりも解せないのは、執行時の状況です。
死刑判決を受けた2人の共犯(とされた)者の内、1人には恩赦で無期減刑が、1人には恩赦却下の報告と同時に死刑執行が、同じ日に行われたということが不可解でなりません。
白鳥決定の1ヶ月後だけに、なおさら。
このように、非常に冤罪の濃い事件で死刑執行をしてしまうのは、為政者側にとってもハイリスクだと思えるのですが…
2008/06/15 Sun 14:05:08
URL | だいちゃん #EKOrzPb.[ 編集 ]
>だいちゃんさん:2008/06/15 Sun 14:05:08
はじめまして、コメントありがとうございます。


>私も、京都でのシンポジウムを見学してきました。

そうでしたか。
京都の方はきっと多くの方が集まったのでしょうね。東京の方も少ないというわけではないですが、多数集まったとは言いがたい状態でした。東京の方は関心が薄いのでしょうね、きっと。福岡事件のシンポジウムについて触れたのは東京新聞くらいでしたし。


>やはり、戦勝国であった中国への配慮でしょうか…。

そう思います。裁判所は、今も昔も変わらないというべきか、政治的な配慮をしたのでしょうね。


>死刑判決を受けた2人の共犯(とされた)者の内、1人には恩赦で無期減刑が、1人には恩赦却下の報告と同時に死刑執行が、同じ日に行われたということが不可解でなりません

この酷い扱いはなんだろうかと、思います。同じく冤罪を主張していた者への不合理な差別、恩赦を希望していた西武雄さんへの非人間的な扱い、当時行われていた親族との面会もなく執行したという不合理な扱い。

法務省としては、同時期に行うことで執行をし易くなるという便宜で行ったのでしょうが、非人間的な扱いに憤りを感じます。


>白鳥決定の1ヶ月後だけに、なおさら。
>このように、非常に冤罪の濃い事件で死刑執行をしてしまうのは、為政者側にとってもハイリスクだと思えるのですが…

白鳥決定については、近年でも、検察官出身の学者の中には、批判的な主張をしている者もいる(存命中か不明です)くらいですから、判決当時は、検察及び法務省としては強く反発していたのだと思います。

おそらくは、下級審の裁判官の中にも反発は少なくなかったのでしょう。誤判と扱われ、誤った判断をしたと糾弾されることに抵抗感があるはずですから。

白鳥決定は重要な判断であったのですが、それなのに大法廷での判断ではないため、最高裁の判事の中にも反発があったのかもしれません。

また、法務省としては、冤罪であっても、再審請求をする間を与えずに、死刑を執行してしまえば諦めるだろうという意識もあったのかもしれません。

今の意識としては、「為政者側にとってもハイリスク」だと思えますが、当時は、法務省、裁判所としても、白鳥決定への反発を背景として、冤罪を隠した方が得策であると判断したのではないでしょうか。
2008/06/17 Tue 00:40:38
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>京都の方はきっと多くの方が集まったのでしょうね。東京の方も少ないというわけではないですが、多数集まったとは言いがたい状態でした。東京の方は関心が薄いのでしょうね、きっと。

いえ、恐らく京都の方が小規模だったのではないでしょうか。
京都でのシンポジウムを企画していたのは、R大学のゼミ生さん達で、彼らを含めてみてもざっと50人くらいの、アットホームな感じでした。
法学部の学生さんと見受けられる人達が多かったことからすると、東京以上に関心が薄いと言えるのかもしれません、残念ながら。
刑訴法学者さん以外のゲストとしては、「家栽の人」の原作者である毛利甚八さんだけで、入場無料のやや地味なものです。
それでも、毛利さんは話がとてもうまくて、非常に良いシンポジウムでしたけど。
個人的には、毛利さんにサインをもらえて嬉しかったです(笑)

>今の意識としては、「為政者側にとってもハイリスク」だと思えますが、当時は、法務省、裁判所としても、白鳥決定への反発を背景として、冤罪を隠した方が得策であると判断したのではないでしょうか。

なるほど、白鳥決定の方が異端だったわけですね。
あるいは、親族が西さんから離れていってしまったため、誰も再審を求めるものはいないだろうとタカを括ったのかもしれませんね。

死刑制度の問題を考えるうえで、福岡事件は重要ですね。
八海事件の、死刑を恐れるが故の引張り込み自白の問題とあわせて、もっと世間に知ってもらいたい事件だと思いました。
その意味で、春霞さんのブログには勝手ながらいつも期待しています。
2008/06/17 Tue 02:21:48
URL | だいちゃん #EKOrzPb.[ 編集 ]
>だいちゃんさん:2008/06/17 Tue 02:21:48
コメントありがとうございます。


>法学部の学生さんと見受けられる人達が多かったことからすると、東京以上に関心が薄いと言えるのかもしれません、残念ながら。

じっくり確認したわけではありませんが、東京では法学部の学生さんは、そう多くなかった感じですね。そうなると、地域によって関心を寄せる方がだいぶ違うようですね。

東京の大学の法学者(今回のシンポジウムの出席者は除く)があまり関心がないせいでしょうか、シンポジウムに参加した学生さんが多くなかったのは。それともシンポジウムは日曜日だから学生さんは遊びに行っているのかな!? 


>刑訴法学者さん以外のゲストとしては、「家栽の人」の原作者である毛利甚八さんだけで、入場無料のやや地味なものです。
>それでも、毛利さんは話がとてもうまくて、非常に良いシンポジウムでしたけど。

地味であっても、話がうまい方のお話を聞けることほど、良いことはないです。


>個人的には、毛利さんにサインをもらえて嬉しかったです(笑)

良かったですね! そういえば、東京でのシンポジウムだと、サインをお願いするということをしたのかな~。


>その意味で、春霞さんのブログには勝手ながらいつも期待しています。

ありがとうございます。
2008/06/18 Wed 22:15:18
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
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2008/06/16(月) 22:32:34 | 晴天とら日和
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