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2008/06/13 [Fri] 06:09:01 » E d i t
世界保健機構(WHO)の移植担当理事ルーク・ノエル氏と国際移植学会会長のジェレミー・チャップマン氏は6月10日、衆院厚生労働委員会の小委員会で参考人として、「臓器移植法改正推進議員連盟」(河村建夫会長)の勉強会で話すため、来日しました。このお二人は、「臓器移植法改正推進議員連盟」の招きに応じたものです。



1.まず、日経新聞と東京新聞の記事を紹介しておきます。

(1) 日経新聞平成20年6月11日付朝刊38面

海外渡航移植は「臓器売買助長」 WHO理事が指摘

 臓器移植法の改正をめぐり、世界保健機構(WHO)の移植担当理事、ルーク・ノエル氏が10日、国会内で講演し、日本の移植医療の問題点などを指摘した。15歳以下の脳死移植を可能にすることなどを柱に同法の改正を目指す「臓器移植法改正推進議員連盟」(河村建夫会長)の招きに応じた。

 ノエル氏は自国内でのドナー確保の重要性を強調し、日本の国内での臓器提供数が先進諸国の水準から大きく立ち遅れている現状を指摘。自国外で移植手術を受ける「渡航移植」に触れ、「海外に渡って臓器移植手術を受けることは発展途上国での臓器売買を助長する」と述べた。」



(2) 東京新聞平成20年6月11日付朝刊24面「こちら特報部」

SOS臓器移植:WHO理事ら国会議員に警鐘  「自給自足 世界の流れ」

 衆議院で臓器移植法の改正案が審議される中で、世界保健機構(WHO)の移植担当理事ルーク・ノエル氏と国際移植学会会長のジェレミー・チャップマン氏が10日、衆院小委員会や超党派議連の勉強会で世界の現状を話した。ノエル氏は日本の臓器移植数が世界の中でかなり少ないことを指摘した上で、「各国は臓器を自給自足すべきであり、その流れになってきている。日本は(自国での臓器提供を)もっと考えるべきだ」と警鐘を鳴らした。 (片山夏子)

■国民の意識共有必要

 国際移植学会などは今年5月、臓器の商取引などに反対する「イスタンブール宣言」をまとめた。同宣言は「死体ドナー(臓器提供者)を増やし、自国での臓器移植を増やすべきだ」ともうたっている。WHOも1991年に発表した臓器移植のガイドライン以来、同様の方針を貫いており、その背景をノエル氏は、こう説明する。

 「91年以降、世界50ヶ国が臓器売買を禁止する法を制定したが、売買はなくならず、移植のために国境を越える移植ツーリズムも問題になっている。貧困者や社会的弱者が犠牲になっている。これをやめるためには、移植を国内で自給自足するしかない」

 残念ながら日本は、“優等生”とはいいがたい。

 2002年の人口100万人当たりの臓器提供者数(死体・生体臓器の合計)==を見ると、スペインが33.7人、米国が21.5人。欧州諸国の平均は16.6人であるのに対して日本では0.5人にすぎない。

 「人口100万人当たり80人になれば、自給自足できると推定されている。スペインは国を挙げて取り組み、ここ10年、死体からの臓器提供を増やし続けている」とノエル氏。

 日本は脳死下や死体からの提供が増えない上、現行法では15歳未満は臓器提供できず、子どもの心臓移植などは海外に頼るしかないのが現状だ。

 しかし、オーストラリアの腎臓内科医であるチャップマン氏は「以前は日本の子どもの移植も受け入れていたが、今はまず自国民を優先しており、受け入れができないのが実情」と説明。ノエル氏も「米独などは全移植の5%の外国人枠があるが、長期的に(一方的な)受け入れが続くかは難しい」とした。

 では、自給率をあげるためには、どうすればいいのか。

 臓器移植法改正の審議では、脳死下での、特に子どもの臓器提供の条件を緩めるか否かが議論の焦点となっている。勉強会に参加した議員からも、親が子どもの臓器提供を決めていいか、植物状態の長期生存者など(脳死が)疑わしい場合はどうするのか、などの質問が相次いだ。

 ノエル氏は「小児の脳死はこの30年の間に各国で判定基準が作られ、明確になっている。明らかなものだけを対象にしていくことを考えないと前に進まない」と現実的な対応を強調した。

 チャップマン氏によると、本人の提供意思が不明な場合は、近親者の同意で提供が可能な国が増えているという。「それだけでも提供の数は変わる。どう透明性を確保するか。国民への情報提供をどのように行い、教育や意識を共有するか。政治的に指針を明確にし、国全体と地域ごとの組織やシステムをつくることが重要だ」と同氏は話す。」

 (*「世界の臓器提供数」(2002年)についての図表は省略しました。) 





(3) これらの記事の中で、まず一番に指摘すべきところは次の点でしょう。
 

「ノエル氏は自国内でのドナー確保の重要性を強調し、日本の国内での臓器提供数が先進諸国の水準から大きく立ち遅れている現状を指摘。自国外で移植手術を受ける「渡航移植」に触れ、「海外に渡って臓器移植手術を受けることは発展途上国での臓器売買を助長する」と述べた。」(日経新聞)

 「91年以降、世界50ヶ国が臓器売買を禁止する法を制定したが、売買はなくならず、移植のために国境を越える移植ツーリズムも問題になっている。貧困者や社会的弱者が犠牲になっている。これをやめるためには、移植を国内で自給自足するしかない」(東京新聞)


臓器移植を必要とする患者数が多いのにもかかわらず自国で移植ができないので、移植が可能な外国へ渡航するのです。臓器移植ができなければ命に関わるとなれば、外国で移植することを止めることはできません。

臓器を必要とする人がいるからこそ、臓器を売る人がでてくるのですから、臓器売買を禁止するのであれば、臓器売買を厳しく取り締まるよりも、自国内での臓器移植を増やす方が効果的なのです。自国での臓器移植を増やさないからこそ、臓器売買を助長するという関係をよく理解するべきです。


  イ:他にも注目すべき点があります。

「日本は脳死下や死体からの提供が増えない上、現行法では15歳未満は臓器提供できず、子どもの心臓移植などは海外に頼るしかないのが現状だ。

 しかし、オーストラリアの腎臓内科医であるチャップマン氏は「以前は日本の子どもの移植も受け入れていたが、今はまず自国民を優先しており、受け入れができないのが実情」と説明。ノエル氏も「米独などは全移植の5%の外国人枠があるが、長期的に(一方的な)受け入れが続くかは難しい」とした。 」


いよいよ海外渡航しての臓器移植はできなくなることが明らかになったようです。もう待ったなしの状態です。日本での臓器移植の道、特に子どもの心臓移植の道を早急に探るしかなくなってきたのです。


  ロ:この自給率を上げる方法が最も参考になる点だと思います。

「では、自給率をあげるためには、どうすればいいのか。

 臓器移植法改正の審議では、脳死下での、特に子どもの臓器提供の条件を緩めるか否かが議論の焦点となっている。勉強会に参加した議員からも、親が子どもの臓器提供を決めていいか、植物状態の長期生存者など(脳死が)疑わしい場合はどうするのか、などの質問が相次いだ。

 ノエル氏は「小児の脳死はこの30年の間に各国で判定基準が作られ、明確になっている。明らかなものだけを対象にしていくことを考えないと前に進まない」と現実的な対応を強調した。

 チャップマン氏によると、本人の提供意思が不明な場合は、近親者の同意で提供が可能な国が増えているという。「それだけでも提供の数は変わる。どう透明性を確保するか。国民への情報提供をどのように行い、教育や意識を共有するか。政治的に指針を明確にし、国全体と地域ごとの組織やシステムをつくることが重要だ」と同氏は話す。」


ノエル氏によると、「小児の脳死はこの30年の間に各国で判定基準が作られ、明確になっている」そうです。各国で通用しているのであれば、日本でもその基準が当てはまらないという理屈は成り立たないのですから、日本でもこの判定基準に従って判断していくべきです。

チャップマン氏によれば、大事なことは、臓器移植のあり方について「政治的に指針を明確」して取り組むということになります。日本政府が、臓器移植は国民全体に関わることであるとして、臓器移植の増加のために日本国全体で取り組む問題であることを明確に打ち出し、「国全体と地域ごとの組織やシステムをつくる」ことを明確に表明する段階にきているのだと思います。




2.朝日新聞も記事にしていましたので、紹介しておきます。

(1) 朝日新聞平成20年6月11日付朝刊3面

揺れる臓器移植法  小児の脳死■厳格な意思確認

 海外での移植に望みをつなぐ重い心臓病の子を持つ親たちの声に押され、臓器移植法の改正議論が始まっている。現行法の施行から10年余。渡航移植を問題視する世界的な潮流に、日本の移植関係者も危機感を強める。だが「脳死を一律に人の死」とする改正案には反対意見も多い。 (野瀬輝彦、宮島祐美)

◆渡航手術に批判

 「人道的な対処とはいえ、日本の子どもたちの渡航移植を長期的に続けるのは不可能ではないか」。世界保健機構(WHO)のリュック・ノエル医療技術担当課長は10日、会見で話した。同日、衆院厚生労働委員会の小委員会で参考人として意見を述べるため来日した。

 国際移植学会などはトルコ・イスタンブールで開いた会議で5月上旬、宣言をまとめた。臓器の売買や商業化に全面的に反対した上で、自国内で死後の臓器提供を増やし、臓器を「自給自足」するよう各国に求める。

 日本は、臓器不足にあえぐ。日本臓器移植ネットワークによると脳死または心停止後の臓器提供は昨年1年間で105件。一方、移植を希望する人は計1万2328人に上る(2日現在)。

 臓器不足は、近親者らから臓器提供を受ける生体移植の数を押し上げ、いまや臓器移植の8割以上、肝臓移植の9割以上が生体移植だ。中国やフィリピンなどに渡り、貧困層から臓器を買う例もあると指摘される。

 脳死下でしか手術できない心臓の移植を待つ患者は、特に深刻だ。日本移植学会によると、88年以降に海外で心移植を受けた患者は計122人。うち0~9歳が39人、10~17歳が30人だった。提供者に年齢制限がない米国やドイツなどへ渡った。

 だが、毎年300件超の小児心移植がある米国でも、年60~100人近い子が心移植を待つ間に亡くなる。病院ごとに前年の移植件数の5%しか、外国人に門戸を開かないルールを設けている。欧州内でも同様の外国人規制がある。

 日本移植学会幹事の篠崎尚史・東京歯科大角膜センター長は「日本で子どもの心移植が難しいからといって、一方的に患者を送り出し続けることは、国際的に容認されない」という。

◆家族同意も論点

 「移植を受けられない子どもたちがいる。この問題に正面から向き合わなければならない」。超党派の国会議員が5月下旬に設立した議員連盟の総会で、会長に就いた河村建夫・元文科相(自民)は力説した。

 国会に提案されている改正案は3案。自民、民主、公明、国民新党の議員が加わるこの議連は、A案への改正を目指す。15歳未満の臓器提供を可能にしようと、今国会が閉会した後も議論を続け、秋の臨時国会での通過を目指す。

 A案は、本人が生前に拒否の意思を示していなければ、家族同意のみで提供できるとする。

 内閣府調査(06年)では、脳死後に臓器提供したいと希望する人が4割なのに対し、臓器提供の前提となる意思表示カード(ドナーカード)を所持する人の率は8%。カードによる厳格な本人の意思確認が、提供増を阻んでいるという意見がある。

 市立札幌病院救命救急センターの鹿野恒・副医長は「臓器を提供したい人は実は多いはずだ。2つの数字の差を埋めるには法改正した方がいい」と説明する。

 しかし、A案の最大の特徴は脳死を一律に人の死とする点。「全国交通事故遺族の会」の井手政子理事は、突然の交通事故で混乱の極みにある家族に臓器移植への同意を判断させないでほしい、との思いから昨年12月、衆院の小委員会でA案への反対を表明した。「脳死が人の死かどうかは、国民の生と死にかかわる重大な問題。誠実に議論を重ねてほしい」と訴える。

 家族の同意で15歳未満の子からの臓器提供が可能になることへの抵抗もある。虐待が見逃される恐れがあるからだ。日本小児科学会も06年、虐待児からの臓器移植を防ぐ態勢が整っていないとして、B案を支持する考えを示した。B案を推す議員の一人は話す。「児童虐待の問題を解決できない限り、A案は絶対に認められない」

◆脳死容認半数 変わらぬ世論

 改正議論の背景には、97年の施行時に「3年後に見直す」とした付則の存在がある。にもかかわらず、10年以上が経過しても見直しが実現しない現状に、改正を訴える国会議員からは「政治の不作為と批判されかねない」という意見も出ている。

 10年近い議論と法案の提案、廃案、修正を経て法は成立した。だが脳死をめぐる国民意識には今も大きな変化はみられない。朝日新聞が07年10月に実施した世論調査で、脳死を認める人はほぼ半数。92年から99年までに計5回実施した調査とほぼ変わっていない。

 「現行法は妥協の産物と言われる。でも、10年たってもA案まで世論が進んでいないのは、我々の社会が持っている死生観の表れではないか」。東大大学院の清水哲郎教授(死生学)は話す。臓器移植をする際だけ、脳死を人の死と認める「ダブルスタンダード」。それこそ日本人の考えかたに適した仕組みだったのでは、という見方だ。

 一方、「現在の医療態勢のままA案が実現しても現場は混乱するだけで臓器提供は増えない」と指摘する声もある。移植の前提となる法的脳死判定には、通常の臨床判断より時間や人手がかかる。脳死患者が多い救急医療の現場は慢性的に人手不足で、負担感が強い。都立墨東病院の浜辺祐一・救命救急センター長は「救急医は目の前の人を助けるのに必死だ。A案が実現すれば、脳死になった途端、その患者から医師は離れることになる。それが日本人が求める終末期なのだろうか」と話す。」


<キーワード>脳死 脳の病気やけがなどで大脳、小脳、脳幹など脳全体の機能が失われ、回復不可能な状態。心臓は動いているが人口呼吸器なしに維持できない。一方、植物状態は、呼吸機能などをつかさどる脳幹が働いており、回復の可能性もある。」

(*「現行法と改正3案の主な違い」と、「人口100万あたりの脳死下での臓器提供の件数(03年)」の図表は省略しました。




(2) 朝日新聞の記事を見て思うのは、A案成立の厳しさです。

「A案の最大の特徴は脳死を一律に人の死とする点。「全国交通事故遺族の会」の井手政子理事は、突然の交通事故で混乱の極みにある家族に臓器移植への同意を判断させないでほしい、との思いから昨年12月、衆院の小委員会でA案への反対を表明した。「脳死が人の死かどうかは、国民の生と死にかかわる重大な問題。誠実に議論を重ねてほしい」と訴える。

 家族の同意で15歳未満の子からの臓器提供が可能になることへの抵抗もある。虐待が見逃される恐れがあるからだ。日本小児科学会も06年、虐待児からの臓器移植を防ぐ態勢が整っていないとして、B案を支持する考えを示した。B案を推す議員の一人は話す。「児童虐待の問題を解決できない限り、A案は絶対に認められない」(中略)

 「現行法は妥協の産物と言われる。でも、10年たってもA案まで世論が進んでいないのは、我々の社会が持っている死生観の表れではないか」。東大大学院の清水哲郎教授(死生学)は話す。臓器移植をする際だけ、脳死を人の死と認める「ダブルスタンダード」。それこそ日本人の考えかたに適した仕組みだったのでは、という見方だ。

 一方、「現在の医療態勢のままA案が実現しても現場は混乱するだけで臓器提供は増えない」と指摘する声もある。移植の前提となる法的脳死判定には、通常の臨床判断より時間や人手がかかる。脳死患者が多い救急医療の現場は慢性的に人手不足で、負担感が強い。都立墨東病院の浜辺祐一・救命救急センター長は「救急医は目の前の人を助けるのに必死だ。A案が実現すれば、脳死になった途端、その患者から医師は離れることになる。それが日本人が求める終末期なのだろうか」と話す。」


<1>臓器提供側になる、(交通事故に遭った)成人と児童に関わる人たちがA案に反対し、<2>潜在的な臓器提供の裏づけとなる国民の死生観としてもA案にまで賛成が広がっておらず、<3>臓器提供者となりうる者を診断している救急医もA案に消極的なのです。

これでは、臓器提供側に立つ者がほとんど反対といえるのですから、A案の実現は相当に困難であるばかりか、A案が成立しても臓器提供者はほとんど増加しないでしょう。国民の死生観はどう変えるというのでしょうか。


そうはいっても、臓器移植の必要性があり、自給自足するしかない状況に迫られているのです。朝日新聞や日経新聞の記事には、なぜかルーク・ノエル氏しか来日したようにしか出ておらず、なぜか自給率を上げる対策を述べたことを引用していませんが、その対策こそ大事なはずです。

東京新聞からもう一度引用しておきます。

「ノエル氏は「小児の脳死はこの30年の間に各国で判定基準が作られ、明確になっている。明らかなものだけを対象にしていくことを考えないと前に進まない」と現実的な対応を強調した。

 チャップマン氏によると、本人の提供意思が不明な場合は、近親者の同意で提供が可能な国が増えているという。「それだけでも提供の数は変わる。どう透明性を確保するか。国民への情報提供をどのように行い、教育や意識を共有するか。政治的に指針を明確にし、国全体と地域ごとの組織やシステムをつくることが重要だ」と同氏は話す。」


「現実的な対応」と「政治的に指針を明確」にすること。これらは、日本の政治家や行政(さらにはマスコミも)にとって最も難しい課題といえるのですが、市民の側が臓器移植の拡大を要求し、政治家や行政に迫るしかないように思います。もっとも、修復腎移植の肯定という「現実的な対応」さえも、厚労省は賛同しない状況では、相当に困難であるのですが……。


テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
私は“全部持ってけ泥棒!”の意思表示をしたカードを常時携帯していますが、だからと言って、脳死が完全な死だとは思っていないし、現行の脳死判定基準にも疑問無しとしません。 現存する計測器の測定感度が死を判定している、のが現実で、稀に有る生還者の場合、ごく微弱な脳波は存在していて、脳は未だ死んでいなかった、と判断するのが妥当でしょう。 
この話ご存知でしょうか。(小松美彦氏の著書で紹介されていたと記憶)
「脳死者から臓器を取り出す手術の際、メスを入れようとすると、死体の脈拍、血圧が上がったり、発汗したり、場合によっては動いたりするのだと。  俺は未だ死んでねぇ、止めてくれ、と言っている様にしか見えない。 だから執刀医は“麻酔をかけてから”摘出手術を行う」 ホラーとコントの混じった不気味な話。

私が危惧するのは「臓器移植こそが全く常識的な治療」とされることにより、生還のメカニズム、人工臓器、ES細胞などについての研究が疎かになりはしないか、と言うことで、日本政府は「脳死者の臓器を使用する臓器移植は、現行におけるベストであるが、将来においては2nd best、3rd bestとなる可能性がある」と認識し、これに頼らない技術の研究、開発への資金援助をもっと充実させて欲しい。 
2008/06/15 Sun 10:41:23
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
>rice_showerさん:2008/06/15 Sun 10:41:23
コメントありがとうございます。


>私は“全部持ってけ泥棒!”の意思表示をしたカードを常時携帯していますが、だからと言って、脳死が完全な死だとは思っていないし、現行の脳死判定基準にも疑問無しとしません

脳死判定基準への疑義はずっとありますよね。ただ、私は、自己がいつ死ぬのかはそれも自己決定権の1つだと思います。ドナーカードで示したように、自己の意思で脳死という死を選んだのですから、それで割り切っていいのではないかと思うのです。


>この話ご存知でしょうか。(小松美彦氏の著書で紹介されていたと記憶)
>脳死者から臓器を取り出す手術の際、メスを入れようとすると、死体の脈拍、血圧が上がったり、発汗したり、場合によっては動いたりする
>俺は未だ死んでねぇ、止めてくれ、と言っている様にしか見えない

情報ありがとうございます。小松美彦氏の著書ですね。その反応を「ラザロ兆候」(脳死者に刺激をすると脊髄反射によって四肢が動いたり、血圧が上昇したりする現象)というそうです。

その「ラザロ兆候」については、教えてgoo!の「何故脳死者は、臓器摘出の時、ラザロ兆候を起こすか?」で詳しく説明しているようです。↓
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1407449.html?ans_count_asc=20


>私が危惧するのは「臓器移植こそが全く常識的な治療」とされることにより、生還のメカニズム、人工臓器、ES細胞などについての研究が疎かになりはしないか、と言うことで、

人工臓器、ES細胞などについての研究は大事ですよね。特にES細胞は、目的とする必要な細胞、組織、器官を意図的に作り出し、さまざまな治療に生かせるので、ぜひその研究を進めてほしいです。臓器移植ですと、免疫抑制剤を飲み続けなければならないなど問題が残るのですから、そうした問題のない方法の発展を望みます。ぜひ多くの資金を投入してほしいです。

ただ。(人工臓器は、人口骨など幾つか実現しているものの)人工臓器は埋め込む形の腎臓を開発できていませんし、ES細胞による臓器の実用化となると、20年、30年先のことでしょうか……。残念ながら。


>日本政府は「脳死者の臓器を使用する臓器移植は、現行におけるベストであるが、将来においては2nd best、3rd bestとなる可能性がある」と認識し、これに頼らない技術の研究、開発への資金援助をもっと充実させて欲しい。 

「政治的に指針を明確」にすることを強調したのは、米国政府が使用できる臓器はすべて使用できるようにすると指示を出して、臓器移植へ取り組んでいるからです。↓をご覧ください。

「米国政府は2003年より「臓器ドナー現状打破共同作戦」を開始、より高齢者、乳児、C型肝炎やB型肝炎、糖尿病の患者、同性愛者、麻薬中毒者、さらにはがんの既往のあるドナーからの臓器を移植に利用し始めており、米国医学協会も「予期されなかった者を含む心停止後のドナーからの腎臓も使用するように」と提唱しているという。
 「病院では潜在的なドナーの家族に臓器提供の意思を尋ねなければならない。運転免許を更新する際には臓器提供の意思があるかどうか尋ねなければならないなどのルールができ、全米58の臓器獲得機関に対して政府が達成目標を決定し、最低限の要求を満たさなければ、資格を失います。さらにはドナー家族へのフォローアップ、各種の啓蒙活動も行われてきています」とその具体的な取り組みを紹介した。」
http://www.tokushukai.jp/media/rt/567.html

「米国がドナー不足をどれほど深刻に考えているかは、政府が予算を出して臓器獲得をあらゆる方法で支援していることでわかる。
 ハワード氏によると、連邦政府の下で全米で58の臓器獲得機関が稼働している。臓器獲得の専門職員が移植コーディネーターを配属したり、病院に臓器提供を呼び掛け、ドナーの家族の支援も行う。」
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-370.html

米国は、政府主導で臓器移植に取り組んでいるのです。他の国では、政府主導でという話は聞きませんが、積極的な取り組みをしていることは確かです。

日本でも、家族に腎臓提供者がいる場合は、血液型が違っていてもリンパ球クロスマッチ陽性であったとしても移植可能となるように移植技術の改善を図っているなど、移植技術は高度に発展しています。医師の努力で。しかし、臓器を作り出すことはできませんから、深刻なドナー不足のままです。

日本政府は、米国などと異なり、臓器移植への取り組みは今一歩です。臓器移植法の改正さえもできない状態ですし。しかし、今、現在深刻なドナー不足なのであり、ES細胞による臓器の実用化は遠い将来のことなのですから、今、ドナーを必要とする患者は見殺し状態です。覚悟を決めて現実を見つめた取り組みを、日本政府(及び国会)に求めたいのです。
2008/06/16 Mon 23:59:48
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>「臓器移植こそが全く常識的な治療」とされることにより、生還のメカニズム、人工臓器、ES細胞などについての研究が疎かになりはしないか
と私が危惧するのは、昨年だったか、「ブッシュ政権下、受精卵の使用が禁じられた故に、羊水内の胚細胞を利用してES細胞の樹立に成功した」(←うる覚えですし、再確認する気力も無いので、不正確かも)いうニュースに接した時、臓器移植が禁止されれば、医学者は必死こいて新たな治療法研究に邁進するだろうが、臓器移植で良い、となればモチベーションが下がるだろう、と感じるから。 
特に生還のメカニズムについては、気合を入れて研究して欲しい。 
私の気持ちは、「私は脳死が死であると言う判定でよい、受容する。 だから、臓器は全部有効活用してくれ。 但し、医学者の非力、努力不足、或いは怠慢で“そういうことになっている”可能性を否定しないから、メスを入れる時は思いっきり暴れてやる、覚悟せぇ!!!」でしょうかね。
2008/06/17 Tue 11:03:11
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
>rice_showerさん:2008/06/17 Tue 11:03:11
コメントありがとうございます。


>臓器移植が禁止されれば、医学者は必死こいて新たな治療法研究に邁進するだろうが、臓器移植で良い、となればモチベーションが下がるだろう

臓器移植を禁止すれば、移植医は失業するでしょうけど、最も困るのは心臓移植など切実に臓器移植を必要とする患者です。臓器移植の禁止は、好ましくありません。禁止するというつもりで、新たな治療法研究に取り組んでほしいということなのでしょうけど。


>「臓器移植こそが全く常識的な治療」とされることにより、生還のメカニズム、人工臓器、ES細胞などについての研究が疎かになりはしないか

人工臓器の研究は医学と工学の双方の協力で行うものですから、医学の分野で何とかできる話ではないです。

胚性幹細胞(ES細胞)は受精卵を壊して作るため、生命倫理や移植での拒絶反応が問題になってために、山中教授のチームが人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り出したことが大々的に報道されました。これは、人の皮膚細胞などから作るため、倫理上の問題や拒絶反応を回避できるため、将来の見通しが可能になりましたが、これも実用化はまだまだです。

人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究は重要ですし、ぜひ多くの資金を投入してほしいとは思いますが、実用化未定の技術にすぎないので、明るい未来像は抱いていません(新聞報道ははしゃぎ過ぎと感じました。)。クローン研究のように頓挫する可能性も十分にあるのですから。

臓器移植の拡大問題は、政治主導や立法で拡大を図るしかないという政治問題ですね。臓器移植法ができる前は、実際に移植を行う臨床医の努力で拡大もできましたがそれも無理です。修復腎移植も禁止ですから、臨床医の努力で何とかできる問題ではなさそうです。

コメント欄でも分かるように、「臓器移植」へ疑問を抱く医師もいるほどであり、「臓器移植こそが全く常識的な治療」とされるような共通認識には至っていないようです。

「生還のメカニズム、人工臓器、ES細胞などについての研究」(実現している人工臓器は除く)は遠い未来の話、これに対して臓器移植の問題は今早急に必要な現実の話として、別問題であって、関わる者も別個として考えてほしいと思います。
2008/06/18 Wed 01:01:47
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>「生還のメカニズム、人工臓器、ES細胞などについての研究」は遠い未来の話、これに対して臓器移植の問題は今早急に必要な現実の話として、別問題であって、関わる者も別個として考えてほしいと思います<
よーく、分ります、リアリストですから、私は。 だから「全部持ってけ泥棒!」なのです。
が、「人類の進歩と調和」のため、“遠い未来”を可能な限り“近い将来”に実現する、そういうことに貢献し、レスペクトされる日本であって欲しい、と突然ロマンチストにもなるわけです、右翼ですから、私は。
ヒトゲノム計画がスタートした時点で、作業終了は2030年頃と予想されていました。 でも、実際には2003年に終了してしまったことはご承知の通り。
世界中の知が、切羽詰って、或いは夢中になって取り組むと、必ずドラスティックな技術的ブレークスルーが有るわけで(半導体関連の仕事に関わっているので度々実感させられます)、この点未だ人類を諦めていないオプティミストなんですね、私は。

2008/06/18 Wed 02:50:10
URL | rice_shower #UXr/yv2Y[ 編集 ]
>rice_showerさん:2008/06/18 Wed 02:50:10(やはり少し追記)
コメントありがとうございます。


>よーく、分ります、リアリストですから、私は。 

そうなんですよね~。どうも書いていて違和感があって。


>が、「人類の進歩と調和」のため、“遠い未来”を可能な限り“近い将来”に実現する、そういうことに貢献し、レスペクトされる日本であって欲しい、と突然ロマンチストにもなるわけです、右翼ですから、私は。

なるほど。いいですね~。臓器移植法の改正の見通しも未定であるばかりか、臓器移植の拡大を説くことでさえ、時として非難が寄せられる身としては、すっかりロマンを語る気持ちがなくなってしまっているものですから。

rice_showerさんのロマンを語る気持ちに払拭されて、気持ちを思い直してみることにします。未来はまだ誰にも分からないのですから!


<6月20日追記>

臓器移植の問題は、個人の死生観にかかわる問題であり、個々人では一致を見ることができない問題であるからこそ、医師の側の問題ではなく、政府(及び国会)が政治決断を行うべき問題だと思います。修復腎移植問題も同じです。

ところが臓器移植法制定から10年を超えているのに、未だに改正されず、決断を行っていません。日本政府が政治決断をぐずるのはいつものことですが。

(政府や国会が)遠い未来の医療について思いをはせるのもいいが、今すぐにすべき臓器移植拡大という問題に立ち向かって欲しいと、切に願うのです。
2008/06/19 Thu 06:34:22
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
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臓器漂流 ― 移植医療の死角 ― 著者 産経新聞論説委員 木村良一様 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=%91%9F%8A%ED%95%59%97%AC 「「臓器漂流」 ― 移植医療 の死角 ― 」 を昨日購入しました。 著者は産経新聞社の論説委員・木村良?...
2008/06/13(金) 20:31:25 | 修復腎移植推進・万波誠医師を支援します
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2008/06/18(水) 15:15:11 | Ťκ?
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